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#3134 市立根室病院経営改革は予算編成適正化が鍵 Sep. 15, 2015 [26. 地域医療・経済・財政]

 本田市議ブログによれば、市立根室病院事業で補正予算が組まれた。予算案がでたらめだから、大幅な補正予算は毎年のことだが、本田さんは中身の問題を追及している。

*本田市議ブログ
http://nimuoro.lekumo.biz/honda/2015/09/post-6ec3.html

 「議員協議会に提出のあった説明資料に記載された主な専決内容では、収益的収入において、医業収益の一般会計負担金2,257千円の減額、医業外収益の一般会計負担金・補助金16,366千円の減という内容でした。」

 ところが、これには次のような情報の隠蔽があった。

「後日、配布されました平成26年度市立根室病院事業会計補正予算(専決第1号)に関する説明書を確認したところ、医業外収益一般会計補助金の補正内訳として、医師確保対策に要する補助金109,688千円の増額並びに収支均衡を図るための補助金125,510千円の減額という大幅な財源内訳の変更を伴う補正内容であり、それらの詳細について説明がないまま、地方自治法第180条第1項の規定に基づく専決処分が行われたことは遺憾であります。」

 1861万円の補正のはずが、中身をみると医師確保に対する予算増額1億968万円増額と赤字穴埋めのための繰出金1億2551万円の減額だったのである。
 常勤医の退職が相次ぎあせっているのでしょう。横暴な運営をすれば人の出入りが多くなる、世間ではそういう離職率の高い企業のことを「ブラック」と呼んでいます。みんなで「ホワイト」にしましょうよ。

 年間売上21~25億円の規模の事業で、医師確保費用が1億円も増額が必要になるということは、当初予算がでたらめだということ。どうせつじつまあわせでいんちき予算だから、実績はまったく別になるとつくった病院事務局自体が承知しているから、経営改善なんかする必要もなし、補正予算で予算を実績に合わせる作業をすればいいだけ、こういうことになっている。でたらめなつじつまあわせに汲々としているから根っこから腐ってしまった。
 そういうわけだから、正直で正確な予算編成ができる町にしましょうよ。

 当初予算の費用は他にもでたらめがあったことが次の本田さんの指摘で明らか。

 「今議会に、報告第10号専決処分として報告があった平成26年度最終予算と最終決算額(議員協議会提出資料)において病院事業収益特別利益の引当金戻入益において90,058千円の収入増、病院事業費用医業費用の給与費において100,856千円の支出減と大きな乖離が生じています。」

 怖いことです、こうして何もかもがタガが外れてしまうんです。過年度に退職給与引当金が過剰に積み立てられており、その戻入が9005万円あった。それだけでなく、当年度の退職給与引当金も当初予算が1億85万円過剰に見積もられていたということ。両方で、1億9091万円の予算差異である。

 恥ずかしながら、こういうでたらめな予算案を根室市議会はそのまま承認していた。もう、市側の出す予算案をそのまま認めるのはやめましょう。こんな風にでたらめの限りを尽くしているのだからね。

 決算書が議会にかけられているということは、監査報告書が添付されているということ。根室市の大口取引先である大地みらい信金元専務理事が昨年市の監査委員となったが、利害関係者を監査人に任命した市長の責任は重い。監査が形骸化するので絶対にあってはならないことである。まだ、市民には公開されていないが、監査報告書は「無限定適正」になっているのではないか。
 こういう形骸化した監査は、でたらめな経営や不正の温床となる。論より証拠、長谷川市政になってから、(藤原市政の時代に)年間8億円前後だった病院事業赤字額が17億円に増えている。経営改善は声高に言われるだけで、そのために課長職を増やしても、業者に経営改善を外部委託しても効果がないどころか、赤字額は逆に増え続けた。そしてまともな説明は一度もない。背景には監査が形骸化していることがあるのではないか?

 根室漁船保険組合の横領事件や落石漁業協同組合の使い込み事件は、監査が形骸化していたからこそ生じた。

 適正な人材がいないなら、根室市の監査は監査法人に委託すべきだ。そして病院事業には業務監査制度を導入すべきである。

 文教厚生委員会委員長である本田さんと委員諸氏は断固とした決意で、ふるさとの地域医療を守るために根室市の財政改革に踏み切ってもらいたい。

 やらなければならぬことは、取引業者出身者を市の監査委員から外すことと業務監査制度を市立根室病院へ導入すること。念のために書いておくが、「オール根室村」は市政の利害関係者であり、「独立不羈の第三者」ではないから、監査人の資格なし。
 ようするに、予算編成も監査も基本通りにやればいいだけ。

 本田さんは次のようにも書いている。

 「また、平成26年度の公営企業会計は新しい会計制度へ移行後の初年度でもあり、予算執行については、従前との対比も含め、市民に対してできる限り、解かりやすく、また、適時的確な予算措置に努めるべきであると考えます。」

 予算と決算は民間会計基準で診療科別・病棟別にやり、当初予算比較実績表を病院ホームページで公表すべきだ。こんなことはいつでもできるから、市議会で「民間会計基準での予算・決算公表」を決議すればいい。市民にはずっと判りやすいものになるだろう。事業赤字額が実際にはいくらで、一般会計からの繰出金がいくらになっているか誰にでもわかる。公的会計基準自体が「ダブルスタンダード=インチキ」なのである。
 いい町は各自が自分の仕事をちゃんとすることによって創ることができる。
 


*#3133 市立根室病院に変化あり:常勤医の退職 Sep. 13, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-09-13

 #3135 いい町をつくる Sep. 16, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-09-16



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ZAPPER

腹を括って闘い、市長の座を目指す。
本田さんにはそうあってもらいたいものですが。
タマナシなんでしょうかね?
by ZAPPER (2015-09-15 22:38) 

ebisu

タマナシ?
「魂なし」、ふるさとのために命を捨てる覚悟のことなら、いままではなかった。

問題はいまです、いま「魂ナシ」なのか「魂アリ」なのか、自分のスタンスをはっきりさせるべき時期が来たということ。

ダメなことをはっきりダメと言える根室人に成長できるかどうか、見守っている人が何人かいるでしょう。

「山川の末に流るる橡殻(とちがら)も 身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」

by ebisu (2015-09-16 00:10) 

事情通

「医師確保に対する予算増額1億968万円増額」

これは今後更に増えるでしょうね。かって東京医大のお抱え病院だった頃、大学の医局から医師が派遣される度に医局へ400万の上納金が動き、それが根室市の財政を圧迫している・・・との専らの噂でした。現在のS医大の場合はどうなんでしょう。S医大もかって日高方面の病院に医師を派遣する際に当時救急部の教授だったK教授が当たり前のように上納金を要求して社会問題に成りました。このようにとかくS医大には金権体質の噂が絶えないのは、北海道の地域医療を一手に引き受ける半ば独占企業?だからなんでしょうか。

病院の医師招聘対策室も問題です。かって丘珠空港でタクシーを拾うと、運転手が市立根室病院の事務長や対策室長の言動(横柄な態度)を苦笑していました。「俺は市立根室病院の事務長だ!」定宿のホテルのフロントでも然り。その事務長が病院の公用の携帯を使って出会い系サイトで遊び首が飛んだが、当初市長は彼を庇った。また仲間の対策室長も「事務長がああ成ったのは仕事のストレスで、根室に来ようとしない医者のせいだ!」
いやあ、正に「盗人にも三分の理」。
叩けばどこからでも埃が舞い上がる市立根室病院・・・Vivaオール根室!!!

PS:市立根室病院の医師の給料は道内の病院の中ではTOPです。(実質の平均給与なら町立別海の方がやや高いかもしれませんが)
北海道地域医療振興財団のHPをご覧ください。医師の給与からもその地域の医療事情が見えて来ます。なかなか面白いですよ。しかし財団のHPに書かれている給料はあくまでも表の数字で、実際には就職希望の医師と対策室間でやり取りが行われるので、更にupされている可能性が有ります。ではその分は何処から出て来るのか??
勘の鋭い方ならお分かりでしょう。市長が認めている「対策室費」です。根室にコンタクトして来た医師の地元に出向く対策室(時に院長も)の経費、その医師に現場の根室を見て貰うための旅費一切(時に家族の分も)、間に民間医局(斡旋業者)が入れば彼らの費用も。またその結果根室に就職した医師に対しても至れり尽くせり! その中には世間の常識を逸脱した「公私混同」も挙げればきりが有りません。

根室市民はオール根室と言う羊飼いに飼い馴らされた羊
ですね。
by 事情通 (2015-09-17 09:05) 

ebisu

事情通さん

いろいろと具体的な情報開示ありがとうございます。
内緒ごとがたくさんあるのですね。
やはり業務監査が必要です。
根室市とは利害関係のない、心根のまっすぐな業務監査人を任命すればいい。

経理にしっかりした人を置くことも大事です。
公私混同は経理にしっかりした人間を置くことである程度は防げます。
しかし、院長、事務長、対策室長がぐるになっていれば、いかなる内部牽制制度も効のないものになります。
ですから、この三人の人事が要です。

外部監査と業務監査をセットで導入すれば、かなり改善はできるでしょう。
by ebisu (2015-09-17 16:34) 

財団X

どこの病院でも同じだが、どんなに経費削減を頑張っている病院でも、医師側の横暴要求が高いと赤字は増加する

理由は医師のご機嫌取るために事務方が要求を呑むからである

今の根室病院はどうだろう

議会や噂などを聞いていると、これに該当するのではないか?
実際、病院の経理が頑張ったとしても、上が「YES」といえば、費用を捻出しなければならないのだろう

根室で利害関係なしの人材を充てるのは難しいのだろうか
それとも人材がいても色が染まるのだろうか

村意識の高い根室村では、色に染めたがる上が多いから難しいのかもしれない
by 財団X (2015-09-17 19:53) 

ebisu

財団Xさん

>実際、病院の経理が頑張ったとしても、上が「YES」といえば、費用を捻出しなければならないのだろう


案外そうでもないのです。
経理規程があり、外部監査や内部監査(業務監査)制度があれば、経理はがんばれます。
こうしたバックアップがあれば、状況は改善できるのです。

地元企業にしっかりした内部管理制度を持っている会社があれば、すんなり店頭公開できるのですが・・・

by ebisu (2015-09-17 21:48) 

事情通

「どこの病院でも同じだが、どんなに経費削減を頑張っ ている病院でも、医師側の横暴要求が高いと赤字は増 加する

 理由は医師のご機嫌取るために事務方が要求を呑むか らである」

ごもっとも! ただ、「医師の横暴要求」には二通りがあります。
一つはその医師が大学の医局から派遣される場合で、その場合はその医師の個別要求はあまり有りません。「毎週末地元に帰るから自分が不在時の留守番医師を医局から派遣させる」とか、「日常診療でも自分一人では消化しきれないから医局から出張医を呼びたい」などの医局員としての要求が主でしょう。この条件を病院側が蹴れば、「では以後当医局は医師を引き揚げます!」でチョン。
もう一つの医師個人の要求ですが、こちらはフリーでやって来る医師に多く、結構好き勝手な要求が罷り通ります。勿論表向きの給料は公立病院で在れば給料体系が決まっていますのであまり自由に変えられません。そこで病院側は”諸経費”の形でその医師の手取りを増やします。先ず最初に医師の”肩書き”です。根室では「医師」「医長」「部長」「診療部長」「副院長」「院長」とのランク分けが有り、さすがに「医師」は非常勤医だけで他(常勤医)は全て「医長」以上です。つまり一般の会社で言えば、”平”はパート従業員だけで正規職員は皆主任以上と言う感じです(笑)。つまり殆どの医師が何かしらの役職で給料が上乗せされています。ですから市立根室病院の場合、誰が常勤医なのか一目で分かります。これ以外にも「研究費」「図書費」などの名目で更に手取りをup。要するに”着膨れ”状態です。

給料の操作以外にも医師を呼ぶ”誘い水”は他にも在ります。医師によっては「自分は〇〇社のechoしか使わない」「オペ室に〇〇社の電気メスを入れろ」「心カテに〇〇社のカテーテルを使う」etc。これは一見如何にもその医師がベテランのように思えますが、本当のベテランは道具を選びません。と言うか、勿論自分のお気に入りは在っても他の物でも器用に熟せます。それが”経験”や”腕”と言うものです。このことは病院の経済性を考える際に非常に大きな問題に成ります。例えに手術場の電気メスを挙げましたが、〇〇社の電気メスシステムと××社とでは基本は同じでもメスの接続部分などには殆ど互換性が有りません。ですから他社製品をバックアップとして使えず、病院は非常時に備え同じ物を2つ購入しなければなりません。それでもその2台が常にフル稼働しているなら問題は有りませんが、大抵は1台は倉庫で眠っています。いや、それどころか本命の1台も手術場でお呼びが掛からず寝ていたりして(笑)。

その様な要求に比べれば、「貴院への就職を考えている。そこで今度家族で世界遺産のシレトコに行くので、途中で貴院を見学したい。旅費の面倒を見て貰えるだろうか?」などは安いものです。この「貴院への就職を考えている」「貴院に興味が有る」「ネットで募集を見た」は効きます。場合によっては家族全員の北海道旅行位は何とか成ります。何せ”使途不明”OKの医師招聘対策室経費が有りますから。
by 事情通 (2015-09-18 08:58) 

ebisu

大変示唆にとんだ具体的な説明をありがとうございます。

>本当のベテランは道具を選びません。と言うか、勿論自分のお気に入りは在っても他の物でも器用に熟せます。それが”経験”や”腕”と言うものです。このことは病院の経済性を考える際に非常に大きな問題に成ります。

>例えに手術場の電気メスを挙げましたが、〇〇社の電気メスシステムと××社とでは基本は同じでもメスの接続部分などには殆ど互換性が有りません。ですから他社製品をバックアップとして使えず、病院は非常時に備え同じ物を2つ購入しなければなりません。

事務部門の医療に関する知識が相当ないと、採算を考えてドクターと話し合うなんてことはなかなかできません。
事務長を担う人材がほとんどいなかったことも市立根室病院採算悪化の主原因のひとつということでしょうか。

医師招聘対策室経費はグレーゾーンですね。支出について内部牽制が必要です。
この費目の管理だけでも日常業務の内部牽制と業務監査機能は必須です。ルーチン業務に関する決裁は事務長が管理すべきなのですが、・・・
すでに半期が過ぎようとしているところで1億円もの予算追加が必要だということは、デタラメの限りを尽くしているという証左です。
10%の「オール根室」は自分たちの損得勘定ばかりしていて、こういうことに一切意見を言いません。同じ穴の狢(むじな)です。

by ebisu (2015-09-18 15:33) 

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