SSブログ

#3133 市立根室病院に変化あり:常勤医の退職 Sep. 13, 2015 [26. 地域医療・経済・財政]

 市立根室病院にはさまざまな形態で医師が来ている。
○望んで来られた常勤医
○斡旋業者を通じて意を固めて来られた常勤医
○札医大医局からの常勤医
○札医大経由という形での他大学出身の常勤医
○他大学医局からの派遣常勤医
○非常勤医
○大学医局からの派遣医
○釧路や中標津の病院からの派遣医

 おおよそこういう分類になろうかと思う。

 以前は常勤医でもあったことのある自治医大OBの内科医N先生が根室との縁が切れたようで、すでに病院HPに載っていない。
 もう一人、内科のS先生が今月一杯で根室を去るという噂が流れている。
 産婦人科を担当している常勤医のH先生は体調が優れない。

 常勤医が2名減少すると、11名になるのかな、計画では17名だったか、18名だったか、最近の年度の計画をebisuはフォローしていない。このままでは病院運営に支障が出る。とくに産婦人科は影響が大きい。当面は釧路日赤がなんとかしてくれても、向こうは向こうで事情があるだろうからそう長くは続けられない。

 病院は経営が圧迫され損失拡大が起きるから、市議会文教厚生委員会は損失試算をして公表すべきだろう。平成27年度の経常損失額は17億円になるのか20億円になるのか、試算してもらいたい。
 そのうえで、どういう選択肢があるのか、市民に提示したらいい。それが、市議会文教厚生委員会の仕事だから、メンバー諸氏はなすべきことを坦々となしたらいい。
 市議会文教厚生委員会は、この町の地域医療をどうするかビジョンを明らかにすべきで、それができたら市民とオープンな場で議論すべきだろう。ビジョンがないから、市側の提案を無批判に鵜呑みすることになっている。


<余談:地域老人医療の崩壊と町の衰退>
 2009年に書いた#756を読むと、療養病床のことをとりあげている。長谷川市長は当初は療養病棟を設置すると答弁していたが、病院事務局が市議会で療養病床は設置しない旨の答弁をした。市議会は重大な変更があったにもかかわらず、全員一致でこれを承認している。市議会病院建設特別委が事前に了承していたのだろう、これでは市議会のチェック機能が働かぬ。(しかし、それも過ぎたこと、大事なのはいまである。)
 療養型病床を市立病院に新設したら、老健施設や特養施設の収容者数が減るので反対あるいは陳情もしくは根回しがあったのかもしれない。しかし、医療施設ではないから老健施設や特養で療養型病床の代替はできない。市はそのご両施設増床用に9億円と5.5億円の補助金を出している。
 「オール根室」はこういうところでもしっかり機能している、根室の悪弊というべきだろう、オープンな議論が必要だが、根室市政は「オール根室」村の住民としか話をしたがらぬ。これでは町が良くなるはずがない。これからはダメなことはダメだとはっきり言おう。

 療養病床は以前は隣保院に75ベッドあったが、2007年に閉院。病院職員アンケートでも要望の強かった療養病床すら新病院に設置されず、根室市は日本では稀な療養病床ゼロの市となって8年間が過ぎた。地域医療政策の誤りは取り返しがつかぬ。
 地域医療がこうも貧弱そして政策が杜撰では、若者だけでなく老人も逃げ出す。

 だいじなのはいま地域医療政策を誤らぬことだ。市民も市議も市役所幹部職員も、ふるさとの現在と未来のためにそろそろ目を覚まそう。各自がなすべき仕事をしっかりやればいいだけ、自分たちの町は自分たちでいくらでもよくできる。
 その第一歩は、ダメなことをダメということ、そして二歩目は集まって具体案を検討すること、三歩目は具体案の実現に踏み出すこと。いま各自がなすべきことをしっかりなせばいいだけだ。
 これらの仕事を担おうという元気で若い人が根室に現れてもらいたい、ふるさとを風通しの良い町にしようではないか。

 
*#756 療養病床設けず・・・いやーまいった  Oct. 11, 2009 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-10-11 

 #1010 療養病床の問題:市立根室病院建て替え-084. Apr. 26, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-04-26

 #2247 根室市予算案をチェックする(6): 補助9億円「高すぎる」 Mar. 20, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-19

 #2297 地域医療対話(5): 旧弊の再生産とは?  May 14, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

  #3134 市立根室病院経営改革は予算編成適正化が鍵 Sep. 15, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-09-15

 #3135 いい町をつくる Sep. 16, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-09-16


      70%       20%       10%
 日本経済 人気ブログランキング IN順 - 経済ブログ村教育ブログランキング - 教育ブログ村根室情報 - 地域生活(街) 北海道ブログ村


nice!(1)  コメント(9)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 9

財団X

街中の噂だけを聞いていると、市立はもう再建無理かもしれんと考える

建物は新しいが考え方が旧弊時代のものでしかない

経営に無頓着な医師側の意見ばかりを立て、経費ばかりを使っているとよく噂で聞く。経営改善はどうした!?

噂では電子カルテ導入が進行?されていると聞くが、大丈夫なのか?新病院時に多額の費用を投じ、システム入替をしたのではないのか?2重投資ではという疑問が出てくる。
それに電子カルテ導入のコストバランスはちゃんと考えているのか?一部では、患者1名に対するコストが見合わないから電子カルテ導入を行わない病院もあると聞くが?

議員はちゃんと目と耳と足で監査し、その結果を市民に公表してほしい。

どんなに「よい箱」でも中身がないのであれば、意味がない。
by 財団X (2015-09-14 07:49) 

ebisu

財団Xさん

おはようございます。

院内システムは、病院が建て替えられたときに新システムを導入しています。それを廃棄して電子カルテシステムを入れ替えたので、リース解約でリース契約総額の半分くらいの損失が発生しているでしょう。
わたしは何度も弊ブログで、病院建て替え時に電子カルテシステムを導入すべきだと書きました。そのためには実務デザインが鍵で、院内で実務デザインをすべきでした。それがまったくできなかった。3億円ほどのお金を捨てることになってしまいました。
経営改善どころか、相変わらずのでたらめ経営が続いています。

市議会の監査委員は五十嵐寛議員です。基本的には会計監査でしょうが、これだけ経営がでたらめだと、監査委員として市立根室病院へ業務監査制度導入を勧告すべきです。

監査委員がその職責をちゃんと果たすだけでも数億円単位で濫費が防げます。

だから、関係者の一人ひとりが、自分の仕事をちゃんとやることで、市立病院の経営改善も、根室の町を住みよくすることもできると言っているのです。

市議も、市議会も、市役所幹部職員も市長も、自分の立場や私利私欲を固執するだけで、古里の町のために責任ある仕事をしていない、悪弊・旧弊の再生産をしている、そこが問題なのです。
13%しかこの町に住み続けたい(2009年青年会議所アンケート調査)人がいないというのは、寂しいことです。
by ebisu (2015-09-14 08:51) 

憂国人

これは医療とは直接関係ない話ですが、小生は時々釣りの帰りなどに道の駅「スワン44」に立ち寄ります。大体夕方が多いのですが、その時には既に館内の食堂は閉まっています。3時がオーダーストップなんですね。折角の素晴らしい場所に在る道の駅なのに夕方にはレストランで食事も出来ないなんて・・・傍から見れば全く持って”宝の持ち腐れ”にしか思えません。勿論経営側には(正当な)理由は有るのでしょうが。
「根室は半島の付け根の厚床から入り込んでいて周って他の観光地に抜けられないから観光客を呼びづらい」ならば、せめてそのハンディを帳消しにするような”売り”を探すべきでは。それは「そんな不便な根室に来てみたが、根室でしか味わえない素晴らしい景色、美味しい食材、温かい住民のもてなし」だと思いますが。また納沙布岬から日本に1番近い外国(ロシア)を目の当たりにし国の在り方や戦争について考えるのも貴重な経験でしょう。
スワン44内の店は確か根室交通系列の会社でしたよね。「赤字が云々・・・」で3時のオーダーストップならば、中標津空港の飛行機に合わせて(1日4便)殆ど空車のバスを往復させる無駄(ちょっと言い過ぎかも)はバス会社の公共的使命だから仕方がないと言う事でしょうか。勿論行政からの援助は有るとは思いますが。まあその行政(根室市)が市立病院の医師の出入りに根室中標津間の営業車を使ってくれる(契約料金で2万5千前後との噂も)ので根室交通としてはチャラか・・・。このような事実を一体どのくらいの市民が知っているのでしょう。

Ebisuさんが何時も言うところの「根室村」
by 憂国人 (2015-09-14 09:29) 

NO NAME

PS
ま、根室~中標津を行き来する市立病院の医師のタクシー代よりも(常勤医を抑え出来るだけ出張医を出す)S医大から派遣される医師の日当の方が遙かに膨大な金額ですがね。(笑)
by NO NAME (2015-09-14 09:38) 

ZAPPER

以前も同じことをコメントしましたが。

孝仁会 根室病院。
そうなればいいと願っているのかも知れませんね。
by ZAPPER (2015-09-14 15:39) 

ebisu

観光の「売り」は

>根室でしか味わえない素晴らしい景色、美味しい食材、温かい住民のもてなし

地道にやればいいのです。
野鳥が市街地に集まる明治公園の再開発などもってのほか。

スワン44も「根室村」ですか。
冬の間は2時でオーダーストップになっていたことがありました。
あのレストランからの眺めはすばらしい。あんなに景色の良いレストランは全国を探しても10箇所あるかどうか。

出張医については、常勤一人分で年間8500万円かかるという試算を弊ブログで解説してあります。

監査委員の五十嵐市議は業務監査の導入を市長に勧告してもらいたい。理由は、電子カルテシステム導入にかかわる不手際がよろしい。3億円程度は無駄になっています。

はて、孝仁会が市立根室病院の運営受託をするかどうかは、たぶんにあやしい。
経営するものの立場から言うと、合理的判断にしたがえばありえません。
借金を増やして札幌へ進出するのですから5年間は札幌の病院の経営に注力するというのがあたりまえの経営判断でしょう。

どうしてもとなると、分担金の問題や、診療機能の縮小が交渉テーブルに載るのでしょう。
経営改善が何年もなされず、時期を逸したので、いくつかあった解決案が消滅しつつあります。弱り目に祟り目が現状です。
by ebisu (2015-09-14 22:39) 

財団X

私も業務監査の導入は、必要だと思いますね
でも業務監査導入しても、村意識の高い根室ではあまり効果がないでしょう。

孝仁会が市立根室病院を乗っ取りはいずれあるかもしれないと思う。S医大が絡んでるし、最終的にそうなるような気がします。

孝仁会になったら、診療科も減るだろうし、患者が路頭に迷うことになるだろう。

根室の再開発は、「故郷を無くす」方向の開発ばかり
根室は自然豊かな点をアピールすればよいのに、無機物な箱ものだけが立地していく。今の根室は故郷ではなく、首都に憧れる町でしかない。
by 財団X (2015-09-15 07:51) 

ebisu

財団Xさん
おはようございます、ひさしぶりにいい天気ですね、秋晴れ、きもちいい!。

監査が有効なのは、
①監査人が監査業務について専門知識や経験のある
②独立不羈の第三者である

この二つが担保されていればいい。

ところが、昨年市の監査委員に任命されたのは、大地みらい信金元専務理事です。取引業者です、取引業者を監査人にしてはいけません。独立不羈の第三者ではなく利害関係人だからです。
両方の要件とも満たしていません。
これでは監査の実効性が疑われます。

監査に関する専門知識も不可欠です。根室漁船保険組合使い込み事件でも落石漁業組合使い込み事件でも、監査が基本手続きどおりに行われていたら、数年間にわたっての使い込みは不可能だった。

根室市はこれら二つの事件から何も学んでいないのです。
「オール根室村」から監査人を選んではいけない、村の住人では実質的な監査にならないからです。

業務監査は会計監査とは違いますので、ちゃんとした識見をお持ちの方ならだいじょうぶでしょう。
監査人は公募で決める。選出手続きはオープンにやる。全部ネット上で公開すればいい。
そして、業務監査の内容もネット上でオープンにする。
業務監査人には市民の質問に答える義務を課す。
業務監査は経営改善ツールの一つです。

根室を変えるためにこれくらいのことはやりましょう。
風通しがよく、住みよい町を自分たちの手でつくる、そのために各自が自分ができる範囲のことをする。
わずかなことの積み重ねで町を住みよくすることができます。

by ebisu (2015-09-15 08:15) 

ebisu

本田市議のブログによれば、市立病院では予算の流用が起きています。市長は「専決処分」で予算流用を認めています。

<本田市議ブログ>
http://nimuoro.lekumo.biz/honda/2015/09/post-6ec3.html


材消費を削って医師招聘費用に充てていると書いてあります。民間会社でこんなことが起きたら、大問題になります。そもそもそんなことができないような仕組みになっています。

そもそも、年度途中で材料費予算が数千万円も削減可能というのは、当初予算がでたらめだということです。もちろん、医師招聘費用も過小に見積もられていたということ。
こんなでたらめな予算編成だったのに、市議会は全員一致で予算案を承認しています。

まもなく平成26年度決算が公表されます。「オール根室村」出身の監査人ではこんな重大なことが起きているのに限定意見がつけられないでしょう。
まもなく根室市の決算の監査報告書が公開されるので、確認できます。
公正な監査がなされたかどうかが簡単に判断できます。

by ebisu (2015-09-15 08:33) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0