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#3260 根室市役所新庁舎に廃校を利用しよう Mar. 17, 2016 [26. 地域医療・経済・財政]

 HN(ハンドルネーム)相川始さんから、富山県氷見市が廃校を市庁舎にリノベーションして利用しているという情報を(#3258コメント欄に)戴いた。

 次いでHN「庶民サンプル」さんから、氷見市庁舎のリノベーション(大規模改修)の設計コンセプトをアップしているURLと、文科省が廃校利用を薦めている「みんなの廃校プロジェクト」のURLを(#3259投稿欄)で教えていただいた。

 少子化に伴い全国で廃校が続出しているが、文科省は「みんなの廃校プロジェクト」で廃校後の建物の利用に関する情報を収集して、公開している。だから、根室市が声を上げれば、文科省は後4年後に廃校となる市街化地域の1小学校と2中学校のいずれかを市庁舎としてリノベーションして利用することについて、異論のあろうはずがない。それどころか、歓迎、後押ししてくれるだろう。

 こんな情報を弊ブログコメント欄に寄せてくれそうな人を一人だけ存じ上げているのだが、このHNの方がその人かどうかはわからない。
 とにかく、有力な新情報に感謝申し上げます。

 市民とのコンセンサスのつくり方についてはすでに述べました(#3259後段に書いてあります)。後は市役所の担当部署と市教委、そして市議諸君の仕事です。立派な仕事をして、お金をあまりかけずにエレガントな市庁舎を実現してください。
 あ、廃校利用の窓口は根室市教委です。「活用用途募集廃校施設等一覧」表に窓口が市町村教委であることが明示されています。道内はすでに49校の廃校活用募集が開始されています。稚内市教委や旭川市教委は対応が早いですね。根室市教委もがんばってください。活用募集に応ずるように市役所担当部署とどうぞ交渉を始めてください、それはあなたたちの仕事ではありませんか?関連するそれぞれのセクションの各人が、一人一人己の仕事をまっとうすれば、市民に喜ばれる立派な市庁舎が低コストで実現できると信じます。
*活用用途募集廃校施設一覧
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyosei/__icsFiles/afieldfile/2016/02/25/1296809_1.pdf


 氷見市役所 廃校リノベーション設計コンセプト及び設計概要 
http://www.yamashitasekkei.co.jp/service/scholarly/elect_2015_002.pdf


 文科省「みんなの廃校プロジェクト
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyosei/1296809.htm



*#3259 市役所庁舎に廃校を利用した富山県氷見市 Mar.16, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-03-16

 #3258 根室市役所新築なら30億円:坪単価200万円にビックリポン! Mar. 15, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-03-15

 #3241 2020年度までに市街3中学校統合 Feb. 19, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-02-19



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#3259 市役所庁舎に廃校を利用した富山県氷見市 Mar.16, 2016 [26. 地域医療・経済・財政]

 今日は道立高校の合格発表の日ですね、10時に掲示されます。根室高校普通科と事務情報科は定員割れしています。商業科のみ定員オーバー。
 商業科で合格した人は胸を張れますね。適度な競争があることは、根室の子どもたちの学力維持という観点からよいことだと思います。

 さて、前回、庁舎老朽化問題を市議会で問われた担当部署が、坪単価200万円で総額30億円の見通しを述べたことを紹介しました。15日北海道新聞朝刊根室地域版の記事です。
 耐震診断の結果、早急に耐震改修するか新築するかを決めなければいけないそうです。

 コメント欄にハンドルネーム相川始さんから、富山県氷見市が、新庁舎に廃校を利用した例を紹介してくれました。
 根室市内の市街化地域の3つの小学校と3つの中学校は、それぞれ2校と1校に統合スケジュールが決まっており、合計3校が平成32年(2020年)までに廃校になる見通しです。どの学校も最近3年ほどで耐震改修工事をそれぞれ1億円以上かけて完了していますから、これらの建物を利用することを市議会と、市役所担当部署に検討してもらいたいと思います。
 別途、体育館の建設も予定しているようですが、これも廃校になる学校の体育館を利用すればいい。多すぎて困るくらいあります。

 次のURLに氷見(ひみ)市庁舎の写真と解説が載っているので、クリックしてご覧ください。

「DAY35-3 富山県氷見市 旅の醍醐味はハプニング…にしても、はちゃめちゃなハプニングに見舞われた日本初・体育館リノベーション市庁舎視察」
http://coinaca.com/1632

 労働人口が減少していく中で借金をして次々に箱物を建てたら返済に無理が生じるので、「新しい建物を建てない」という選択肢があるということが書かれています。

 氷見市は新庁舎に廃校を利用する案を選択しました。写真をよく見ると、集成材を使用してリノベーションをしています。改修にお金をかけすぎたのでは意味がありません。しかし、そのままでは使いにくいことも事実ですから、予算額の上限をあらかじめ決めて最小限のリノベーションが必要でしょう。どの程度の、そしてどのような改修をするかについて、市民のコンセンサスが必要です。

 こういう大事なことをいままでは、市長の諮問員会をつくり、市側の意向通りに進めて来たことに、わたしはうんざりしています。仕事がちゃんとなされていれば何も言うつもりはなかったのですが、市立根室病院の建て替え問題でも、明治公園再開発でも、市政がだれのためになされているのか疑問だらけです。コストもじつに高額で、根室市の市債残高は人口が加速的に減少を続ける中で微増しています。人口が5000人も減少し、それが加速しているのも関わらず、根室市の借金がまったく減らないのは市財政の危機です。補助金の仕組みを考えると、政府財政の方には2.3倍、750億円もの負担がかかっているということです。全国1728の市町村が、みな似たようなことをしているのですから、政府財政の破綻したら、その責任の一端は補助金で7割まかなってもらえるのだから、コストカット不要というわたしたちの考え方にもあります。
 市立根室病院建設コストがとても高かった点については、前回、2000年に首都圏で建て替えを行った病院の具体的事例と坪単価を挙げて説明しています。

 同じ愚を繰り返さぬために、新庁舎建て替えは、市民の自由参加で何度も議論すべきです。市の総合文化会館で隔週日曜日ごとに、1年~2年程度議論して、市民の総意で決めてみませんか?
 市議の皆さん、そして市役所の担当部署の方々、市民の意見を聞いてみてください。

 投稿欄に建設的なコメントを寄せてくれた相川さんに感謝申し上げます。

*#3260 根室市役所新庁舎に廃校を利用しよう Mar. 17, 2016 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-03-16-1

 #3259 Mar.16, 2016

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#3258 根室市役所新築なら30億円:坪単価200万円にビックリポン! Mar. 15, 2016 [26. 地域医療・経済・財政]

 3月15日北海道新聞朝刊根室地域版によれば、
市は、耐震基準を下回っている市役所本庁舎について、防災拠点施設として望ましい耐震改修工事を行った場合で8億5千万円程度、現状と同規模(延べ約5千平方メートル)で新築した場合は約30億円の費用が掛かるとの見通しを、14日の市議会予算審査特別委員会で示した

 現状の本庁舎は地上4階地下1階、延べ4900平方メートル、1973年に造られました。

 コストカット努力のなかった市立病院建て替えが坪単価130万円でした。なぜ、市役所本庁舎建て替えにそれ以上の坪単価200万円もかけるのでしょう?
 ebisuは根室へ戻ってくる2年前の2000年に、ある方から頼まれ、医療法人常務理事に就任し、首都圏で300ベッド弱の療養型病床群の病院を坪単価65万円で建て替えました。ゼネコンは鉄鋼メーカの新日鐵でした。市立根室と同じ建築仕様でRC造です、免震構造だけが異なっています。ちゃんと仕様を決めて、交渉すればコストカットは可能なのです。いい加減な詰めではじめたら、追加仕様に数億円かかることになります。市立根室病院はそうなりました。公費を投入するのですから、杜撰な仕事をしてはいけないのです。
 藤原市長(当時)へ連絡を入れたら、担当部長に会って話をしてくれというので、建築設計資料は当時道庁から出向していたK総合政策部長と病院側の責任者をしていたKさん(道庁から出向していた建て替え担当の課長職)にお渡ししました。2003年か2004年頃の話です。

 根室市内に坪単価200万円の個人住宅は存在しないでしょう。
 市立病院は根室市が招聘したコンサルタント長隆氏が年間売り上げの範囲内での建て替えをすべきと提言していましたが、市長・市議会特別委・病院建て替え市民整備委員会はその提言を無視して2倍もかけました。維持費については考慮がなされなかったために、燃料費や借金返済が経営を圧迫しています。地盤が強固なのだから免震をやめて外断熱仕様だったら燃料費は1/3ほどに低減できたでしょう。維持費を低減する屋上へのソーラーパネル設置もありませんでした。ミスだらけだったのです。

 材料費が上昇しているにしても、市庁舎は坪単価100-120万円を目標予算枠とすべきです。1973年の人口4.5万人に対して、現在2.8万人、2020年には2.5万人、2040年には1.8万人を割る社会保障人口問題研究所の地域別推計値として公表されています。
 したがって、現在の規模での建て替えの必要もありません。人口減と職員減を考慮に入れた縮小建て替え案を作るべきで、市の総合文化会館で市民自由参加で何度も議論すべきではありませんか。市長の諮問委員会方式や市議会特別委方式が実際にはほとんど機能しなかったことは病院建て替えで証明済みです。
 市民は働いて坪単価50-70万円程度の家に住んでいます。なのに本庁舎に坪単価200万円もかけようというのですか。昔、「塩爺」と呼ばれた政治家がこんなことを言ってました。

 「母屋でお粥を啜っているのに、離れのお座敷ではすき焼きを突っついている」

 補助金を引っ張ればコストカットなど必要なし、いくら高コストになってもいいといわんばかり、これでは金銭感覚を疑わざるをえない。坪単価200万円の見通しを示した市役所担当部署はこの仕事の担当能力がありますか?
 こんな「見通し」を出すようでは、市役所は土木建築業者との癒着を疑われます。

 藤原前市長は140億円台まで予算規模の縮小をしましたが、長谷川市長に変わってからは膨張路線をひた走っており、人口が5000人以上も減少したのに、予算は177億円に膨らんでいます。箱物の新築に伴う市の負担金は借金であがなわれており、その返済で予算が圧迫されているのが現状です。自主財源はわずか27-30億円、借金残高は227億円もあります。年収600万円の人が、分不相応な住宅を取得して4200万円の借金を抱えているようなものです。返済能力がないので自己破産するに決まっていますから、銀行は個人にはそんなに貸しません。人口比で考えれば、2.8万人の現在の人口なら、市財政規模は125-130億円でやるというのがあたりまえです。

 市長の諮問委員会をつくり、70億円かけて市立病院を建て替え、40億円もの明治公園の再開発をろくに議論もせずに短期間で決め、今度は本庁舎建て替えですか、放漫市政もここに極まれりの感がします。
 何を優先するのか、予算規模をどうするのか、よく議論して決めるべきではないでしょうか。建て替え費用の3割は市の負担=借金となります。年間450人もの人口減少加速下のこの町で、これ以上次の世代へ借金を増やしてはならないと思う人は多いと信じます。わたしはそういう市民の声を代弁したいと思います。借金を増やして後世の負担を大きくしたいのはわずか1割に満たぬ市政翼賛機関と化した「オール根室」だけ。メンバーの中には、ほんとうはまずいと思っている人がいるはずです。勇気を出して次の世代のために、本庁舎建て替えは坪単価100-120万円、面積は4000平方メートルにしようと言いましょう。

 [ 三つのデータを挙げます ]
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<根室市の人口データ> 
 実績値と社会保障人口問題研究所地域別人口推計データから
 1973年 44,856人
 2000年 33,859
 2010年 29,015
 2020年 25,390
 2030年 21,571
 2040年 17,892

<根室市の歳出(支出)>
 平成26年 178.6億円(決算)
 平成27年 177.4億円(予算)

<根室市の市債残高>
 平成20年 220.7億円
 平成26年 227.3億円
 平成27年 222.1億円(予算ベース)

 7年間で市債残高はちっとも減少していません。人口は3000人(約10%)ほど減少しています。し税収入は30億円弱ですが、先細る人口で借金を返さなければならない次の世代が気の毒になります。「オール根室」の皆さんは、根室で暮らすことになる子どもたちや孫たちのために、自分たちの欲望を自制してください。
 いまのままでは、政府財政が破綻すると同時に根室市も破綻となります。地域医療も公共交通機関も維持できなくなります。

*http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/90f544667780cf46492570c700066ba3/$FILE/H26決算の要点.pdf



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<統廃合になる小学校や中学校を利用すべし>
 コメント欄にそういう提案がありました。市街化地域の小中学校はこの3年間ほどでそれぞれ1億円以上をかけて全部耐震改修を済ませています。子どもたちがいま使用しているのですから、大人がそのまま使えないはずがありません。使う工夫をしてください。
 そうして、市役所本庁舎として20年ほどぜひ利用なさってください。経費節減は昼休み時間の消灯ではなくて、こういう大きいところでこそやりましょう。
 建て替えは人口が2万人を切ってから、町の規模にふさわしい小さなそしてエレガントな庁舎を建てましょう。あわてなくても大丈夫です。
----------------------------------------
本当ですか!?
確かに市役所の老朽化は深刻ですが、この費用のかけ方は異常な感が否めない。

小中学校を統廃合するのだから、そこを再利用すればよいのでは?と考えるけど?
今の根室に必要な優先順位は、人口減少の抑制と子供の学力向上だと思うが?

by 相川始 (2016-03-15 13:13) 
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*#2272 根室 「57年間の人口推移+27年間の推計一覧表」 Apr. 23, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-23-1

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#3153 財政健全化基準クリア、しかし、・・・:警告アリ Oct. 8, 2015 [26. 地域医療・経済・財政]

 超大型台風23号が温帯低気圧となり根室沖を通過している。サケマス定置網は引き上げ、緑町や梅ヶ枝町1丁目商店街は土嚢を積みシートをかぶせて防護したものの、高潮で行き場を失った雨水があふれて一部冠水した。昨年12月に比べると被害は小さいようだ。
 昨年12月17日爆弾低気圧による水害、そして金刀比羅神社例大祭の8月10日の集中豪雨でも水害があり、今日10月8日が三度目。地球温暖化で海水面でも上がったのかと思えるほど頻繁に水害が起きた。こんなに度々起きるようだと、梅ヶ枝町1丁目と緑町1丁目は閉店する店が出るだろう。

 さて、本題に移ろう。
 10月7日付けの北海道新聞が財政健全化指標を報じた。4つあるうち2つを選んで載せている。実質公債費比率は8.6%で中標津町と並んでいる。この指標が25%を超えると財政健全化団体に指定される。
 もう一つ、将来負担比率というのが載っている。なんだかよくわからないが、住民の将来の負担を表す指標のようで、これが350%を超えると、財政健全化団体に指定されるという。現在96.7%と中標津町の31.8%3倍ほど高いが大きな問題ではないようだ。説明を読んでもよくわからない。行政用語である「標準財政規模」がいくらかすら知っている市民はほとんどいない。市の一般会計予算は170億円だが、標準財政規模がその半分程度だと知っている市議すら少ないのではないか。さらにそこから「償還費に要する経費として基準財政需要額に算入される額を控除した額」と書いてあるのだから、分母がいくらかなんて市の財政課の人間以外の誰にもわからない。分子はもっとわからない、読むのもうんざりだ。まるで本当のことがわからないように計算式やそれに使う用語を作っているように思える。説明を転載するので、読んでみてほしい。わたしの言うことが納得できるだろう。
 財政破綻が公表されるまで、一般市民は真相を知らされないことがわかる。「よらしむべし、しらしむべからず」を絵に描いたような「見事な(=わけのわからぬ)」迷解説である。

http://www.nemuro.pref.hokkaido.lg.jp/ts/tss/gyouzaisei_gaiyou/zaisei/h25.pdf
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  地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づき、各市町村において算出することとなっている指標で、地方債残高ほか一般会計が将来負担すべき実質的な負債の財政規模に対する比率である。
  この比率が350%を越えた市町村は財政健全化計画を策定しなければならない。
  なお、将来負担比率は、分母を各市町の標準財政規模から償還費に要する経費として基準財政需要額に算入される額を控除した額とし、また分子は、起債残高全職員の退職手当金といった将来負担額から、地方債の償還等に充当可能な基金や特定財源更には償還等に要する経費として基準財政需要額に算入される額を充当可能財源として控除した額を将来負担見込額として、算出することになっている。
  根室振興局管内市町においては、将来負担比率が350%を超える団体はない。
------------------------------------------------

 太字にした部分は、専用辞書や解説が必要である。そういうものなしに、一般市民が理解できるわけがない。

 では本当の姿はどうなっているのだろう?
 財政健全化指標でいま問題になるものはないものの、わずか135ベッドの病院建て替えにコストカットをせずに総工費70億円もかけたために、起債の辛い償還負担がまっている。「意見書」は将来負担額を大きくしてしまったことにより、将来財政健全化に黄色信号がともっていることを次のように警告している

*「根室市健全化判断比率等の審査意見」http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/072655f020242b59492574fa0026f4b0/$FILE/26kenzenka.pdf
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Ⅲ.健全化判断比率等についての意見
健全化判断比率等について審査したところ、本市においては早期健全化の対象となる基準値を超える比率は皆無であった。また、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」適用前の平成19年度は、市立根室病院事業会計に資金不足の額があり、当該会計の資金不足比率が「経営健全化団体」の基準を超過していたところであるが、平成20年度限りの措置であった国の公立病院特例債を活用したことにより、資金不足の額は無くなり、前年度も全ての会計で比率が基準内となっていたところである。しかし、これは市立根室病院事業会計の経営状況が好転しているものではなく、公立病
院特例債の活用により一時的に本制度の適用が回避されたに過ぎず、公立病院特例債の償還年数は7年と短期であり、今後の償還が市立根室病院事業会計及び一般会計に大きな負担となるものである。さらには、
平成22年度から4ヶ年計画で進められていた新市立根室病院の建設が平成25年度に完了したところであるが、多額の起債の償還が将来の大きな負担となることは明白である。
従って、健全化判断比率等は平成25年度においては全て基準内に収まっているものの、中・長期的にみると財政状況が更に厳しさを増し、歯止めのかからない人口減少や市中及び国内外の景気動向等の変動により、場合によっては危機的な財政状況に陥ることも予想されることから、全会計を通じて常に的確な財政の将来見通しをたて、健全財政が維持されるよう切に望むものである

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 「財政健全化比率等審査意見書」は将来起きる可能性のある財政危機とその原因までちゃんと警告している。
 根室市が建て替えに当たって二度も招聘したコンサルタント長隆(公認会計士)が年間売上25億円以内での建て替えを提案していたのに、それを無視して2倍以上の総工費をかけて建て替えてしまった。こういういい加減な仕事をすれば、そのツケは将来必ず回ってくる、「意見書」は正しくそのことを警告している。
 「オール根室村」の住人たちは、そういう市政のデタラメな運営に決して異論を唱えない。根室の経済諸団体で病院建て替えに際して、費用を削減すべきだと表明したところは一つもない。ダメなことをダメと言わないことで、根室で生まれ育ったはずの「オール根室」の面々がふるさと発展の可能性の芽を摘んでいる。私利私欲を棄てれば、町の発展に寄与できる、そろそろ変わったら?

 北海道新聞は、わけのわからぬ行政用語と数字を掲載するだけでなく、本当の姿がどうなっているのかについても取材して、バランスのよい記事を掲載してもらいたいと思う。

 
*#3146 市立根室病院のH26年度赤字額は17.8億円 Sep. 30, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-09-30 


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#3134 市立根室病院経営改革は予算編成適正化が鍵 Sep. 15, 2015 [26. 地域医療・経済・財政]

 本田市議ブログによれば、市立根室病院事業で補正予算が組まれた。予算案がでたらめだから、大幅な補正予算は毎年のことだが、本田さんは中身の問題を追及している。

*本田市議ブログ
http://nimuoro.lekumo.biz/honda/2015/09/post-6ec3.html

 「議員協議会に提出のあった説明資料に記載された主な専決内容では、収益的収入において、医業収益の一般会計負担金2,257千円の減額、医業外収益の一般会計負担金・補助金16,366千円の減という内容でした。」

 ところが、これには次のような情報の隠蔽があった。

「後日、配布されました平成26年度市立根室病院事業会計補正予算(専決第1号)に関する説明書を確認したところ、医業外収益一般会計補助金の補正内訳として、医師確保対策に要する補助金109,688千円の増額並びに収支均衡を図るための補助金125,510千円の減額という大幅な財源内訳の変更を伴う補正内容であり、それらの詳細について説明がないまま、地方自治法第180条第1項の規定に基づく専決処分が行われたことは遺憾であります。」

 1861万円の補正のはずが、中身をみると医師確保に対する予算増額1億968万円増額と赤字穴埋めのための繰出金1億2551万円の減額だったのである。
 常勤医の退職が相次ぎあせっているのでしょう。横暴な運営をすれば人の出入りが多くなる、世間ではそういう離職率の高い企業のことを「ブラック」と呼んでいます。みんなで「ホワイト」にしましょうよ。

 年間売上21~25億円の規模の事業で、医師確保費用が1億円も増額が必要になるということは、当初予算がでたらめだということ。どうせつじつまあわせでいんちき予算だから、実績はまったく別になるとつくった病院事務局自体が承知しているから、経営改善なんかする必要もなし、補正予算で予算を実績に合わせる作業をすればいいだけ、こういうことになっている。でたらめなつじつまあわせに汲々としているから根っこから腐ってしまった。
 そういうわけだから、正直で正確な予算編成ができる町にしましょうよ。

 当初予算の費用は他にもでたらめがあったことが次の本田さんの指摘で明らか。

 「今議会に、報告第10号専決処分として報告があった平成26年度最終予算と最終決算額(議員協議会提出資料)において病院事業収益特別利益の引当金戻入益において90,058千円の収入増、病院事業費用医業費用の給与費において100,856千円の支出減と大きな乖離が生じています。」

 怖いことです、こうして何もかもがタガが外れてしまうんです。過年度に退職給与引当金が過剰に積み立てられており、その戻入が9005万円あった。それだけでなく、当年度の退職給与引当金も当初予算が1億85万円過剰に見積もられていたということ。両方で、1億9091万円の予算差異である。

 恥ずかしながら、こういうでたらめな予算案を根室市議会はそのまま承認していた。もう、市側の出す予算案をそのまま認めるのはやめましょう。こんな風にでたらめの限りを尽くしているのだからね。

 決算書が議会にかけられているということは、監査報告書が添付されているということ。根室市の大口取引先である大地みらい信金元専務理事が昨年市の監査委員となったが、利害関係者を監査人に任命した市長の責任は重い。監査が形骸化するので絶対にあってはならないことである。まだ、市民には公開されていないが、監査報告書は「無限定適正」になっているのではないか。
 こういう形骸化した監査は、でたらめな経営や不正の温床となる。論より証拠、長谷川市政になってから、(藤原市政の時代に)年間8億円前後だった病院事業赤字額が17億円に増えている。経営改善は声高に言われるだけで、そのために課長職を増やしても、業者に経営改善を外部委託しても効果がないどころか、赤字額は逆に増え続けた。そしてまともな説明は一度もない。背景には監査が形骸化していることがあるのではないか?

 根室漁船保険組合の横領事件や落石漁業協同組合の使い込み事件は、監査が形骸化していたからこそ生じた。

 適正な人材がいないなら、根室市の監査は監査法人に委託すべきだ。そして病院事業には業務監査制度を導入すべきである。

 文教厚生委員会委員長である本田さんと委員諸氏は断固とした決意で、ふるさとの地域医療を守るために根室市の財政改革に踏み切ってもらいたい。

 やらなければならぬことは、取引業者出身者を市の監査委員から外すことと業務監査制度を市立根室病院へ導入すること。念のために書いておくが、「オール根室村」は市政の利害関係者であり、「独立不羈の第三者」ではないから、監査人の資格なし。
 ようするに、予算編成も監査も基本通りにやればいいだけ。

 本田さんは次のようにも書いている。

 「また、平成26年度の公営企業会計は新しい会計制度へ移行後の初年度でもあり、予算執行については、従前との対比も含め、市民に対してできる限り、解かりやすく、また、適時的確な予算措置に努めるべきであると考えます。」

 予算と決算は民間会計基準で診療科別・病棟別にやり、当初予算比較実績表を病院ホームページで公表すべきだ。こんなことはいつでもできるから、市議会で「民間会計基準での予算・決算公表」を決議すればいい。市民にはずっと判りやすいものになるだろう。事業赤字額が実際にはいくらで、一般会計からの繰出金がいくらになっているか誰にでもわかる。公的会計基準自体が「ダブルスタンダード=インチキ」なのである。
 いい町は各自が自分の仕事をちゃんとすることによって創ることができる。
 


*#3133 市立根室病院に変化あり:常勤医の退職 Sep. 13, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-09-13

 #3135 いい町をつくる Sep. 16, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-09-16



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#3133 市立根室病院に変化あり:常勤医の退職 Sep. 13, 2015 [26. 地域医療・経済・財政]

 市立根室病院にはさまざまな形態で医師が来ている。
○望んで来られた常勤医
○斡旋業者を通じて意を固めて来られた常勤医
○札医大医局からの常勤医
○札医大経由という形での他大学出身の常勤医
○他大学医局からの派遣常勤医
○非常勤医
○大学医局からの派遣医
○釧路や中標津の病院からの派遣医

 おおよそこういう分類になろうかと思う。

 以前は常勤医でもあったことのある自治医大OBの内科医N先生が根室との縁が切れたようで、すでに病院HPに載っていない。
 もう一人、内科のS先生が今月一杯で根室を去るという噂が流れている。
 産婦人科を担当している常勤医のH先生は体調が優れない。

 常勤医が2名減少すると、11名になるのかな、計画では17名だったか、18名だったか、最近の年度の計画をebisuはフォローしていない。このままでは病院運営に支障が出る。とくに産婦人科は影響が大きい。当面は釧路日赤がなんとかしてくれても、向こうは向こうで事情があるだろうからそう長くは続けられない。

 病院は経営が圧迫され損失拡大が起きるから、市議会文教厚生委員会は損失試算をして公表すべきだろう。平成27年度の経常損失額は17億円になるのか20億円になるのか、試算してもらいたい。
 そのうえで、どういう選択肢があるのか、市民に提示したらいい。それが、市議会文教厚生委員会の仕事だから、メンバー諸氏はなすべきことを坦々となしたらいい。
 市議会文教厚生委員会は、この町の地域医療をどうするかビジョンを明らかにすべきで、それができたら市民とオープンな場で議論すべきだろう。ビジョンがないから、市側の提案を無批判に鵜呑みすることになっている。


<余談:地域老人医療の崩壊と町の衰退>
 2009年に書いた#756を読むと、療養病床のことをとりあげている。長谷川市長は当初は療養病棟を設置すると答弁していたが、病院事務局が市議会で療養病床は設置しない旨の答弁をした。市議会は重大な変更があったにもかかわらず、全員一致でこれを承認している。市議会病院建設特別委が事前に了承していたのだろう、これでは市議会のチェック機能が働かぬ。(しかし、それも過ぎたこと、大事なのはいまである。)
 療養型病床を市立病院に新設したら、老健施設や特養施設の収容者数が減るので反対あるいは陳情もしくは根回しがあったのかもしれない。しかし、医療施設ではないから老健施設や特養で療養型病床の代替はできない。市はそのご両施設増床用に9億円と5.5億円の補助金を出している。
 「オール根室」はこういうところでもしっかり機能している、根室の悪弊というべきだろう、オープンな議論が必要だが、根室市政は「オール根室」村の住民としか話をしたがらぬ。これでは町が良くなるはずがない。これからはダメなことはダメだとはっきり言おう。

 療養病床は以前は隣保院に75ベッドあったが、2007年に閉院。病院職員アンケートでも要望の強かった療養病床すら新病院に設置されず、根室市は日本では稀な療養病床ゼロの市となって8年間が過ぎた。地域医療政策の誤りは取り返しがつかぬ。
 地域医療がこうも貧弱そして政策が杜撰では、若者だけでなく老人も逃げ出す。

 だいじなのはいま地域医療政策を誤らぬことだ。市民も市議も市役所幹部職員も、ふるさとの現在と未来のためにそろそろ目を覚まそう。各自がなすべき仕事をしっかりやればいいだけ、自分たちの町は自分たちでいくらでもよくできる。
 その第一歩は、ダメなことをダメということ、そして二歩目は集まって具体案を検討すること、三歩目は具体案の実現に踏み出すこと。いま各自がなすべきことをしっかりなせばいいだけだ。
 これらの仕事を担おうという元気で若い人が根室に現れてもらいたい、ふるさとを風通しの良い町にしようではないか。

 
*#756 療養病床設けず・・・いやーまいった  Oct. 11, 2009 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-10-11 

 #1010 療養病床の問題:市立根室病院建て替え-084. Apr. 26, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-04-26

 #2247 根室市予算案をチェックする(6): 補助9億円「高すぎる」 Mar. 20, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-19

 #2297 地域医療対話(5): 旧弊の再生産とは?  May 14, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

  #3134 市立根室病院経営改革は予算編成適正化が鍵 Sep. 15, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-09-15

 #3135 いい町をつくる Sep. 16, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-09-16


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#3123 地域経済を支えるために基礎学力問題に取り組む経済団体 Sep. 3, 2015 [26. 地域医療・経済・財政]

 子どもたちの学力低下にいま手を打たなければ、地域経済が崩壊するという危機感をもち、基礎学力問題に取り組んでいる商工会議所がある。それは釧路商工会議所である。
 子どもたちの基礎学力に関しては根室市は釧路市以上に深刻だが、根室商工会議所はいままでのところ、根室の子どもたちの学力問題や、若者が流出することには関心がないようだ。根室に戻ってきて13年目になるがこうした状態を打開できていない、情けないと思う。
 地域の未来を考え、損得抜きで行動する商工会議所メンバーが現れないだろうか。釧路は商工会議所も、釧路西ロータリークラブ会長も、志の高い市役所幹部数名も、地域の未来のために基礎学力問題に真正面から取り組んでいる。釧路では経済諸団体と市役所がエンジンとなって基礎学力向上を推し進めている。
 自分の損得勘定を超えて古里のために無私のこころで地域の活性化に取り組むことは、根室では勇気のいることだ。それは「オール根室村」への訣別を意味する。数人が集(つど)って、自分の利益にしがみつき改革に背を向ける幹部たちに反旗を揚げたらいかが?
 古里の未来のために、根室の子どもたちの学力についてデータに基づく分析と真摯な議論をすべき時が来ている。

ブログ「情熱空間」より転載 ⇒ 新聞記事をクリックすると別画面に全面が展開されます
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8125738.html
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2015年09月01日

この切り口から火がついた!(商工会議所主催の講演)

昨日(2015.08.31)の釧路新聞記事、釧路商工会議所報から。

これなんです、これ。我が釧路で子ども達の学力問題に「火がついた」のは、この切り口から攻めたからなんです。教育行政関係者と学校関係者から、「放火犯」扱いされている私が言うのもなんですが(笑)。

子どもの学力低下が人口の域外流出や企業の誘致先とし選定されにくいなど、地域経済に与える影響が大きい。

基礎学力問題は、地域の経済へと直結しているんです。労働の質へと直結しているんです。学力だけがすべてではない。そうした論調に対して、経済界はすでにレッドカードを出しているんです。なのにそれに気づかない。いや、気づかないふりをしているのか。

地元経済界は大いなる危機感を抱いていて、「こんなことではいけない…」「なんとかしなければ…」と強く思っているんですね。ところがしかし、子どもの教育のあり方、その方針を定める計画といったものに、これでもか!これでもか!といったくらいに完全にオミット。(釧路市教育推進基本計画策定のこと。経済界のある方が提出してくださった数々の貴重な意見は、完全に握りつぶされた(その方の証言))

地域の子ども達のため、地域経済の発展のため、言ってくれれば一肌でも二肌でも脱ぎますよ!と待ち構えてくれているのに、地元経済関係者の意見や心意気といったものが、教育行政にまるで活かされちゃいないってわけなんですね。(そもそも、聞く耳なんか持っちゃいない)

というわけで、TOSSの山本真吾さんによる講演の模様です。商工会議所さん、今度は私も呼んで下さいね~。でもしかし。TOSSの活動方針はこのように企業とぴったんこ呼吸が合う。それなのに学校教育現場では「TOSS野郎」と異端児呼ばわり(苦笑)。《教育村の常識は、世間の非常識》ってことですかね、やっぱり。おっと、失礼しました。

CCI20150901_00003









































《追記》
教育大学に進学したならば、当然、授業のやり方を学ぶんだろう。
それ、常識じゃないの?

誰もがそう思うはずですが、さにあらず。
偉そうに教育学とかいうやつを学生に教えている、その道の大家(?)とやらが、実は子どもの前で授業をやったことなど無し。
学生に「講義がつまらない…」と言われるレベルのくせに、笑わせるな!
試行錯誤を繰り返し、額に汗をして、実際に子ども達の前に立って教え、「これが限界…」と思えるまで授業を研究し尽くしてから、それからはじめてものを言え!
と言いたいものですね。

教育大学でも模擬授業はカリキュラム全体の3~5%ほどで、正しい教え方を知らないまま授業をしなければならない。

恐ろしいことです…。
ならば、正しい授業のやり方を教えることにしよう。
だれもがそう考えるはずが…。
すると、こう言い出すって寸法ですね。

価値観の押しつけである!
強制・強要である!
価値観の多様性を阻害するな!
個を尊重せよ!


完全に病んでいますね…。
教え方を知らない面々が、教え方を教えているんですから…。 

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<余談:白熱の議論>
  学校での小学生の指導方法について、45個のコメントが載っている。こういう白熱した議論はなかなかお目にかかれない。

できた順に持ってきなさい(塾ではあり得ない)」 8月21日付けブログ「情熱空間」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8100803.html#comments



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#3022 平成27年度根室「市政方針」論評  Apr.11, 2015 [26. 地域医療・経済・財政]

 予告どおり前回に続いて、広報「根室4月号」に載った長谷川俊輔市長の市政方針をとりあげる。

 「市政執行の基本姿勢」の各論に入る前におかれた数段落を俎板にのせてみたい。
-----------------------------------------
…本市は、都市部に先行して生産年齢人口が減少し、経済の主力である中小企業等では、深刻な労働力不足が生じています。
 食品製造業、交通事業者、医療・福祉・介護、建設業、いずれの業界とも、一貫して人手不足であります。
 こうした構造的な課題には、関連した事業者や行政のみならず、官民が真正面から向き合い、ともに将来を展望していかなければなりません。
 この40年余り、雇用環境に起因して、若者の流出に歯止めがかかっていない現実があります。
 「安定した雇用」、「相応の賃金」、「誇りをもてるやりがい」、この三要件を如何にして実現していくのか、その対策が求められているところであります
 
・・・
 政策を具体化するのは、国ではなく地方自治体であり、地元に根を張った企業等であり、わたしたち「市民」です。
 ・・・
-----------------------------------------

<移住促進による人口減少防止策は総括したのか?>
 人口減少は若者が流出するからで、地元企業が自己改革をしなければ、根室の人口減少は止まらないとずっと書き続けてきたが、市長は「移住促進」で人口減少を止めようと莫迦な政策に何年も人とお金をつぎ込んできた。市民の声に素直に耳を傾けていたら、10年早く地元企業の経営改革が最重要事項なのだと気がつけただろう。「オール根室」を自称する1割足らずの「村」の意見だけを聞いて市政の方向を決めてきたから、気がつくのが遅くなった。例外的な移住者をもてはやしてきた政策そのものが間違っていたのであるが、反省はあるのだろうか。相変わらず反省ナシ、市民に背を向けているようにみえる。仕事は正直に誠実にやるべきだ。
 反省の弁もなしに、にわかに方針を変えたことはあまり感心しないが、一応評価してあげよう、しかし、赤太字の部分をいつまでに何をやるのかが「市政方針」にはない。まるで新入社員の作った年次計画書のようだ。民間企業ではいつまでに何をやるのかを明記しなければ、上司が書き直せとつき返すことになる。3期目もこういう仕事の基本を外した低レベルの仕事しかできないのなら続投すべきではなかったということ。3年後に市長になる人、大丈夫ですか?

<人口減少と人手不足の原因>
 この五十年の動きをみると中標津は人口が増加し、根室は減少した。50年前は中標津の人口はは根室の1/3だった。現在の人口差は3000人。
 2000年の国勢調査では中標津町23,179人に対し、根室市33,150人で約1万人の差があった。
 歴代市長の政策の拙さと地元企業経営者の経営能力不足が「相乗効果」を生じ、町の衰退を招いたということが中標津と根室の人口推移を比較してみるとよくわかる。後十年もしない内に、根室市の人口は中標津町の人口よりも少なくなる。
 愚かな市政が続き、地元企業の意識改革がなされなければ根室と中標津の人口は2026年ごろに逆転する。根室管内で根室市の地盤沈下は想像に難くない。
 十年前から民間企業の支店や営業所が根室から中標津に拠点を移し始めている。東京本社は根室営業所を残すよりも、中標津のほうを残すことを選択している、つまり、根室には将来性がないとみているのである。いま4つあるスーパーのうち3つは外部資本である、数年以内に本社店舗開発部署の責任者が撤退を決めることになるだろう。
*http://www.nakashibetsu.jp/n_kouhou/n_jinkou_05/n_jinkou.html

 明日投票日の道議選では中標津も根室も対立候補ナシの無投票当選であるが、中標津の中司氏は北大卒ではなかったか、そういう人材がふるさとに戻って来る中標津と北大卒が一人も戻ってこない根室、道議をみても人材の差は明らか。地元信金の理事長もいつのまにか中標津出身者に変わり、かれは中標津に支店を増やした。北海道新聞の代表取締役も中標津出身者。
 こうして周りをよく見ると、中標津と比べてさえ人材の差は広がっている。教育熱心だった酪農の町中標津と、教育を軽視してきた水産業の町根室、長期的に見るとその差は拡大している。根室市政はどういう対中標津戦略をもつのだろう。広域の根室管内という視点が根室市政には欠けている。視野が狭いのは広い教養がないからだ。大人の世界の学力差がこの50年間の中標津と根室の行方をわけたようにみえる。

 「本市は・・・深刻な労働力不足」とあるが、若者が毎年200人近くも進学で流出し、卒業後も地元に優良な就職先がないので戻ってこない。似たような状況は53年前からあった。
 優良な企業が地元に少ないから、戻ってきたくても戻って来れない現実を知らないわけではないだろう。退職金規程もない、経理規程もない企業で、社長が会社の金も自分の金もぐちゃぐちゃ、一族が役員に名を連ね、働いてもいないのに取締役や監査役として報酬をえる。それも社員の給与水準に比べると法外である。自分の一族のことしか考えない企業で働きたい者はそうはいない。だから、「人手不足」が起きている。地元企業には勤めたくないという者が増えている、人手不足だといいながら根室は20歳代30歳代のニートが増加している。親が退職したらどうやって生計を維持するのだろう。生活保護予備軍とみるべきで、空き家の増大と共に長期的な対策が必要である。
 25年先の2040年には根室の人口は1.8万人を切るから、地元企業の4割ほどが消滅するだろう。3軒に1軒の空き家ができる。そうした長期的な視点も「市政方針」には欠けているのである。

 「食品製造業、交通事業者、医療・福祉・介護、建設業、いずれの業界とも、一貫して人手不足」というのは、交通事業をのぞいては、それらを担っている地元企業経営者の経営姿勢や経営能力に問題があるからではないのか?人手不足は経営能力不足と経営倫理の問題から起きている現象に過ぎない。
  「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」
  「働くことで従業員とその家族も幸せになれる」

 生産年齢人口は長期にわたり激減していくから、社長とその一族だけがよければいいなんて器の小さいことを考えていたら、そういう企業は世間からも社員からもパートからも見放されて25年後には消滅している。


<歴史は繰り返す>
 根室には日本合同缶詰という道内屈指の水産缶詰製造企業があった。全道各地や青森県から女工さんたちが根室の缶詰工場へ800人ほど来ていた。昭和30年代半ばころから、市内4工場には女工さんが集まらなくなっていった。寮を含めて雇用条件が劣悪だったのである。土間に2段ベッドだった。まず、男工さんたちが経営改善が進まない会社の将来性に見切りをつけ離職し根室を離れていった。道内のほかの工場の雇用条件がよくなり、根室の水産加工場は相対的に雇用条件が悪化する一方で、経営改善のなされない日本合同缶詰には人が集まらなくなっていった。現在の根室の水産加工場と状況が似ている。ebisuが小学生のころ、たしか昭和30年ころから6年間ほどオヤジは4工場の内の一つの現場監督をしていたから、そのあたりの事情を工場まで遊びにいって自分の目でも見たし、良く遊びに来る男工さんや機械工さんたちの話も自然に耳に入った来たから知っているのである。オヤジは女工さん集めが上手だった。他の工場では定員医科歯科集まらないのに、親父の担当する工場はいつでも必要数が集められた。それだけ女工さんや男工さんたちから信頼されていたということだろう。具体例を書くとそれだけでブログ一つ分になるからここでは書けない。ようするに仕事で公平に扱うからだ、ずるいやつは許さないし、きつい仕事はじっと観察してかならず解決法を見つける。オヤジは工程改善や機械の改良が大好きな男だった。
 人使いの工夫を一つだけ書いておこう。タラバカニの時期になると連日の残業になる。肉体労働だからきつい、そういうときにオヤジは昼休みを2時間にする。1時間は有給で昼寝をさせる。昼休みに洗濯なんかしていたら「起きて何かしていたら有給の昼休みは没収だ、さっさと寝ろ」と脅す。土間の2段ベッドで女工さんたちは昼寝するのである。そうすると定時までいつもの生産量はあがるのだ。会社は損をしない、そして原料も棄てないですむから会社は得をしている、女工さんたちはお金をもらって1時間昼寝ができて得をしている。残業しても疲れを翌日に持ち越さないから、翌日の処理量にも影響している。連日の残業下でも日次処理量が落ちない。会社はずいぶん得をしているのである。こういう商人的な発想が人使いのうまさにつながっていた。きつい時期でもオヤジの工場なら、お金をもらって1時間半ほど昼寝ができるから、女工さんたちが集まらないはずがない。集まりすぎて女工さんの足りない他の工場へ出していた。
 現場監督の上には工場長がいる、1時間お金を払って寝かせるのだから当然工場長は反対するし、本社も文句を言って来る。工場長や本社と喧嘩してでも女工さんたちに得になるように雇用条件を変えつつ、生産量は保証する。そして原料の生タラバガニを残業で全量処理しきるのである豊漁で残業が続いても、昼寝を十分に取るから、女工さんも男工さんもへたらない。オヤジは釧路の名家の一つであった家が没落して、尋常小学校卒だが、じつに頭のよい、そして人の使い方の上手な男、いや名人だった、息子であるebisuはずっとそういう背中を見てきた。
 昭和30年代は冷凍設備がないから処理しきれない原料は大量に海に棄てていた。豊富な餌でチカやコマイがものすごく多かった。本町の海岸付近で毎日百人以上の人が魚釣りをしていた、2時間で百匹以上尾つれたのである。目の前に見えるだけで数百匹の魚が泳いでいた、入れ食い状態だから、魚釣りに技術はいらなかった。餌をつけて海中に針を落とすだけでよかった。すぐに浮きが沈む。活きのよい魚は天麩羅になったり干魚にして食べた。
 経営の仕方、人の使い方次第で、人なんていくらでも集められるのである。生産年齢人口が減少したから人手が足りないだと、ふざけるな。経営の仕方や工場現場の人の使い方を知らぬ典型的な小役人の言い草である。いくらでも人は集まるし、集められる。昔もいまも、そういうことのできる才能ある現場監督や経営者が稀なだけだ
 そういう芽をつぶしていないか?ふるさとに戻ってきてから13年目だが、改善意欲のある若者をつぶしている話はいくつか耳にしている。新しい技術をもって戻ってきた若い者の改善意見に耳を貸さず、余計なことをするなと説教をたれて意欲を削ぐ、そうした旧弊こそ改めるべきものだ。
 中国人やベトナム人を雇用している企業は(日本の工場労働者の標準雇用条件と比べて)相対的に雇用条件に問題がないかチェックすべきだ。
 日本合同缶詰は富良野工場稼動という事業拡大の失敗が追い討ちをかけて昭和51年9月に倒産した。その兆しは15年も前の昭和30年代半ばころから本社の人材難と女工さんが集まらなくなるという形であったのである。野菜や果物の缶詰工場は水産加工場がダメになっていったから、起死回生の方向転換だったのだろう。水産加工場に人が集まらなくなり採算が悪化して、すでに死に体だったのである。昭和30年代半ばまでに水産加工場の働き手の雇用条件を全国並みにすべきだったが、そういう発送をもった人材が本社にも工場長にもいなかった。人材がいなくなれば企業はつぶれるのである。
 根室に日本人の女工さんが集まらないというのは経営にとってすでに危険信号なのだ。黄色ではない、赤信号である。中国人やベトナム人を雇うようになったら、経営は徐々に悪化する。肝心の日本人の雇用条件改善がストップしてしまうからである。製造現場の技術の伝承ができなくなるのだ。ベテランお60歳代のおばちゃんたちが十年先にはほとんどいなくなってしまう。30年もやっている人はじつに高いスキルをもっており、品質管理に重要な役割を果たしている。製品の品質はそれらのベテランのおばちゃんたちが支えていることに経営者が気がついていない。気がついていたら、中国陣屋ベトナム人を雇うわけがない。
 根室の水産加工業は50年かけてまた似たような状況に陥りつつあるようだ。中国人やベトナム人を工場労働者に雇っている企業の経営は大丈夫か?核になる日本人の熟練労働者が高齢化して工場からいなくなったら、品質が維持できない。根室の水産加工の品質は、熟練度の高い50~70歳の地元で暮らすおばちゃんたちが支えている。彼女たちのほとんどが十年後には工場から去る。日本人の若い人たちに技能が引き継げずにやめていく。わたしにはほとんど「地元企業の自殺行為」のように見えて仕方がない。何で手を打たないのか?

<自分の働いている会社には子どもは働かせたくない親たち>
 工場に限らず、地元企業に勤務している親たちの大半は、子どもに同じ会社で勤務させたいとはほとんどの人が思わない。経営者が従業員とその家族の幸せを心の底から願っていないからだ。自分の家族と同様に大切に考える経営者は少数だがいる。だが、多くの企業経営者はそうではない。従業員とその家族の幸せを考えない企業には人が集まらなくなり、25年後には消滅している可能性が大きい。自分の子どもを、同じ会社で働かせたいと思わせたら、その会社は25年後も安泰だ。どんなに生産年齢人口が減っても、その会社には人が集まる。

<人口減阻止は地元企業経営者の意識改革から>
 弊ブログで何度も何度も書いているように、会社諸規定を整備し、予算制度を確立して、決算情報を社員に公開する。将来どういう会社になろうとしているのか、社員に夢を語れる経営者であれ。そういう地元経営者がいったい何人いるのか?
 人口減少を止めるには、市役所は閉鎖的な地元経営者と戦わなければならない。市民に閉鎖的な自分自身とも戦わなくてはならぬ。思いつくままにチェックポイントを挙げてみよう。

●決算情報は公開しているか
●経営戦略はあるかまたそれは公表されているか(戦略目標と経営戦略の策定)
●予算制度はあるか
●部門別に月次予算実績管理がなされ、社員に公表されているか
●働いていない社長の親族が役員として名前を連ね報酬を受け取っていないか
●退職金規程はあるか、退職積立金は別枠で留保してあるか
●経理規程はあるか、そしてそれは厳格に運用されているか
●内部けん制は確立されているか
●取締役会議事録は残されているか
●外部監査を実施しているか
●(外部監査ではい場合)監査役は監査実務に熟知しているか、そして標準監査手続きを実施しているか
●業務監査はなされているか(企業規模による)
●品質保証部門は独立しているか(業種と企業規模による)
・・・

 これらの項目リストを公表して、一定数をクリアした企業に、市のほうで優良企業認定を行ってもいいだろう。若者たちはそういうリストを参照して、都会の企業と比べて遜色がなければ戻ってくる。社員を大切にしない企業には都市部であろうと田舎であろうと関係ナシに人が集まらなくなる。仕事を担う社員がいなければ企業はつぶれるほかない。だから、根室の地元企業が生き残るためには、経営改革がどうしても必要だ。2040年には根室の人口が1.8万人を割り、自己改革のできなかった企業を中心に40%の地元企業が消えてなくなるだろう。
 地方創生の鍵となりうる方法がある。30項目ほどのチェックリストを作成し、協力企業を募集して市役所のホームページで大々的に公表したらどうか?マスコミがこぞって全国に宣伝してくれる。全国の若者たちが、客観的なデータを見て、都会の会社と遜色がなければ根室で働くかどうか考えるだろう。もちろん、地元の若者たちも同じものを見て判断できる。根室の企業経営者たちの覚悟のほどをみたい
 協力企業が出てこない可能性もあるが、そのときは根室の加速的な衰退の始まりである。協力できない企業は座したまま立ち上がらずに死ねばいい。


<千載一遇のチャンスを逃す根室の企業経営者たち>
 カテゴリー「中小企業家育成コラム」ではオープン経営のやり方に言及している。ebisuは東京で3社の株式上場準備作業を経験している。北海道全域を見渡しても3社の上場に関与した人材はebisuのほかにはいないだろう。
 ふるさとに戻って12年が過ぎた、体力的な問題を考えるとボランティアで経営改善をお手伝いできるのはあと数年かもしれない。
 どうやれば企業改革をやれるのか、それは会社上場準備と同じことをすればいいのである。企業規模が小さければ不要なものもある。業種業態や企業規模に合わせてチューニングの必要はある。本当はこういうことは地元の金融機関や証券会社の役割だが、地元の大地みらい信金にかぎらずどこの信金にもそういうノウハウや経験がないだろう、なければ経験を積めばいいだけだ。ふるさとの企業を育成するために必要なことだから、ただで教えてあげる。信金管理職は恥を知らぬ営業戦略転換のために内部から現理次長と元理事長に反旗を翻したらいい。数年間、冷や飯を食ってもよいではないか。
 上場審査は安定して利益を上げられると同時に、諸規定を整備してオープンな経営になっているかどうかを見る。恣意的な経営は許されず、ルールに則った経営が求められる。
 社長や取締役や一部の幹部社員に好き勝手ができないように、内部けん制を確保し、業務監査機能、品質保証機能を確保することなどが求められる。

<地元企業と市政の癒着が癌>
 市長選挙が終わったときに、人口減をとめるには、地元企業の内部改革をすべきだと書いた。市役所が地元企業と癒着して地元企業の内部改革を妨げている。癒着を起こしているから有力な地元企業経営者や根室漁業組合長に言うべきことが言えない。持ちつ持たれつの関係になっている。
 信金元理事長が明治公園再開発に関わる諮問委員会の委員長に任命され、一部の委員の反対を押し切ってさっさと40億円の再開発を決めた。明治公園のアスレチック施設は利用者がいなくてさび付いて十年ほど前に撤去したのではないか。そのころに比べても子どもの人数は4割減にもなっている。自然を破壊して利用者がいない施設が作られる。箱物作りにまい進した夕張市を資金的にバックアップしたのが夕張信金だったが、根室は信金元理事長が委員長となって市の再開発事業にOKサインを出すような露骨なことをやった。どうして根室で生まれ育った人間がこういうことを平気でやるのだろう。
 あろうことか、信金元専務理事が市の監査委員になっている。これでは公正な監査が担保されるはずがない。監査論に関する専門書を1冊でも読んだことがあるなら、引き受けるはずのない仕事である。監査人は独立不羈の第三者であらねばならないから、取引業者の元専務理事が横すべりして監査委員になることなど、監査の常識ではありえない。つまり、実質のない形式監査になる。形式監査の弊害はあきらかだ、この十年間で根室漁船保険組合と落石漁業協同組合で2件の不正があったが、監査がきちんと行われていれば起きなかった事件である。
 市長の諮問委員会には取引業者がもう一人委員長に任命されている。市との取引関係のチャンネルの多い業者だ。こういう癒着は濡れ手に粟で売上を確保することで企業体質を弱体化させるのである。


*#256「根室漁船保険組合専務、数千万円着服事件のその後」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-08-15

 #427 漁船保険組合の元専務逮捕
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-12-03

 #513「漁船組合横領 元専務を追送検(北海道新聞)」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-02-01

 #2637 落石漁協の係長8000万円着服事件:監査および経理業務のあり方 Apr. 9 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-09

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*#2816 余談『続漫言翁』と無策 根室市の人口減対策 Sep. 24, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-09-23

 以下は#2816からの抜粋です。

**********************************
 前任者(藤原市長)の時代には年400人弱の減少幅だったが、長谷川市政の8年間は毎年400~500人に加速しており、有効な対策がなかったことがデータでわかる。
 それもそのはず、人口減少の構造的原因は若い人たちが希望をもって働ける職場が少ないからで、高校を卒業して都会へ進学しても就職で戻ってくるものは地元企業の2代目・3代目のみ、専門学校・大学進学者はほとんど戻って来ない。根室の町をよく知っているからだろう。ビザなし交流で根室を通過するロシア人たちですら、根室が発展の止まった町だと感じている。

 根室市がやるべき対策は、地元企業への啓蒙活動である。同族企業が多いことは致し方ないとしても、会社をオープン経営に切り替えることはできるだろう
(市役所がやるべき面白い役回りはあるよ。たとえば、オープン経営の基準を作り、基準と基準適合企業名を市役所のホームページに載せたらいい。)
 決算情報を従業員に公開し、予算を作成して達成したときのボーナス配分の金額を約束して、その通りに実行する。退職金規程や経理規程などを整備して、厳格に運用する。個人と会社の財布を別にすることは当たり前。経営者は社員に夢を語り、夢の実現のために戦略目標を設定し、必要な戦略を語り、夢の実現のために率先して働く。自己改革ができなければ26年後の2040年には地元企業の半数が存在しないだろう。そしてそれは人口減少をさらに加速することになりかねない。

 魅力的な企業が根室に増えれば、優秀な人材がもどってくる。それには市長は地元企業にオープン経営への切り替えという辛口の要求をしなければならない。8年間人口減とは真逆の予算膨張で公共事業と市立根室病院事業赤字を増やし、地元経営者になすべきことを要求しなかったから、根室に魅力的な企業が増えず、根室の高校を卒業して専門学校や大学へ進学してもほとんどの者が根室へ戻って来られない。毎年250名前後が地元の高校を卒業している。
  市役所自身が縁故採用をやめるべきだ。こんな閉鎖的なことを改めないから、「根室の閉鎖性は変りっこない」と向上心の旺盛な若い者たちがあきれてふるさとの町に戻ってこない。数十年して定年退職した親たちの中には子どもの住む都会へ脱出する者たちが増える。一人になったときに子どもが近くにいるのは心強いからだろう。元気なうちに子どものそばに行きたいという気持ちはわかる。子どもが仕事をやめて介護のために根室へ戻ってくることはほとんどない。そんなことをしたら共倒れになる。

 しっかりした経営の会社もあるが、大半は古い体質の閉鎖的な経営である。地元企業の経営姿勢を何とかしないと人口減少はとまらないだろう。人口減少対策に移住者を増やすのは愚かなことで、数人増えたって焼け石に水、来たい人がくればいいくらいで充分だ。しかし、そんなことが人口減少対策にならぬことは中学生でもわかる理屈。

 中小企業家同友会は全国協議会で社員とその家族を大切にする経営に切り換えないと中小企業は人材難で生き残れないと、経営の方針を変えるように会員企業へ呼びかけている。根室の中小企業家同友会は何をしているのか?

 23日の北海道新聞に屁たれな根室市の人口減対策が載っている。
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市、人口減対策に一丸
  
推進本部初会合
    15年度に専門部局

【根室】根室市が庁内に設置した市人口問題・少子化対策推進本部の初会合が22日、市役所内で開かれ、2015年度に人事異動や組織機構の見直しを行い、専門部局を立ち上げる方針を明らかにした。人口減少、少子化対策について、庁内一丸となって取り組んでいく方針だ。

 初会合には、長谷川俊輔市長をはじめ、特別職、部長級以上の職員ら13人が出席。長谷川市長は、2015年度から10年間のまちづくり指針となる第9期根室市総合計画で人口問題、少子化対策が重点課題になると強調し「新たな視点や発想、想起の実施が何よりも必要。国、道と連携し取り組んでほしい」と述べた。
 市の13年12月末人口は2万8289人。1966年に4万9896人をピークに一貫して減少を続け、国立社会保障・人口問題研究所の推計では何も対策を講じなかった場合、市の人口は2040年に1万7892人にまで減るという。・・・
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 根室市はいままでも何度も何度も総合計画を策定し、人口減対策を重点課題としてきたのではないか。今回は9回目、効果のある対策を考え出したことが一度でもあるのか?
 根室市役所が縁故採用が多い言う噂があり、根室高校の進路データをつき合わせると、一般事務職と消防職は根室高校の独占状態に見える。コネ採用無しにはこのようなことは考えられない。それに関わっているのは市の幹部職員、はっきり言うと部長職だろう。数人そういうことに関与したことのある人がいるのではないのか?権限の大きな者でないとそんなことはできない。そういう人たち含む13人が集まっていったいどんな仕事ができるのか?例年の総合計画の改訂どおりに無為無策となるのではないか?

 問題点は議論の余地がないほどにはっきりしている。若い優秀な大卒の地元出身者達が戻ってきて働きたくなるような企業をつくればいい。そうしたら人口減少は止まる
 そのためには地元企業経営者たちの意識改革、経営改革が必須だ。そこに手をつけずに毎年まちづくり総合計画を改訂しても一つも効果がない。
 好い加減に目覚めよ。自分の損得は脇において、住んでいる町のことを最優先に考え行動するのが当たり前ではないのか?

 「~市民委員会」と称して市の利害関係人が委員長となって異例の早さで審議を終えて結論を出してしまった明治公園の再開発はただちに計画をとりやめたらいい。
 どうしてもやりたいなら、住民投票にかけて見たらいかが?市長の支持率は有権者の36%にすぎぬ。明治公園再開発にはおそらく住民の過半数が反対だ。

 市総合文化会館を使って月に2度、自由参加で市政の重点課題の討議をすべきだ。市長は市長を支持しなかった63.7%の市民の意見を聞け

 変らないだろうな、そんなものかもしれない。わずか1割の利権集団である「オール根室」が好き勝手をして根室を破綻に導くのだろう。

 あきれてしまった市民は今回の市長選挙で投票所に行かなかった人が多い(217あった白票も異例の多さだった。選択肢がないという意思表明だろう)。根室の町の未来に希望をもっていないのだ。こどもが進学して戻ってこないのも当たり前のことだと思っている市民が多い。

 自分達が働いている会社は社員とその家族を大切にする会社だから、子どもたちも同じ会社で働いてくれたらうれしいと心の底から思える人が増えれば人口減少は止まる。何も難しい理屈ではなく、至極当然のことだろう。しかし、過去8回のまちづくり総合計画はその至極当然のことがすっぽりと抜け落ちている

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#2657 「病院改革プラン」と現実のギャップ  Feb. 4, 2015 [26. 地域医療・経済・財政]

 家の前にバス停がある。今朝1.5mほどバス停の通路を空けた。バス停にきた老婦人が、「ごくろうさま、ありがとうございます」と丁寧なご挨拶、気持ちがよかった。そのあと朝風呂に入って汗を流した。

 本田市議が、病院事務局が公表した「病院改革プラン」の当初と改定版(平成22年9月改定)資料をベースに作成した『改革プラン、前年度決算及び今年度決算見込み対比分析資料』(2010年10月22日)がある。10月8日の議員活動報告会で公表された。本田さんはあのころは市議に成り立てで、根室の町を何とかしたいという意欲があった。いい資料をつくり、なんども公表していた。

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<本田市議作成資料より>
•改革プラン改定版の数値と9月末実績の乖離
–料金収益で255百万円(病院作成の決算見込みとの乖離)
–337百万円(上期実績との乖離)
–職員給与費で167百万円(病院作成の決算見込みとの乖離)
•一般会計繰出金を改定版改革プランでは965百万円と見込んでいるが8月末実績をベースにした病院作成の決算見込みでは1,231百万円としており、既に266百万円もの乖離となっている。
•現時点で、新病院建設事業費をベースにした明確な収支見通しが示されていない。
•改定版改革プランを目安に判断するとしても、今年度の数値で収支合わせて5億円近い違いがある。
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この資料によれば、「病院改革プラン」を改定した年に、すでに2.6億円もの見込み違いが生じている。改定版の一般会計繰出金のピークは平成24年度が11.9億円であり、平成25年度からは減少に転じ9.8億円になっている。実際は平成25年度は17億円の一般会計繰出金で、損失額は20億円超になった。お話にならぬほどの「見込み違い」。推計や試算の基本さえ知らぬ、でたらめな計算だったわけだ。

 民間ベースの損益計算書でどういう決算になるのか財政課へ要請すれば2日くらいで作業は終わる。昨年度と今年度決算見込みを公表したらいい。
 当期純損失と過年度未処理損失に関わる赤字特例債の償還負担額がいくらになっているのか、市民に説明すべきだ。市長がやらないなら、市議会の役割である。

 正直に仕事しよう。地域医療が危機に瀕していることは市民も重々承知している。真実を明らかにして、これから自分たちの町の地域医療をどうすべきか議論しよう。毎週日曜日に総合文化会館の会議室を使って5時間くらい話し合おうではないか。


【余談】
 ebisuは18歳まで根室で育った。進学のために根室から巣立って35年間、東京暮らしだった。根室での18年間、近所の大人たち(大地みらい本店前にあったお菓子屋「みどり」の父さん、床屋の酒井さん、木村花屋のお父さん、T歯科医のT塚源太郎先生、根室新聞に時代小説を連載していたF歯科医のF井先生、印刷会社のK構会長、いろんな人にお世話になって大人になった。だから、いつかふるさと根室に恩返しがしたいと思っていた。人生を三つの時期、「勉学の季節」、「仕事の季節」、「社会貢献の季節」に区切った。何をすべきか考えあぐねていたが、52歳になってようやく根室に戻って小さな私塾を開くことができた。次の世代を支える人材を数名育てることでささやかながらふるさとに恩返しをしたいと考えた。戻って12年が過ぎたが、たいした役には立てなかった。
 一人娘から「冷たくなったお父さんには会いたくない、東京に戻ってくれたら病院へ駆けつけることができる、元気な内に戻ってきて」と言われた。そんなことを考えていたのかと驚いた。とっくに一人前、もう親など必要なしと勝手に考えていた。
 スキルス胃癌と巨大胃癌の併発でも死に損なったくらいだから、父はそう簡単に死なない。(笑)
 初孫も先月1歳になった。いずれは東京へ戻らなければならないようだ。あと5年根室にいられたら、根室と東京とちょうどイーブンになる、願わくば生まれ育ったふるさとの地で最後を迎えたいものだが、ぜいたくな願いなのだろうか?誰にとっても未来は不確定、それでいいだろう。
 私塾をやったお陰で、数人、根室の未来を託せそうな若者に出会えた、ありがたいことだ。生まれ育ててくれたふるさとのために、まだしばらく「毒舌」を吐こうと思う。


*#2956 市立根室病院今年度赤字額はまたも20億円超? Feb. 4, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-04


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#2956 市立根室病院今年度赤字額はまたも20億円超? Feb. 4, 2015 [26. 地域医療・経済・財政]

 「福は内、鬼は外」、節分の日に根室市議会便りが配布された。本田市議の質問の中に気になる数字があったので、とりあげたい。

 「今年度末不良債務4億8千万円の扱いについて」

 不良債務というのは行政用語で一般市民には馴染みがない。病院事業で赤字が出ると、国基準の根室市一般会計繰出金が8億円余、そのほかに足りない分が国基準外の根室市一般会計繰出金で補填することになるが、一般会計で補填しきれない分を「不良債務」と呼んでいる。ごちゃごちゃ分けているが、要するに全部を合計したのが病院事業赤字だ。
 今年度は予算で約16億円の赤字額を見込んで一般会計からの繰出金を手当てしていたはずだから、それに4.8億円上乗せされて、21億円の病院事業赤字になるということだろう。
 前年度の2013年度決算では17億円の一般会計繰出金があったが、これに「旧建物除却損が約2.3億円+取り壊し費用」、そして電子カルテシステムを導入しなかった不手際により、システム開発費のリース中途解約金が2億円ほど発生したのではないか。これらを足し合わせると、2013年度の病院事業決算は20億円を越える赤字だったのだろう。
 2013年度と2014年度と連続して、病院事業赤字が20億円を超えることになる。おいおい、話が違いすぎないか。本田市議の挙げた数字がにわかに信じられないような経営悪化だ。
 なんでこんなに悪化したのか理由がさっぱりわからない。何かの間違いではないかとも考えたが、市議会での質問だから、きちんと調べて病院事務局に確認した数字なのだろう。

 わたしは以前から民間会計基準で病院決算を公表すべきだと主張している。そうすれば誰の目にも病院経営の実態が明らかになるからだ。公的会計基準では赤字であっても、収支均衡させることで黒字に見せかけることができてしまう。夕張市財政はそれで破綻した。
 市議会文教厚生常任委員会はどうして根室市の広報に病院事業決算を民間会計基準で公表するように、市議会で提案・決議しないのだろう?理由がさっぱりわからぬ。要求したら市議会文教厚生常任委員会のメンバーに何か不都合があるのだろうか?市民が市立病院経営の実態と真実を知るだけだから何の不都合もないはず。

 藤原前市長時代の病院事業赤字額はおおむね8億円前後だったが、長谷川市長になって11億円台に増え、そして2期目の最終年と3期目初年度はついに20億円を超えた。いったいどういう経営をしたら、こんなに赤字額を増やせるのだろう?非常勤医(派遣医)が増えただけでは赤字増加額の半分も説明できないよ。常勤医5人を派遣医で代替したとして、最大3.3億円の費用増にすぎない。だから医師不足だけでは市立根室病院の赤字拡大を三分の一しか説明できない。病床数は建て替え前の199ベッドから135ベッドへ3割強減少したのに、赤字の額は2.5倍にも膨らんでしまっている。外来患者数も3割減だ。人口減少率よりも外来減少率のほうが大きい。

 建て替え時の損益試算では、最大でも赤字額は11億円台と報告していたはずだが、損失額が計画よりも2倍に増えてしまっているのだから、総合文化会館で日曜日に説明会を開いて市民に説明するのが市長としての当然の責務ではないのか?当時の病院事務局は架空の試算をして市民をだましたことになる。職務忠実義務違反に問われてもおかしくない。
 来年度も20億円を超えるような病院事業損失が出たら、いったい市の財政はどうなるのか財政課長の意見も聞きたい。もっと市民とフランクに話したほうがいい。(本田市議がブログで市側の損益計画を公表した資料では最大で12億円の赤字だった。)

  市長も市議も、仕事は正直にやろう、それが一番市民のためになる。決算の内容と経営実態を正直に語ろう。もうごまかしている場合ではない。


*「ねむろ市議会便り 第11号」平成27年2月1日発行


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