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#1003 市立病院建て替え交付金10億7千万円追加-081 Apr.17, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 市立病院建て替えの交付金
   
10億7千万円追加
【根室】市立根室病院建て替えの追加財源として期待されていた内閣府の地域活性化・公共投資臨時交付金について、道内の配分額を決める道は16日、根室市への配分額を10億7200万円と決め内示した。
 建て替えの総事業費は概算で62億1500万円。これまでに、厚生労働省の医療施設耐震化臨時特例交付金11億9200万円が決まっており、市は起債(借金)を減らすためにさらなる補助金の獲得を目指していた。
 これで国の交付金の合計は、総事業費の36%に当たる22億6400万円となった。・・・
 長谷川俊輔市長は「病院建設の本年度着工に向けて大きな弾みになる」と話している。(幸坂浩)
              4月17日北海道新聞根室地域版より抜粋

 著作権との関係上いろいろむずかしい問題があるようだから、全文引用は差し控えることにする。そういうわけで50年のお付き合いの道新との信義の関係上、一部をカットしたので詳しくは新聞記事を読まれたい。東京でブログを見ている人は北海道新聞の根室地域版の記事を見る術がない。道内の他地域に住む人もだ。そして取材に走り回ってくれている幸坂記者の記事を一文字でもカットすることは辛い。ほんとうはきちんと全文紹介したい。不便な世の中になった。
 (学術論文なら、出典を明らかにすれば引用は何の問題もない。ブログへの引用もそういう扱いをしてもらいたい。)


 一事業について交付金を二つ受けることはできないという話だったが、道は「特例」として認めたようだ。つまり、病院建て替えに道庁がゴーサインを出したと読んでいいのだろう。
(道内の配分額は道庁の裁量である。耐震化交付金が決まり、それに対して追加補助の補助金を認めておいて、建て替え起債にノーをいうのは通常ありえない。行政の面子が丸つぶれになるからだ。後は形式審査で、好い加減な経営改善計画でも書類がそろっていればOKだろう。4/18-11時16分追記)

 本田市議のブログを見ると、基本設計は3月に納品されたようだ。実施設計予算が認められているので基本設計を承認したら、実施設計に入ることになる。
 建て替え特別委は議事内容を非公開*にしてなにやら作業している様子あり。市民に情報を隠していいことは一つもない、ガラス張りでおやりになることを勧めたい。

 一方で昨年の議会での市長答弁だと3月までに出されるはずだった損益計画ができていない。病院コンサルタントの提言、総事業費30億円の2倍もの巨費を投じて現地で病院を建て替えてしまえば、大きな借金が残り、病院事業損益への負担となる。前年度の病院事業実質赤字額12億円をベースに考えれば、16億円超の年間赤字になる。
 道からの派遣医の引き上げが再来年からはじまる。補充の目処いまのところない。仮に3年後に常勤医が昨年度よりも4人減員になれば、病院事業赤字額は年間20億円を超えることになる。 
 たとえば、屋上へのソーラパネル設置や外断熱のように経常費負担を少なくするような建築仕様が検討されたのかも不明である。
 療養病床の問題も置き去りにされたままである。地域医療のビジョンが明らかにされていないから、このままではこの町の老人医療はこれから重大な危機を迎えることになりかねない。介護度4や5の老人が増え続けている。

 市長および根室市は、周辺データや損益見通しを公表して市財政への影響を市民へ周知すべきだ。仕事は誠実に・正直にやるべきだ。公僕として本来の姿だろう。

*本田市議のブログへ
 http://nimuoro.typepad.jp/honda/2010/04/post-91af.html

 出張医で、循環器専門医であった江口医師が退職された。送別会の様子がブログに載っている。4月15日分である。

 なお、本田市議の活動報告会は4月18日(日曜日)午後6時半より総合文化会館で開かれる。病院建て替え問題に興味のある人はでかけて彼の話しをじっくり聞いてみたらいい。


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コメント 4

ちょい

ちょっと違うのでは、と思ったところがあったので…
・「地域活性化・公共投資臨時交付金」~これは国の補正予算関連事業(この場合は耐震化交付金がそれに当たります)の地方負担を軽減するための交付金として国が制度設計をしているので、道が「特例」として認めたものではないはずです。

・「病院建て替えに道庁がゴーサイン」~そうでしょうか?その理屈だと、今回の交付金でなく、耐震化交付金が決まった昨年の時点でゴーサインということになるのでは?

・だいだい、市立病院建設は市のやること(自治事務)なので、建設そのものに道庁が口を挟む類のものではないと思います。むしろ、市がしっかりと考えてやるかどうかという問題なのでは?

・もちろん、財源の多くを占める起債の許可をするのは道庁ですが、それにしたって適正な財政運営上(病院だけでなく市全体)問題がなければ許可、というくらいの話ではないのかなあと思います。まあ、その適正なというのがむずかしいのでしょうが。



by ちょい (2010-04-17 19:29) 

ebisu

>「病院建て替えに道庁がゴーサイン」~そうでしょうか?その理屈だと、今回の交付金でなく、耐震化交付金が決まった昨年の時点でゴーサインということになるのでは?

わたしはオフィシャルな話しをしているのではありません。
耐震化交付金へ補助を出すということは、普通に考えればそのもとの耐震化交付金が使われるものだという前提があってのことでしょう。
使われる可能性が薄ければ補助金はださないでしょう。

道庁は経営健全化など、建て替えに当たって書類の審査はしないのですか?ただスルーして国へ渡すだけなのでしょうか?

道庁と市役所と建前は別でしょうが、現に建て替え準備室長は道庁からの出向者でしたし、それを管理していた振興部長も道庁出向者でした。仕切りは道庁出向者が担当していました。そうした実態があっても、道庁が口を挟む者ではないと言いきれるのでしょうか。かれらはむしろ市役所職員よりも誠実に仕事をしていきました。道庁は市立根室病院建て替えに深く係っています。

形式論理と実態はまったく別物のようにわたしには見えます。
by ebisu (2010-04-17 22:35) 

ちょい

「4/18追記部分」読みました。
そういうことになるのですね。
こんなふうにいい加減な計画が進んでしまうのかと思うと、やりきれない感じがします。
by ちょい (2010-04-18 20:47) 

ebisu

ちょいさん、両極端な意見の併置、あるいは展開を期待していました。
その方がブログを読んでくれている人が退屈しないですむ。
同じ者を見ても、人によって見え方・見方が違いますからね。

病院問題で立場の違う人間が議論をすること、そうして地域医療を自分や家族、友人、親戚の問題だと身近に感じてもらいたいのです。

わたしと違った視点から、こんごもコメントをしていただけたらありがたい。
by ebisu (2010-04-18 23:14) 

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