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#2956 市立根室病院今年度赤字額はまたも20億円超? Feb. 4, 2015 [26. 地域医療・経済・財政]

 「福は内、鬼は外」、節分の日に根室市議会便りが配布された。本田市議の質問の中に気になる数字があったので、とりあげたい。

 「今年度末不良債務4億8千万円の扱いについて」

 不良債務というのは行政用語で一般市民には馴染みがない。病院事業で赤字が出ると、国基準の根室市一般会計繰出金が8億円余、そのほかに足りない分が国基準外の根室市一般会計繰出金で補填することになるが、一般会計で補填しきれない分を「不良債務」と呼んでいる。ごちゃごちゃ分けているが、要するに全部を合計したのが病院事業赤字だ。
 今年度は予算で約16億円の赤字額を見込んで一般会計からの繰出金を手当てしていたはずだから、それに4.8億円上乗せされて、21億円の病院事業赤字になるということだろう。
 前年度の2013年度決算では17億円の一般会計繰出金があったが、これに「旧建物除却損が約2.3億円+取り壊し費用」、そして電子カルテシステムを導入しなかった不手際により、システム開発費のリース中途解約金が2億円ほど発生したのではないか。これらを足し合わせると、2013年度の病院事業決算は20億円を越える赤字だったのだろう。
 2013年度と2014年度と連続して、病院事業赤字が20億円を超えることになる。おいおい、話が違いすぎないか。本田市議の挙げた数字がにわかに信じられないような経営悪化だ。
 なんでこんなに悪化したのか理由がさっぱりわからない。何かの間違いではないかとも考えたが、市議会での質問だから、きちんと調べて病院事務局に確認した数字なのだろう。

 わたしは以前から民間会計基準で病院決算を公表すべきだと主張している。そうすれば誰の目にも病院経営の実態が明らかになるからだ。公的会計基準では赤字であっても、収支均衡させることで黒字に見せかけることができてしまう。夕張市財政はそれで破綻した。
 市議会文教厚生常任委員会はどうして根室市の広報に病院事業決算を民間会計基準で公表するように、市議会で提案・決議しないのだろう?理由がさっぱりわからぬ。要求したら市議会文教厚生常任委員会のメンバーに何か不都合があるのだろうか?市民が市立病院経営の実態と真実を知るだけだから何の不都合もないはず。

 藤原前市長時代の病院事業赤字額はおおむね8億円前後だったが、長谷川市長になって11億円台に増え、そして2期目の最終年と3期目初年度はついに20億円を超えた。いったいどういう経営をしたら、こんなに赤字額を増やせるのだろう?非常勤医(派遣医)が増えただけでは赤字増加額の半分も説明できないよ。常勤医5人を派遣医で代替したとして、最大3.3億円の費用増にすぎない。だから医師不足だけでは市立根室病院の赤字拡大を三分の一しか説明できない。病床数は建て替え前の199ベッドから135ベッドへ3割強減少したのに、赤字の額は2.5倍にも膨らんでしまっている。外来患者数も3割減だ。人口減少率よりも外来減少率のほうが大きい。

 建て替え時の損益試算では、最大でも赤字額は11億円台と報告していたはずだが、損失額が計画よりも2倍に増えてしまっているのだから、総合文化会館で日曜日に説明会を開いて市民に説明するのが市長としての当然の責務ではないのか?当時の病院事務局は架空の試算をして市民をだましたことになる。職務忠実義務違反に問われてもおかしくない。
 来年度も20億円を超えるような病院事業損失が出たら、いったい市の財政はどうなるのか財政課長の意見も聞きたい。もっと市民とフランクに話したほうがいい。(本田市議がブログで市側の損益計画を公表した資料では最大で12億円の赤字だった。)

  市長も市議も、仕事は正直にやろう、それが一番市民のためになる。決算の内容と経営実態を正直に語ろう。もうごまかしている場合ではない。


*「ねむろ市議会便り 第11号」平成27年2月1日発行


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良識ある根室市民

薬剤師・看護師の採用試験が2/14に札幌で、2/15に東京で実施される?

就職を検討されている薬剤師・看護師の皆さん、こちらの病院はお勧めできません。待遇がいいのは医師だけでその他の職員の扱いは散々です。またその医師ですら長くは居つかれません。勤務年数が長ければ長いほどそれは問題のある医師というのが実際です。

騙されないで下さい。



by 良識ある根室市民 (2015-02-04 10:26) 

ebisu

良識ある根室市民さん

おっしゃることはよくわかります。
>就職を検討されている薬剤師・看護師の皆さん、こちらの病院はお勧めできません。待遇がいいのは医師だけでその他の職員の扱いは散々です。

>またその医師ですら長くは居つかれません。勤務年数が長ければ長いほどそれは問題のある医師というのが実際です。

実例は挙げませんがその通りであることをebisuも承知しています。

その一方で、地元出身の薬学部の5年生が薬剤師になって根室へ戻ろうと努力しています。
昨年も根室へ戻って看護師になると宣言して看護学校へ進学した生徒がいます。
放射線技師の専門学校へ進学した生徒もいます。
根室高校から昨年度は22人が看護学校へ進学しています。

市立根室病院の状況を知っていて、なお、ふるさとに戻って地域医療を支えたいという生徒たちが少数ですがいます。

そういう若者たちのためにも、市立根室病院は健全経営にしなくてはいけないと思います。民間病院に運営委託するような事態になれば、彼ら・彼女たちの戻る場所がなくなります。

地域医療は自分たちで守る、そういう気概を持つ市民が増えてほしいと切に願っています。
by ebisu (2015-02-04 12:02) 

良識ある根室の市民Ⅱ

「勤務年数が長ければ長いほどそれは問題のある医師」

うーむ、大体当たっているな。言い得て妙な表現だ。特に内科はそうだな。例えば内科の某医師。何年も前に根室に流れて来てそのまま居座っている。最近根室に舞い戻って来た医師も先任地の道北の離島で行政とトラブったとか。院長に至ってはご存知の通り。
もっとも内科でも心カテで患者が亡くなり裁判沙汰で根室から逃げ出した医者は短かったな。
他の科でも、例えば釧路の病院に出て行った整形外科が専門外来と言う名目で出張アルバイトで根室に顔を出している。

「勤務年数が長い」・・・積極的に良い医療をするために根室に残って頑張る・・・ならば大歓迎だが、実態は「他に行く所が無いし根室に居ればぬくぬくと守られる」のようだ。もっともこれも院長側に付いていれば・・・の話だが。
by 良識ある根室の市民Ⅱ (2015-02-06 09:04) 

相川始

こんにちは。ebisuさん。

今年初めての書込みです。

昨日の北海道新聞に2/9に新しい内科医師がくるとの記事がありました。
by 相川始 (2015-02-06 11:35) 

ebisu

良識ある根室の市民Ⅱさん

>うーむ、大体当たっているな。言い得て妙な表現だ。特に内科はそうだな。例えば内科の某医師。何年も前に根室に流れて来てそのまま居座っている。

もちろんイニシャルも書けませんね。一度新聞に載りましたが、その件はいいことなのですが書けません。

看護師さんたちはもちろんのこと、市民も結構知っています。だから、市立根室で該当する診療かがあっても、不便な釧路の病院へ通院する患者さんたちがいます。
わたしを含めて、病気を抱えた患者や家族は、市立根室病院が健全経営で、腕のよいドクターが揃っていてほしいのです。
根室で適切な診療を受けられるほうがいいに決まっています。

幸いわたしには腕のよいかかりつけ医の先生がいる。地元のクリニックに専門医がいる、安心でとってもありがたいことです。
根室の地域中核病院である、市立根室病院、しっかりしてもらいたい。
by ebisu (2015-02-06 11:48) 

ebisu

相川始さん

たしかに昨日の道新根室地域版にI医師赴任の紹介がありました。
時期は少しずれますが、プラス・マイナス・イコールゼロです。

市立根室病院はつねにプラスのほうしか公表しません。常勤医の数合わせに、ずいぶんあせっているようです。
ご存じなかったでしょうか?
by ebisu (2015-02-06 12:07) 

相川始

ebisuさん。回答ありがとうございます。

病院の「常勤医の数合わせ」は、いつものことと私は思っているので、記事を読んでも既に気にしなくなってました。
どちらにしてももう3月も近いのだから、医師離職情報が暗部では出てるのでしょう。

しかし記事載ってた医師をgoogleで名前検索すると、かなりのHITをします。逆に考えるとなぜこのような経験者を確保できたかが不思議なところですね!?

長く居てくれるといいですね!?
by 相川始 (2015-02-06 15:49) 

業界雀

しかし記事載ってた医師をgoogleで名前検索すると、かなりのHITをします。逆に考えるとなぜこのような経験者を確保できたかが不思議なところですね!?

一言だけ。「要注意!」
by 業界雀 (2015-02-06 19:25) 

ebisu

相川始さん

>しかし記事載ってた医師をgoogleで名前検索すると、かなりのHITをします。逆に考えるとなぜこのような経験者を確保できたかが不思議なところですね!?

見る人が見ればネット情報だけでもどうなるか先が見えるのでしょう。「業界雀」さんの書き込みの意味を読むことで、その理由がわかります。

いろいろな見方があるということですね。

ところで、病院事務局あるいは市長は4月1日の常勤医が何名であるかに毎年腐心しています。4月1日さえクリアすればいいというのは毎年のこと。赴任してくる医師の情報だけ出して、去る医師の情報は出さない。
市長と院長が、ふるさとの町が笑われるような無理をしていないことを祈るのみ。
by ebisu (2015-02-07 08:47) 

ebisu

業界雀さん

毎朝、雀が庭に30羽ほど来ています。玄関に立つとちゅんちゅん大合唱、めんこいものです。

でもこれは大鷲が首を動かしてぎょろっとにらんだときのつぶやきに聞こえました。

>一言だけ。「要注意!」

業界の事情に疎いので、簡潔明瞭な三文字と感嘆符の意味を考えてみます。(笑)


by ebisu (2015-02-07 08:56) 

業界雀

ネットでググると、レメディー、ホメオパシーなどの単語がぽんぽんと出て来ます。それらの意味についてはネットででもお調べください。またブログの名前の前に何かの信徒のように長いカタカナ名が付いています。
これらを見るに、どうも普通の医師ではなさそうです。まあ今どきの「総合内科医」「家庭医」とも少し違うような。
また自身の経営していたクリニックを約1年半前に閉鎖しています。通常開業医ならば、開業するための多くの資金を長い年月を掛けて回収します。ですから大体回収を終えた父親が息子に跡を継がせる(多少の減価償却以外は殆どが利益となる)ために私大の医学部に毎年1000万を掛けても息子を入れるのはそのためだと思っても良いでしょう。つまり流行っていれば、余程の重大な理由が無い限り(例えば院長自身が癌に掛かり治療が必要だとか、株に手を出して失敗したとか、患者にパワハラをして訴えられたとか)クリニックを閉じることは奇異に思われます。

昨日「要注意!」とだけ書いたのは、ネットで調べてみた時の直観です。

因みに、数年前に根室に流れ着いた「某医師」に共通点が多いように思われます。
by 業界雀 (2015-02-07 17:23) 

ebisu

業界雀さん

レメディでググったら、日本ホメオパシー医学協会が出てきました。
http://jphma.org/About_homoe/remedy.html

これだけなら、ああ、そういう方面に関心がある先生なのだなというだけです。

>またブログの名前の前に何かの信徒のように長いカタカナ名が付いています。

二つ揃うと、ちょっと気になります。

いい先生なら、いい評判が立つし、そうでなければそれなりの評判が立つ、狭い根室のことですから。

例年のことですが、4月新年度スタート時点の員数合わせに腐心していることはよくわかります。

市立病院経営の年間赤字額も、常勤医数も、なにも隠したり、ごまかしたりする必要なんてないのにと思います。もちろん無理な員数合わせも要らない。そんなことをしているからますます損失が大きくなります。
by ebisu (2015-02-07 23:17) 

ebisu

長谷川市政以前に比べて2.5倍に損失が膨らんでいるのに、原因に対する合理的な説明がない。

市立根室病院は地方公営企業法全部適用に移行する予定だが、業務監査精度と外部監査を導入すべきだ。
監査を監査業務に対する専門知識のない素人に任せてはいけない、プロに任せたらいい。根室は漁船保険組合でも落石漁業組合でも監査人はいるが実質的な監査機能が失われていたという痛い教訓で学んでいるはず。
業務監査は専門知識のある者に、そして会計監査は外部監査に任せるべきだ。
市議会で決議すればやれます。

by ebisu (2015-02-08 11:45) 

市民K

道新には今週から勤務と書いてあったと思いますが、市立病院のHPには未だ新しい内科医の名前はありませんね。どんな感じの医師なんでしょうね。
by 市民K (2015-02-11 08:13) 

ebisu

市民Kさん

病院のホームページをチェックしてみましたが、内科医のI先生の名前はまだありませんね。
新聞報道は事実でしょうから、ホームページの更新がルーズだということなのでしょう。
しっかりしてほしいですね。
by ebisu (2015-02-12 01:32) 

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