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#4263 根室市の予算:公的会計そのままの公表では市民は一人も理解できない June 3, 2020 [26. 地域医療・経済・財政]

 「#4262 市立根室病院決算情報」の続編である。広報ねむろ6月号の「根室市の財政状況」の2頁と3頁のタイトルは「令和元年下期予算執行状況」となっており、予算額296億円の内訳が表になっている。
*https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2020-06-02

 午前中に財政課へ電話で問い合わせたら、これは当初予算と補正予算を合算したものだと説明があった。令和元年度の当初予算を市役所ホームページで見ると176億円であるから、296-176=120億円の補正予算が組まれたということのようだ。
 上場企業でこんなに粗悪な精度の予算はあり得ないし、もしあったとしたら、財務担当取締役は責任を問われるが、根室市に限らず公的会計はこういうところがルーズなようだ。「足りなけりゃ、補正を組めばいいんだ」、そういう意識がありはしないか?当初予算の精度を高めることが予算編成の王道だろう。

 さて、どうしてこんなことになるのかさらに質問を重ねてみた。296億円の中で一番大きい歳入項目は「その他」の76億円であるふるさと納税がこの中に入っているようなので、金額を訊いてみた。当初予算は6億円、実際には66億円になっている。当初予算の10倍だから、予算実績差異がふるさと納税分だけで60億円も出ている。前年実績値は予算編成の際に考慮すべきだが、それすら考慮されていない前年実績値は49億円であるから、前年実績値の12%しか予算に組み入れていなかったということになる。6億円はどういう根拠で組まれたのだろう?そんな予算案でも市議会を素通りしているようだから、びっくりだ。

 民間企業の予算編成や予算管理と対比してみたい。民間企業と言っても規模の大きい上場企業が念頭にある。市役所の予算規模が290億円だとすれば、大企業の予算規模に匹敵する。その規模の企業なら予算誤差はおおむね±3%以内だ。それくらいシビアな予算編成をしている。そして、予算実績の対比表を毎月作成して、四半期ごとにまとめた表を作成する年次でも同じだ。当初予算の中には予備費も含まれているから、特定の部署や特定の費目で予算増額が必要なときは、所定の手続きを経て、予備費からの振り替えが行われている。予備費総額は当初予算で決められているから、それを超えての予算増額は経理担当役員の権限外で、取締役会での決議が普通だろう。予算実績対比は当初予算との対比が原則である。そうしないと予算管理、つまり差異分析ができなくなる。

 決算スケジュールについても触れておかねばならない。決算は〆後2か月で作成・公表しなければならないから、上場企業は2か月後に決算発表をして、3か月以内に株主総会を開催して決算承認をすることになる。だから、3月末日決算なら、5月末には決算公表というスケジュールが民間企業のスタンダード。9月ではいくらなんでも遅すぎます。まさか手作業でやっているわけではあるまい。システムをきちんと整備すればやれますよ。やっていない民間企業はゼロですから。

 ついでだから歳出の部のどこにふるさと納税に関わる支出が含まれているか訊ねた。ベテランだからすぐに答えが返ってきた。
 すでに故人であるが、角さんが財政課係長だった時に、市立根室病院の決算書類の見方について質問に伺ったことがあった。親切に質問に応えてくれた。今回は電話だったが、十数年たっても、人は違えど対応は同じ。丁寧です。
 さて、ふるさと納税がどこに入っているかだが、金額から推して「その他」しかありえない。ふるさと納税が66億円、最大項目の「その他」76億円に含まれていることは表を見ただけでわかる。
 金額で見るとふるさと納税66億円を超える歳入項目はないのだから、独立項目にすべきだろう。欄が足りなけりゃ十分の一以下の金額にすぎない「諸収入」4.2億円や「使用料・手数料」4.1億円をカットしたらいい。
 ではふるさと納税に対応する返礼品等に係る支出はどこに含まれているのだろう。最大歳出項目の総務費107億円に含まれている返礼品が29億円その他の諸経費と合わせて35億円だという。ネット業者への手数料や送料、東京新宿での感謝祭などのイベント費用が含まれているのだろう。返礼品比率は29億円/66億円=43.9%(還元率)、諸経費込みだと35億円/66億円=53.0%である。

 ふるさと納税に関しては収入66億円、支出35億円、差し引き31億円が純益である。内訳項目の中で、金額が最大なのだから他の収入や支出に含ませないで、「市民へのお知らせ」が目的なら、独立表示すべきだろう。そうしていないから、歳出や歳入の内訳表があっても妙に膨らんでおり何が何だかわからない。

 「基金の状況」という表がある。財政調整基金は8.1億円、ふるさと応援基金が12.4億円、ふるさと応援・子ども未来基金他6件が34.9億円、合計38基金92.7億円あるが、四百年に一度の巨大地震と津波のリスクが高まっているのに、災害復興準備金がない。これでは巨大地震と20mを超える津波が起きたときに自前復興できないということ。災害対策は事前の準備が大事、根室市の予算についてのお知らせの中にはそういう項目が見当たらなかった。ふるさと納税の中から災害復興準備金を百億円積み立てておけば、次の世代も安心できるだろう。

 電話に出て親切にお答えいただいた方に、市民へのお知らせなのだから、病院事業会計については企業会計基準で公表すべきだし、予算と実績についても当初予算と実績の比較表を公表すべきと伝えた。財政課長に伝えてくれるだろう。
 厳しいように聞こえるかもしれないが、予算精度を高める努力をして、補正予算を小さくすべきで、特別なことがない限り10%を超えるような補正予算があってはいけない。当初予算編成がルーズなことと裏腹の関係だ。
 一つ例を挙げると、前年度のふるさと納税が49億円あったのに、令和元年度のふるさと納税予算が6億円だなんて予算編成はありえない話だが、根室市役所の予算編成はそうなっている。そして実際のふるさと納税額は予算の10倍の66億円あった。大事な予算なのにこんなに大きな項目すら市議会はチェックできていない。来年度予算はしっかりチェックしてもらいたい。

 広報ねむろ6月号の「財政状況」を見ても、内容を正しく理解できる市民は市役所財政課職員だけ、おそらく民間企業で働いている市民は一人も理解できない。日商簿記1級保持者でも理解できない。これではだれのために広報ねむろで「財政状況」をアナウンスしているかわからない。市役所財政課は市民のために仕事しよう。それには民間企業で働いているあるいは経営している人たちが、根室市の財政状況を内容を正しく理解できるような様式での報告が不可欠である。企業会計基準や民間企業の予算編成や予算管理のスタンダードに学び、ふつうの市民に理解できる資料を作ってもらいたい
 電話に出てくれた二人目のベテラン職員さん、どうもありがとう。わからないことあったら、また電話します。角係長にお会いして質問したのが十年ほど前ですから、この次は十年後かも知れませんね、わたしには脚がないかも。(笑)
 
*根室市の予算概要(推移表あり)
https://www.city.nemuro.hokkaido.jp/material/files/group/8/R2_yosangaiyou.pdf



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#4262 市立根室病院決算情報 June 3, 2020 [26. 地域医療・経済・財政]

 広報ねむろ6月号が届いた。5ページに市立根室病院の決算情報が載っているので、紹介する。

<公的会計基準>   <企業会計基準>
  単位:億円     億円
収益 48.3   売上 31.1
費用 48.6   費用 48.6
当期損失 -0.3   当期損失 -17.5
一般会計繰出金 17.2      

*「広報ねむろ6月号」
https://www.city.nemuro.hokkaido.jp/material/files/group/1/kouhou_202006.pdf

 左側が「広報ねむろ6月号」に載っている数値である。これは公的会計基準によるもので、民間人には馴染みのないもの。赤字額は3265万円と出ている。この数字を見たら、根室高校商業科の生徒たちは赤字が3265万円だと勘違いする。市民のほとんどもそう思っているだろう。根室市が嘘をつくはずがないからだ。
 右側は、企業会計基準によるもので、上場企業はもとより、税務申告の際に義務付けられている会計基準である。市立病院事業は令和元年度17億5千万円の当期純損失を計上している。
 どちらがほんとうなのか?

 上場企業が左側の決算書類を提出したら、監査法人は監査報告書に「不適正意見」を付すでしょう。なぜか?企業会計原則では営業収益に損失補填の一般会計繰入金を合算してはいけないからです。こういうのを経営実態を隠すものだから「粉飾決算」といいます。もちろん、公的会計基準では適法です、だから問題なのです。スタンダードが二つあるということ。ダブルスタンダードというのはインチキや不公正と同じ意味です。
double standard: a rule or principle that is applied to some people but others, in a way that is unfair.   ... Macmillan EnglishDicionary for adbanced Learners
(特定の人々にだけ適用され、他の人々には適用されざるルールもしくは基準、それも不公正な方法で)

 公的会計基準は事業の実態を表わさない、いや、隠蔽する。だから、夕張市がそうであったように公的会計では健全であるはずの地方自治体が突然に財政破綻が起きる。巨額の赤字を垂れ流していても、一般会計繰入金があれば赤字でなくなる。毎年巨額の赤字を出しても根室市の財政が揺るがないのは、たまたまふるさと納税制度で潤っているからだろう。ふるさと納税制度がなくなれば、根室市の一般会計から毎年17億円の資金が拠出できなくなる。
(同じことは政府というセクターでも言えます。どれほど赤字を出そうとも、赤字国債を発行して日銀にそれを買い取らせると一般会計上は辻褄が合わせられますが、借金が膨大に膨らみます。だから日銀の独立性や日銀が国債を買い取ることは禁じ手でした。だが、そうした縛りは全部外されてしまいました。何が起きるかは歴史が証明しています。戦後に預金封鎖がありました。新円切り換えが同時に行われ銀行預金や郵便貯金が全部召し上げになったのです。歴史を忘れると、忘れた罰だと、天がもう一度学べとお灸をすえます。歴史から学べなければ、災厄が繰り返すということです。)
 17億円の内訳は10億円ほどが国からの補助金、残り7億円余が根室市の実質負担ですよ。

 中標津町の町立病院も市立根室病院とほぼ同じ規模で、赤字も中標津が1億円くらい少なかった。最近どうなのかは知らない。

 さて、今年度の決算がどうなるかを占ってみたい。新型コロナ感染症で病院の売上が減少しているのは、市内のクリニックだけではない、市立病院も減少している。仮に、4-7月期が1割売上減少すると、
 2.5億円×3か月×0.1=0.75億円

 年間赤字額17億円に比べたら誤差範囲だろう。同じ根室管内の中標津町立病院も似たようなもの。根室管内に新型コロナ感染症が蔓延したら話は別です。
(根室管内に感染症用のベッドは市立根室病院の4ベッドのみです。動線分離が実務上できなければ、全病床を隔離病棟にせざるをえません。一部のフロアのみ隔離病棟にするような設計にはなっていないからです。机上プランでいまからシミュレーションして必要な機材を揃え、手順を決めておけば間に合うかもしれません。実務って段取りをきちんとやれば心配いらないものなんです。言うのは簡単、初めての事態ですからやるのはなかなかたいへんな仕事になります。でも、そこを乗り越えることで人材が育ちます、そう信じています。仮説は諸説あり、真偽のほどはわかりませんが、日本人にはどうやら集団免疫が成立しているとしかいいようのない推移ですから、根室で感染爆発なんて事態は99%ないのだろうと思っています。わたしが思っているだけで確かな根拠はありません。)(この項は6/4朝追記)

 病院建て替え時の経営計画書に載っていた損益試算では、年間赤字額の最大値は12億円ほどで、そこから逓減するようになっていた。だが、赤字額は建て替えてから17億円前後で推移しており、一向に減る気配がない。
 機能を縮小せずに、7億円程度は年間赤字額は減らせるのだよ、そんなに難しくはない。10年間続けられたら、70億円の財源が浮いてくる。

 ふるさと納税制度がなくならぬ限り、市立根室病院がいくら赤字を出そうがカバーできる、根室市の財政は安泰である。
 予算規模は藤原市長時代に145.7億円にまで減らした。そのときの人口は3.3万人だったが、現在2.5万人を切ってしまった。今年(令和2年)の財政規模は191億円で前年度の176億円よりも15億円膨らんでいる。藤原市政時代に比べて人口が8000人減少したのに、予算規模は46億円も増えている。全国の市で人口が25%減少したのに、財政規模が1.3倍になったところは他にないのではないか?
*根室市の予算額の推移
https://www.city.nemuro.hokkaido.jp/material/files/group/8/R2_yosangaiyou.pdf

 公的会計基準はダブルスタンダードで、経営の実態を大隠すものだ。市民には正直な報告が望ましい。「広報ねむろ」へ載せるのは、企業会計基準に則った様式でやってもらいたい。正直にやれば、実態がわかる。実態がわかれば、関係者は真剣に考え、適切な対策をとるだろう。年間7億円ほどなら診療内容の縮小をせずに赤字額を減らせるのである。赤字が大きくなった理由も解決法も弊ブログで何度か触れている、担当責任者がやればいいだけ。
 
 四百年に一度の根室沖巨大地震がいつ起きても不思議ではない。市の借金は全部返して、災害復興資金を百億円ほど積み立ててあったら、根室市民は安心だ。
 北関東を震源とする地震が最近やたら多いのが気になる。富士山の噴火もいずれ起き、首都に火山灰が降りつもり、機能が麻痺するときがくる。その後で根室沖巨大地震が起きたら、政府の支援はあてにならない。自力でやるしかない。だから、借金を減らし、災害復興準備金を積み立てる必要がある。子どもたちや孫たちのためにぜひそうしてもらいたい。
 市議会議員のみなさんは、市民の代表だから、災害が発生したときに備えて万全の体制が取れるように、市議会で真摯な議論をしてくれるだろう。期待している。

<余談>
 「広報ねむろ6月号」の2頁と3頁には令和元年度下期(10-3月期)の一般会計歳入と歳出が載っている。歳入予算額296億円、歳出予算額296億円だ。4頁目に令和2年度の根室市の予算が載っているが、「令和2年度一般会計当初予算額」は191.35億円である。なぜ、令和元年の半期一般会計予算と令和2年の通期(1年間)一般会計予算が105億円も違うのか、わたしにはさっぱりわからない。半期の予算の方が105億円も多い。
 先ほど問い合わせて理由がわかったので、稿を改めて取り上げる。ベテラン財務課職員さん、応対どうもありがとう。


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#4157 市立病院決算:年間17億円の赤字 Dec. 29, 2019 [26. 地域医療・経済・財政]

<最終更新情報>
12/30夜6時15分 経営悪化の不等式追記 「Δ売上-Δ費用<0」

 年の瀬に当たり、昨年度の市立根室病院の赤字額がいくらになっているのか、市役所ホームページで検索してみたら、平成29年度の決算情報しかありません。平成30年度の決算は令和元年3月31日ですが、9か月たってもアップされていません。そろそろアップされるのかな?
 上場企業は決算後3か月内の決算公表を法律で義務付けられていますが、公的会計のなんとのんびりしたことよ。3か月でホームページ上にアップできるように来年は改善したらいかがでしょう?

 仕方がないので、平成29年度の「決算カード」から赤字額を計算してみます。
*決算カード
https://www.city.nemuro.hokkaido.jp/material/files/group/8/H29card.pdf

 「病院事業」の2項目、「収支額」-42,247千円と「普通会計からの繰入額」1,578,029千円の合計額、1,620,076千円(16.2億円)が、平成29年度の病院事業損失額です。平成30年度も17億円前後の損失をだしているのでしょう。中標津町立病院とほぼ同じ規模の損失計上です。決算カードには病院事業の売上が書いてありません。売上とコストの両方が掲載されていなければ、実態がわかりません。株式会社ではこのような決算報告は認められません。

 『広報ねむろ1月号』10ページ目に「病院事業会計」があります。収益45.9億円、費用47.6億円、当年度損失1.6億円となっていますが、これは事実ではありません。収益の中に一般会計からの繰入金(赤字補填金)が含まれているからです。企業会計基準では売上ではない項目を売上区分に計上できません。一般会計からの繰入金は、企業会計上は損失補填の特別利益区分に計上すべき費目です。平成30年度は17億円前後の赤字です。ああ、ありました。
 当年度損失1.6億円+繰入金15.4億円=17.0億円
 平成30年度病院事業損失は17億円です

 1年前の「広報ねむろ1月号」を検索してみたら、収益46.3億円、費用46.6億円、一般会計繰入金16.3億円ですから、やはり30億円の売上があったようです。
*「広報ねむろ1月号」(2019年1月)6ページhttps://www.city.nemuro.hokkaido.jp/material/files/group/6/kouhou3001.pdf

 平成29年度の市税収入は30.6億円です。病院事業の赤字がいかに重いかわかります。
 平成29年度データを使うと、11月末現在の根室市の人口は25,171人ですから、市民一人当たり市立病院赤字額は64,370円です。4人家族だと約26万円になります。全額市民が負担しているわけではありません。国から赤字補填部分があります。

 2013年に病院の建て替えがなされました。それ以降毎年16-18億円の病院事業赤字が続いていますから、経営改善のために、管理課長職を新設しました。それで効果がないとわかると経営改善の業務委託もしました。全部お金のかかっていることです。効果ゼロでした。
 病院の決算書だけを見ていても具体的な改善策はでてきません。大雑把にいうと25億円の売上を上げるために、41-42億円コストがかかっています。国からの補助金等が10億円前後あるので、市側の実質負担へ6-7億円です。これくらいの経営改善は可能です。平成30年度の病院会計事業には費用47.6億円で損失が17.0億円ですから、病院売上が30.6億円あった計算になりますが、病院建て替え前の売上は22-25億円でした。計算上30億円の売上がなければいけませんが、ありえない数字です。売上増やして、純損失も増やしたということ、なんだかわけわかりませんね、民間会計基準の決算書に組みなおして市民へ報告してもらいたい。建て替えでスペースが広くなったので診療科目が増えたと理解したらいいのかな。常勤医は12名で増えていないから、売上が増えた分は非常勤医あるいは派遣医で賄ったということ。それなら採算が悪化するのはよくわかります。関係者のみなさんは病院経営の改善の仕方がちっともわかっていらっしゃらないということのようです。どうすればいいのか、読者のみなさんはそろそろ気がついたのではないでしょうか。
 市議のみなさん、とりわけ、文教厚生常任委員会のみなさんは、この決算データをちゃんと見ているのでしょうか?
 病院のホームページには経営指標がいくつか載っていますが、元のデータがインチキですから、「①経常収支比率」なんて何の意味もありません。経常収入に赤字補填の特別利益を入れてしまっているのですから、それを加工して経営比率を算出しても意味がないのです。平成25年から95%を超えてますから、経常収支にはなんの問題もなしとなってしまいます。17億円の年間赤字でもそうなってしまいます。公的会計基準というのは罪が深い。問題を隠ぺいしてしまうのです。だから、企業会計基準で決算を公表し、そのデータを元に各種の経営比率を計算すべきなのです。

 ところで、前々院長の荒川先生は赤字がこんなに膨らむ原因を知ってました。数年前にメールでやり取りして、原因の分析と具体案の検討を手伝ってくれました。市長や院長が早く気がついて、適切な手を打つことができたら、1年後には損失額を5億円減らせます。経営悪化の原因分析ができないために、焦って経営を悪化させるような選択をしてしまいました。「収益改善=売上増大」だと単純に思い込んでしまったようです。売上を増やしたくて、派遣医を増やしたように見えます。その結果、費用の増分の方が多かったということ。「Δ売上-Δ費用<0」という不等式が成立していたということ。「Δ売上」は売上の増加分を表し、「Δ費用」は費用の増加分を表します。売上増大が経営改善に結びつくのは不等号の向きが反対の不等式「Δ売上-Δ費用>0」が成立しているときです。こんなことは簿記を習った根室高校商業科の1年生でもわかる理屈です。でも、実際の経営になると頭が混乱してしまうみたいですね。関係者はいまだにだれも気がついていないし、それゆえ経営改善とは真逆の運営が6年間なされ続けたということ。お判りいただけましたでしょうか。


 病院の経営改善には、じつは、教育が鍵なんです。
 40歳代の医者に20年30年、根室に住み続けて診療をしてもらうには、子どもの教育が鍵なんです。そこさえクリアできたら、いくらでも医師は集められます。
 現在、常勤医は12名ですが、25名の常勤医で充実した診療内容をもった病院に生まれ変わることができます。北海道でナンバーワンの地域医療を実現してください。

 根室市の中学生の学力は根室管内で最低レベルです。今年の全国学力調査で根室管内は道内14支庁管内で最低でした。こんな根室に、学齢期の子どもを抱えたドクターが赴任してくれるはずがありません。根室にいても、医学部進学が可能だという教育環境を用意したらいいだけ。

 自前で医者を育てる必要もありますが、それに異論のある人はいないでしょう。市内で3番以内の学力の生徒は上手に育てたら医学部進学が可能です。6年間の学費と生活費を丸ごと面倒見てやったらいい。学費+生活費20万円/月額、アルバイト禁止です。
 毎年1-2人が医学部進学してくれたら、30年間で45人、根室出身の医師が誕生します

 具体的な方法は書きません。それに自力で気がつくぐらいでないと、アイデアを実際に移す際に立ちはだかるもろもろの困難を突破できないからです。具体案を思いつくのと実際にやることは次元が違います。赤字の会社を黒字経営に作り替えるときと同じです。赤字会社を高収益企業にするのはそんなにハードルの高い仕事ではありません。経験的事実です。業種を変えて数社で試しました。

 年間5億円病院事業損失を減らせたら、10年間で50億円ですよ。200億円を超えている根室市の負債を減らすことができます。いずれ400年に一度の巨大地震と20mの津波が根室市太平洋沿岸を襲います。借金をゼロにして、子どもたちや孫たちのために巨大地震時の災害復興資金を積み立てておくべきでしょう。

 令和2年の来年は、根室市の未来がよい方に代わる転換点となるといいですね。
 25年後、2040年の根室の地域医療は大丈夫です。看護学校や医学部進学の生徒たちに受験勉強を教えるだけでなく、病院経営のできる人材をしっかり育てておきます。それがわたしの役回り。
  
<忘年会>
 釧路の教育を考える会の忘年会が27日にありました。教育問題に熱心な笠井龍司道議が、道議会文教委員会の委員長に就任したという、うれしいニュースがありました。
 教員志望の学生が減少して、質の低下が危惧されています。市内すべての学校の数学授業を片っ端から参観して調査した市教委もあります。「アクティブ・ラーニング授業以前の問題だ」と驚いたようです。
(釧路市教委が校教育部の大山指導参事が釧路市内の学校を片っ端から回っていたから彼の仕事かな。)
 学級の規模はすでにほとんどが25人以下となっていますが、「30人学級実現」などというピントの外れたスローガンが教育行政では飛び交っているようです。

 道教委が提案した単位制導入による高校統廃合の失敗事例として、根室を徹底的に調査研究したらいい。中学生の学力が低下しているのはさまざまな原因がありますが、高校が統廃合で1校になったことで、中学校で学力崩壊が起きているのは事実です。
 高校入試5科目最低点を100点(300点満点)に設定するとか、高校で授業についてこれない生徒を落第させるとか、厳しい環境があれば、低学力層は遊び惚けるのをやめます。低学力の生徒だって高校へは行きたいから、厳しくすれば低学力層の大半の者たちが努力します。それでも勉強しない生徒が全体の1割程度は残るでしょう。高校へいって勉強しなければならないと思うときが来たら、もう一度勉強しなおして高校受験すればいいのです。でも、だれかが教えてやらないと、学力が低ければ独力での勉強は無理です。市内の中学校を1校に統合したら、教員に3割程度の余裕ができるので、そういう受け皿もつくれます。もちろん、道教委と相談しなければなりません。
 道内14支庁管内で学力が低い地域、根室、日高、宗谷、オホーツク、釧路管内は公立小中学校と高校の役割分担について、デザインしなおさないと子どもたちの学力低下に対応できないのです。
 勉強しなくても高校へ進学できて、勉強しなくても卒業させてくれるから、ますます勉強しないだけのことです。


*#4147 眼科受診:緑内障前期症状あり Dec. 13, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-12-13

  #4115 二度目の尿管結石 Nov. 2, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-02

 #4130 根室市の子どもたちの学力アップの具体的な方法:「学力向上特区申請」 Nov. 23, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-22



#4128 釧路と根室管内の子どもたちの学力はなぜ低いのか?
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-20


 #4123 根室の中3の数学・学力の現状とその波紋 Nov. 14, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-14

 #4122 学力テスト総合B学校別比較データ:釧路管内8校と根室管内6校  Nov. 13, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-13



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#4033 根室市役所を新築してはいけない理由 July 12, 2019 [26. 地域医療・経済・財政]

<最終更新情報>
7/13 午前0時

 市役所建物は新築の方向で決まったようです。改修か新築かの結論を出すには、その前に議論しておくべきことがあります。

 <閉鎖的な場での議論はつねに大失敗の歴史あり>
  市がやる「~市民委員会」方式での議論は大半の委員を市側で指名しますから、閉鎖的な委員会です。公募の委員が数名いて反対意見を表明することがありますが、多数決で押し切られるのが常。病院建て替えでも、明治公園再開発でも高校統廃合問題でも、小中学校統廃合でも、そういう方式で結論を出していますが、全部大失敗です。一つの例外もない。専門知識や分析能力を欠いた人たちが何人集まって議論してもダメなものはダメ。データをベースに客観的な分析もしない、だから検討不足で見落としだらけ。確認もせずに恣意的なデータを鵜呑みして判断してしまう。石垣市長は前市長長谷川氏のやり方を忠実に踏襲しています。困ったものです。


<改修否定理由は10年20年で建て替えになるから>
  いま市役所建て替えでも同じことが起きてます。今日(7/11)の北海道新聞根室地域版で市政モニター会議で改修ではなくて建て替えの方向になったとありました。理由を見たら、お茶飲み話のレベルですよ、改修しても10年20年したら建て替えしなくてはならなくなるからだそうです。
  そんないい加減な改修工事がありますか?30年はもちますよ、氷見市がやってます。弊ブログ#3259で取り上げました。廃校になる小学校や中学校を使えばいい。すでに耐震改修済みです。数億円の予算を投じて、最近数年間で耐震改修しています。もったいない。小学校か中学校を利用するなら改修に15億円かけたっていい。
 2016年3月15日の北海道新聞によれば、市側の試算では現建物を耐震改修すれば8.5億円、新築なら30億円と公表しています。詳細は弊ブログ#3258を参照してください。
 岩見沢の市議が見学して写真をブログに貼り付けています、ご覧ください。投稿欄で教えてくれた方がいらっしゃいます。
*氷見市役所庁舎見学報告:岩見沢市議平野義文さんのブログ
https://hiranoyoshifumi.jp/2016/12/22/8107#more-8107

 #3258 根室市役所新築なら30億円:坪単価200万円にビックリポン! Mar. 15, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-03-15
 #3259 市役所庁舎に廃校を利用した富山県氷見市 Mar.16, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-03-16

<資料の保管方法再考や仕事のデザインが先>
 市役所内の仕事のやりかたが変わっていい。保管資料の量の調査や保存媒体検討、そして実務デザインが先、仕事のやり方で仕事量はまるで違ってきます。実務デザイン次第で10人必要だった部署も2人ですむケースが出てきます。資料の保管方法や実務デザイン次第で仕事のしかたも必要人員数も違ってくるから、改修仕様や建築仕様はその後です。段階的に市役所職員の定数をどのように減らしていくのか、具体的な数字をもたなければ、改修仕様も建築仕様も、改修にすべきか新築すべきかも決められないのです。市政モニターのメンバーのみなさんはそういう議論しましたか?

<人口減少の影響を無視>

 市政モニター会議は人口減少という肝心なこともお忘れのご様子。20年後の根室市の人口は1.5万人です、いまの規模のスペースは要らないのです。20年前は3.4万人、いま2.5万人。20年間で8000人強減少しています。市役所の仕事は市民対象のものが多いのですから、市民が4割も減少すれば、やらなければならない仕事の量も減少します。
*根室市の人口推移データ
https://www.city.nemuro.hokkaido.jp/lifeinfo/shinitsuite/toukeijouhou/2/2817.html

 現市庁舎が建てられた1973年の人口は44,856人です。建物はつくってしまえば耐用年数は50年、来年つくったとしても2070年まで建て替えがありません。2070年には根室の人口は1万人未満です。現在と同じ面積で建て替えようとしていますが、ほんとうにそんなに広い市庁舎がいるのですか?
 小学校は市街化地域に1校で十分です。郡部校は集団競技の部活ができない、「わたしたちって差別されている」と怒っている郡部の中学生もいますよ。
 廃校になる市街化地域の学校を改修して20-30年間使用し、そのあとで人口規模に合わせて新築すればいいではありませんか。20年後なら人口は1.5万人です。25年後ならおよそ半分の1.3万人です。新築するならその時がベストとは思いませんか?
 
50年間使用することを考慮してください。現在計画されている規模は大きすぎます。人口推移データを見てください、論外でしょう

 <国勢調査と人口推計データ>
 1980年 42880人
 2000年 33150人
 2010年 29201
 2020年 24461
 2030年 19610
 2040年 15190
 2045年 13210人
*https://ecitizen.jp/Population/City/01223

 推計値の見直しがあったようですね。数年前の推計では2040年は1.8万人でした。どういうわけか最近3年間は根室市の人口減少が毎年600人を超えて加速しています。藤原市長時代は年間400人前後の人口減少でした。わずか11年後の2030年には根室市の人口が2万人を割るのです。人口が激減しているのに、45年前の規模で建て替える必要はない。改修して人口の減り具合を確認してから、人口規模に合わせて25年後くらいに新築したらいい。仕事のしかたもスマートにしたらいい、おしゃれで小さな市庁舎で間に合うと思いますよ。いま業務で使っているパソコンは25年後にはスーパーコンピュータ並の性能のものに置き換わっているかもしれません。記憶媒体もまったく性能が違うものに置き換わています。つまり使用する機器がしめる空間がずっとコンパクトになります。建物の仕様がまるで違ってきます。市役所まで出向いてやらなければならない諸手続きも、市民が家からスマホのようなものでほとんどが処理できるようになります。すでに通信速度はまもなく5Gに切り替わると騒いでいます。
 この推計には年齢階層別の推計値もでています。そのデータによれば、2030年の根室市内の中学生は1学年137人、この時点で小学校も中学校も郡部校は必要なしです、市街化地域に1校に統合すべきでしょう。あとたった11年で、こういう事態が起きる。
 市街化地域に2校、郡部校は整理しない結論を出してしまいましたが、閉鎖的な場で議論するからこんなバカな結論が出てしまう。小中学校統廃合問題は急いでやり直した方がいい。2040年には中学生は1学年95人まで減少します。小学校も中学校も21年後には根室市内に1校でよい、いや1校に統合すべきだということです。そこから、いまどのように段階的に統廃合を進めるべきかを考えましょう。


<結論:重要事項がいくつも見落とされている>
 見落としだらけになっていますから、閉鎖的な場での議論で結論を出してはいけないのです。建て替え後に不都合が起きます。市庁舎建て替えは市政モニター会議のような閉鎖的で恒常的な機関ではないところでやれるような問題ではないのです。分析や検討すべきことがたくさんあるので、常設機関がなければならない。根室市の未来にかかわる重要なことですから、市民にオープンな議論が保証されなければならない。
 高校統廃合問題で学力データを分析せずに検討を行ったために、いま根室高校で大きな問題が起きています。学力低下に拍車がかかっています。地域の最高学府である根室高校生の学力レベルが低下するということは、根室の未来に赤信号が灯っているということ。いまだけでなく20年後30年後にも問題続出なのに処理できる人材がいないということになります。閉鎖的な委員会方式でやると、大きな見落としが生じ、たいていこういうことになります。
 市立病院建て替え問題では市側は市民説明会で虚偽説明をし、関係市民委員会と市議会と市民をだましていました。危うくニホロ地区に移転するところでした。あの時は北海道新聞根室支局の記者が駒場町の候補地の地主へ直接取材してくれて、市側の説明が虚偽であると事実を報道してくれました。
現地建て替えにひっくり返ったのです。市民説明会では当時の長谷川助役(前市長)はわたしの質問に傾斜地だから現地建て替えはできないと答えています。これも大嘘でした。当時の市長は藤原さんでした。藤原さんへ連絡とって、担当部長と担当課長へ2000年に首都圏で建て替えを行った300ベッド弱の療養型病院の開発申請資料の写しを差し上げました。わたしが常務理事として担当した仕事ですから、資料を渡すときに建築単価が高すぎることやゼネコンとの交渉のしかたも説明しました。市立病院は現地建て替えに何の問題もなかったのです。いま、同じ場所に建て替えられた病院があります。建て替えだけで113本のブログをアップしてますが、何も言わなければ、市立病院はニホロに移転してましたよ。市役所や市長の提案、あるいは市長の諮問委員会方式での決定でやってはいけないということです。市で行う大きな事業は市民監視が必要です。事情は#4032で書きました。URLが一番最後にあります。
 明治公園再開発は担当委員会が異例の速度で結論を出しましたが、市議会が反対したのでしょう、消えたようです。十数年前に利用されずにさび付いて放置されていたアスレチック施設を撤去しています。アスレチック施設を作ったときの子どもの数に比べると、いまはおそらく1/3です。つくったって親も子どもも利用しません。外は寒いからです。はじめから不要な委員会だったということ。
 こういう閉鎖的なやり方では常に失敗、市民自由参加のオープンな場で1年かけて議論を尽くせとebisuは繰り返し言ってます。中標津町は町のビジョンづくりを市民自由参加のオープンな作業部会でやりました。
 中標津には療養型病床があります。石田病院は療養型病床120ベッドの病院です。老人医療のための病院です。ところが根室市には療養型病床がありません、ゼロなんです。病院職員アンケートでもその必要性と何人もの人が訴えてましたし、地域医療協議会も要望を出してましたが、無視したんです。老人医療を根室市長と市役所の関係部署は切り捨てました。こんな大きな失敗、取り返しにつかぬ失敗もしています。根室市長と市役所幹部職員は病院建て替え問題で大失敗して懲りたはずですが、もう忘れましたか?性懲りなくまた同じことをやっている。

<余談:動機>
 市立病院建て替え問題だけで113本も記事をアップしていますが、なぜそこまでこだわったのか、書いておきます。商工会館で行われた説明会で、ニホロ移転と知ったお年寄りが二組、涙を流して「ニホロに移転になったら、遠すぎて病院へは通えない、なんとかしてほしい」と頼まれたからです。そして都合のよいことに、たまたま、仕事で2000年に首都圏で300ベッド弱の療養型病院の病棟建て替えを常務理事として指揮・調整した経験があったからです。

 いままで弊ブログで採り上げて来た市役所改修に関する議論をまとめてリストします。

*#3875 根室市役所新庁舎は北斗小学校を利用したらいかが? Dec. 8, 2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-12-08-1

*#3260 根室市役所新庁舎に廃校を利用しよう Mar. 17, 2016
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-03-16-1

#3259 市役所庁舎に廃校を利用した富山県氷見市 Mar.16, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-03-16

 #3258 根室市役所新築なら30億円:坪単価200万円にビックリポン! Mar. 15, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-03-15

 #3241 2020年度までに市街3中学校統合 Feb. 19, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-02-19

 #3862 若い女性の流出懸念:根室市 Nov. 24, 2018 
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-11-24-2

 #3135 いい町をつくる Sep. 16, 2015
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-09-16

#4032 免許返上と代替交通手段の確保:ある専門家のご意見 July 11, 2019
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2019-07-11



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#3892 根室市移住交流促進協議会の怪 Dec. 31, 2018 [26. 地域医療・経済・財政]

 根室市は加速する人口減少対策として、移住促進を制作に掲げている。その一環だろう、30日付の北海道新聞に「東京のみなさん根室においで!」という記事が載った。見出しは次のようになっていた。

来月から3回目、移住促進イベント ガイドツアー、トーク企画

 移住促進協議会の会長は石垣市長、推進リーダ古川氏の発案で昨年から始まったイベントと書いてある。
------------------------------------------
 首都圏在住者を対象に市内別当賀周辺で参加費5千円のガイドツアーを初めて企画した。氷上トレッキングとワカサギ釣りの体験(定員12人)、トレッキングとツリ―イング(ロープを張った木登り)体験(同6人)の2コースで1月7日からホームページで募集する。…
 東京では1月12日~14日午前11時~午後6時、カフェ「ヒグマドーナツ&コーヒーライツ」(東京渋谷区)で展示会を開く。各日午後5時から古川さんのトークイベントを行い、根室の生活や魅力を紹介する。協議会事務局の総合政策室は「イベントを通じ、たくさんの人が根室に来る環境を作りたい」と話している。
------------------------------------------

 こういうイベントで移住促進ができるのだろうか?
 わたしには信じられない。
 対象者となっている首都圏の人々をセグメントしてみよう。
 年金暮らしの年寄りから考えてみよう。ワカサギ釣りや木登りや氷上トレッキングがしたくて移住してくる人がいるだろうか?根室半島はオホーツク海と太平洋に突き出しており、中標津や釧路に比べて冬は暖かく夏は涼しい。でも冬は東京に比べるとかくだんに寒い、移住してきたらブラックアイスバーンの雪道での運転にもなれなければならないし、週に一度くらいは雪かきもしなければならぬ。滑って転んで骨折したとして、手術は外科医がいなくて120㎞はなれた釧路なんてことになりかねない地域医療事情がある。地域医療の核である市立根室病院(135ベッド)に常勤医が12名しかいない、あとは非常勤医と大学からの派遣で交代でくる医者というお寒い状況である。病気の人はもとより、健康な老人でも何かあったときのことを考えると、リスクを考慮せざるを得ない。脳溢血などの脳疾患だと根室では医師がいないし設備もないので120㎞離れた釧路の病院まで運ぶしかなく、移動時間を考えると相当厳しい。そのうえ療養型病床は1ベッドもないめずらしい市なのである。病気になり市立病院に診療科があり専門医がいれば急性期はなら入院できるが、慢性期の疾患だと精神科の病院へ入院するか特養への入所しかない。十分な治療ができるはずもない。
 悪いところばかりあげつらうと思う人がいるだろう、そうではないのだよ。期待値をあげるにいいだけ上げて、実際に来たら、水道料金は東京都の3倍、ガス代は2倍、そして冬季間中の暖房用灯油代が30000円/月、交通事故でけがをしても120㎞離れた釧路までいかないと手術ができないとかいうことを知ったらどう思うだろう。大失敗だったと気づいて、東京へ戻り、実情を話すことになる。口コミで悪評が広がる。それを防ぎたいなら、不便なところ、不利益のあることは最優先で正確に伝える必要がある。様々な不便や不利益を承知したうえで移住ならあとは自己責任だから、不評は立たぬ。
 そういうことをやっているのかね。「根室の生活や魅力を紹介する」と書いてあるが、ちゃんと説明しているのだろうか?いい話ばかりじゃ詐欺同然で、根室の評価を落とす活動になります。


 さて、お年よりはダメ、では20歳以上60歳までの生産年齢人口の人はどうか?
 
職がなければ移住のしようがないから、来れるのは地域おこし協力隊の募集があってくるか、例のジャズ喫茶のようにふるさと納税の特定目的クラウドファンディングで市役所が資金援助してくれる人くらいだろう。市長の趣味はジャズピアノの演奏だという。それ自体は結構な趣味だが、それが市政に影響してはいけない、公私混同となるからだ。商売やるにも根室の家賃は人口500万人の横浜市並に高いことを知っていなければならない。
 生産年齢階層は職がなければ移住できないくらいのことは子どもでもわかる理屈だ。それには根室の企業が首都圏の標準的な企業経営と比肩しうるくらいの内容を備えなければならない
 退職金規程があり勤務年数に応じてもらう退職金の額がオープンになっているとか、予算制度があって予算達成したときのボーナス支給額が予め明示されているとか、会社の未来について経営者が夢を語り、それが五年の長期計画予算となって具体的に示されているというふうな規程や制度が整備されているのがあたりまえの企業が増えなければならない。別に高いハードルではないよ、普通のことを普通にやるだけ。普通のことを普通にやるには、それを担う人材が必要だ。
 上場審査基準にパスするくらいの内容を地元企業がもてば、根室から都会へ進学した子どもたちが戻ってくる。移住促進協議会なんて組織も人口減対策なんて政策も必要がなくなる。ないほうがいいだろう?問題があればものごとは根っこのところから治せばいいんだ。

 地元で生まれ、育っても、高校を卒業して進学し、戻ってこないのは、魅力のある企業が少ないからだ

 人口減が加速しているのはあきらかだから、市役所総合政策部長や市長があせる気持ちはよくわかる。
 しかし、移住促進はイベントを百万回繰り返したってできやしない、あたりまえだろう。働きたい企業がないのに生産年齢階層が根室に移住するわけがない。ネットを利用した個人事業者というような特殊な職業の人だけが対象となる。そんなの10人も来たら終わりだろう。

 根室の人口減少は藤原市長時代には年間300-400人の減少、そのあとの長谷川市長時代の12年間に500人を超えるのが常態となった。最近では年間600人減少する年度さえ出てきた。根室市は人口減対策として「移住促進」を掲げ、イベントに予算を費やしているが、効果なしどころか加速している、まるでガキの遊びだ。

 この10年間に、市の移住促進政策で何人の人が実際に根室へ移住したのか、そして予算はいくら費やしたのか市のホームページで明らかにしたらいい。予算を使ったら結果の報告は義務だ。

 地域おこし協力隊で来た人も、それが終われば根室を去る。わたしの知る限りでは、推進リーダーの古川氏とそのお友達のセレクトショップ「ギルドネムロ」の人、地域おこし協力隊で月に数回喫茶店をやっていたお二人、そしてジャズ喫茶の経営を引き継いだお二人。そのほかに2人知っている。牧場で働いてそのまま移住を決意しチーズ作りをしている人、それと総合文化会館で喫茶店経営を引き継いだ70歳の奥田努さんと合わせた二人を知っている。奥田さんは根室人だ、首都圏で働いて、定年になってから古里根室へ戻ってきた。チーズ作りを営む人も奥田氏も、どちらも市の移住促進政策とは関係ない。自分のリスクで移住を決意して、補助金なしで仕事している

 地元企業の経営改革というまっとうな努力を政策として掲げることができない市政、そして市政と地元企業のもたれあい、見ざる言わざる聞かざるの「オール根室」という旧弊、これらが大きな問題である。

 ことしもあと数時間で終わる、来年こそは、住みいい街をつくりたい、それを実現するのはいまここに住んでいるわたしたちだ。

 年末にあたり、平素から弊ブログを読んでくれている皆様に謹んで感謝申し上げるとともに、来年も皆様が健康ですこやかに暮らせますようにお祈り申し上げます。

<余談>
 イベント開催のカフェを検索したら、渋谷区神宮前4-19-13にある。渋谷駅からも千駄ヶ谷駅からも遠いが、地下鉄表参道駅出口からなら200mほどのところにある。出口に甲状腺専門病院で有名な伊藤病院があるが、その裏手の側の通りにある。どうして、イベント開催がここなのか、東京在住35年のebisuにはよくわからぬ。日本橋人形町、新宿NSビル、八王子、立川、市谷、日本橋本町、横浜、銀座などでずっと仕事してきた、渋谷駅前近くのビルでも院生時代に3年間仕事していた。多少に土地勘があるから開催場所の選定の理由がわからない。イベントは以前は品川駅構内でやっていたが、どうして駅から遠いカフェになったのだろう。
 「展示会を開く」と新聞に載っていたから、移住促進推進リーダである古川さんのつくった宝飾品の展示即売でもするのだろうか?公私混同になるからまさかそんなことはあるまい。根室の生活を宣伝する展示物、たとえば写真やパンフレットを広げるだけだろう。
 イベントに参加して、夏や冬に根室へ遊びに来ようという人はいても、移住しようと思う人がいるとはとても思えない。なんのためのイベント?

<余談2:人口推計>

 社会保障人口問題研究所の推計データ
【社会保障・人口問題研究所推計データ】
2010年 29,201 年平均変化率  
2015年 27,203 -1.37  
2020年 25,390 -1.33  
2025年 23,494 -1.49  
2030年 21,571 -1.64  
2035年 19,697 -1.74  
2040年 17,892 -1.83  
年平均変化率の単位は%である。たとえば「-1.37」は五年間毎年前年対比で1.37%人口減少が生ずることを表している。2040年には1.83%に減少率が漸増している。実際の減少はこの推計値を上回っている。「移住促進」などという児戯に等しい政策に効果がないことはこの表を見ただけでもわかる。根室市総合政策部はデータをみて人口減少対策を検証すべきだ。
 PDCAという仕事の基本をおろそかにするから滅茶苦茶な政策に飛びつく。

*PDCAの解説... ウィキペデイア
https://ja.wikipedia.org/wiki/PDCAサイクル


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#3764 カラスの死と介護疲れで起きる尊属殺人のニュース価値 June 30, 2018 [26. 地域医療・経済・財政]

 10時の気温は19度、サイクリング日和である。
 牧の内Bコースを左回りした。道端のフキがこの数日の雨を吸って青々として命の勢いがある。小鳥が5種類ほどさえずっていたが、先週いたカッコーの鳴き声は響かない。ジジジジとジェット機の騒音のようなけたたましい鳥もいるがシギの仲間だろう、鶯は縄張りを主張するかのように距離を置いてずっと鳴いている。
 先週は温まったアスファルトに8㎝ほどもある茶色い毛虫が這って出てきていたので避けて通り過ぎたが、今日はいなかった。飛んでいる虫が多くなったから、サイクルグラスのありがたみを感じる。風を切って走っていたら大きめの虫が顎に当たった。「大当たり!」

 牧の内T字路(根室高校前から5㎞地点)を通り過ぎて左折してオホーツク海へと向かった。海岸通りへ出る手前の牧場から100頭ほどの牛が道路を横断して牧草地へと向かうのに遭遇した。30mほど手前で停車して、「牛の行列」をのんびり眺めていたら、牛のほうにも好奇心の強いのがいるようで2頭が立ち止まった。牧場の人が「牛も好奇心が強いので見てるんです」といいながら牧草地へと追い立てる。半分ほど通過したところで、牛をとめてくれた。「どうぞ通ってください」と声がかかった。黒のサイクルパンツに赤いサイクリングウェアだったので、赤い色に反応したのかもしれない。闘牛用の牛ではないからおとなしいものの、数頭がこちらへ走ってきたら怖いだろうな。
 坂を下って海岸道理へ出たが国後島は見えない。暖かくなると海上に水蒸気が多くなるので、滅多に見えない。週に一度もないだろう。バスツアーで来る観光客が国後島を遠くに望むことができたらラッキーだ。

 (オホーツク海沿いの道路である)海岸通りを走っていたらラブホを過ぎたあたりで黒のビニール袋が路肩でひらひらしているのが見えた。路肩にひいてある白線から60㎝くらいの位置、近づくとカラスだった。真っ黒で艶々していたが片方の羽をゆらゆら揺らしているだけ。ネズミでも見つけて狙いすまして降りてきたところへ折あしく車が通ったのだろう。「交通事故」である。風車に大鷲が激突死することが問題になっているが、カラスは何羽「交通事故死」しようが話題にもならぬ。

 独身の息子が、80歳を過ぎ認知症を発症した老母を介護し、介護に疲れて老母を虐待、そして死に至らしめてしまうことを「尊属殺人」というが、じわじわ増えている。
 父親は先に亡くなるから、女房殿が看取ることになるが、長生きする女はなかなかつらい。未婚の息子一人しかいないケースでは、徘徊が始まったらは息子は仕事をやめて介護せざるをえなくなる。貯金がたくさんあればいいが、仕事をやめて介護して貯金を使い果たせば生活にも行き詰まる。施設に預けようにもそうすんなりとは行かぬ。認知症の老人を預けられる施設は少ない。療養型病床群のベッド数をこの十数年間で10万ベッド以上も国策で減らしたのである、そのツケが回ってきている。在宅介護が基本だから、認知症を発症したら仕事を辞めざるを得ない。運よく、1年ほどの介護で老母が死んでくれたとしても、そのあとの就職は厳しい。50歳代で前の条件のような就職先は見つからない。それどころか就職先自体がなかなか見つからぬということになる。
 お隣の中標津町でも介護疲れからの「尊属殺人」が数年前に起きたし、ニュースにもなったが、あと10年したら、ニュースにならぬほど増えることになるだろう。
 特別養護老人ホームには要介護3でないと入所できないと昨日介護を扱った報道番組で紹介していた。いまは大鷲のような扱いだが、いずれニュース価値が下がりカラスの扱いになる。

 数日ぶりの晴天、抜けるような蒼さの空と道端でか片羽根をひらひらさせた黒光りする臨終のカラス、路肩で命をほとばしらせているようなのフキの鮮やかな緑そしてずいぶんと姦(かしま)しくなった小鳥のさえずり、牧の内の原野に死と生があった。

 今日の走行距離25㎞、ロードバイク累計走行距離4359km 
(今年度走行距離391㎞)

     70%       20%      
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#3474 「広報根室」の人口統計表示唐突な変更 Dec. 5, 2016 [26. 地域医療・経済・財政]

 広報根室vol.920「12月号」の裏表紙に人口統計が載っていますが、表示が変更されたのに気づいた市民は少なくないのでは?
 11月号の表示と12月号の表示を対比してみます。

          (前年同月比)         (前月比)
 人口 27,109人 (-579)     27,075人 (-34)

 左側が11月号、右側が12月号です。おや34人しか減っていません。人口減少が突然ストップしたかのように見えますね。本当にそうでしょうか?
 「前年同月比」が「前月比」に変更されているだけのことですが、変更理由の説明がありません。
 従来どおりの表示に戻すとこうなります。

          (前年同月比)        (前年同月比)
 人口 27,109人 (-579)     27,075人 (-594)

 平成になってから、前年同月比で初めて600人を超えそうな勢いなのです
 藤原前市長時代の8年間は人口減少が年平均393人でしたが、長谷川市政に替わってからは、400人の大台に乗せ、さらに500人となり、ついに年間600人の減少を記録しそうです。#2603に藤原市政と長谷川市政の年度を追った人口推移表が載っています。
 長谷川市長が無投票初当選したのは2006年9月ですが、このときの人口は31,443人でした。10年と1ヶ月で4,368人減少しました。
*#1187 無投票市長選 数字で見る根室の課題(2):人口推移 Sep.2, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-09-02

 #2603 平成26年度根室市の予算:21年間の予算推移 Feb.25, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-25

 移住促進なんて愚かな政策に予算を数年間費やして、成果は8人と聞きました。人口減少対策は、地元企業の経営改革が本筋で、若い人たちに夢を希望を与える職場を確保してやるのが真っ当なやり方ですが、長谷川市政は地元企業経営者たちに経営改革を言い出だせない。市長の諮問委員会の委員や委員長となって市政に協力してもらっているからモノが言えないのです。ベトナム秋刀魚輸出もそうでしたね。母体は「オール根室」という市政翼賛諸団体です。経済諸団体と市政の密着のしすぎは、市の未来にとって大きなマイナスになります。なぜかというと、必然的に90%以上の一般市民を排除した市政になるからです

 統計数字の表示を恣意的に変えてはいけないのは当たり前ですが、年間600人の人口減少を目前にして、だれがこんな恣意的な表示変更を決めたのか、市議会は追及すべきです。市政チェック機関として当然の義務ではないでしょうか。
 夕張市の財政破綻は、箱物行政や映画祭などのイベントに狂って、真実のデータをわかりやすく市民に開示していなかったからではないでしょうか。

 市立根室病院の事業赤字は一般会計からの繰出金で穴埋めした後の数字を公表していますが、市民への報告なのだから市民が理解できる民間会計基準で広報に載せるべきだと思います。そうすれば、毎年14.5~17.8億円の赤字が出ていることがはっきりします。事実を事実として公表し、それを知って市民もどうすべきか考えるべきです。
 根室市は事実をごまかすことなく市民へ知らせるべきではないでしょうか。

 花咲線を維持するためには3年後には沿線4自治体で共同して負担金を出す必要があります。JR側の資料は原価計算を含めて精査する必要がありますが、営業赤字額は年間10億円を超えていますから、根室市はおおよそ毎年2億円前後の負担金を出す必要があります。その財源を捻出する具体的な方法も決めなければならないのです。
 なにもしなければ、JR北海道は民間会社ですから、債務超過や資金ショートが起きて経営破綻します。花咲線だけではすみません、北海道から鉄道が消えます。
 新幹線とか札幌オリンピックなんて浮かれている余裕はとっくにないのです。ごまかしのないデータに基づいて正しい事実認識をした上で、考え、決断しなければならないのです。数字をごまかしていたら、事実に気がつくのが遅れ、時間切れとなって終わってしまいます。

 こういう姑息な数字のごまかしをやる様子から判断すると、年間減少600人を目前にしてよほど慌てたのでしょう。いいんですよ、事実をそのまま公表して。
 自分の仕事に忠実で正直な部課長がいるはずですが、どうしてこういうことを阻止しないのですか?ほとんどの幹部職員が根室で生まれ育った人たち、自分の町は自分で守る、そういう気概をもっていただきたい。ごまかしを続けるような町に未来はありません、子どもたちにこの町に未来はないと教育しているようなものです。子どもたちに胸を張って自慢できるようないい仕事をしてください。


*平成27年度月別人口推移(根室市のホームページ)
 H27年11月1日の人口は、表の10月末日の数字を読めばいい。
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/doc/A87E3E585ED98BD849257F7A001097E4?OpenDocument

#3467 経営破たんに近い根室市の財政(2):四つの対策 Nov. 25, 2016 [26. 地域医療・経済・財政]





<更新情報>
11/25 朝9時半 北海道新聞から町民懇談会(中標津町)ニュース転載

  #3466で根室市の財政状況を概観しました。借金の額は一般会計と特別会計をあわせて330億円(H26年度)、財政規模は長谷川市長になってから拡大の一途を辿って、直前の藤原市政が145億円まで市の予算規模を圧縮したのに、昨年度の決算ベースでは190億円に膨らんでいます。
 藤原市政に替わってから市の人口減が加速しています、10年間で4300人の減少。人口が1割以上減少したのに、予算は3割増やす。いまでは根室市の住民一人当たりの一般会計の借金額は道内5位です。特別会計も含めると夕張市と芦別市に次いで3位かもしれません。長谷川さんという人はバランス感覚を欠いた極端な人ですね、10年間こうした予算膨張策を採り続けています。こういうのを過激派 radical extremist というのでしょう、ニムオロ過激派というニックネームを差し上げます。(反対語は保守派 conservative ですが、わたしは穏健なニムオロ保守派です)

 さて、そうした事実と分析を踏まえて対策を四つ挙げます。

(1)財政規模の段階的縮小と借金半減計画
  ⇒ 5年間で予算規模を130億円へ、借金は減らせるか?
(2)10年間新規施設はつくらない
(3)監査機能の強化
(4)一般市民の参加が可能な市政の仕組みづくりをする
 
 1番目の財政規模の段階的縮小は、前回適正財政規模の試算をしたので、五年間でその数値を達成する具体的な計画を総合政策部と財政課が協同してつくり、ホームページで市民へ公表するというものです。次いでで結構ですが、330億円の借金の返済計画についても10年間の具体的なスケジュールを作ってください。出来上がったら、市民と協議して実施案としてください。
 中標津町では五年前に自治基本条例を制定して、町の将来構想に市民がオープンに参加できるように変わりました。根室は相変わらず、「オール根室」という閉鎖的なグループだけの意見を「~市民委員会」と冠した名前をつけて聴くだけです。一般市民参加を排除する閉鎖的な市政は中標津町とは対照的です。

 2番目は、新規施設建設を10年間やらないと市議会で決議する。一般会計だけで220億円の地方債、特別会計110億円を合わせると330億円の借金を抱えています。市民一人当たりの地方債残高は120万円を超えています。夕張市、芦別市についで、おそらく道内3番目でしょう。このような状況で、明治公園の再開発40億円超、新市庁舎、総合体育館の建設をして地方債を増やしてはなりません。3割の自己資金が捻出できなくて、国の補助事業すらやれなくなる時が来ます。

 3番目は監査機能の強化です。市立病院で所得税預り金の未納付問題が発覚し、課徴金200万円が生じました。院内有志で弁済しましたが、このことは病院の監査が機能していないことを如実に物語っています。
 根室市の一般会計のほうの監査委員は税理士と元地元信金専務理事です。どちらも監査業務の経験がありません。そして片方は根室市の取引先信用金庫の元専務理事ですから、「独立不羈の第三者」であることを要請される監査人として不適格です。元取引先信用金庫の役員でありながら根室市の監査を引き受けること自体が、監査業務に対する無知をさらけ出しています。こういうことは実質監査機能を危うくするもので断じてあってはならぬことです。
 歴代の特別会計の監査人は監査の専門書を読み、適正な監査手続きに従って監査を行った人が一人でもいるのでしょうか?おそらく皆無だと思います。不適切な人選を繰り返してきたのでしょう。これからも標準監査手続きを実施しないことで問題が発生します。
 専務理事による根室漁船保険組合横領事件、担当職員による落石漁業組合横領事件は監査手続きにしたがってチェックしていたら、年度をまたいで横領が繰り返されることはありませんでした。
 監査人に任命するときに、
①監査の専門書を一冊読むことを義務付ける
②標準監査手続きにしたがって監査業務をやる
標準監査手続きに忠実に監査せずに生じた損害については賠償責任を負う
 これら3項を明記した契約書を取り交わすべきでしょう仕事には責任が伴います。いままでの監査人は、基本監査手続きを知らず、帳簿や証憑類に目を通しただけで監査証明書にメクラ判を押すだけだったのではないですか?
 監査機能がないままでは問題が大きいので、適格な人材が見つからなければお金を支払って外部監査を導入すべきです。一般会計と8特別会計、そして市の関連団体の監査にどれくらいかかるか、監査法人または公認会計士に相談してみたらいい。

 4番目は、市長の諮問委員会方式をやめて、中標津町のように自治基本条例を制定して、一般市民が自由に参加できる体制をつくるべしということ。市議会の役割ですが、ふるさとに戻って13年間観てきましたが、失礼ながらそういう仕事はできないようですから、総合政策部に案を作ってもらったらどうですか?中標津町の条例を参考にすればそうむつかしいことではありません。自分たちの期末手当を上げる条例はつくっても、こういうものに知らん顔では、市議会への市民の風当たりはますますきつくなります。冷たい北風を感じませんか?

(副業市議で忙しくたって、ネットで専用掲示板を立ち上げて議論すればいくらでもやれますよ自分たちの手に余るなら、ネットで市民の協力を仰げばいいのです。
 「釧路の教育を考える会」はネットに専用掲示板を設定して議論を繰り返し、釧路市議会の超党派の研究会と連携して「基礎学力保障基本条例」制定に協力しています。実にスピード感のある仕事運びでした。ちなみに、「釧路の教育を考える会」のメンバーは元釧路教育長で会長の角田さんを除いては、みなさん現職で忙しい方たちです。暇なのは好々爺の角田さんと小さな私塾をやって好々爺になりつつあるわたしだけ。(笑))

  11月25日の北海道新聞根室地域版には次の記事が載っていました。
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教育や防災へ要望続々
 
中標津町で町長と町民懇談会
【中標津】西村穣町長らと町民が話し合う「まつづくりを考える懇談会」が22日、町総合文化会館で開かれ、町への要望や地域の課題について意見を交わした。町民と直接話す機会をつくろうと毎年開かれており、今年は12月7日までの町内7箇所で開かれる。
 この日は町民12人が参加し、「住みやすく、住み続けたいまちづくり」をテーマに西村町長のほか、小谷木透教育長や宮川睦副町長ら5人が町民の質問に答えた。
 8月の町長選で初当選した西村町長が「人口減少や少子高齢化が深刻化すると経済活動に影響が出る。定住人口の維持や交流人口の増加に努めたい」とあいさつ。町民からは幼児教育の充実や防災体制の強化、中標津空港の活性化などを求める声が上がり、「公共交通機関の維持、充実に取り組んでほしい」「町民活動の活性化を促す施設を整備してほしい」「町郷土館の老朽化に対応し、展示品を充実してほしい」と要望した。町側は「町民の町づくりへの協力活動を支援する複合施設の整備を検討している」などと応えた。(古谷育世)
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< 余談 >
 光洋中学校と柏陵中学校が期末テスト中です。来週、啓雲中学校の期末テストがあります。このところ生徒たちは一生懸命です。英語も数学も2学期は急に難しくなります。根室高校も来週から前期中間テストです。
 昨日と一昨日は2時半から9時まで休憩なしでした。まだ、それくらいの体力はなんとかあります。市販のヨーグルトを種にして、小どんぶりで毎日自作して、バナナや季節の果物や、女房殿お手製のジャムを入れて授業のあいまに食べています。新鮮な元気のよい乳酸菌が腸を駆け巡っているような気がして下痢がなくなりました。気持ちの問題は大切ですね。
 「先生、胃がないから、こうして授業中にときどきヨーグルトを食べていないと低血糖で、計算ミスがでるから予防だよ、よろしく」、このごろそんなことをいうのも少なくなりました。みんな知ってますから、あたらしい塾生に一度説明するだけでいい。

<監査後日談> 2017.10.3追記
  監査人となった元信金専務理事は根室高校の同期である。かれはわたしの予想から外れて、ちゃんと仕事をした。根室で学び、根室ですっと仕事をしていたものの中から、ふるさとの未来のためにしがらみを振り切ってやるべきことをやることのできる漢が出現したことを素直に喜びたい。弊ブログ#3606で取り上げたので是非読んでもらいたい。N本、ありがとう。


*#3606 市立根室病院事業会計監査に関する意見書 Sep. 5, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-09-05

  #3466 経営破綻に近い状態の根室市(1) 財源14億円不足見通し Nov. 24, 20
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-11-23-1

*#3260 根室市役所新庁舎に廃校を利用しよう Mar. 17, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-03-16-1

#2603 平成26年度根室市の予算:21年間の予算推移 Feb.25, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-25


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#3466 経営破綻に近い状態の根室市(1) 財源14億円不足見通し Nov. 24, 2016 [26. 地域医療・経済・財政]

 根室市の財政状況がどういうものかわかりにくいですね、簿記の知識があっても理解が困難です。市の広報には財政状態を的確に表すデータが載っていません。民間会計基準で公表してくれたら、市民の3人に1人は理解できるでしょう。
 11/23の北海道新聞根室地域版の記事を紹介してから、データ分析してみます。「データ⇒分析⇒対策」という順になります。今回は「データ⇒分析」のところをやりますから、このテーマは少なくとも2回にはなる予定です。
 
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財源14億円不足見通し
  
根室市 来年度予算編成始まる
【根室】市は22日部課長職会議を開き、2017年度の予選編成作業をスタートさせた。会議で長谷川俊介市長は、一般会計の財源不足額の見込みが現時点で14億円に上ると明らかにし、財源の効率的配分に取り組むように指示した。
 市によると、人口減少や水産業の不振などによりし税収入の見通しが依然厳しい中、社会保障関連や少子化対策などで多くの財源需要が17年度も見込まれる。このため17年度収支見込は歳入が161億1900万円にとどまるのに対し、歳出は175億2700万円にのぼる。財源不足額は14億8000万円で、16年度の編成時より4200万円拡大した。
 市には現在、財政調整基金などの各種基金からなる貯金が20億円あるが、16年度一般会計決算では3億円を取り崩して収支の帳尻を合わせる見通しだ。
 以上の状況から、長谷川市長は会議で、「近い将来に貯金が枯渇しかねない厳しい状況に直面している」と危機感を示し、「従来の予算執行の方法に固執せずに選択と集中を実践し、情勢の変化に柔軟に対応できる財政基盤の確立に取り組んでほしい」と部課長たちに求めた。
 市の各部は12月中旬までに予算要求をまとめ、市長ヒアリングに臨む。17年度予算案は来年2月下旬発表の見通し。(相内亮)
============================

 H27年度根室市の決算データがアップされていたので閲覧したら、2次資料から引いたデータが間違っていたので、「決算カード」データで分析し直しました。

< 市税収入が3億円減少したら予算規模をいくら縮小すべきか?>
 根室の市税収入は30億円、自主財源はこれだけです。あとは国や道からの補助金です。市税収入が3億円減少したら、箱物を作る予算はどれくらい減るでしょう?
 たとえば、病院建て替えのときの説明では、国からの補助金が7割で、根室市の負担は3割ということだったので、

  3億円÷0.3=10億円

 市税収入が3億円減ると、予算規模を10億円縮小する必要があります


< 根室市の予算適正規模はいくらか? >
 根室市の標準予算規模はH27年度決算カードによれば95億円ですから、適正財政規模はその1.5倍ですから次の金額になります。

  95億円×1.5=142.5億円 (適正予算規模)

 この金額は藤原前市長が歳出削減を行って財政規模を縮小したときの最小値とほぼイコールです。人口が13%ほども減少しているのですから、わたしは130億円程度が根室市の財政規模としてふさわしいと判断します


< 根室市の借金の額はいくらか? >
 新聞記事の歳出予算額175億円は40億円も適正規模からはみ出している。長谷川俊輔市長になってから財政規模は規模は年々拡大し続けています。そして借金の額も330億円(H26年度決算)に膨らみました。

  ○一般会計地方債残高 211.4億円
  ○公営企業地方債残高 118.9億円
     水道 53.9
     下水 24.8
     病院 37.8
     港湾  2.2

 この上に、明治公園再開発40億円、市庁舎新築、総合体育館などが追加になったら、根室市の財政は極度に悪化します。子供たちや孫たちへ返済不能な多額の借金を残すことになるでしょう。2040年には根室市の人口は1.8万人を切ります。
 この借金データは水道と病院建設がコストカット努力が足りなかったことと、分不相応だったことを物語っております。上水道は牧の内ダムをつくらずに足りない分のみ近隣の町から水を買うという選択肢がありました。市立病院建て替えもコンサルタント提案の25億円程度に圧縮すべきでした。院内システム導入でも仕事の手順を間違えたために4億円以上捨てています。
 病院会計の37.8億円は次回別途取り上げます。

< 借金を増やさぬ決意をすべき >
 借金を増やさぬために、これからは一切新築工事をしないと市議会で決議すべきです。市庁舎は廃校になる中学校2校のいずれかを改築して使えばよい。耐震改修はすんでいるし、グラウンドがあるから駐車場も広い。氷見市庁舎の事例を、弊ブログ#3260で紹介しています。参考にしてください。
 総合体育館も新築してはなりません、市街化地域の中学校が2校と小学校が1校がすでに統廃合でなくなることが決まっていますから、耐震改修のすんでいるそれらの体育館を使えば済むことです。根室市の財政に施設を新築する余裕はすでにありません。コストカットしないで総事業費70億円もかけて病院を建ててしまったツケが回ってきたのです。大盤振る舞いに喜んだのは受注したジョイントベンチャーです。根室市御用達企業。


< 市政と癒着してわが世の春を楽しむ企業経営者のみなさんへ >
 いやね、心配してるんですよ、従業員を抱えているのでしょうから。こういう状態ですから、いずれ根室市政はない袖は振れぬということになります。振り続けたら、瓦解を早めるだけのことです。そのときに地元企業がいくつもつぶれてもらっては困るんですよ。財政破綻後の夕張市のように人口減を加速します。財政破綻の前に根室市からの仕事の発注がどんどん小さくなってしまうんです。市政と癒着していたら、そういう事態に対応できずに、何十年かの歴史を持つ企業が簡単になくなってしまいます。あっけないほど簡単なんです。
 戦時中大倉財閥というのがありました。軍閥と組んで中国大陸で巨大化し、一時は三井財閥や三菱財閥をしのぐほどにのし上がったのですが、敗戦で築いた全資産を失いました。いま残っているのはホテル・オークラと大成建設です。友人が大倉財閥の研究メンバーの一人だったので、会計資料を見せてもらい意見を求められたことがあったので、思い出しました。すばらしい会計資料でした。あの時代に利息の見越し繰り延べ計算を月次決算でやっていました。凄腕の経理マンが財閥を支えていましたが、それでもつぶれてしまったのです。三井・三菱を凌いだと思ったときに事業瓦解を予告する鐘が鳴り響いていたことに、大倉喜八郎は気がつきませんでした。同じ轍を踏まぬように、十分に注意され、市政とは距離を置いてまっとうな経営努力で生き残ってください。

*『大倉財閥の研究-大倉と大陸-』大倉財閥研究会編 近藤出版社 1982年
 経済史の専門家8名の手になる労作です。一番最後に名前のあるのが同期の友人です。経済学と会計学の両方の素養のある研究者が大学内にわたしの他はいませんでしたので、相談にあずかり、貴重な資料を閲覧する幸運な機会を得ました。本が出来上がるとS君、この889頁の分厚い研究書を記念に献本してくれたんです。
 月次決算に関する帳簿類を何点か見たのですが、当時の日本のトップレベルの会計実務は世界最高水準の精度を誇っていました。その点だけでも原稿用紙300枚くらいの論文になる資料でした。研究グループに参加して、日本の会計発達史の研究論文を残しておくべきだったかもしれません。s算盤なしにはあの精度での記帳は考えられません。日本の財閥が巨大化しても傘下の企業群をコントロールできたのは、算盤を利用した計算技術と世界トップレベルの会計実務屋、これら両方の存在を抜きには考えられません。あの時代にすでに米国に先立つこと30年、吸収合併によらぬ、自前での異業種進出を主軸としたコングロマリットがいくつも日本に存在していた理由がよくわかります。
 あのとき(1976年)は経済学の基礎的諸概念とその体系構成法に強い関心がいっていたのと、渋谷の進学塾で専任講師をしていたので、時間を割くことができませんでした。オヤジに相談して半年の間、バイトをやめるという手があった。「酒悦」という焼き肉屋の商売が大繁盛だったころです。若いころはなかなか智慧が回らぬもの。(笑)


< 経常収支比率99.4%は何を意味するか >
 平成26年度の「決算カード」では93.2%、平成27年度のそれでは87.5%です。
*H26年度決算カードhttp://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/90f544667780cf46492570c700066ba3/$FILE/H26カード.pdf
**H27年度決算カード
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/90f544667780cf46492570c700066ba3/$FILE/H26カード.pdf

 決算カードに載っている「経常収支比率」をチェックしてみよう。経常収入には市税・地方贈与税・地方交付税などがあります。決算カードに載っている経常収入104億9518万円です。地方自治体の経常支出の大きな項目は、人件費・扶助費・公債費であるとネットで検索したら説明がありました、これらは毎年経常的に支出される項目だから経常支出でしょう。だがこれだけかどうか、公的会計のルールはインチキが多いので鵜呑みにできません。
 そこで決算カードの支出項目を眺めると、それ以外に「物件費」と「維持補修費」という項目があることに気がつきました。民間企業ではこれらは経常支出に区分されています。もちろん損益計算書上では物件費は経常損益区分です。物件費には電気料金、水道下水料金、暖房用灯油代、使っている機器の減価償却費などさまざまなものがありますが、それらはまぎれのない経常支出です。なぜこれらの重要項目が経常収支比率の計算式から除外されているのか理由がわかりません。それらを含めると経常支出104億3617万円で、経常収支比率は99.4%です。これが正しい数字です。
 根室市は職員数が多く道内の他の市町村と比較して人件費が高いのが特徴のようです。近隣の市町村と協力せず、何でも自前で持とうとすると職員の数も施設の数も負担も増えます。
 地方自治体の経常収支比率は7-8割が適正とされていますが、根室市の経常収支比率99.4は民間企業では破綻懸念状態です。

 新規で箱物をつくると、国の補助金が7割あったとしても3割は根室市の負担です。地方債を起債すればその償還(返済を償還という)のために将来公債費が増えることになります。経常収支比率99.4%は返済余裕がまったくないことをあらわしています。
 経常収支比率99.4%は、経常支出のカットが必要だということを示しています。職員の給料、市議会議員の給料にまで手をつけるべき段階です経常収支比率が100%を超えたら、財政健全化指標がどうであれ、関係なしに職員給料の支払いができなくなるというような深刻な事態が起きます

 11/24午後4時追記:病院事業会計への損失補てんのための支出14.4億円も計経常支出であることに気がつきました。8特別会計へ一般会計からの損失補填繰入金は語形35億円ありますから、これらを含めなければなりません。そうすると経常支出総額は139億円ですから、経常収支比率は133%になります。ちょっと、これは判断を保留させてください。いくらなんでも・・・

 11/24午後11追記:病院事業会計は国基準内の赤字額(約9億円)が補填されるので、残りの5億円が根室市の実質負担となります。病院事業損失は14.4億円は経常損失ですから、経常支出の部へ組み入れます。国からの赤字補助9億円は特別利益ですから、経常収入から外します。他の7特別会計も同様に扱います。したがって、経常収支比率は133%となります。
 民間企業とは異なって、地方自治体は国からのひも付き補助金がさまざまありますから、経常収支比率が100%を超えても、直ちに破綻することはありません。では、どのあたりが危険水域になるのかについて、いまのところわたしには確信をもっていえるラインが見えません。言えるのは、根室市の財政が330億円の負債を抱え、その返済(公債費)が22億円に増えて、財政運営が行き詰りつつあるということです。
 東京都を除いて、どの自治体も税制上自主財源が少ないですから、国の補助金で輸血しないとやっていけない状態です。税制に問題があります。


< 財政健全化指標三項目は役に立たぬ >
 民間企業でこのような経常収支比率を数年続けたら経営破綻するのは当然です。そのような状態にあるのに財政健全化指標では問題が生じていない。つまりこの指標は地方自治体の財政状態の健全性をなんら保障するものではないことがわかります。
 民間企業を想定した基準を作ると、百を超える市町村が実質破綻状態になるから、基準を甘く設定したとしか思えません。典型的な問題の先送りです。
 わたしは産業用エレクトロニクス輸入商社で20代後半から34歳まで5年間予算編成と予算管理、経営分析、そして資金繰りや長期経営計画を担当していました。その経験から、根室市はすでに経営破綻に近い状態だと判断します。臨床検査業最大手のSRLではその10倍の予算編成と管理を統括したことがあり、そうした経験に基づく判断です。あとで<余談>のところで書いておきます。
 

< 前市長の歳出削減努力と現市長の放漫財政をデータでみる >
 藤原元市長は危機的な状況にあった根室市財政を歳出を削減することで立て直しましたが、長谷川俊輔現市長は箱物建設がお好きなようです、明治公園再開発4億円、市庁舎新築、総合体育館建設と次々に借金を増やし続けるつもりのご様子。取引先の大地みらい信金元理事長を委員長にして、明治公園の40億円の再開発事業を1年かからずに(委員から反対意見があたったにもかかわらず)強引に決めてしまいました。
 人口と財政規模の推移表をご覧ください。藤原前市長と長谷川現市長の市政の違いが鮮やかに出ています
 平成27年度決算カードによれば、H27年度の決算ベースでの歳入192.5億円です、歳出191.1億円、びっくりです。予算は170億円弱だったような気がします。放漫財政でここまで膨らんでしまっています。歳入項目に「寄付金」が12.9億円ありますが、ふるさと納税のようです。支出項目に「積立金」8.6億円あるので、差し引き4.3億円が返礼用の地元特産物の購入費(?)かもしれません。ちょうど1/3の33.3%が「仕入原価」ということでしょうか。

 【根室市の人口と予算推移】
増減人口 予算(億円)
   36,0411994年H6年177.8
-481  35,5601995年H7年184.7
-343  35,2171996年H8年186.4
-382  34,8351997年H9年190.4
-301  34,5341998年H10年178.9
-351  34,1831999年H11年178.1
-324  33,8592000年H12年181.4
-371  33,4882001年H13年178.6
-460  33,0282002年H14年173.1
-360  32,6682003年H15年166.3
-402  32,2662004年H16年166.3
-495  31,7712005年H17年159.2
3,836-390  31,3812006年H18年146.0
-500  30,8812007年H19年141.5
-412  30,4692008年H20年147.3
-388  30,0812009年H21年145.7
-485  29,5962010年H22年155.0
-457  29,1392011年H23年160.9
-389  28,7502012年H24年164.8
-46128,2892013年H25年166.4
-23928,0502014年H26年166.2
-421  27,6292015年H27年170.8
4,347-595  27,0342016年H28年168.1
*緑色は藤原市政、黄色は長谷川市政


 左側にはみ出した数字は、10年間の人口減少数です。長谷川市政になってから、ピント外れの移住促進なんかやっているから、人口減少が加速してしまいました。
 緑色が前市長藤原氏の時代ですが、財政縮小に努力した跡がはっきりでています。長谷川市長に代わってからは、市の財政は膨張の一途をたどっています。この路線を続けたら、根室市の財政困難期が早まるだけ、ない袖は振れない状態になります。根室市が拠出できるお金がなくなれば、補助金事業も断念せざるを得なくなります。5年くらいかけて、借金を増やさずに財政を適正規模の130億円まで段階的に減らすべきです。


< 人口減緩和策は当たり前のことをやれ >
 人口減少を緩和するには、地元に優良企業を増やすのが一番効きます。高校卒業して進学した子供たちが地元に戻って就職したくなるような企業を増やせばよいのです。それには地元企業の経営改革を促進することが根本策です。
 上場基準を経営改革の目安にしたらいいと思います。株式上場は当たり前のことを当たり前にやるだけのことですから、会社の諸規程を整備して、そのとおりに運用すればいい。予算も決算も社員に公表します。経営者は社員に夢を語り、それを実現すればいい、そうすれば人材は集まる。
 市政と癒着することばかり考えていたら、根室市の財政の悪化とともに早晩消えてなくなることになります。


< 余談 >
 ebisuは1979年から1983年まで、エレクトロニクス輸入商社の予算編成と予算管理を統括し、決算分析も四半期ごとにやっていました。同時に経営改善のためのシステム開発も担っていました。5年間の間に自己資本比率を10%から30%へ、売上高経常利益率を3%から8%へアップしてます。損益予算規模は40億円。
 その後、1984年に臨床検査会社へ上場準備要員として転職し、統合システム開発をする傍ら2年間予算編成と予算管理の統括業務を担当しています。当時の予算規模は350億円ほどですが、営業部門とラボ部門と新規事業部門と本社側で予算編成の実務&統括作業をしていました。1991年から2年間ほどは、関係会社管理部で子会社数社の財務分析と経営管理をしています。このときに担当した千葉の子会社ラボを新システム導入を契機に赤字から黒字に転換しています。これら子会社数社の売上規模は約200億円。1995年には本社経営管理部へ戻りちょっとの間だけ予算の統括業務を担当しています。経営管理部経営管理課と社長室と購買部3セクション兼務でした。このころの予算規模は500億円です。1997年から99年まで、帝人とSRLの臨床治験受託会社でも管理系役員として中期経営計画、予算編成および経営管理を担当していました。ここでも赤字部門の合弁だったのですが、赤字から黒字へ転換させています。どこでもスタッフが思う通りに動いてくれたので、ラッキーだったのです。
 そういうわけで、予算や決算そして監査周りのことはいくらか知っていますが、公的会計は実にわかりにくい。根室市は市民にわかりやすいように民間会計基準で損益予算と決算(P/LとB/S)を公表すべきです。病院事業経営赤字がH26年度17億円を超えていたり、H27年度14.7億円であることが明確になります。市民へわかりやすい形式では困りますか?


*#3467 経営破たんに近い根室市の財政(2):四つの対策 Nov. 25, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-11-25


 #3260 根室市役所新庁舎に廃校を利用しよう Mar. 17, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-03-16-1

#2603 平成26年度根室市の予算:21年間の予算推移 Feb.25, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-25

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大倉財閥の研究―大倉と大陸 (1982年)

大倉財閥の研究―大倉と大陸 (1982年)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 近藤出版社
  • 発売日: 1982/02
  • メディア: -


#3351 根室市の人口減少の現状と対策: 前年同月比543人減 July 5, 2016 [26. 地域医療・経済・財政]

〈最終更新情報〉
7月6日午前8時半


 広報「根室vol.915,7月号」が届いた。裏表紙に根室の人口データが載っているので、いつも一番先にこのデータに目が行きます。3期目の長谷川市政は人口減対策として移住促進を叫んでいるのですが、それが効果があるのかないのかはデータで検証できます
 教育問題でも市教委は普段の学力テストデータすら見ていない。病院建て替え問題でも、損益計画と実績が毎年6億円も違っていますが、合理的な説明がなされないままです。こうして毎年効果のない政策が170億円もの予算を投じて繰り返されています。藤原市政時代には145億円まで縮小した市の予算が、人口が5000人以上減少しているのに25億円も増えています。
 それぞれの政策は客観的なデータでチェックすべきです。

 6月1日現在で、根室の人口は前年同月比543人減です。こんな数字は6月だけのことだと思いたい。根室市は移住対策(移住交流促進委員2名を任命、先月からヴォストークラボというカフェを開業しています)を柱とする人口減少食い止めに旗を振っているし、少子化対策推進室も設置したようで一生懸命に見えます。
 しかし、やっていることにまったく効果がないことはデータが示す通りで、根室の人口減は加速しています
 若い人たちが減っていくことに目を向けずに、出会いの場をつくれば何とかなると考えること自体がピントを外しています。高校を卒業して都会へ進学し、就職で戻ってこないことに目をつぶっていることもヘンな話です。地元企業に勤務する親たちのほとんどが、自分が働いている会社へは子供を勤めさせたくないようでは、人口減少を止められるはずがありません。
 ストレートに問題に目を向けなければ、有効な人口減少対策が出てくるはずがありません。
 オール根室と市政の癒着構造がまずいのは、持ちつ持たれつの関係を維持し、お互いに是正すべきことを言わないところにありますそうやってお互いに自分の問題から目を背け、問題の先送りをし続け、町の衰退を招いているのです。この悪弊は人を変えて戦後ずっと続いています。根室の癌といってよいでしょう。

 藤原前市長の時代はおおむね年間400人弱の減少でしたが、長谷川市長が3期続いて、人口減少は年間400人を超えました。年間400-500人の減少を続けていますが、前年同月比で500人減を超えるのは異例のことです。

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   人口 27,272人 (-543)
    男  13,015人 (-264)
    女  14,257人 (-279)
   世帯数 12,909世帯 (-114)

 (カッコ内は前年同月からの増減を表す)
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 世帯数の減少が3桁になるのも21世紀になってから初めてではないでしょうか。老人人口が8000人前後だから、子供たちを進学や就職で都会へ出した独居老人の死亡事例が多いのかもしれません。医療療養型病床が1ベッドもない根室の地域医療の現状を考えると、気になる数字の変化です。老人医療がこれほど貧困な市は全国にそうはありません。
 これは市政の判断ミスでした。市立根室病院の建て替えのときに、療養型病床を100ベッド持つべきでした要望が大きかったのにやらなかったのは、老健施設や特別養護老人施設への影響を考慮して遠慮したからでしょう。その後の市からの手厚い補助金交付(特養に5.5億円、老健施設に9億円)をみれば何を考えていたのかよくわかりますここでも市政が捻じ曲げられてしまっていますこういうところが根室のいけないところです。一部の者たちだけの閉鎖的なサークル内で話が決まってしまい、「私」があって「公」がないがしろにされてしまう。市議会はビジョンがないから、総合的な見地からものが言えない、ようするに市政をチェックできないのです。

 子供を都会に出してしまって独居老人が増えているのに、医療療養型病床のないことはたいへんな問題を引き起こします。たとえば、歩くことのできる認知症の親を自宅で介護できるのはせいぜい数ヶ月のことです。昼夜逆転し、夜中の2時ころ起きてきて大きな鍋に味噌汁を吹きこぼれそうなくらいつくることがあります。2階で寝ていて階下で物音がするなと確認に降りていくと、台所の照明がついています。朝だと勘違いしているのです。鍋いっぱいの味噌汁はほうっておけば吹きこぼれて火が消えます。ガスは出っ放しですから、そのうちに冷蔵庫のサーモスタットが働けば、ドカンと爆発炎上します。プロパンガスは都市ガスの8倍ほどの熱量があります、天然ガスに比べても熱量が大きいから、爆発も大きいのです。認知症の親を介護するというのはそういう風に「命がけ」のことなのです。
 認知症が進むと自分で排泄の処理ができなくなります、そして徘徊が始まるので、介護する側は満足に睡眠が取れなくなり、しだいに追い詰められていきます。排泄の介助がいるようになると、たいへんです。目を離すと自分でやります。感覚が麻痺しているので、手にすこしウンチがついていても気がつかずに、食器棚を開けて食器に触ったかもしれません。疑わしいと全部洗わなければなりません。
 外に出ると、家の前なのに方角も自分の家もわからなくなり、すたすた歩いてどこかへいってしまいます。そういう時は案外早く歩くのです。根室の冬は寒いから死んでしまいます。夏だって夜は13度付近まで下がるので、つねに目を離さずに見守っていなければならないのです。
 寝たきりになると排泄と褥創の処置が大きな課題になります。
 在宅介護は介護するほうも命がけです。自分の体力がもう持たないと思ったときに、人間の精神はおかしくなっています
(わたしは、食べることを拒否して死にたいと思います。絶食は苦しくありませんから、水だけいただいて体の衰弱を待てばいい。おおよそ2週間で精神が透明になり、3週間くらいで意識が朦朧としてくるのではないかと思います。チューブにつながれての一時的延命は勘弁願います。その旨をしたためた遺書を残しておかないと、希望通りにはなりません。死に方のついての遺言書は自書して用意しておきましょう、日付を入れることを忘れないように。雛形をネットでみて参考にすれば要件を満たした遺言書を作成できます。)

 隣の中標津町では殺人が起きました介護中の子供が精神的に追い詰められて親を殺しましたほんとうにお気の毒なことでした。類似の事件は全国あちこちで起きています。中標津町には石田病院という老人介護のための療養型病院がありますが、それでも事件は起きました。根室にはそれすらないのです
 近隣のいくつかの療養型病院に根室のお年寄りが入院されていますが、地元の人を優先するので、患者が増えるにしたがって、受け入れが困難になってきている事実を知っている市民がどれだけいますか?
 危篤になってもすぐに家族が駆けつけてこれる距離でなければ、家族や友人に看取られることなく死ぬしかありません。だれしも最後は家族や友人に看取られながら静かに逝きたいのではありませんか?
 これから徐々に老人介護と終末医療の問題がクローズアップされるでしょう。市政は私たちの未来に直結しています。何も言わなければ、それなりの未来がまっています。

 人口減対策は何度も書いているので、過去ログのURLを並べておくのでそちらを参照してください。

 簡潔に書くと、若い人たちにとって魅力的な地元企業がすくないということ。閉鎖的で自分の家族だけを重視するような同属経営が多すぎることや、閉鎖的な市政運営が根室の町から活気を奪い続けていることは、市民の多くが感じていることです。
 それは市民意識調査*にも現れています。根室に住み続けたくないという人が40.1%もいます。根室青年会議所が以前実施した意識調査の結果の数値です。この数値は町の閉鎖性を打ち破ることで変えられます。あれから何年もたちますが、青年会議所はぜひ根室の閉鎖性を打ち破る活動へと舵を切っていただきたい。商工会議所や中小企業家同友会、ライオンズクラブ、ロータリークラブも自分の企業の決算情報を従業員にオープンにすると同時に根室の閉鎖性を打ち破る活動を地道にやったらいかがですか?

 根室の人口減を緩和できるのは、市役所ではありません、地元企業の経営に関係しているあなたたちです

 ようするに、店頭公開企業並みのオープン性を獲得すればいいだけです。
 ○決算情報を従業員に開示する
 ○予算制度を導入する
 ○予算・決算・賞与の関係を明快にする
   「予算達成のときは賞与は○ヶ月」と約束する
 ○経理規程をつくり、厳格に運用する
 ○退職金規程をつくり、毎年度末に従業員に現在時点での退職金額を通知する

 業務規程や給与規程はどの会社でも整備しているでしょうから、オープン経営上重要な5項目だけを例示しました。
 夢と希望を従業員に語れる経営者が増えるといいですね

 企業規模が大きいほどたくさんの人を雇用しているでしょうから、閉鎖性を打破しないと人材を集められなくなって倒産します。
 最近4年間で生産年齢人口が445万人も減少しています。失業率が最低水準にあるのは、アベノミクスの成果ではなくて、団塊世代が65歳以上になることで生産年齢人口の急激な縮小が起きているからです。
 過去に根室最大の企業であった日本合同缶詰株式会社の倒産例をみると、倒産の十数年前から、女工さんを集められなくなっていたという重要な事実があります。ベテランの男工さんたちも次々に見切りをつけて根室を去った、昭和36-37年ころの話です。あのころはタラバガニが膨大に取れていた。主力の蟹の缶詰は加工技術の粋を集めたものです。技術改良に励む男工さんたちがいなくなり、女工さんが集まらなくなれば、品質改善ができない。技術的進歩が止まってしまうと仕事の魅力は半減します。乱獲で資源が激減したことも追い討ちをかけました。

 人が集まらないというのは、その企業が閉鎖的で自力改善の余地がなく、したがって将来性に魅力がないからです。根室で育った若者たちが戻ってこないというのはそれなりの理由があるから。閉鎖性を打ち破り、自ら改革をしなければ倒産が相次ぐだけのことですよ。
 根室市の水産業界はこの三十年間、改革に次ぐ改革を続けている浜中農協石橋組合長に学んでもらいたい。
 謙虚に学ばなければ自滅するだけのことです、1979年に倒産した日本合同缶詰と同じ轍を踏んではいけません。


*#1395 根室市23年度予算案:「根室再興」???  Feb. 25, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25
 <抜粋引用>
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 市民アンケートは2009年6月に根室青年会議所が実施した数値があるが、なぜ古い2003年度の統計を使ったのだろう?
 2009年6月の市民意識調査によれば、あなたにとって根室は住みやすい街ですか」という問に対して、
 「とても住みやすい」⇒ 3.6%
 「住みやすい」    ⇒26.7%
 「普通」        ⇒46.9%
  「住みにくい」    ⇒17.7%
 「とても住みにくい」 ⇒ 5.6%

 「第3問 今後も根室に住み続けたいと思いますか」
 「ずっと住み続けたい」   ⇒13.8%
 「できれば住み続けたい」⇒46.1%
 「できれば住みたくない」 ⇒30.8%
 「住みたくない」           ⇒ 9.3%

 ラムサール条約の春国岱があり、これだけ自然が豊かな街であるのに「とても住みやすい」と思う人はたったの3.6%しかいない。住みたくないという人は40.1%もいるのである。中標津の同種の調査をみた記憶があるが、比べものにならない。日本で最高クラスの自然環境を有していながら住みにくい街というのは、その原因が人為的なものであることを示唆しているのだろう。
 住みにくい街にしているのは何か本気で考えたことがあるのだろうか?人口3万人の町でありながら、療養病床が1ベッドもない老人が住みにくい街を固定化しつつあるのはH市政だ。人口減少は数年前まで年間400人を切っていたが、最近の市の広報を見ると前年同月比で450~460人も減っているのではなかったか?H市長とわずか三百数十人の「オール根室」が根室の市政を壟断している。ごく小数の者たちが恣意的に街を運営していることに異を唱えない大多数の一般市民も不甲斐ないと言っては言いすぎだろうか。
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 #1945 根室移住PRに本腰(北海道新聞より) May 22, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-05-22


 #2332 19~29歳対象 根室市アンケート 異常に低い回収率13.2% Jun. 16, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-16

 #2542 根室の人口:『広報ねむろ1月号』より Dec. 26, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-12-25

 #2610 二十年間で半減している根室の中学生人口 Mar. 4, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-03-04

 #2665-2 次の根室市長選挙の争点:市立根室病院赤字は20億円を超えた? May 3, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-03-1

 #2970 根室市の人口減少対策 Feb.11, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-11-1


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