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#1006 本田議員の活動報告会へ出かける(2)システム投資7億円 Apr.19, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 本田市議の活動報告会で質問をして、ふと疑問に思ったことがある。
 
 昨日のブログに書いたが、6年前のニホロ移転案の総事業費80億円超(当時の噂では90億円)のときにシステム投資が5億円だった。そのうちのオーダリングシステムはすでに2億円前倒しで実施している。だから、前の計画のままでも、システム投資は3億円のはずだが、なぜか5億円のままになっている。だれもそのことを指摘しない。市民整備委員会も市議会病院建て替え特別委も市長の翼賛機関と成り果てているのではないか。

 このシステム開発と開発予算全体について、市議会は業務監査請求をしてもらいたい。基本手順に忠実に仕事をすれば1億円ですむかもしれないものが、7億円もかかってしまう。
 概略仕様書も作らずに杜撰なやり方をすればシステム開発費は何倍もかかる。使っているのは税金である。このような無駄が二度と起きないように、業務監査をして仕事のやり方、問題点を指摘し、改善をしてもらいたい。

 病院事務局がシステム案件に必要な人材・能力を欠いているように見える。概略仕様書も作らずに発注しているとすれば、とんでもない話だ。業者のいいなりだろう。

 大きなシステムを導入するときは実務の見直しがされ、新たな実務デザインがなされる。この段階の仕事は業者がやるのではなく病院事務局の仕事だ。現場の人間のニーズを取りまとめ、予算に合わせて要求仕様をカットする。そして実務デザインをして概略仕様書をまとめ、まず院内のプロジェクトでオーソライズする。そして業務フローチャートを含めた概略仕様書を病院建て替え特別委へ提出する。病院建て替え特別委は提出された概略仕様書をチェックし、予定金額が妥当かどうかを判断する。必要書類がなければ特別委は判断の仕様がないはずだ。

 たとえば、カルテの管理を例に挙げよう。現在は外来診察ブースに置いているのではないか?カルテを一括管理すれば、ブースにカルテをおく必要がなくなり、ブースはたんなる「外来診療室」となり、カルテ保管・整理機能をブースの中に確保する必要がなくなる。30のブースは半分の15もあれば十分だろう。入院病棟担当医師のほうが多いから、外来担当医師は10人程度が実態ではないのか?現行業務の見直しはなされたのか?なされていれば、新しくデザインされた実務フローチャートがあるはずだ。病院建設特別委へ資料はすべて公開すべきだ。

 わたしが3年半前に入院した釧路医師会病院では、カルテは受付で一括管理されていた。診察カードを入力すると同時に、事務職員がカルテを取り出し外来ブースの受付へ回す。外来ブースの受付は一本化されており、受付処理をした後、担当医を確認して、担当医のブースへ回す。診察が終われば逆のコースを取って、総合受付へ戻され、会計で精算が行われる。
 このようにすれば、診察ブースに現在のように多人数の看護師は必要なくなる。看護師の充足が難しいと聞いたが、実務設計を見直してカルテ管理を一本化すれば仕事は合理化できる。少ない人数で労働強化をせずに倍の仕事量だってこなせるようになるものだ。外来で浮いた看護師は入院病棟へ回ってもらえばいい。システムの入れ替えは仕事の見直しのチャンスだ。大きな業務改善ができるような実務設計が可能だ。
 実はそういう実務デザインがなされていないのではないか。医者や看護師、薬剤師、レントゲン技師、検査技師などの意見を聞いて集めただけで、仕様の絞込みとか、実務設計をやっていないのではないだろうか?
 やっていれば、2億円もシステム投資が増えるわけがない。
 病院建物も大事だが、建て替えをきっかけにして、中身が、仕事のやり方や働く人々の意識が変わらなければならないのではないか?意識改革の必要を強く感じる。
 
 比較のために売上300億円、社員と準社員約2000名規模の会社が東証Ⅱ部へ上場するするときに統合会計情報システムを開発したが、84年当時の金額で5億円である。幹事証券会社は東証Ⅱ部上場でこれほど巨額のシステム投資は例がないと言っていた。その会社は当時40億円以上の経常利益をあげていた。
 売上規模は10分の1以下、年間12億円の実質赤字の病院が7億円のシステム投資など狂気の沙汰だ。とても出せる金額ではない。病院事務局はそろいもそろって全員金銭感覚がおかしくなっているのではないか?

 どうやらコストカットの意識はゼロだ。それどころかどんどん増えている。病院事務局と病院建て替え特別委と市長は集会を開いて市民へ説明すべきだ。病院事務局は基本設計や購入機器リストなど一切の情報を公開すべきだ。
 病院建て替えは、システム一つとっても、かくもずさんな仕事で進められている。

 病院コンサルタントの提言は総事業費30億円での建て替えだった。市長を含めて、市の幹部を50人も集めて商工会館で行った講演会での提言である。いったい、あの提言はどうなったのか?まさか忘れたわけではあるまい。実施設計はストップして計画をゼロから見直すべきだ。

 言いたいことはこうだ。各自がその職責を誠実に果たせと言うことだ。正直・誠実に仕事をすればほとんどのことは解決できる。市長が市民に十分な説明をせず、あろうことか虚偽の説明をしてきたことは「ニホロ移転案」のときからあきらかだ。市議会病院建て替え特別委や整備市民委員会が市政チェック機能を誠実に果たしていたらこういうことにはならなかった。また、病院事務局の責任者およびメンバーが己の職務を自覚して誠実に仕事をしていたらこういうことにはならなかったはずだ。
 関係者すべてが不誠実な仕事をすることで、総事業費62億円の概算予算が既成事実化し、実施設計へと「暴走」している。非常に残念だが、これが根室の実態である。

 このままでは病院事業で年間最大20億円もの赤字が出て根室市の財政破綻はそう遠くない。見直しせずにこのままやってしまったらアウトだ。取り返しがつかない。ツケは病院職員、市役所職員、患者に回ってくるだけではない。夕張では小学校や中学校が1校に統廃合される。子どもたちへも、学校の先生にも影響は及ぶ。夕張を見れば、市民で影響のない人はいないといってよいだろう。 

【チャレンジ】
 まだ間に合うかもしれない。関係者が集まり、成央小学校を花咲小学校へ統合する。PTAにも協力をお願いすればいい。根室の町の将来のためだ。乗り越えられない困難はない。
 計画をいったん白紙にして、毎週日曜日に総合文化会館の一室で公開の議論をして建築仕様をまとめていく。資料を全部公開して、関係者や必要な技能を有する市民が集まればなんとかなる。正直に、誠実に仕事をすればいいだけだ。
 根室市の地域医療を決めることになるから、臨時の市議会を召集して必要な決議をすればよい。なせばなる。市長や病院事務局職員、市議たち、そして根室市民のやる気が問われている。


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