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#4221 東京都医師会と大手民間センター3社が手を組んだ:PCR検査センター開設 April 13, 2020 [35. 感染症および自己免疫疾患]

 先ほどテレビ朝日の番組を見ていたら、東京都医師会が新型コロナ感染症「PCR検査センター」を立ち上げるという。開業医から民間検査センターへのパイプを敷設するという話である。すでに3社の民間検査センターと契約したという。

 <いままで>
 開業医や病院⇒保健所(多数のチェック項目アリ)⇒指定感染症病院⇒国立感染症センターもしくは都道府県立の衛生研究所
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 <これから>
 開業医と病院のドクター判断⇒「PCR検査センター」⇒大手臨床検査センター3社

 「PCR検査センター」の役割は、検査可能な指定医療機関の縛りをなくすこと、開業医や病院ドクターが必要と判断したらPCR検査できる体制を構築することである

 保健所を経由しないでクリニックや病院から直接民間検査センターへ検査依頼ができる。これなら10,000/dayでも20,000/dayでも問題なく処理できるだろう。
 東京都医師会と大手民間検査センター3社が、武漢コロナウィルス感染症感染爆発直前になってようやく手を組んだ、喜ばしい。

 大手臨床検査センター3社とは次の会社である。この順位は40年間変わることがなかった。技術力ではダントツにSRLである。SRL学術開発本部や経営管理部で仕事したわたしがいうのだから間違いがない。(笑)
1.エスアールエル

2.ビー・エム・エル

3.LSIメディエンス

*民間検査センター売上ランキング:https://mt-bank.jp/laboranking

 SRLは2月中旬から新型コロナPCR検査を受託している。おそらく1月下旬には会社として新型コロナウィルスPCR検査に必要なプライマー作成を決定したのだろう。素早い対応である。検査に必要なプライマーの自家調整をやっているのはSRLだけだろう。他は検査試薬を購入することになる。
 SRLは日本の検査センターではダントツにレベルの高い検査センターである。米国のトップレベルの検査センターと比べても遜色がないから、世界有数の民間検査センターである。その技術力は高い。

 3/6から適用の保険点数であるが、検体を郵送した場合が1800点(18000円)、それ以外は1350点(13500円)だが、これはほかのPCR検査に比べて高すぎる。なぜそうなったのかは国立感染症センターや都道府県の衛生研究所の検査コストを基準にして設定されたからではないか?民間センターのPCR検査はRNAウィルスでもそんなに高くないから、500-600点(5000-6000円)に設定すべきだ。患者負担に違いがありすぎる原価は100テスト/dayのときと5000テスト/dayではまるで違う、数分の一になるのが普通だ。かつてはSRLの原価計算システムに一番詳しいことのあったわたしが言うのだから信用してね。(笑)
 厚労省はSRLにRNAウィルスの原価情報提供依頼をしたらいい。守秘義務契約を取り交わして原価情報を教えてくれます。ナンバーワンセンターとしてその社会的使命をわきまえている会社です。

*保険点数:https://gemmed.ghc-j.com/?p=32688

**#4197 民間検査センターのPCR検査について Mar. 4, 2020
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2020-03-04

 #4198 厚労省と医師会だけで医療政策ができる時代ではない Mar.6, 2020
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2020-03-05


<余談:BCG接種と武漢コロナ感染症の関係>

 PCR検査件数が進めば、日本では症状の軽い感染者の多いことがわかるかもしれません。BCGの接種率が98%と高いからです。人口百万人当たりの死亡者数はいまのところイタリアやスペインの1/600(感染爆発がまだ起きていない)ですが、感染爆発が起きても最終的に1/50くらいにおさまるかもしれません。そうなったら、BCG接種率(98%)の高さに感謝です。そのあたりの理由については、前回の弊ブログに書いておきました。
*#4220 BCG接種が武漢コロナ感染症死亡率を下げる? April 13, 202
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2020-04-13




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<京大病院など共同声明>4/15追記
*https://www.msn.com/ja-jp/news/coronavirus/無症状でも%ef%bd%90%ef%bd%83%ef%bd%92検査を%ef%bc%9d京大病院など共同声明―新型コロナ/ar-BB12ERvR?ocid=spartanntp
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[無症状でもPCR検査を=京大病院など共同声明―新型コロナ]

  京都大付属病院と京都府立医科大付属病院は15日、新型コロナウイルスの院内感染を防ぐため、手術や救急医療を受ける患者に対し、症状がなくてもPCR検査を公費で行うか保険適用するよう求める共同声明を発表した。対策が遅れれば医療崩壊につながると訴えた
 声明は無症状であっても感染者に手術や分娩(ぶんべん)、内視鏡検査をすれば、医師や周囲の患者らに感染させる可能性があると指摘。現在は症状がある患者だけに保険が適用され、無症状のケースで実施した場合に病院側が費用を負担すれば経営を逼迫(ひっぱく)させるとした。
 また、PCR検査に必要な試薬や、感染を防ぐ防護具の確保も求め、厚生労働省に要望書を提出するという。
 京大病院の宮本享病院長は記者会見で、「臨床現場の悲鳴でもあり、この危機感は日本中の医療関係者が共有している」と話し、他の医療団体に賛同を求めた。





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#4220 BCG接種が武漢コロナ感染症死亡率を下げる? April 13, 2020 [35. 感染症および自己免疫疾患]

 驚きました。BCGが武漢コロナウィルスに効くという研究が目白押しになりそうです。
人口百万人当たりで死亡率を見ると「人口100万人に対する死者数の割合の上位3国はスペイン(338.8)、イタリア(311.7)、フランス(202.1)。米国では56.7、日本は0.69となっている。」
現在時点でという限定がつきますが、日本はイタリアやスペインの1/600しか亡くなっていません。
日本人のBCG接種率は98%です。これが自然免疫や訓練免疫を賦活しているらしいというのです。
「この研究グループは、BCGのこのような効果を「訓練免疫(trained immunity)」という新たな概念として提唱している。つまり、自然免疫が働きやすくなるように“訓練された”状態になるというのだ。」
 誤解のないように、ぜひオリジナルの記事をお読みください。

https://www.msn.com/ja-jp/news/coronavirus/コロナにbcgは「有効」なのか%ef%bc%9f東北大・大隅教授が緊急解説/ar-BB12wvYW?ocid=spartandhp

 水道が整備されていてどこでも手洗いが励行できることやマスクの着用に抵抗がないことなどを除いても、死亡率が著しく低い。そのことから類推できるのは、感染した場合の重症化率も低いということ。免疫の仕組みを考えると、BCG接種によって自然免疫の強化や訓練免疫による免疫システム賦活化効果で、不顕性感染や軽い症状で終わっている感染者の割合もずっと高くなっていると推定しうる。
 BCGによって免疫が賦活化しているとすると、花粉症やアレルギーが欧米の人たちよりも多くなるというマイナスの面もある。

 BCGは結核予防のためのものでしたが、それがその後の人生で免疫を賦活化する=訓練免疫の効果があるということ。
感染爆発しても、人口の98%がBCG接種済みの日本人の死亡率は欧米の1/50くらいにしからならない可能性がありそうです。
罹りにくいということと、罹っても自然免疫や訓練免疫の賦活化効果で重症化する人の割合が小さい、そして無症状の人や軽い風邪のような症状で終わる人が多いのが日本での武漢コロナウィルス感染症の特徴だという結論が導き出せそうです。
ヨーロッパでBCG接種の臨床実験が始まっていますから、研究の進展に注目したい。


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