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市立病院産婦人科 医師確保へ最終調整 #958 Mar.17, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 こういうのをマッチポンプというのだろう。2年前だったか地方医療協議会が斡旋した産婦人科医が月に一度離島への診療を希望したために根室市が断った経緯がある。そしてその後一人来たが、1年足らずで産科病棟再開のめどが立たないのでお辞めになった。そして、16日付のこの記事である。
 あのとき赴任していただけば産婦人科病棟は再開できていたし、後から来た医師も辞めることにはならなかっただろう。言っても詮ないことだが、残念だ。
 根室市は自分で壊して(断って)おいてまた作る(招請する)、下手な一人芝居を見ているようで苦笑いを禁じえない。

 市立病院産婦人科
 
医師確保へ最終調整
 
市議会委で事務局弁明
【根室】定例市議会は15日、第1、第2特別委で、市立根室病院事務局は今後の診療体制について、現在常勤医が1人もいない産婦人科の医師確保に向け「最終的な調整に入っている」と明らかにした。鈴木一彦氏(共産党)の質問に答えた。着任時期は明言しなかった。
 本田俊治氏(無所属)は、市が2010年度の市立病院の入院患者数を1日111.6人、外来患者数をどう598.3人と見込んでいることを指摘した上で「現行の医師数ではこの達成さえ難しいのではないか」と質問。病院事務局は「医師数を充実させたい」と理解を求めた
 本田氏はまた、市立病院建て替えについて、起債発行に道の許可を得るための課題を質問。病院事務局は、病院規模の根拠について道から説明を求められていると説明し、「入院と外来の患者数(の推計)がネック。4月下旬までに詰めなけらばならない」と述べた。
 一方、第1特別委ではショウボウポンプ車の泡消化システムに不具合が見つかった問題が採り上げられ、・・・・(幸坂浩)

< コメント >
 2010年度病院事業会計予算は相変わらず、医師数や売上に整合性のないゴマカシである。現状医師数で予算にあるような過大な売上を上げられるわけがないが、何も来年度に限ったことではなく、毎年行われている恒例の「予算粉飾」である。似たようなこと、相似形は他にもある。恒例行事化されてしまっている北方領土返還運動となんとよく似たことだろう。どちらもゴマカシまやかしということで共通している。
 入院実績は最近のデータでは79.5人だったか、約80人という記憶がある。それと病院が出している資料の中に85人というのもあったような気がする。どの時点のデータかでふれがでるのはとうぜんだが、それにしても80~85人だろう。これを30%近く増やそうというのだから、どの科でどれだけ見込んでいるのか実績値とならべて理由も明記してデータを公開してもらいたい。具体的に分析すればインチキはすぐにばれる。外来患者数も同じことだ。包括的なデータしか示せないのはゴマカシがある証拠と思ってよい。

 もう一つわからないのは4月時点での常勤医師数と実質決算赤字額の推移である。病院事務局のデータ(『新構想』)に拠れば常勤医数は4月時点の比較で、

 H19年6人、H20年11人、H21年17人

と増え続けているのに、実質赤字額は減らない。通常は常勤医が増えれば病院の赤字は劇的に改善するはずだが、決算書に見る実質赤字額は10億円から11億円12億円と増え続けている。損益分岐点分析の埒外に市立根室病院があるかのようだ。
 これではいくら損益分岐点分析をして赤字ゼロの売上高を計算しても意味がない。なぜ医師数が増えているのに実質赤字額が減らないのか具体的な説明がほしいが、市長も病院事務局も市民に対しても市立病院で働く医師に対しても看護師さんに対しても他のスタッフに対しても一切説明責任を果たしていない。説明責任も果たさずに、病院事務局や市長はいったい誰と信頼関係が築けると考えているのだろう。
 データを見る限り、いくら医師数を増やしても病院赤字額は1億円も減らすことができないのではないかと私は不安になる。なにか、どこか大きな落とし穴があるはずだ。情報を隠さず、正直に説明してもらいたい。
 医師数は非常勤医も常勤医換算して「常勤換算月平均医師数」あるいは「延べ医師数」でみなければデータ比較ができないというのが専門家の見方というものだ。4月データを比べて在籍医師数を比較しても損益分析上はまったく意味がない。

 『新・基本構想』や『新・基本計画』には意図的なデータ操作が他にも散見されるが、そのうち暇を見て大きなところだけは批判しておくつもりだ。データをみている財務課だって専門家だから先刻承知のはずだ。
 このような意図的な操作によって真実を隠し、赤字を赤字特例債によって後年へツケ回し、病院の経営改善に手がつけられないまま根室市の財政は年々悪化の度合いを強めている。不正直、不誠実、意図的なデータの隠蔽は問題を大きくするだけである。

 病院事務局は根室のために正直に・真面目に仕事をしてもらいたい。この予算では決算で5億円もの「予算外赤字」を埋めるために一般会計から追加繰り入れをしなけらばならなくなる。
 もう、ゴマカシの予算はやめてもらいたい。このような予算案を毎年提出する市長に正直な仕事をしてもらいたいものだが、この人にだけはつける薬がないようだ。ごく小数の「オール根室」だけが支持している。「オール根室」にはすくなくとも私は与しない。そして私同様に思っている市民は少なからず存在している、ただ声を上げることがないだけだ。

*病院建て替えについては経緯を知りたい方は、カテゴリー「市立根室病院建て替え」と「地位医療及び財政」にある150の過去ブログを閲覧してもらいたい。

**『新・市立根室病院新築基本構想』
 
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/10746ab968f4c50f492570c700061691/$FILE/sinkousou.pdf
  『新・市立根室病院新築基本計画』 http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/10746ab968f4c50f492570c700061691/$FILE/sinkeikaku.pdf

***3月15日と16日付け本田市議会議員のブログをどうぞ・・・
 病院問題に正面から取り組むのはたいへんだ、彼の苦労がわかる。地域医療問題に真面目に取り組む市議を応援しよう。
 http://nimuoro.typepad.jp/honda/ 

病院建て替え:国の補助 総事業費の57%  #948 Mar.12, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 北海道新聞3月12日24面(根室地域版)より標題の記事を転載する。
 市長が75%と言明していた補助金が57%になりそうだという。その一方で、コンサルタントの提言(30億円)の2倍に総事業費(62億円)が膨らんでいる。
 コンサルタントの提言どおりに建て替えを実施すれば、市民負担は10億円を切るだろう。計算上わずか一年間の病院事業赤字補填分で病院は建て替えられる。
 ではなぜ専門家の意見を無視するのだろうか。専門家の意見どおりの仕事は関係者に一定水準以上のスキルを要求する。そのスキルを有し、これらの仕事を担いうる者が市長や病院事務長をを含めて関係者の中にいないということなのだろうか。
 必要とされるスキルがあるなら5年も前に病院は建て替えられている筈で、基本設計発注が決まってから長期経営見通しの数値について3月になってから杜撰な資料が出るようなていたらくはありえない。

 市立根室病院建て替え
 
国の補助 総事業費の57%
 定例市議会 
市長が試算公表
【根室】第1回定例市議会は11日7氏が一般質問を行った。長谷川俊輔市長は、市立根室病院建て替えの総事業費62億1500万円(概算)のうち、国からの補助は現時点で「57.3%になる」との試算を明らかにした。市は国に75%の補助を求めてきた。(幸坂浩)

 千葉智人氏(市政クラブ)に答えた。補助の主な内訳は厚生労働省の医療施設耐震化臨時特例交付金11億9200万円(19.2%)と、起債に対する交付税措置22億5300万円(36.3%)で、、その他の補助金を加えると、57.3%の35億6100万円になる。
 また、金額が未定で計算に入れていないが、内閣府の地域活性化・公共投資臨時交付金が動を通じて配分される。市長は「積極的に要請したい」と述べ、さらなる補助金の獲得に務める考えを改めて示した。
 ただ、起債の発行は道の許可が必要で、そのためには「事業改革プラン」(2009~13年度)の確実な実行が求められている
 本田俊治(無所属)は09年度病院事業会計の決算見込みが当初計画より大幅に悪化していることを指摘し、道の許可に影響があるか質問。市長は「道とはまだ収支の細部を詰めておらず、影響は不明」と述べるにとどまった。五十嵐寛氏(新風)は、民事再生法日基づく再生計画が昨年認可された循環システム事業協同組合について、事業の再開時期を質問。市長は「現時点で明言できないとの回答を得ている」と説明した。
 壺田重夫氏(無所属)、久保田陽氏(新風)、橋本竜一氏(共産党)滑川善幸氏(創志クラブ)も質問に立った。

< コメント >
 「事業改革プラン」では一般会計からの繰入金は6億8千万円に対し、今年度決算見込みは12億円である。「予算の粉飾」とともに予算と決算の5億円強の乖離は民間ベースなら担当役員の責任問題に発展する。株式公開会社なら、株主への適切な情報開示に抵触するのである。
 これほど杜撰な計画管理に北海道が起債許可を出すのだろうか?出すとすれば実質無審査と言うことになる。5年間10億円を超える実質赤字を出し続けたことは決算書を見れば一目瞭然で、改善の航跡はまったくない。
 ついでに言えば、本田市議のブログによれば、平成24年と25年に道や国からの派遣医師(札幌医師支援センターから4名)の期限が次々に切れて引き揚げとなる。根室市独自で補充ができなければ、赤字の最大値は平成25年度22億円になる。あと3年だ。

 いま踏みとどまって、半年程度の時間をかけて大車輪でゼロから検討しなおさないと根室の財政は夕張市の轍を踏むことになりかねない。
 半数リストラ、残った者は給与30%減の対象になる市職員の皆さんはこれでほんとうにいいのか?広い根室に小中学校はそれぞれ1校体制になる。市立病院は規模を縮小して入院施設がなくなり診療所へ変わる。診療所になれば、看護師さんたちも半数以上職を失うだろう。町の衰退・人口減は加速する。根室市民はそういう道を選ぶのか?
 わたしは断固反対である。町の規模は小さくなっても笑顔の絶えない住みよい町であってほしい。

*blog#947『病院建て替え:専門家招き経営検証』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-11-1


病院建て替え:専門家招き経営検証 #947 Mar.11, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 3月11日北海道新聞朝刊24面根室地域版からの転載である。
 当たり前の手順なら、建て替え予算は長期の損益計画とセットで検討される。病院の収益状況がどうなるかで負担できる建て替えコストの限度が変わるからだ。ところが長谷川市長は長期損益計画を作らずに2度も基本設計を依頼している。2度目の基本設計料はは2900万円である。そして、あろうことか、5年間連続して実質10億円を超える赤字を出し続けなす術がなかったが、来年度(4月以降)に「専門家を招いて経営内容を検証する」という。2008年度に市長が招聘した病院コンサルタント長隆氏の提言「30億円での病院建て替え」を無視し、2倍を超える62億円の概算予算をごり押ししておいて、また、専門家の意見を聞くという。あきれて物が言えない。


 市立根室病院
  
専門家招き経営検証
   新年度 市議会で市長答弁
【根室】第1回定例市議会は10日、本会議を再開し、全4会派が代表質問を行った。長谷川俊輔市長は来年2月に建て替えの着工を計画している市立根室病院の経営改善のため、2010年度に専門家を招いて経営内容を検証する考えを明らかにした。
 佐藤敏三氏(新風)への答弁。同病院の16年度までの収支見通しでは、一般会計からの繰り入れが最大で年12億円に上る見込みで、長谷川市長は「病院を建て替えても経営が悪ければ、(財政の)再建団体につながってしまう」と述べ、経営改善に強い意欲を示した
 市長は建て替えの財源として、道を通して内閣府の地域活性化・公共投資臨時交付金が得られると明言。佐藤氏と神忠志氏(共産党)、田塚不二男氏(創志クラブ)の質問に対し、「市への配分額は未定のため、(少しでも多く得られるよう)積極的に要請したい」と述べた。
 また、田塚氏は市立病院の名称を「市民に愛されるよう市民病院に変えてはどうか」と提案。市長は「12年度の開院に向け、市民アンケートを行うなどして検討したい」と答えた。
 小沼ゆみ氏(市政クラブ)は、寝たきりの高齢者が長期間入院する療養病床を市内で確保するため「民間の施設に設置を依頼し、市は財政負担をすべきでは」と質問。市長は、第5期市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(12~14年度)の中で「既存の介護施設の増床を検討し、市として応分の支援をしていきたい」と述べた。


< コメント >
 ①経営内容を検証:
  5年間連続で毎年10億円を超える実質赤字を出し続けているにもかかわらず、5~6億円の赤字補填目的の繰入金予算で「予算粉飾」し、こっそり決算時に不足分を繰り入れるか、それができないときには赤字を繰り越してきた。
 いまさら経営内容の検証など必要ないだろう。まずは「予算粉飾」をやめることだ。市議はなぜこの点を指摘しないのか?

 ②一般会計からの繰入金は最大12億円の嘘
 大嘘である。赤字特例債の償還が始まるので1.4億円さらに赤字が膨らむ予定だ。今年度の赤字見込み12億円に建て替えに関連する4億円の負担増を加えれば、小学生にだって16億円が赤字の最尤値であることは簡単に計算できる。国や道から派遣されている医師の引き揚げ期限が来年当たりに来るのではないか?医師が減員になる可能性すらあるから、市は派遣医師の数と期限を明らかにすべきだ。
 常勤医が2人減るような事態*があればさらに3億円赤字が増えるから、実質赤字の最大額は年間19億円である。このような簡単な計算だから市議も市民整備委員で自分で電卓を叩いて確認すべきだ。
 長谷川市長はニホロ移転の説明会のときから市民へ嘘の説明をし続けてきた。繰入金が「最大12億円」というのも、市民を欺く虚言である。

 ③再建団体への転落可能性
 毎年19億円もの実質赤字に根室市の財政が耐えられるはずがない。国からの借金を大地みらいへ切り換えて返済を一時ストップして財政悪化をごまかしたが、すでに44億円の市債の償還期限が到来し始めた。来年度以降この償還金が新たな財政負担となり、市財政はさらに悪化する。病院の赤字も赤字特例債を発行して繰り延べ、負担を先延ばしした。この市長は問題が起きればそれを先延ばしするしか能がないようだ。先延ばしせず問題を一度も解決したことがない。
 財政再建団体指定を受けたら夕張市と同じ運命である。小中学校は各1校、市役所職員は半分リストラ、残った職員も給与は30%減である。よーく考えた方がいい。

 ④療養病床の問題
 介護度4や5の老人が増えている。最後は長期入院施設で医療が必要になる。既存の介護施設は医療施設ではない。つまりこの町は長期入院が必要になった老人をケアする施設がないのだ。精神病院2施設この機能を代替している。
 市長は今後も療養病床を持たないと言明している。既存の介護施設の増床をしても、医療は受けられない。介護度4や5の老人は順次医療が必要な状態になっていく。
 ふるさとの町を離れて死ななければならない年寄りが増える。このままでは臨終にも立ち会えない家族が増えることになりかねない。
 ふるさとで最後の時を迎えさせてあげるやさしさが行政にあってしかるべきだと私は考えている。「霧も深いが、情けもふかい」(根室音頭)根室市民は療養型病床を市立病院に併設することに賛成の人が多いのではないだろうか。
 この問題を突き詰めると、建て替えられる病院の場所は成央小学校が最適である。だから、病院の基本設計をする前に小学校の統廃合を検討すべきだ。もちろん、地域医療のビジョンも作成して、市民に公開すべきだろう。その上で、病院の長期損益計画を具体的に描くことができる。
 こういう理由で私は、市も病院事務局も仕事の手順が滅茶苦茶になっていると思う。

*本田市議の11日付のブログに「札幌医師支援センター」から4人の医師が派遣されており、平成24年と25年3月に2名ずつ期限が切れると書いてあった。根室市独自で医師を補充できなければ年間赤字額の最大値はさらに3億円増えて22億円になる。ショッキングな数字だ。(3月12日追記)

*#944『根室の地域医療にかかわる市民運動は可能だろうか(1)』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-10

**blog#943『病院建て替え:病院コンサルタントの提言、30億円で病院は建て替えられる』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-09-1

*blog#942『市立根室病院建て替え:収支見通しめぐり議論』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-09


根室で地域医療にかかわる市民運動は可能だろうか(1)#944 Mar.10, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

  ふるさとの町を住みよい町にしたい、医療に不安の小さな町にしたい、そういう願いを込めて病院建て替え問題への関心を持ち続け、知りうる限りの情報を発信してきたが、状況の改善は一向にはかばかしくない。最近の根室市の動きを見ると、むしろふるさとの医療の崩壊に立ち会っている感さえある。

 ブログで発信するだけでは現実を大きく動かすことができないならどうすればいいのだろう。ステージを一歩踏み出さざるを得ない。
 根室の地域医療を守る市民運動に参加する人は何人いるのだろうか、試してみたい気はする。運動はどのような形でやるのが有効なのだろうか?わからないことだらけである。

 ①いくつかのテーマで専門ブログを創る
  「根室の地域医療ビジョン創りに集う市民の会」「根室の老人医療を考える会」「コンビニ受診を減らす啓発活動をする会」「認知症の老人を抱える家庭の会」「医療を考えるシニアの集い」・・・

 ②市の総合文化会館の1室を借りて関心のある市民が集い、運動の勧め方について具体的なアイデアを出し合う ⇒ やれる範囲で実行

 ③他地域の地域医療を守る会の成功例や失敗例から学ぶ会を立ち上げる

 わたしにはこれと言ったいいアイデアが思い浮かばないので、ふるさとの町を住みよい町にしたいと思う人は市民運動を起こすためのアイデアをコメント蘭に書き込んでほしい。順次整理してブログ本欄で公開していきたい。

 この問題に関心のある人は、コメント蘭に「関心あり」と意思表示してほしい。
 根室人は物事を荒立てるのが嫌いだ、地域社会が狭いから、親戚の誰か友人の誰かがどこかで反対の立場で係っていることが多い。だからなおさら何も言わないし行動も起こさない。私の友人の多くも自分の意見はしっかりもっているが、公に発言はしない。
 そういう根室人の気質を知ってはいるが、このままでは1年後には根室の地域医療は取り返しのつかないところへ行ってしまうので、なんとかこれを阻止したい。

 だまっていては何も変わらない、言うだけでも大きくは変わらない、行動しなければふるさとの町を住みよい町にはできない、いまそう思っている。 


*blog#943『病院建て替え:病院コンサルタントの提言、30億円で病院は建て替えられる』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-09-1

*blog#942『市立根室病院建て替え:収支見通しめぐり議論』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-09

病院建て替え:病院コンサルタントの提言、30億円で病院は建てられる #943 Mar. 9, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 1年半前に根室市が招聘した病院コンサルタント長隆氏の提言を紹介する。時間のない人は太字の部分を読んでいただきたい。病院は30億円で建てられる、建てることができる。


長隆氏(東日本税理士法人 代表社員)医療講演会記録
日時 平成20年10月6日(月)午後3時
会場 根室商工会館 2階 ABホール
主催 根室市保健医療対策協議会(会長 根室市長 長谷川 俊 輔)
演題 根室市の特殊性を踏まえた地域医療の確保とあり方について
(副題)医師確保 抜本対策の提案
北方四島医療拠点病院の指定を目指して

○長谷川市長
長隆先生をお迎えしての医療講演会の開催にあたり、主催者として、先生のご紹介を兼ねまして、一言、ご挨拶申し上げます。長先生は、皆様ご承知のとおり、東京にあります医療経営のエキスパートの、東日本税理士法人の代表社員として、全国でご活躍される傍ら、総務省の地方公営企業経
営アドバイザーを平成7年から18年6月まで務められ、全国の多くの自治体病院に経営改善を助言・指導されるとともに、また、総務省の公立病院改革懇談会の座長として平成19年7月から今年3月まで、公立病院改革ガイドラインの作成にご尽力をされております。
これまでの先生の公職の数々につきましては、お手許にご配布のとおりでありますので、ご覧いただきたいと思いますが、全国の公立病院の経営のアドバイザーとして、まさに第一人者であります。
当市においても、全国的な医療事情困窮の中にあって、根室市民が、地元で安心して暮らすことのできる医療をどう確保していくかが、大きな課題となっております。
このような観点から、本日は、長先生に、当市の置かれている特殊性を踏まえた、地域医療の確保とあり方と題して、ご講演をお願いするものであります。
最後に、遠路、非常にお忙しい中、お越しをいただきました長先生に改めお礼を申し上げ、講演会開会にあたっての挨拶とさせていただきます。長先生、どうぞ宜しくお願いいたします。
●長隆氏
皆さま、こんにちは。まもなく、後期高齢者になりますので、着席させていただいて、静かにお話させていただきます。立ってお話しすると、興奮する場合もありますので、座ってお話をさせていただきたいと思います。
10年ぶりに根室市におじゃまをさせていただきました。実は、二度と来ることはないのかなと思っておりましたら、機会に恵まれまして、根室市に再訪できました。
明日からやるべきことをお話しさせていただきます。根室市民病院が、10年前に私が助言申上げたのですが、残念ながら進んでおりません。しかし、今や時が熟してきたというふうに考えております。これなら根室市立病院に医師を招聘できる、長続きしてもらえるであろうという仕組みをご紹介したいと考えております。
先般、北海道庁主催のセミナーで、総務省の審議官と一緒に、講演をさせていただきましたけれども、実は袋叩きにあっております。数値目標優先で、金・金・金で、今回の公立病院ガイドラインは憲法違反ではないかというくらい、厳しく批判をされました。一部の病院管理学者から、今回のガイドラインについては哲学がないのではないか、そういうご批判も受けております。特に、病床利用率70%以下が3年連続した場合は、診療所になっていただくか、病床を大幅に削減してくださいということ
は、かなり衝撃的であったようであります。しかし、市民からお預かりしている大切な財産が、3年間以上30%も遊休していることは、今まで放任してきた総務省が批判されるべきであって、遅きに失したと考えております。
医師招聘が先決であるという学者、あるいは自治体の責任者が多くあられます。私はそういう学者に対して申しあげたいのは、経営不振の病院に医師が継続して勤務してくれるでしょうか、ということを申上げたい。給料が払えなくなるかもしれないような病院に長く勤めてくれるだろうかというようなことであります。
学者の皆さんに申し上げたいのは、お勤めの大学も非常に経営が不振であります。大学を存続するというのであれば、学者の確保が優先されるべき対策だとその学者はいうのか、大学の経営体質の改善が先ではないのか、ということを申上げたいわけであります。
今回のガイドラインは、医師の招聘と財政再建は同時並行的に行なうべきものというふうなことで作られております。
今回のガイドラインは、都道府県が責任を持ってやるべきであるということであります。ガイドラインを発表した時に、全委員のご意見を私の名前で、明らかにしております。
第5次経営健全化措置まで、都道府県は除外された通知を総務省は出しておりました。しかも、それは任意だったんですね。
対象から特に北海道の場合は、道立病院の経営が、成績が極めて良くない。道が経営の責任を放棄しているところもある。たとえば静内とかですね。
道庁が、責任を果たしていないんじゃないかということを申上げさせていただきました。道が自ら道立病院の選択と集中、再編ネットワークをきちんとまずしてから、道内の市立病院、町立病院に指導して下さい。ということを申し上げたわけであります。今回のガイドラインは、都道府県に対しても例外なく改革することを求めているところであります。
しかも、それは任意ではない。第5次経営健全化措置は、19年に終わっているんですけれども、新しい、第6次といいますか、今回のガイドラインでは、都道府県も例外でないこと。第5次までは、やりたい人はやってください。とこういう話だったんですが、今回はそうではないというふうになっております。例外を作らずに改革をというわけであります。
おかげさまで多くの都道府県が真剣に、改革プランの策定に乗り出しているということは、評価できるというふうに考えております。残念ながら、市以下につきましては、改革が遅れている。これはやはり、官僚経営による病院の構造的な問題だろうと考えております。
今回、ロシアとの国境を見に来る機会もありましたので、たまたま堤清二さんが読売新聞に書いておりました。ソ連文化省のピヨートル・イリイチさんがロシアで役人を勤め上げる方法は3つあるといっているんですね。その第1は、すぐ仕事をやらない。第2は、てきぱきやらない。最後に、ロシアで公務員をやる場合には、自分の思想を持たないことだと。こんなことをいってますね。
日本はどうか。黒沢明さんの名作といわれている「生きる」の、志村喬が一人公務員の中にいれば、改革ができるんじゃないか。この映画は、皆さんはご覧になっていると思いますけれども、公の先送り、縦割り問題をドラマにした不朽の名作です。
テレビ東京「ガイアの夜明け」もあります。京都府の新大江病院が採り上げられました。公設民営でスタートしたんです。公立病院から指定管理者になりましたので、公務員の身分を失うというようなことで、分限免職。一昨年の4月から公設民営になりましたが、立派に再生できました。京都の駅から3時間以上かかる僻地なんですが、医療の質も確保され、公立病院であるにもかかわらず税金を払うというくらい復活いたしました。
ここの伊藤町長は、厳しい1年間の闘争の中で80床の病院を残すことに命がけで挑戦しました。リコールされました。再選に臨んで、圧勝しまして、数ヶ月で公設民営にしたんです。
私は、開院式で、こういう挨拶をいたしました。「全員解雇され、再雇用された職員の方々に申し上げます。努力した人が報われる病院、日本一の実現を信じて下さい。」こういうふうにご挨拶を申し上げました。伊藤町長に心からの敬意を表します。
町民のために命がけで取り組んで、医師確保に成功して、医療の質を守ったということで、全国から行政視察が年間、100件も来ているそうでありますけれども、当然かなという感じがいたします。
今日は専門家が多いので、公立病院の改革懇談会がどのような形で議論が行なわれたかということを申し上げて、ご理解をいただきたいと思います。

当市も10億位税金投入しているわけでありますけれども、民間病院にそれだけの税金投入すれば、同じ以上の医療ができるんではないかという批判に、自治体はこたえていただかなければならない。無制限に税金投入を続けるということは、できないのではないかということであります
今回のガイドラインでは、公立病院は、その果たすべき役割を明確にすることを求めています。明確にできないのであれば、撤退をしてください。あるいは、それだけの税金投入をすることについて、説明責任を果たしてくださいというのではなくて、もうやめていただきたい。自治体病院が多額の税金投入をして存続されることを主張されるのであれば、役割を明確にしてください。
具体的にいいますと、根室市は産める育てる町にしますという宣言をしていただければ、それに必要な額は全額、制限なく投入すべきだということです。
産婦人科医を一人のみ招聘するということは、不可能であります。長続きしません。3人招聘しなければもたないということは、常識になっています。小児科医も同じ。
麻酔科医も二人かも知れません。都合、9人が必要であれば、1億8千万円の税金投入が必要であるし、何が何でも投入する。それができないのであれば、根室市は産める育てる町にはできないので、別海町にお願いするよりしかたがないと宣言しなければいけない。
では、釧路に行ったら命がもつのかといったら、もたない。公立病院の役割を完結型と明確にすれば、市民も支持するということは、自明の理であります。
懇談会の主な意見は、今、国民は、保険に入る権利は保障されているけれども、受診に関する権利は保障されていないところが問題だという声は、全員一致です。特に、北海道や沖縄のような医療過疎地域は、民間がなべて行かない。したがって、国の責任として、僻地、離島に関しましては、丸抱えで、国がお世話する必要があるのではないかということは、意見が一致したところであります。そのように、今回のガイドラインはできていると思います。

ただし、無制限に出すのではなくて、今まで、公立病院は全般的に、豪華病院を造る傾向があった。そういうようなことで、豪華病院に今後は起債を認めないということであります。具体的に申しますと国立病院機構の値段、1床1,500万円以下で造っていただきたい。ついでに申上げますと、年間医業収入の範囲内で建設してほしい。たとえば、根室市立病院が年間医業収入が30億であれば、医療器具も含めて、30億円以下で造っていただきたい。こういう考え方であります
なかには、減価償却費というものは官民ともに、医業収入の範囲の中で全額負担すべきでないかと主張する委員もあり、もっともだという意見が多かったわけです。しかし、不採算医療とか、高度医療とかあれば、国も出しているはずですし、必要な分は市も繰り出しをすべきだということになる。
今回、財政支援措置については、飴と鞭といわれておりますけれども、非常に重要であります。まず1番目の改革プラン策定に関する経費につきましては、金額は明示されておりませんけれども、市以下については、1自治体あたり200万円、都道府県は300万円というものが措置されております。
次は、再編ネットワークの医療機器の整備に要する経費、それから経営形態見直しに要する清算等に要する経費につきましては、財政措置があります。先ず、不良債務解消にかかる措置、本市の場合は10億ありますけれども、これは一時借り入れ、主に民間の金融機関からお借りしている。1年以内に返済すべき借り入れであります。
年間医業収入の10%を超えると投資ができないということになっているんです。必要な投資はすべきだ。投資なき所に利益なしという考え方が基本になっております。縮小均衡ではなくて、積極的な拡大投資によって病院を再生していただこうというのが基本になっております。本市の場合でいえば、10億円を今年の9月末までに、改革プランの骨子を道庁経由で総務省に出していただいたところであります。
ただし、今回の改革プランの骨子を総務省が自動的に認めるかどうかは、疑問であります。特に本市が、地方公営企業法の全部適用を想定しておりますが、それは、甘いということになるだろうと思います。
全部適用というのは、事業管理者、普通は院長がなりますけれども、事業管理者に、人事権と予算編成権を与えるということなんですが、実際は本庁人事で、相変わらず、院長の全責任において行われていないということが多い。改革がきちんと行われる保証がないわけで、ガイドラインでは全適を否定的に書いているところであります。
全適にするとか、しようかという話程度では、改革プランだと認められないと考えております。
10億円を7年ということになりますと、1億6~7千万ですか、毎年キャッシュフローをさらに上増ししなければならないわけです。はたして全部適用という程度の改革でできるかです。
今回は、公立病院特例債を出せれば、不良債務がなくなりますので、積極的な投資に打って出られる。
来年からでも直ちに着工すべきだし、できる条件が、本市は整ったというべきであります。私も10年前の8月、おじゃました時に、速やかに、かつ建築を現地で建てかえを勧告したところであります。10年間全く進んでいなかったことは極めて遺憾であります
医師招聘がうまくいかなかったことは、本市が3大学の信頼を得ていないところに大きな問題がある。大学側が、行けといって医師が行くようなご時勢ではないわけです。労働環境を整備するとの約束を履行できなかったことが大きな問題と考えております。勿論、おんぼろ病院だから来ないというわけじゃないんですけれども、建物はあまりにもひどい。10年前から全く変わっていないくらいひどい。10年前にもひどいと思ったんですけれども、ほとんど手を入れないで10年間。失われた10年間、長いと思っております。皆さんも思っていらっしゃるんではないでしょうか。
それで今回、お金が無いから建築できないというようなことをいっていただかないために、政府はお金を用意したということあります。再編ネットワークに乗っていただければ、土地代も含めて、36.25%の交付税措置があります。ですから、たとえば1床1,500万円で造る。150床ですと20億あえれば十分なんですが、20億の4割、8億は政府が元利償還金を応援しますと。ですから6割でできる。12億ですね。それは医業収入の中で十分返せると。住民の皆さんの負担なくできるはずだというのが国の考え方であります。豪華病院は造らないでください、そういうふうなことで、交付税措置が新たに設けられたということであります。
現病院の取り壊し費用というのはかなりかかります、何億もかかります。あるいは、駐車場に消防署を使おうという時の取り壊し費用も、政府がこれをお出しします。こういうことであります。
既往の地方債の金利が、5%以上高いのを借りているとか、そういうようなものは、全部この際、一気に借り換えるとか、そういうことについても認める。
それから、経営形態の変更に伴って多額の 退職金が必要になる可能性があります。本市の場合、退職金組合内に入っております。他市の例ですと、足りないような状況が出てきております。油断はできません。一斉に全国で始まりますと、遅くなったところは、退職金組合も払いきれないところが出てきていますので、相当改革を急ぐ必要がある。
社会的入院が非常に多くなっている中で、本当に150床必要なのかどうか。現在、100床程度であれば、十分ではないか。在院日数、今17日位のようですけれども、パワーが強くなればという条件付でありますけれども、10日前後に在院日数を減らすことができれば、稼動率が上がりますから、200床程度として運用できるので、100床程度で十分でないかというようなことも考えられます。
再編で、200床、199床を100床にした場合、残り100床について、5年間、年間5千万、1ベット当たり、約50万円の従来どおりの交付税措置がある。そういうお金を医師の招聘に使っていただきたいという考え方があります。
いずれにしても、医師招聘と財政再建は、並立して同時に、速やかに行う必要がある。安定的な医師招聘が、市立根室病院にとって喫緊の課題であります。ようやく12人体制になったわけですね。しかし、その12人が当直を、ごく少ない人数でやっているわけですから、過酷労働の中でいつまで持つだろうか。医師招聘対策、維持対策を一日も早く急がなければならない。基本設計1年、実施設計1年、建築2年、4年なんていうのんきなことをやっている暇はないんじゃないでしょうか。来年からでも現地で直ちに着工して、20ヶ月程度で、オープンできるくらいの姿勢を3大学や全国に示すことによって、根室市の再生への意気込みを知らせることが一番、医師招聘に確実さを増すことになると思います。
具体的に根室市にお勧めするのは、大学の附属病院になるということをお勧めしたいと思っております。北大、札幌医大、旭川医大の附属病院に根室市立病院がなるということが、きわめて良いことだというふうに考えております。この方式は全国で、かなり普及するであろうと断言していいと思います。
全国で3つ事例があります。代表的なのは、私が委員長として関係させていただきました、富山県氷見市民病院。へき地であります。国立の富山医科大学の関連病院だったのですが、富山大学の選択と集中のあおりを受けて、350床の病院が、主要な科から医師がいなくなるという厳しい状況に直面、去年の5月に改革委員会が設けられ、1ヶ月半位で答申を出しました。9月には公務員条例を廃止して、公設民営化を決定して、この4月から指定管理者を募集しましたら、2大学が手をあげてくださいまして、最終的には私立の金沢医科大学の附属病院としてスタートしたという事例であります。
数値目標も達成し、財政健全化を達成できたわけであります。これは、詳しくはホームページに出ております。聖域なき改革に挑戦して、効率的な運営体制が作られたことと、医師の確保ができ、医療の質を高めることができたというようなことが評価できるのではないでしょうか。
これだけの大きな分限免職に関与したことは私も初めてだったのですが、良く組合も最終的には協力してくれたと思っております。
結局、夕張市ではありませんけれども、闘争によって得るものは、労働組合にもないということが明らかになったわけです。病院を守ることが当然、市民のために一番重要でもあるし、働いている皆さんの職場も、医師がいなければ箱だけ残るわけですから、これは銚子市民病院と同じになる。闘争によって得るものは全くないということが明らかになったということだと思います。
最終的には、自治労、医労連とも円満に和解しまして、4月1日からスタートできたということであります。
一時は、不当解雇で労働委員会に提訴されまして、最終的には、5年間現給補償ということで和解。民間並みの給料まで下げなければいけませんから、5年間現給補償した原資は、本庁職員が5年間、その分を負担するということで委員会方針どおり。
委員会報告は、病院改革は病院にだけ改革を迫るのではなくて、本庁と一体となって改革をしなければならないという答申を、そのとおり実行していただいたことは評価できると思います。不幸になった人がいないと私は考えております。建設場所につきまして、氷見市が考えていた現地建て替えとか、あるいは海岸の埋め立てとかいろいろありましたけれども、氷見市は1万坪の敷地についても、全て指定管理者におまかせすると、口出ししないということであります。
答申どおりでありますので、200床から250床で、総事業費を50億円、氷見市が25億円、金沢医科大学が25億円出すという話です。土地は氷見市が出す。大学が好き勝手に造ってくれ。口出ししない。診療科目とか診療内容について、公立として言うべきことは言うわけですけれども順調に進んでいるということであります。
これは、北国新聞の記事であります。大学は、金沢医科大学の本院の院長自らが、氷見市民病院の院長に転勤。トップが自ら赴任して、気合が入っているわけです。教授が20人位誕生したんでしょうか。助教授、講師含め、30名近い新しいポストが用意できたのではないか。国からの交付金はピンハネしないで、全額、金沢医科大学に交付するということですから、金沢医科大学にとっても、おいしい。外来が、千名以上ありますから、患者さんには困らない。病床も今、看護師不足で200床しか開けないようですけれども、250になればベット利用率で100近くいくでしょう。なおかつ、毎年5億円いただけるわけですから、金沢医科大学は大変にハッピーな話だろうというふうに考えております。
氷見市の方も、今まで10億近く、ここと同じく出しておりましたけれども、基準内だけを出せばいい。今まで、本当にここと同じように、命がけでお医者さんの招聘に動いていたわけですけれども、それから開放されたということです。財政的にも良い。
氷見市長は指定管理者が出てくるんでしょうかと、大変不安になっておられました。先ほどのテレビでもやっていましたけれども、私は、必ず指定管理者が出るということを断言し、市長を勇気づけました。
なぜ断言できたかといいますと、私は11年間総務省のアドバイザーをしてきて、指定管理者を募集して1件しか応募がなかったのは、つい最近の、安房医療センターだけであります。それは、亀田総合病院が出るだろうということがわかっていましたから、他は出なかっただけでした。公務員体質から抜けて、民間的な経営発想でやれば、家賃がただで、土地代の負担がなければ、利益は出るに決まっていると普通の経営者は思う。改革を急げば、大学は指定管理者に立候補するというふうに見ています。
マッチング率が低い大学ほど、この指定管理者に手をあげる可能性は高いと見ています。
すでに始めたのが国立高知大学であります。へき地の診療所に教授を2人派遣しました。自治体は、年間6千万円出しています。研究費が少ないところにもってきて、堂々と附属ですから、公のお金を国に出せる。
もうひとつ事例を申し上げます。和歌山県に那智の公立病院で医師の引き揚げがあり、医師不足で消滅の状況になったときに、同じ方法をやってくださいました。今まで公立病院に出していた交付金を、和歌山県立大学に出す。名称も変えたんです。確か、スポーツ医学研究所という名前に変えましたね。整形中心の病院、専門の病院にして、大学の教授が出てきたということです。教授が来るということになると、ドクターがついてくる、こういう話であります。
私は今の根室市が痛々しくて見ていられないくらいです。事務長以下、医師招聘室、市長先頭に立ってやっていますから、医師数は奇跡的に回復しつつあります。しかし、極めて厳しいアクセスの中で、継続するということは、限界にきているんではないか、お互いに、メリットのある形であれば、私は全国の大学に公募して附属病院を目指すということも、現実的だし、指定管理者が出るということは信じてもらっていいと思います。
大学が出なくても、渓仁会にしてもカレス、他社会福祉法人に政府の出している5億円を民間病院に出せば、全力で常勤医を出すと見ています。収益性が高いですから。
5億円、交付すれば、1億円は通勤ヘリに出すということは十分可能です。中標津とか根室から通勤ヘリを出せば、10分とか25分できちゃうわけですから、札幌の丘珠から1時間半位で病院の近くに到着するというようなことに、年間1億円使えば、民間病院も私は必ず手を出すと思います。
指定管理者の公募をされることが、一番現実的だと思っていますが。医師招聘に即効性があるので。国は地方独立行政法人非公務員型も、最終着地点としてすすめております。
一部適用が基本的に何が悪いかといいますと、努力する人が報われない経営体質です。努力しない方が得なシステムだからです。
福島県に小野町総合病院という公立病院があります。いわき市など1市5町でやっているんですが、ベット利用率が20%になっている。180床が20%になっても改革をしないんです。なぜかといいますと、空いてる病床にも年間50万円づつ、政府からお金がきます。天からお金が降ってきますから、遊んでいても年間8千万お金がくる。極端な例では、そういうことです。ですから、努力する人が報われないような経営体質は、もう無理だということになったのは、ご理解いただけると思います。
根室市は、独立法人化を乗り越えて、一気に指定管理者制度に行くのが懸命。独立行政法人は、医師確保にそれほど苦労していないような所でないと意味がないと思っております。
懇談会で取り上げたのは、山形県立日本海病院と市立酒田病院が経営統合して、独法化した事例をモデルにしている。将来、独法化するのであれば、行政視察はここに行かれた方がいいというふうに考えております。

最近の話題から。医師に見捨てられた銚子総合病院と隣町、医師にもう一度働く気持ちを持たせた、国保成東病院のお話をしたいと思います。
千葉県の400床の銚子市立総合病院が、いきなり病院閉鎖をしたのは、日本中を騒がせたわけです。全国自治体病院協議会の小山田会長が自ら、2~3回おじゃまして、前市長の時代に医師を紹介してあげたんです。その中の一人に松井医師がおりました。内科の医長です。京都大学の医学部を出て、アメリカの大学で2~3年勉強されて、東大の附属病院で7年間勤務された内科医のエースを紹介してあげた。しかし紹介者に挨拶もなく、いきなり解雇しちゃったんです。かんかんです。結局、最後まで残った松井医師が、最近、新聞に出ております。実は私の所に松井医師から電話が
あって、「私を慕っている千名の患者がいる。再生の道がないのか相談に来てくれ」といわれました。結局のところ、問答無用で、廃院されたんですが、松井医師がどこを転職先に選んだかというお話をしたいと思います。
私から、あなたが、どうしても千人の患者が、今までどおり診てほしいというなら、隣の山武市へ行ったらどうですかと。約20キロくらい離れているんですが、そこに成東病院という国保病院があります。事業管理者の椎名市長に電話しました。そこも結構大変なものですから、優秀な内科医はぜひ欲しいということで、将来の理事長候補として推薦しましたら、行ってくれるということになりました。10月1日から勤務しております。
松井医師が選んだか。椎名市長は隣の市のことなんですけれども、北海道伊達市の乗り合いタクシー制度を真似して、銚子の市民の負担ではなくて、成東病院を経営している山武市が、ジャンボタクシーを導入して、運んで診てあげるということまでした。椎名市長の志にほれて、極めて優秀な松井医師が隣の市に勤務してくれることになったわけです。
銚子市長は、臨床研修医制度など総務省につぶされたようなことを言っています。私は銚子市長や堂本知事に松井医師の転職の感想をお伺いしたいと思っております。国と千葉県は抗議する前に、やることがあったんではないかと考えています。
銚子市は、財政内容がいいほうです。漁師の町なんですけれども、市が崩壊するからやめるなんてNHKで市長は言っていますが、嘘です。ただ、17億も毎年投下することは大問題です。改革は、やればできたはずなんですね。労働組合が怖くて、提案もできなかったんじゃないですかということを、私は申し上げます。
労働組合は敵ではない。労働組合、徹底抗戦をこれからするというところも多い。しかし、医師が全部去り、看護師もほとんど草刈場になった病院に残れるか。これから改革委員会を立ち上げて、来年の4月に指定管理者を募集して、再生するといっているんです。私は、嘘つきだといっているんです。一度休院して再生できるはずがない。患者は全部、他に回しちゃったんです。私は、市民を愚弄するような銚子市長と千葉県知事を厳しく批判しています。国の批判をする前に、まず身の丈にあった形でやる。努力する人が報われるような、お医者さんに見捨てられないような経営体質にすべきだったんでないでしょうか。それを怠って、総務省のガイドラインに潰されたというのは、笑止千万と思っています。私は、松井さんのことを今、大いに宣伝しているわけです。松井医師もずっと残りたかったといっているんです。松井医師は最後に、「首長の決断ひとつで公立病院は潰せるとわかった」と言っています。松井医師は成東病院で、再び病院の再建に尽力するというのが東京新聞に出ていました。
椎名市長に伊達市の相乗りタクシー教えたのは私なんですけれども、地区によって医師会でがたがた言うようですけれども、市民のためには、たとえば再編等を選択したり、市が住民のために配慮するか。医師の気持ちを忖度して、何をするかということが問われている時代であろうと考えております。
本市につきましても、今日、市内を走ってみました。広々している移転用地が良いというものじゃない。高齢化現象が激しい当市、それから救急病院を必ずやっていただかなければいけません。たとえ多少狭くても、中心地にある必要があるだろうと思います。

どこのコンサルタントですか、199床で80億だとか、そんな話がありましたが、とんでもありません。採算が取れるはずがありません。事前にやめられたことは大変結構だというふうに考えております。
自治体病院の相場、1床あたり3,300万円。民間病院は約1,600万円で建てます。民間病院はみんなおんぼろなのか、そうじゃないです。なぜ、こんなに高くなるのか。単価も高いんですけれども、一番のガンは、無駄な面積が多くなる。建設費は単価と面積なんですね。公立病院は、やたら面積を大きくする。
一番ひどいのは、高知医療センター。1床1億で造っています。視察に行ったのですが、廊下の幅は縦と横と同じ。どっちが横ですかと聞いた。逮捕された院長、瀬戸山という人物のマージャン部屋が60坪ある。マージャンというのは1坪位でいいんじゃないかと言いました。マージャンをやることはなかったらしいですが。私の自宅よりも大きい玄関、どこかの大統領夫人みたいな下駄箱がありました。公立病院に、です。高知県・市は不当な中傷をされていると言っているが、反省がない。
オリックスの企業犯罪ではないかと見ています。金融商品ですから、できるだけ高ければいいということです。目一杯、単価も高くする。坪当たり130万とか180万にしちゃう。面積も3倍くらいにしちゃう。600床で600億、こういう話になりました。破綻している理由です。同じようなPFIの近江八幡医療センターは、これをやめるべきである。委員長をさせていただきましたけれども、これもまたひどい。
403床ですけれども、これも160億です。1床4千万で造っています。96億、金利が5.3%。総務省は1.8%で貸せると言っていたんです。払い過ぎの金利が60億。PFIにすると、30年間でこれだけ安くなるというご高説なんですけれども。30年間のそういう医療リスクを見込んでそんなことをいうのか。犯罪に近い。
犯罪だと私がほぼ断定したのは、修繕費60億があるんです。近江八幡のPFIは去年できあがったんですが、毎年修繕費を2億円ずつ、SPCという大林組に払っているんです。30年間で60億円、経費の平準化というんです。これは、言葉の遊びでなくて犯罪だろうと市民の前で言ったんです。市民の皆さん、新築したマンションに、毎年修繕費を払いますか。豪華病院を造るような市長は個人保証してもらいたい。
小樽市長は自分のことでないから、最初、400床を220億で造ると始めて、いろいろ議会で苦情言われたら、180億になった。そのうち、もっと安くできるだろうと言ったら160億になって、最終的にはやめてしまった。ところが基本設計の契約6千万円は払っている。最終的にやめて、その2千何百万円を払いっぱなしで計画をやめた。誰も責任をとらない。監査請求をしても違法性はないと。市は損失を被っていない。堂々たる監査委員であります。要するに、自分がいる間、責任を取らなければいい、後は野となれ山となれという市長が、多いということであります。それで多くの北海道の豪華病院が苦しんでいるんじゃないでしょうか。その重みに耐えかねて、医師招聘のために使っていないということですね。

私は、根室市立病院が苦節10年、待ち続けましたけれども、ようやく来年あたりは着工できそうなんで、安心して帰れます。更に、10年後にきても同じようなことにならないようにしてください。そういう疑いが少しありますからね。10年間忘れていたんですけれども、この度10年前を思い出しました。一日も早く建て直すべきでないかという意見書になってましたね。しかもそれが、いろいろな理由はつきますけれども、進めなかった。最近ようやく、具体的になってきたことを大変嬉しく思っております。豪華病院はやめる。高額建築部分の減価償却費は議会と市の責任である
民間病院並みの1床1,600万円までは病院会計で負担してください。建設費については、福島県立三春病院、町立になったんですけれども、ここを参考にしていただきたいと考えております。86床で11億円で造っております。坪当たり60万円であります。どこがやったかというと清水建設であります。一括公募型プルポーザル方式であります。参加条件は、年間工事高500億円以上で、結果的に、清水、鹿島、竹中応募だったそうです。工事期間1年、そういう条件を出しまして、まずはその大手3社に必要な利益を確保していただくと。下請け業者は全て三春町の業者を使っていただくという条件をつけております。大手建設業者の名誉にかけて、安くてもオンボロ病院はできないだろうと。
なぜ、できるかということを政府委員もなさっているのか、遠藤課長に問うと、無駄なものを造らなかったということだそうです。本当に必要な部分は造るけれども、無駄なものは造らない。ということでやるとできるんだそうです。
100床でいいんでないかということになれば、10億ちょっとでできるのかもしれない。それだったら、もう直ちに実施設計に入って、来年からは着工できて、1年半もあればできるんじゃないかと思います。

150年前に日露通好条約が結ばれましたね、下田条約です。私は下田市の出身なんですけれども、くしくも根室市におじゃまできたわけです。下田市は東京から約3時間以上かかります。根室と同じ位不便です。そこの150床の共立湊病院という、
下田市ほか、1市5町の経営の病院が、この2月、自治医大の卒業生のグループの、社団法人地域医療振興協会が大変良く頑張って経営してくれたんですけれども、このたび新築移転して下田市の駅前に引っ越さなければ撤退するという表明をしました。
新聞記事に出ております。故郷にお邪魔するのは、成功してもしなくても、批判は浴びますので、嫌だったんですけれども、委員長をさせていただいております。やはりそこもコンサルタント報告見たら、150床でやはり90億と出ていました。静岡県で最も財政状況の厳しい1市5町が、90億で150床を造るということで進めていたんです。
私は、当然のことながら、20億だと。土地も買わないで、現地建て直しもあるということで第1回の委員会を終わったところであります。ホームページを見てください。
医師の招聘に成功した、安房医師会病院(150床)の話をしたいと思います。東京から2時間半ということになりますから、根室と同じ港町、千葉県館山市なんですけれども、これが去年暮れに破綻しました。
千葉大学が全て面倒みてきたんですけれども、千葉大学自体が首都圏にあるにかかわらず、疲弊して、医師の供給能力をなくして、降参したんです。あとは好きにやってくれと。首都圏で、東京湾アクアラインができて、川崎あたりから1時間以内で行くようになったんですけれども、魅力のない所には、医師はきてくれないんですね。
150床程度ですと。指導医、専門医いませんから。技術も磨けないような所には行ってくれないわけです。
これは別の方法でやらないと再生できない。院長も千葉大学から出てて、20名の常勤医も全部千葉大なのに、見捨てられたわけです。結局、毎年2億5千万円以上の赤字が出はじめて、これ以上やっていけない。千葉の医師会立病院なんですけれども、個人保証、医師会の理事3人がしていたんで、残債務9億が個人の責任になるということで、依頼されまして私が再生に乗り出したわけであります。

公募しましたら、民間病院では日本一の亀田総合病院が手を挙げてくれました。根室市立病院も提携した方がいいと思います。研修で提携した方がいい。根室国際総合病院になり、最高級の技術水準を持っている亀田総合病院で研修ができるということは、売りになる。
三重大学医学部が旭川と同じくらいマッチング率が悪くなって、20%切ってきたんですね。20名も医局に残ってくれないということになってしまった。それで、三重大学は亀田さんに半年間研修を打診しているようです。亀田式ですけれども、アメリカ人の医師がきてますから、そこでアメリカ式の研修ができるということで、魅力がある。
医師立ち去りの原因は、自治体にお金がないからとか、国に責任転嫁している無責任経営にある。経営の責任者は、自らの進退を賭けて新入社員(研修医)の募集をすべきであって、それができなければ店じまいをしていただくというくらいの決意が必要だ。
大阪は、泉州地区、忠岡が倒産、阪南の惨状。この地区だけで2千床、病床が過剰なんです。100床の病院が20多いんですよ。ですから、官民乱立している所であれば、官はやめてくださいというのは、そういうところをいっているんです。だれ考えてもおかしいでしょう。
過当競争の中で、医師と患者の奪い合い、看護師の奪い合いで、地方財政を苦しめているのが大阪府の公立病院なんです。
産科医療補償制度というのができました。とにかく9月までに全員参加してほしい。
運営しているのは、日本医療機能評価機構、中立の団体がやっています。是非加入してください。議会の方もいらっしゃいますので、利用料金条例を改正して、参加してほしいと思っています。
当病院に助産師が4人います。一生懸命やっていらっしゃる。でも、正常分娩をやっていない。公立病院だから助産師外来だけでなくて、助産所を院内にぜひ早く、作っていただきたい。私は、自宅で産まれています。助産所で十分なはずなんです。産める育てる町にすると市長は思っていらっしゃいますね。だったらとりあえず、今いる助産師に、正常分娩をやってもらうということだと思います。
4万人の助産師を活用しなかったのは、産婦人科医会の利益追求によるものじゃなかったかというふうに考えている。助産師開業に対して厚労省も、理屈はともあれ、極めて厳しい条件出していますね。90%以上正常分娩なんだから、助産師さんに分娩をやってもらった方がいいと思っています。根室市はタクシーの中で赤ちゃんを産ませて、全国に恥をさらしたんです。低開発国かということになるじゃないですか。
医師に継続的にやっていただくには、全員特別職にする方がいい。鹿児島県立病院が成功したんです。奄美大島は300キロかかります。そういうところで、医師確保に成功した鹿児島県立病院を是非、行政視察された方がいい。年俸1,500万だとすると、週休4日だと1,200万円、週休3日だと1,300万。日本赤十字社は、週休3日制です。公務員の職務専念義務をはずすべきです。医師はお金ではなくて、普通の生活をしたい。市長が確約すれば医師は集まってくる。

お医者さんが少ないから月4回の当直を厳守できない、そういうようなことでは悪循環、せっかく来ていただいた医師の負担を増加させることになると思います。鹿児島県立病院は、公平性ということもあって、特別職、副市長と同じにしちゃった。奄美大島へ行きっきりだと、医療技術が維持できないので、半年、奄美大島に勤めてもらえば、1年、県立中央でやってもらうと、徳州会方式のようです。
鹿児島県立病院、へき地ばっかりなんです。へき地ばっかりの県立病院が、医師と看護師の確保に成功した。行政視察していいのではないか。看護師確保も成功したとっています。仕組みさえうまくやれば、できるということです。
鹿児島県立のホームページを見てください。17年におじゃましましたとき、キャッシュの赤字が1億9千万だった。その後、償却前収支は9億8千から12億になっていました。数値目標は達成して内部留保も13億まで減っていたんですが、19年で27億で、20年は35億位になる。
5病院を回って、ドンちゃん騒ぎをしてやってきました。本当にみんな全員経営でやっている。事務職が経営するというんではなくて、院長、看護師、コメディカルが一体となって経営している姿をホームページで見てほしいし、根室市でやっているホームページも、真実を全て公開するということが、一番全国のお医者さんが行って応援してあげようという気になるんではないかと思う
私は、根室の院長のホームページの挨拶を読んで、院長は正直な人だ、応援してあげたいという気になりました。院長の挨拶は率直であります。これを読んで、市長がこの病院の真実を院長に言わせている。私は、これはいいと思いました。だから、真実を隠すということがお医者さんが去るということになると思う。悪いことは分かっているわけですからね。そんな感じがいたしました。
あとは、持ち家政策があります。朝、院長、副院長宿舎とか、医師の宿舎を外から拝見しました。お世辞にも長くいてほしいという家ではないということだけは、申し上げておきます。病院のそばに立派な家を造るよりも、札幌の空港のそばに造った方がいいのかもしりませんね。
ドクターヘリ、防災ヘリの基地も視察してきました。良い所にあります。私はこれ
を通勤ヘリに使うということを一生懸命勧めているところであります。現状アクセスがきつ過ぎる。ヘリも4人ぐらい乗れると、ほぼタクシー代とたいして変わりません。
霧の時には飛ばないでしょうけれども。朝晩、幾つかの病院と連携して朝晩、通勤用のヘリを常駐させるということは大いにありかなというふうに思います。

最後に、北方四島拠点病院に関しまして、根室市と根室市議会が要望書を出したことは高く評価したいというふうに思います。
外務省の北方領土の冊子を、読ませていただきまして、外務省が何を考えているか分かりました。プーチン・小泉会談を見ますと、この要望書につきましては、国も認める事業だというふうに考えておりますので、積極的に応援して差し上げたいと思っております。
ロシア人産婦人科医師招へいの医療特区に、ぜひ挑戦してほしいと思っています。ロシアの産婦人科医の数は日本の倍です。外務省が一定の医師派遣費用については、現在も負担もしているのでしょう。大学の附属病院などになれば、問題はほとんど解決しますが、大学自体もパワーが少ない産婦人科とか、整形につきましては、医療特区の申請を直ちにした方がいいと思う。全国の医師に、魅力を与えるんじゃないかというふうに考えています。
医療特区が過去唯一許可になったのは、横浜にあるバイオマスターという会社のみであります。オリックスがやっている。あんまり愉快じゃないんですが、おっぱいを再生させる高度な技術は、東京大学の形成外科と一緒にやっている。株式会社病院が許可になった。医療特区制度。医療特区は医師会の反対がなければ、許可になるでしょう。根室国際総合病院という名前にかえて、医療特区。ロシア人の医師は月給約10 万円だということです。技術は優秀だそうです。ロシア人の産婦人科医師にここで働いてもらう。保険医としてはできませんが。助産師と共同で自由診療で特区でやってもらうというようなことはありではないか。私が関与した日中人事交流援護会をぜひ参考にしていただきたい。
日ロ人事交流援護会というような財団法人を設立された方がいいんではないか。モデルの参考としてご覧ください。民間が、医師とか看護師の人事交流を、財団法人ミニフルブライト財団を作ってやるというのは面白いんじゃないか。
この財団は今年で20年経ちました。20年前の設立の時の役員の一人なんです。
当時、社会党の勝間田清一委員長に副理事長になっていただきました。たった一人の奨学生から始めた財団です。この雑誌の、9ページに書いてありますけれども、年間の事業費が2千万。渡航費、学資、入学金、図書費、アパート代、水道光熱費、滞在生活費9万、約年間一人180万円で、2千万。10人分ずつ、毎年助成している奨学金財団であります。この奨学金財団が中国の学生対、最初は細々とやっていたんですけれども、ここに出ていますように、いまは中国政府の要人も誕生するなどパブリックになりました。65名の医師等が、誕生しております。今後、伊豆の下田に医療特区申請して、スポーツ医学研究所などを作って、中国の医師の方に整形を自由診療でやっていただこうというふうに考えて、今準備中であります。
民間の団体がやるのが一番いい。できるだけ税金は投入していただかないで、スモール、フルブライト奨学金みたいなことをやる。北方四島拠点構想を後ろから応援する。こういうことも考えております。ぜひ、ご研究ください。
ところで、東北大学の元医学部長にも聞いたんですけれども、お医者さんはお金ではない。月100万ももらえば、それ以上はいらない。くれるならもらうけれど、100万以上もらっても、使い道がない。何で働くか、北国の場合は、雪かきをやるのがいい。医師をやめさせない秘訣だそうです。根室は雪がないというのですね。雪かきはちょっと無理なんですけれども、ペンキ塗りとかね、草取りとか、そういうようなこともぜひやっていただく。

市民とともにお医者さんをサポートする。暴言を吐くような市民もなくなる。コンビニ受診につきましても、ご理解が進んでいくのではないでしょうか。強圧的にやる方法もあるんですけれども、市民の理解を得て、市民とともに一体となってやる。最近の根室市立病院は、困難な状況にあるけれども、立派に再生できるんだということを確信したというタイトルが、明日のホームページのタイトルになるんじゃないかと思います。医療経営財務協会のホームページ是非、愛読者になっていただきたいといふうに思います。
これで終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)

○司会
会場の皆さまからご質問がありましたら、お受けしたいと思います。
○質問者
公立病院特例債の関係で、先生は来年からすぐ起債を借りれるというお話をしていたんですが、建設資金の方の起債。建設資金は、今年、特例債を受ければ、来年度以降、いつでも建設の起債を借りれるとお話をお聞きしていたんですけれども、私が調べたのは、地財法でいう資金不足にはカウントされないという部分の中で、起債は10%を超えてる以上は借りられないという道庁の意見を聞いたんですが、そこのところをもう一度教えていただきたい。
●長 隆氏
不良債務は一時借入金とほぼ同額等。年間医業収入の10%を超えると、起債は原則許可にならない。根拠は地財法です。不良債務は消さなければならない。特例法で優良債務にしておけば起債はできる。
○質問者
建設財源としての起債は借りれるんでしょうか。私、道庁の担当者から聞いたら、公立病院特例債を長期債に振り替えても、建設財源は借りれないというお話を聞いたんですけれども。
●長 隆氏
それは間違いだと思います。承認された実例があります。泉大津市立病院が、不良債務13億。財政指数が非常に悪くて、ワーストに入っている。収入が50億なんです。ですから10%超えているわけです。産婦人科が一時ゼロになったんです。
どうしたら産婦人科が復活できるか。最低5人いなければ無理、小児科医も5人。5人5人体制にできたんです。その理由は、この不良債務が13億ある中で、周産期医療センターをさらに造るということを公約したんです。8億円で着工しています。
泉大津は積極投資するので、13億円を起債して、特例債の申請をしているが許可になるというふうに聞いています。
総務省に直接電話して聞いてください。赤レンガから100メートル以内でしか仕事をしていない人の話は聞く必要がない。道庁のことです。新しい制度で、道庁はネガティブです。不審があったら総務省自治財政局に直接電話して下さい。起債許可は出る、出ないはずがないという信念で総務省に行くことです。
投資なくして利益なし。今金がなくても投資すれば、金は生まれる。不良債務を消す。しかし、先送りで、7年延ばしたからって、改革しなければ、だめになる。一生懸命やれば、不良債務10億も、半分は免除してくれることになるでしょう。今検討会で審議中ですが、多分なる。今回は、第5次と違って、ひょっとしたら全額免除してくれるかもしれない。
○質問者
もう1 点。先ほど再編ネットワークの関係で、その部分の中でくふうすれば建設費が出るというお話を聞いたんですが、根室市の場合は、1市単独でやる、再編ネットワークも根室市内でしかできないという中で、あと建設財源が出る方法としては、どういう方法が可能なんでしょうか。
●長 隆氏
ネットワーク組めばいいんです。どこかの大学と、ネットワークしてください。カルテ共有化もネットワークです。
医大に運んでいる間に全部チェックができて、すぐ手術ができる。これもネットワークです。
大学病院とのネットワーク化を期待している。公募すればいい。大学病院に限らない。
○司会
他にございますでしょうか。それでは予定の時間もまいりましたので、本日の講演会を閉じさせていただきたいと思いますが、長先生には大変お忙しいなか、ご講演をいただきましてありがとうございました。会場の皆様とともに、盛大な拍手を持ちまして感謝のお礼を申し上げ、本日の講演会を終了させていただきたいと思います。
長先生、大変ありがとうございました。(拍手)
以上もちまして、本日の講演会を終了させていただきます。


市立根室病院建て替え:収支見通しめぐり議論 #942 Mar.9, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 3月3日に市立根室病院整備市民委員会へ収支見通しが公表されてから、委員や市議がにわかに騒ぎ出した。こんなことは実績資料(決算ベース)をきちんと見ていれば簡単にわかっていたことである。資料を病院事務局に依存し、自分で試算していないからいまごろこのようなことになる。病院事務局も、整備委員会も市議会建設特別委も仕事が杜撰だ。
 3月9日北海道新聞根室地域版から転載する。

 収支見通しめぐり議論
   
「規模120床に圧縮すべき」

【根室】市立根室病院事務局が試算した病院建て替え後の収支見通しをめぐり、建て替え計画が適正かどうか市議や市民の間で議論が起きている。収支不足を補う一般会計からの繰り入れが、多い年には12億円を超えるためだ。コストを抑えるため、「病院規模を圧縮すべきだ」との意見がある一方、「負担に耐えてでも、現行計画の規模の病院が必要」との声もある。

 現行計画「必要」の声も
 収支見通しによると、2010~16年度の一般会計からの繰り入れは、年に8億7900万~12億2800万円になる。一般会計が150億円規模の市にとっては大きな負担で、根室市長地域政策課は「このままの計画で市財政を維持できるのか」と懸念する。
 ある市議は繰入を好く案句するには、150床で計画している病院規模を「120床程度に減らすべきだ」と主張。規模を縮小すれば、建設費はもちろん、将来の維持費も軽減できると説明する。
 ただ、建て替え財源として交付が決まっている厚生労働省の医療施設耐震化臨時交付金12億円を利用するためには、2010年度内の着工が不可欠なため、別の市議は「今から議論の後戻りはできない」と話す。
 市立根室病院整備市民委員会でも「繰り入れはこんなに大きな負担になるのか」と嘆く声と、「市立病院には150床が必要」と言う意見が出ている。
 市は現時点で、総事業費約62億1500万円の78.4%に当る48億7200万円を起債(借金)に頼り、残りは一般財源や耐震化臨時特例交付金など国の補助を充てる方針。国の補助がさらに得られれば、起債額は少なくて済む。
 新たな補助としては内閣府の地域活性化・公共投資臨時交付金が動を通じて得られる可能性が出てきた。同交付金は、市立根室病院など道内10医療機関が利用する耐震化臨時特例交付金を補うもので、道には31億円が交付される。
 ただ、交付金をどう配分するかは道の採用に任されており、道医療政策薬務課は「これから検討する」を説明。市選出の松浦宗信道議は「金額は未定だが、市立病院にも配分されそうだ」と話す。
 市立病院事務局は「収支見通しは前提的なもので、病院を建て替えれば、患者が増え、数字も変わってくる」と話している。

< コメント >
 病院が新しくなれば「患者が増える」だろうか?病院事務局は医療のことを理解していない。
 釧路医師会病院に検査と手術で入院したときのことだ、廊下の窓から花火を見ていたら、患者が二人いた。どこから来たのか尋ねられて「根室から」と答えると、自分たちもそうだと言い、「市立病院だと助かるものも助からないから」と医師会病院へ入院した理由を話した。3年半前のことだが、当時は消化器外科医がいなかったから、シビアな内視鏡検査すら市立病院ではできなかった。患者が言うのも無理はない。実際の発言はもっとどぎついものだったが、ブログにそのまま書くわけにはいかないから少し穏やかな表現を選んだ。患者は病院建物で病院選びをしているわけではない、医者と看護師など医療スタッフの質をしっかり比べて自分の命を託しているのだ。病院事務局はこのような基本的なことも理解していないのだろうか、情けない。
 根室市の人口は今月末に3万人を切る。10年後には2万5千~2万6千人だ。人口推計からは一般病床に入院する患者は減少すると考えるのが当然だ。増えるのは療養病床の患者である。現在ゼロだがいまでも100ベッド必要だ。
 いまでも入院病棟の平均稼動数は一日平均80床であるから、現実的な話なら一般病床は120べっどあれば不都合は起きない。稼働率が60%を切っていることのほうが大問題である。
 問題は療養病床にある。必要な療養病床は100~200である。こちらの議論がなされていない。この療養病床の問題を具体的に検討したら、計画全体がひっくり返る、ひっくり返さなければ根室の地域医療の未来がなくなる。

 期限を決めて3ヶ月で検討すれば間に合う。市議も病院事務局も忙しくなるだろうが、これは責務だ、やるべきだ。
 市が招聘した病院コンサルタントの長隆氏は30億円で全部やれると提言しているから、30億円で概略仕様をまとめればいい。パートチャートを作成して仕事を管理すれば年内着工はできる。起債48億円なんてとんでもない話だ。
 できない話しをしないで病院事務局、市議会特別委、市民整備委員会のぞれぞれがきちんと仕事をするだけで問題の解決はできる。

 問題は必要なスキルを要してこの仕事を仕切る能力のある者がこれら関係機関の中に存在するかだ。5年間経緯を見てきたが市長を含めてスキルのあるものは一人もいないだろう。それほどシビアな仕事だ。適当な人材が見つからないなら関係機関の責任者が私のところへ聞きに来ればいい、忙しいが期限内に間に合うようにやり方を教えてあげる。やるのは権限をもち仕事の責任を負っている関係者のあなたたたちだ。

 ところで、関係者は長隆氏の講演会議事録を読んでいるのだろうか? 

 次のブログで2008年10月に行われた長隆氏の講演会議事録を掲載する。
  長隆氏(東日本税理士法人 代表社員)医療講演会記録
  日時 平成20年10月6日(月)午後3時
  会場 根室商工会館 2階 ABホール
  主催 根室市保健医療対策協議会(会長 根室市長 長谷川 俊 輔)
  演題 根室市の特殊性を踏まえた地域医療の確保とあり方について
  (副題)医師確保 抜本対策の提案
  北方四島医療拠点病院の指定を目指して

*blog#940『根室を愛す』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-06
*blog#939『市立病院建て替え財源:国交省交付金を断念』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-05-1


市立病院建て替え財源 国交省の交付金断念(北海道新聞) #939 Mar.5, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 市立病院建て替え財源
  
国交省の交付金断念
      
二重補助禁止が壁に
【根室】市は、市立根室病院建て替えの財源の一つとして約6億円を見込んでいた国土交通省の社会資本整備総合交付金(旧まちづくり交付金)の申請を断念した。既に厚生労働省の医療施設耐震化臨時特例交付金約12億円を受けることが決まっており、法律上禁じられている二重補助を回避する有効な方法が見つからなかった。

 市は昨年12月、国交省の社会資本整備総合交付金が建て替えの本体工事費38億円の財源に活用できる可能性があることを知り、申請窓口となる道、開発局と協議を続けてきた。
 しかし、補助金適正化法は同じ事業に複数の補助金を使うことを禁止。国交省は厚労省と協議し、病院を2棟に分けそれぞれの交付金を交付する案などを示したが、患者の利便性が悪くなるため、市は「断念せざるを得なかった」(幹部)という。
 市立病院事務局は「病院の機能に関するこれまでの議論をなしにしてまで、交付金を得ることはできない」と説明。市幹部が2日、道と開発局に申請断念を伝えた。
 長谷川俊輔市長は「残念だが、国交省の交付金のほかにも財源確保の可能性はある。市民負担を軽減するため、最後まで頑張りたい」と話している
         3月5日北海道新聞24面根室地域版より転載

< コメント >
 これは本末転倒ではないか。“市幹部”は補助金をもらうために病院を建てるかのような発想だし、病院事務局も「これまでの議論をなしにしてまで」というのは言い訳だろう。そもそも公務員が違法あるいは脱法行為を模索すること事態が法令遵守義務違反だし公序良俗に反する
 二重の補助金申請は補助金適正化法に触れるというのに、市長はまだ脱法行為を模索するつもりのようだ。市民として恥ずかしいし、子どもたちへの教育上もよろしくない
 市長はじめ市役所幹部職員の一部は法令遵守教育が必要なありさまであり、あきれて開いた口がふさがらない。

 声は聞こえてこないが、市長や幹部職員の法令を無視した「暴走」を一般の職員や労組はどのように見ているのだろう。一般職員があきらめて声を上げない、あるいは問題意識すらないなら、根室の将来は夕張市という鏡に映っている。あと何年でああなるのだろう、それでもいいんですか?ストップするならいまです。

 ついこの間、羅臼の漁船が2隻位置確認装置の電源を外してロシア了解で操業をして銃撃を受けた。海上保安庁が調べたらほとんどの船にVMSに空白の時間帯が見つかった。違法、あるいは脱法行為が常態化**していたようだ。関連法規は北海道海面漁業調整規則違反(区域外操業)である。
 根室でも湾中漁業組合長のカニかご漁船が北方領土で操業し、ロシア側から銃撃を受けて若者が一人なくなっている。根室漁業組合長の会社が保険金詐欺で釧路地検に書類送検されるなど、水産業界は不祥事が多い。
 行政も水産業界も違法行為や脱法行為が当たり前になって麻痺しているのではないか?その水産業界が次期市長選挙で長谷川市長を推薦するという。これにもあきれてしまう、同じ穴の狢ということか。
 落書きを放置するとしまいに治安まで悪くなるという。町の治安を取り戻すには落書きを消すことからはじまる。ごみを棄ててある場所はごみを棄てやすい。ごみが一つも落ちていないきれいな場所はごみを棄てる行為に心理的なブレーキがかかる。根室管内の町は水産業が主体だ。水産業に違法行為が常態化しているのは町の政治・経済・行政にどれほどの悪影響を及ぼしているのだろう。根室管内の漁師町が衰退し、酪農の町の中標津だけが発展した理由はこのようなところにもあるのではないだろうか。真面目・誠実を旨とする町が長期的に発展を遂げ、お互いに違法・脱法行為にうつつを抜かし、批判のない町が衰退したのは今になって考えれば当然のことだ。気がついたらこういう悪慣習や悪慣行を一つ一つ潰していけばふるさとの町も必ずよくなる。

 「市民負担をできるだけ減らすために」市長がやるべきことは自らが招聘した病院コンサルタント長隆氏の提案どおり、病院建て替えを25~30億円でやることである。
 病院事務局はあちこちから要望を「御用聞き」して建築コストを膨らますのではなく、優先順位をつけてコストを切り込むことが仕事である。勘違いしてもらっては困る。単なる御用聞きなら中学生でもやれる。そろそろ大人の仕事をしてもらいたい。
 やり方については前のブログに「解決案」として書いておいた

 正直に、誠実にやれば病院建て替えはなかなか大変な仕事で、半端なスキルではとても無理だ。人口3万人の町だから人材はごく限られているのだろう。

*blog#『暗礁に乗り上げた病院建て替え:解決案』
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-05


**3月3日道新ニュース
 
羅臼漁船 VMS空白の14隻再調査
北方領土・国後島沖でロシア国境警備隊に銃撃された根室管内羅臼漁協所属の漁船2隻の船長2人が逮捕された事件で、道は2日、衛星通信漁船管理システム(VMS)の記録に2時間以上の空白があったほかの14隻の船長らを中心に、定められた区域の外で操業していたか再度聴き取り調査することを決めた。

 VMSを意図的に止めた容疑で逮捕された船長2人が第1管区海上保安本部の調べに対し、所定区域外での操業を認める供述をし、1日に道海面漁業調整規則違反(区域外操業)などの容疑で追送検されたのを受けた。4日にも職員を現地に派遣する。

 道の調べでは、安全操業を始めた1月9日から銃撃のあった同29日までに、VMSに2時間以上の空白が見つかった漁船は安全操業の19隻のうち16隻に上る道は16隻については、区域外操業を隠すため、VMSを切っていたとみている


暗礁に乗り上げた病院建て替え:解決案 #938 Mar.5, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 朝から雪が降っている。暖かいので雪が湿って重い。一度雪掻きしたが、午後からもう一度やることになる。ほどほどの運動の機会を用意してくれる天に感謝したい。

 今日の新聞に市の方では補助金申請を正式にあきらめたことが載っていた。もともと脱法行為である二重申請など、きちんとしたねむろっ子はしないものだ。不心得者がいたことは恥ずかしい。
 この補助金2重申請の件は市長も二重申請を斡旋仲介した仲野博子国会議員もきちんと総括し市民に説明すべきだ。オール根室は9月市長選挙で現市長の推薦を見直すべきではないのか?

 暗礁に乗り上げたかに見えるが、これは杜撰な建築仕様の詰めや市財政を破綻へ導きかねない病院事業損益計画に天がまったをかけたものとありがたく受け止めれば、解決案はある迷ったとき、困難にぶつかったときは原点に還る、原理原則に戻って考えてみる

 ①<場所は成央小学校とする>
 市教委も含めて市街化地域の3校を2校にする具体案を5月末までに詰め、オーソライズする。
 近い将来100~150ベッドの療養型病棟を増設するスペースや、特養を建設するスペースを考えると他に代替地は考えられない。

 ②<建て替え総予算を30億円として概略仕様を2ヵ月でまとめる>
 過去5年間みてきたが、病院事務局はほとんど仕事らしい仕事をしていない。損益計画も然りだが、建築仕様についても限られた予算で優先順位をつけてカットした様子が伺えない。御用聞きをやって予算を膨らませただけだ。情熱とスキルがないとこういう仕事はできない。
 歴代事務長や事務長を支える病院スタッフに必要なスキルをもつ者が一人もいなかったのではないだろうか。
 人選も含めて至急対応すべきだ。要点は建築、システム、医療機器、仕事やり方のデザインを包括する概略仕様書を2ヵ月でまとめることだ。できない言い訳をする者は仕事から外し、できるスキルをもった者に担当させる。

 ③<必要なスキルをもった人材に建て替えに関する全権を任せる>
 現有人員の中に人材が見つからなければ、病院事務局を市長が陣頭指揮するしかないが、市長にスキルがないことは脱法行為の補助金の2重申請をやろうとしたり、ニホロ案を推し進めたりしたことをみれば歴然としている。だから、外部から人材をスカウトして学校統廃合も含めた全権をその人に任せることだ(さして広くはないわたしの人脈でもこの仕事をこなせる人が一人いる)。

 それができないなら、病院事務局を陣頭指揮できるスキルをもった人材を探して市長にすればいい。オール根室は古里根室のために仕事の出来ない市長を棄てて、仕事の出来る人材を探して来ればいい。市長の取替えは簡単だ。これ以上、スキルをもたない現市長に病院建設を指揮させていたら、根室の地域医療と財政が根底から崩壊する。

 ④<手順とスケジュール>
 夏休み後の9月から成央小学校の解体・敷地整備を行い、基礎工事を11月末に完了する。本体工事は翌年5月からとする。このスケジュールなら交付決定済みの耐震化補助金11.9億円を取り逃がさずに済むだろう。


 総予算額が30億円(成央小学校校舎取り壊し費用は含まない)だから、この案なら市民負担はとりあえず18億円となる。現行の50億円よりは後年負担額が三分の一強で済む。

 この案にノーという者は2週間以内に対案を考えて私のブログのコメント蘭に書き込んでくれたらそのまま載せる、その上で議論しよう。


【参考:過去ブログ】
*#936『市立根室病院市民整備委員会が収支見通しなどの作業の遅れ批判』
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-04

*#932『市立病院改築:ピーク時、年間4億円』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-02-1

*#931『危ない市立病院建て替え論議:後年負担の増大と住民投票の是非』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-02

*#934『病院建て替え特別委員への質問と回答』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-03-1

**#889『病院建物基本仕様検討作業への要望(1)』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-02-02

*#881『根室人はホイドか:答えはノーだ』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-01-26-1


*#929『根室市長選挙(6):工事費3億円増』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-02-28-1
*#926『根室市長選挙(5):病院改築「私の手で」』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-02-27

*#925『根室市長選挙(4):病院建て替えにかかる補助金の嘘』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-02-26-1

*#923『根室市長選挙(3):北海道新聞記者の市政評価』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-02-25-2


*#484『国民の90%が幸せ・・・屈託のない笑顔』(ブータン)
URL 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-01-11-1
*#932『市立病院改築:ピーク時、年間4億円』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-02-1

*#931『危ない市立病院建て替え論議:後年負担の増大と住民投票の是非』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-02

*#934『病院建て替え特別委員への質問と回答』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-03-1

**#889『病院建物基本仕様検討作業への要望(1)』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-02-02

*#881『根室人はホイドか:答えはノーだ』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-01-26-1


*#929『根室市長選挙(6):工事費3億円増』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-02-28-1
*#926『根室市長選挙(5):病院改築「私の手で」』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-02-27

*#925『根室市長選挙(4):病院建て替えにかかる補助金の嘘』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-02-26-1

*#923『根室市長選挙(3):北海道新聞記者の市政評価』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-02-25-2


*#484『国民の90%が幸せ・・・屈託のない笑顔』(ブータン)
URL 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-01-11-1

市立根室病院市民整備委員会が収支見通しなど作業の遅れ批判(北海道新聞) #936 Mar.4, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 3月4日北海道新聞28面根室地域版より転載。

 収支見通しなど
  作業の遅れ批判
     市立病院建て替えで市民委
【根室】市立根室病院整備市民委員会(長谷川敬二委員長)が開かれた。建て替え後、一般会計から年に最大12億円以上の繰り入れが必要になるとの収支見通しに対し、委員から「もっと早く示してほしかった」などと厳しい指摘が相次いだ。
 収支見通しによると、2010~16年度に必要な一般会計からの繰入は年に8億7900万円~12億2800万円に上る
 委員の1人はこの計画で市財政がもつのかとの懸念を示し「もっと早くこの数字を出してほしかった。(着工が来年2月に迫っており)もうどうしようもない」と作業の遅れを批判。病院事務局の担当者は「このタイミングで出すのは遅かった」と陳謝した。
 また、別の委員は収支見通しが1日の入院患者数を現行と同じ111.6人と試算している点について「もっと多くなるのではないか」と指摘。事務局は「時間が限られていたため、(新病院完成後の)患者増を反映していない数字を出した」と説明した。(幸坂浩)

【コメント】
  市立根室病院整備市民委員会が昨日開かれた。建て替え後の年次損失が12億円でることに驚いている委員がいる。予算では年間4~6億円の一般会計からの繰り入れだが、過去5年間実質赤字は10億円を下ったことがないのに、委員の中には病院事業の決算数値もご存知ない方がいるようだ。病院事務局は委員に病院事業決算を説明していないのだろうか?
 ほんとうのところ12億円は赤字のミニマムラインで、建て替え後の償還負担のない今年度ですら赤字は12億円である。償還資金が当初5年間は年額4億円あるから赤字の最尤値は16億円である一般会計からの繰入金は16億円必要だということだ。
 実績数値を使えば誰でも数分で収支見通しが出せるから、各委員は自分で電卓を叩いて病院事務局が提出した資料に並んでいる数値を確認すべきだ。

 もうひとつ。外来患者と入院患者の実績値についても疑問がある。平成20年度は外来患者数は1日556.2人であった。入院患者数は記憶にある限りでは79.5人、80人をちょっと切っていた。病院事務局の試算数字はいつのものを根拠にしているのだろう。季節変動を除いた直近の12ヶ月の数字を使うべきだろう。決算数字としては平成20年度しかないはずだ。恣意的な数字を使うと委員が判断を誤る。
 国や道からの派遣医の期限がくれば医者は減員になる。医者のリクルートに関して根室市独自で何人の実績があったのかも明らかにすべきだ。建物が新しくなっても、医者が減れば患者は減る。昨日、テレビで8000万円の医療訴訟が起こされているとの報道があった。
 いいスタッフの揃っている病院では患者は安心して治療してもらえる。建物と医療スタッフと経営と3拍子そろってはじめていい病院ができる。建物だけ新しくなれば患者が増えると考えるのは浅慮というものだろう。

 このタイミングで収支見通しを出したのには意味があるのだろう。専門家として言うが、このような杜撰な数値を作るのに病院事務局のメンバーなら誰でも1時間あれば十分だろう。作成に特段の労力は要しない。昨年から試算済みで、あまりに数字が悪いからどのように粉飾しようか相談していたに違いない。どうにもならなくて、公表を迫られ、しかたなしに出した数字だろう。収支見通しの提出を遅らせて、内容審議の時間を与えず、病院事務局案を丸ごと押し通そうという魂胆が透けて見える。このような見え透いた手に乗るようでは、市議会病院建設特別委も市立根室病院整備市民委員会も存在意味がなくなってしまう。
 内容を吟味すれば作成に時間のかかる資料ではないから、時間切れを狙って収益見通しを出したとしか考えられない、じつに不正直・不誠実な仕事である。市民委員はだまされてはいけない。

 新聞記事から察するに、市民委員の中にはこの問題を議論するのに適していない人もいるようだ。いくら市長が委嘱した委員だからといって、なんでも賛成では困る。
根室の地域医療のあり方を決定する責任の重い仕事だから、無理なら辞退する勇気も必要だ。実績値を参考にして電卓を叩いて病院事務局の数字を確認できるぐらいの人が望ましい。

*本田市議がこの北海道新聞記事を読み、つぶやいているので彼のブログを見てみよう。(3/4夜)
 http://nimuoro.typepad.jp/honda/2010/03/post-3701.html

*#932『市立病院改築:ピーク時、年間4億円』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-02-1

*#931『危ない市立病院建て替え論議:後年負担の増大と住民投票の是非』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-02

*#934『病院建て替え特別委員への質問と回答』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-03-1

**#889『病院建物基本仕様検討作業への要望(1)』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-02-02

*#881『根室人はホイドか:答えはノーだ』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-01-26-1


*#929『根室市長選挙(6):工事費3億円増』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-02-28-1
*#926『根室市長選挙(5):病院改築「私の手で」』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-02-27

*#925『根室市長選挙(4):病院建て替えにかかる補助金の嘘』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-02-26-1

*#923『根室市長選挙(3):北海道新聞記者の市政評価』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-02-25-2


*#484『国民の90%が幸せ・・・屈託のない笑顔』(ブータン)
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http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-01-11-1


病院建て替え:建て替え特別委員への質問と回答  #934 Mar.3, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 特別委のメンバーである本田市議にいくつか質問をした。すぐに回答があったので転載したい。もちろん彼のブログでも同じ内容を見ることができる。
 根室の町はいま重大な岐路に立っているから、病院建て替えに関する周辺の問題も含めて後年負担が増えることや、老人医療が犠牲になることなど、市民は正確な情報を知って行動すべきだ。
 さあ、ていねいな本田議員の解説をじっくり読んでほしい。

【私の質問】
①今年度の一般会計からの繰入金は決算ベースでは12億円と聞いていますが、これに建設後5年間の年間償還金額4億円を加えると、一般会計からの繰入金は16億円になるのではないでしょうか?

②院内情報システムについて開示できる情報はないのでしょうか?以前の5億円の予算はあまりにも大きすぎます。自分たちで概略仕様を詰めない仕事の進め方も疑問です。業者に丸投げすれば予算額は2~3倍になるのがこの業界の通例です。基本仕様が途中で変われば作成したプログラムはごみになります。

③当てにしていた補助金がアウトなのですから、過去5年間の実績値と比較して「事業改革プラン」から見直すべきだと思います。

④根室市の財政は建設後5年間、毎年16億円の繰出金を負担可能なのでしょうか。財務課の見解を聞きたいものです。

⑤市立病院に62億円もの投資をしてしまったら、療養病床の施設(100~200ベッド)を作り維持する財源は捻出できなくなるのではないですか?老人が終の棲家にできないふるさとの町にはしたくない。

大変だとは思いますが、正念場にかかっているようです。
あせらず、じっくり考えて結論を出し、しかる後に果敢に動いてください。

【本田議員の回答】
ebisu さん コメント有難うございます。

コメント頂いた5点についてですが、

1)一般会計繰出金については、建設費を除く22年度以降の繰出額を約8億円に抑えた積算としているため、建設費償還ピーク時で約12億円となっています。ですからこの金額は限りなく下限の話であり病院が今年度のような経営状況となれば、ご指摘のとおりの結果となります。

2)院内情報システムについては、院内協議を進めているとの答弁ですが、成果の発表はありません。
ご指摘のとおり概略仕様程度は院内で取りまとめるべきです。電子カルテ化を前提に、MRI,CT等放射線部門の画像管理、内視鏡画像等イメージデータ等を含めたトータル管理を目指す必要があります。また、病病・病診連携や介護との連携を意識した地域パスの構築等への取り組みも必要になってきますので、医師、コメディカルスタッフも交えしっかりとしたデザインをすべきタイミングです。
オーダリングシステムは20年度に更新したばかりですので、その活用も考慮すれば、費用の圧縮は十分可能だと思います。

3)改革プランの見直しについては、病院特例債の借入条件でもあり、3カ年間で幾つかの目標数値をクリアしていかなければならないものです。患者数が伸びていませんので医業収益も目標値を大きく下回っています。不採算部門も抱える公立病院の場合、人件費比率を50%に近づけることが目標値となりますが、現状では70%を超える様な状況ですので、改革プランの見直しは必須です。

4)昨日の補正予算審議で一般会計の基金残(繰出金の補てん財源)を確認したところ21年度末で約16億円という答弁でした。これまでの議会でのやり取りでは、一般会計としては7億円台の繰出が限界と言ってますので、病院の経営状況が改善されなければ、単純計算で4年で一般会計の余力が尽きることになります。

5)療養病床の問題は、非常に重要であり、新病院の基本設計がまとまるまでに、市として方針を示すべきであると思っています。
病院建設等に関する特別委員会でも積み残し課題として議論をして、その位置づけも明確にしたうえで、次のステップへ進むべきところですが、残念ながらいまだに方針は示されていません。
大変、重要な問題ですので、来週11日の一般質問で取り上げたいと考えております。


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