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#2755 「2040年根室の空家5,000軒?」 Aug. 1, 2014 [25. 根室市長選挙]

 全国の空家比率が13.5%になったというニュースが流れた。10年先30年先を読み適切な手を打っておけば、発生する問題を限りなく小さくできる。
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*7/29ヤフーニュース
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6124956
総務省が29日発表した2013年10月1日現在の住宅・土地統計調査結果(速報)によると、住宅の全国総数6063万戸のうち820万戸が空き家で、空き家の割合は13.5%と、08年の前回調査と比べ0.4ポイント上昇し過去最高を更新した。総住宅数は305万戸、空き家数は63万戸それぞれ増え過去最多。(時事通信)
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  7軒に1軒が空家、根室はそれより少し多いのだろう。散歩していると空き家が散見される、取り壊したところもすくなくない。
 820万戸も空家なのに被災地では数年で壊す仮設住宅をせっせと建てている。空いている家がたくさんあるのに不思議な国だ。住宅をどんどん新築すれば借金とGDPは増える。

 根室市の2040年の人口は社会保障・人口問題研究所の地域別推計によれば約1.8万人である。
 この数字を利用して2040年の根室の空家数を試算してみたい。
        年       世帯数          人口    平均
196912,04847,6964.0
197012,73845,1723.5
198013,36143,4493.3
199013,08837,8562.9
200013,23933,8592.6
201013,07629,5962.3
201313,10328,5492.2


 元データは根室市の住民基本台帳。
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/7e15ad6c92e702a549257ca9001a4808/$FILE/第2編P5-14.pdf

 1969年よりも人口は19,147人減っているのに世帯数は1000増え、1世帯当たり人数は4.0から2.2人に減少している。子どもが高校卒業して都会へ進学してそのまま就職してもどってこない、二人暮らしの老人が増えているからだろう。地元に就職があり残る人数が長期的に減少し続けている。地元中小企業の経営力が弱体化して雇用力が小さくなっている。
 世帯平均人数の減少はそろそろ限界だ、二人を割るというのは独居老人が半数近くになることを意味する。これからは人口減少割合を世帯数減少割合が上回るのだろう。
 仮に人口に比例して世帯数が減るとしたらどうなる?

 18,000/29,596*13,076=7952
  13,076-7952=5124  (39.2%)

  10軒に4軒が空き家になる。わたしの住んでいる周辺をみると、子どもがいま一緒に住んでいるのは10軒に2軒ぐらいの割合であるから、やはり比例計算での空家家屋計算は前提が甘いのかも知れぬ。

 全国の地方都市と町村でこういうことが起きるから、住宅の不動産価値は急激に下落する。銀行は貸し出す先がなくて個人住宅ローンを増やそうとせっせと営業活動しているが、大丈夫か?担保価値がこれから26年間下落し続けたら、担保不動産が不良債権化して銀行は経営破綻を起こしかねない、案外大きな問題なのである。

 空き家になった家屋を取り壊すと、材料別に分別しなけらばならないから、150~200万円くらいかかるだろう。取り壊すと固定資産税の軽減税率適用が外れて税額は6倍になるから取り壊す人は少ないだろう。するとどうなるか、自然崩壊することになる。風が吹けば屋根のとたんが飛ぶ、壊れた壁が散乱する、危険極まりないから条例をつくって市側で何らかの対策をするしかない。
 たとえば、土地を提供してもらう替わりに家屋の取り壊し費用は市が負担する。
 
 5,000*200万円=100億円

 これが最大値だ。
 とっくに積み立てをはじめていなくてはいけないから、放漫財政をやっている暇などないのである。根室市議会と根室市長は空家問題への具体策を市民に説明しなければならない。お金の積み立て(廃屋取り壊し積立金)問題があるから時間の余裕はない。放漫財政で膨張させたしまった165億円という予算規模を140億円以下にしないと積み立てる余裕などでてこない。
 ふるさと根室がガタガタにならないように、先を読みすぐに具体的な手を打とう


<余談>
 地域別・年齢別推計データから1学年当たりの児童・生徒総数を計算すると、
  2010年  252.5人
  2040年  108.3人 (57.1%減少)

 26年後、現在の中学3年生が40歳になるころに、小学校も中学校も市内にそれぞれ1校になっている。厚床の小学生と中学生、そして歯舞の小学生と中学生が市街化地域の小学校と中学校で一緒に勉強している。問題は学力である。

 気がついた人がいるだろう。26年後の2040年に小中学校の1学年が平均108人、こんなことがあるはずがない。外部から10人として地元に残る女性が1学年平均70人はいないとこの出生数を確保できない。いまだってこんなにいるだろうか。2040年の根室の人口は若い人が社会保障人口問題研究所の地域別(根室市)推計値よりももっと減りそうだ。


*社会保障人口問題研究所地域別人口推計⇒2040年の根室市の人口は17,892人
http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson13/3kekka/Municipalities/01.xls

*#2272 根室 「57年間の人口推移+27年間の推計一覧表」 Apr. 23, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-23-1


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#2740 市立根室病院はどうなるのか? July 20, 2014 [25. 根室市長選挙]

  標題についてメールで東京の専門家から情報とサジェッションをもらった。最近コメント欄で断片的に書き散らしたので、整理してみたい。選択肢は三つありそうだが、現実的なものは一つしかない。

(1)民間病院への身売りはあるか?
 総事業費が70億円、建物部分は40数億円だった。補助金事業だから返済があるのでこの点から、身売りは無理、というのが専門家のご意見。やはり補助金返済が生じるので身売りという選択肢は現実的ではない。市が招聘したコンサルタントの長隆氏が提唱していた年間売上(22~26億円)の範囲内での建て替えを無視して70億円もの総事業費をかけた時点で根室市は市立病院身売りの選択肢を失ったことになる。

(2)地方公営企業法全部適用
 経営改善ができないのですぐに経営が行き詰る。現市長、院長、参事のトロイカ体制では経営改善がまったくできなかった。この体制では経営が行き詰る。

(3)指定管理者制度の利用
 市立根室病院の場合は民間医療法人へ病院運営の委託を行うのが現実的と思われるというのが専門家の意見。その場合に問題となるのは、次の三つ。
①職員問題
②施設利用料金をいくらにするか
③赤字が出た場合の補填条件

 昨年は21億円の赤字がでたようだ。一般会計繰入金は約17億円(前市長時代の年間赤字額はおおよそ8億円)。長期的に考えると市財政を健全な範囲に保つためには、年間8~12億円程度が根室市として許容できる最大限だろう。金額は市役所財政課に検討させればいい(160億円台に膨らんでしまった財政規模は人口が急速に減少しているのだから140億円以下に縮小すべきだ)。
 施設利用料金は減価償却額を基準に算定することになるだろう。民間医療法人が同じ建物を建てたら70%くらいでできただろうから、妥当なところまで下げることになる。補助金で補填できるから、半額以下に設定可能だろう。7割引もありうる。経営主体は民間医療法人であるにも関わらず、税金での補填可能ということ。こんなことを全国の自治体でやりだしたら、国の財政がもたぬ。

 年間8~12億円の赤字負担条件だと、職員の引継ぎは経営管理上むずかしくなる。民間医療法人と市立病院では給与格差が大きいから、民間医療法人にあわせて給与を2~3割程度切り下げるか解雇せざるを得ないだろう。
 病院運営を受託する医療法人側にとって一番よいのは、医者も看護師、その他のスタッフも自前でもってくることだ。仮に雇用するとしても少人数になるだろう、それは引き受ける民間医療法人の都合次第。
 市立病院の文化に慣れ親しんだスタッフが民間医療法人の流儀にあわせるのはなかなかたいへんだ。
  釧路医師会病院へ40日ほど入院したときに、公立病院から転職してきた看護師さんが数日でお辞めになる例を目撃した。ある夜9時頃、ナースステーションから大きな声で口論が聞こえてきた。病室のドアは開けっぱなしになっているから患者には口論の内容が聞こえた。翌日スッタフ紹介の掲示板から来たばかりの看護師さんの写真入プレートがなくなっていた。
 公立病院と民間病院は運営方針や「文化」が違いすぎて転職してもなかなか意識を変えられない。意識を変えられる柔軟な人は10人に2人いるだろうか、古い人ほど難しい。「文化」の違いはたくさんあるが、ひとつ例を挙げると写真入のネームプレートが看護師と准看護師はそれぞれ分けて病棟ごとに掲示されていた。正看護師と准看護師は資格が違う、仕事の内容や分担がそれによって影響を受けていたのかどうかまではebisuは知らない。もうひとつ大事なことを挙げると、患者に対する応接の研修がしっかりなされていた。それは看護師さんに限らない、患者への応接の仕方でいままで当たり前にしていたことが頻繁に注意を受けることになる。そういうことが強いストレスになるのである。三日でキレてしまう人もいるということ。「文化の壁」は意外とハードルが高いのである。

 毎年17~20億円赤字を垂れ流したのでは市財政がもたないから、民間医療法人と率直に交渉してみるしかないだろう。

 まだやるべきことはある。運営委託を検討する前に病棟別・診療科別予算管理を導入して、基礎的な経営管理をしっかりすべきではないのか。自助努力がみられぬ。市民の意見にも職員の意見にも耳を貸さずに、総事業費70億円もかけて病院の建て替えをやり、この8年間で年間赤字額を2倍以上に増やしてしまった。
 健全経営に変えられたらまだチャンスはある。閉鎖的なトロイカ体制を変えるだけではすまない。診療科別・病棟別の予算実績管理の仕組みをつくるとか、業務監査や外部監査を導入するとか、企業としてやるべきことがある。経営改善の余地はまだ残されている。指定管理者制度導入はやるべきことをやってからだ。赤字額が大きすぎて時間がなくなってきている。

 閉鎖的な病院運営をやめて根室市の綜合文化会館で月に2回ほど日曜日にオープンな議論をすべきではないのか?半年(12回)ほど議論すれば、市民も納得できる。
 こんな巨額の赤字が出続ければ、市立病院経営が行き詰り、民間医療法人への病院運営委託せざるをえない時期が数年の内に来る。

 根室市にとっても、病院職員にとっても、勤務医のドクターたちにとっても、重大な問題だから、市議会でもこの問題をとりあげてもらいたい。
 いままで市立病院の運営を市長と院長と参事で決めてきたが、結果は赤字拡大と経営行き詰まりだ。根室の地域医療は根室に住んでいる私たちが議論して決めるべきだ。市民の覚悟も求められている。


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#2737 子ども仮装盆踊り会場に…鴨志田リエ氏が July 18, 2014 [25. 根室市長選挙]

 昨夜(17日)緑町交差点で子ども仮装盆踊り大会が開催されたが、その会場を同じ慶応大学卒業生である根室市議と一緒に見物しながら歩いていたのは鴨志田氏。2度目の来根ということになる。
 オフィシャルブログ上では根室市長選出馬については一切触れていないが、根室を訪れたことは7月6日付けのブログ記事に書いている。

 ebisuは根室で生まれて18歳の高校卒業後から35年間ずっと東京暮らしだった。根室はふるさと、だから戻ってきた。
 東京の目黒に51年間住んで、根室は気候もまるで違うし、お店の数も種類も比較にならぬほどすくない。東京との大きな違いは人だ。
 根室には中央官庁がないから高学歴で仕事のできる高級官僚は居ない、大学もない、1822社ある一部上場企業の本社は東京に集中(上場企業の6割が東京に本社を置いている)しているから、本社エリート社員も多いが、根室には一人もいない。美術館や映画館すらない。つまり文化的な落差が大きい。東京で生まれ育ったお嬢さんにはとってもつらいはずだ。しかし「霧は深いが~♪情けもふか~い♪」、人情は篤いよ(江戸っ子の名誉のために書いておくが、下町の江戸っ子も人情はとっても篤いんだ)。
 強い意志がないと東京の町が懐かしくてすぐにめげる、はて、タフネスだろうか?

 連続2回の無投票当選、3度目もでは、定員割れの根室高校入試みたいなもの、つまらぬ。定員オーバしてこそ競争が生まれ、切磋琢磨がある。同じ市政が3期も続けばいろんな物が腐り始めるのは世の通例。そろそろ新しい空気を吸いたいものだ。
 根室の若者も一人ぐらい市長選に立候補してもらいたい。ふるさとを背負って立とうという気概と基礎学力のある若者がいないようでは根室の未来はないからだ。誰かがやってくれるのではない、ふるさとを支えるのはねむろっ子自身だ。

 さて、東京へ戻ったら鴨志田氏はどんな感想記を載せるのだろう?
 迷っているだろう。
 結果がどうなるかわからないのだから、とりあえず四年間だけと考えてみたら気が楽になるのでは?
 ついでに書いておくが、出馬を決めたら具体的な政策をブログで発信してもらいたい。政策次第で応援すると言っていた団体がある。湾中漁協の有志だったかな、「市長選挙を無風にしない根室市民の会」はその後の活動がさっぱり見えぬから、ブログを立ち上げて具体的な活動内容を発信してもらいたい。

 鴨志田オフィシャルブログで出馬意思表明はあるやなしや?

*鴨志田リエ オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/rie-kamoshida/


*#2665-12 根室市長選挙の争点:鴨志田リエ氏立候補? July 13, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-13-1

 #2665-5 次の根室市長選挙の争点:「市長選挙を無風にしない根室市民の会」  May 22, 2014   
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-22-1


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【7月24日追記】
 仮装盆踊りを見学する前に「チーズ工房チカブ」を訪ね、4日後の21日に毛ツブの加工場を訪れている。市内をあちこち探索されているご様子、いいね。こちら(根室市民)も市長選挙に立候補するかもしれない彼女について知っておく努力はすべきだね。
 フェイスブックにそのときの写真アップしているから、ご覧いただきたい。(フェイスブックにアカウントをお持ちでない方は閲覧できません、悪しからず。)

https://www.facebook.com/search/results.php?q=%E9%B4%A8%E5%BF%97%E7%94%B0+%E3%83%AA%E3%82%A8&init=public#!/rie.kamoshida

#2665-12 根室市長選挙の争点:鴨志田リエ氏立候補? July 13, 2014  [25. 根室市長選挙]

 驚き桃の木山椒の木、蟻が鯛なら芋虫ゃ鯨・・・
 根室市長選挙にジャンヌダルクが出現しそうだ。皆さんご存知だろうが、7月5日の北海道新聞の記事を紹介する。


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根室市長選
   鴨志田氏が出馬検討
    元目黒区議 東京の後援者と調整
【根室】9月7日投開票の根室市長選をめぐり、東京都目黒区の元区議、鴨志田リエ(55)が4日、根室市内で北海道新聞の取材に対し「市民が自由に意見交換できるまちにしたい」と述べ、出馬を検討していることを明らかにした。
 鴨志田氏は大学の先輩である根室市の壺田重夫市議から、同市長選が3期続けて無風になる可能性があることを伝えられ、「民主主義が生かされていない」として、市長選出馬の検討に入ったという。鴨志田氏は「東京の後援者との調整が終われば出馬する可能性がある」としている。
 鴨志田氏は東京都目黒区出身。慶応大学卒業後、東京のブライダル会社などに勤務し、2002年の目黒区議選に民主党から出馬、初当選した。目黒区議会副議長などを務めた後、民主党を離党し、13年6月の都議選にみどりの風から出馬、落選した。
 根室市長選をめぐっては、現職の長谷川俊輔市長(69)が5月22日に3選出馬を表明。告示まで2ヶ月余りに迫る中、これまで長谷川氏以外に具体的な候補名が挙がらず無風の可能性も出ていた。鴨志田氏が出馬すれば12年ぶりの選挙戦となる。(丸山格史)
 
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 みどりの風という政党は聞いたことがないのでネットで検索したら、女性4名で立ち上げた政党である。離合集散を何度か経ている。昨年7月に創立メンバーの谷岡郁子が参院選惨敗(8名全員落選)の責任をとり代表を降りて、阿部知子(元社民党)が代表の座についている。元自民党の亀井静香もこの党派に属しているようだ。
 2013年の参議院選挙では8名立候補し全員落選している。知名度がないのかそれとも主張がうけないのか人気がない。脱原発と「命からの目線」というのが政策の柱のようだが、何をしたいのかよくわからぬ。
 鴨志田氏は2013年の都議選でみどりの風から唯一の都議選候補として(目黒区議(4期)をやめて)立候補したが落選だった。ふるさとの目黒区には女性都議がいないのでふるさとのために立候補するというのが都議選での主張

*学芸大学前でのご自身の選挙演説ビデオ
http://www.youtube.com/watch?v=iEXNvjJ1gQg

 7月6日付けのオフィシャル・ブログで根室訪問について書いているが、北海道新聞への取材とは違って、根室市長選挙への立候補の可能性については触れていない。よく考えての発言なら自分のブログに書いていてもよさそうなものだが、まったく書いていないというのはどういうわけだろう。出馬の決心をしたわけではないということかもしれない。生まれ育った「ふるさと目黒区」のために2013年に都議になろうとした人なのだから、迷うのは無理もないことだろう。
*鴨志田リエ オフィシャル・ブログ
http://ameblo.jp/rie-kamoshida/entry-11889690547.html

 元々は民主党の目黒区議だから、全国一のサンマ水揚げを誇る根室との関連性は落語「目黒のサンマ」ぐらいなものだが、それも「ご縁」と考えよう。縁もゆかりもない根室までわざわざ足を運んでくれたことに感謝したい。
 さて、もともとの出身母体は民主党区議、民主党ではっきりしたのは実務をやらせたらまるでダメということ。政権をとったはいいが、約束したことはほとんどできず、反対だったはずのTPPは推進に意見が変わったし、消費税増税や原発再稼動容認という公約とはまったく反対のことをやりだし、政権の座からあっというまに滑り落ちた。
 市長職は実務のカタマリである、仕事が出来ない者が市長になったらピント外れの恣意的な市政になることはすでに現市長が2期8年をかけて充分に証明してくれている。

 経歴を見ると区立の中学校から慶応女子高へ入学しているから、当時は偏差値68くらいだっただろうか、かなり成績がよくないと入れない高校である。東京で個人指導の進学教室で教えていたときに一人だけ慶応女子高へ合格した生徒がいた。学力よりは父親の社会的地位を重視する高校だと感じている。当時、一緒に二人の生徒が受験して、安定して偏差値70台で成績がよかったほうが不合格だった。いずれにしろ、どちらの生徒も飛びぬけてよくできたことは事実、きっと頭のよい人なのだろう。慶応女子高は女の子にとっては首都圏屈指の難関校であることは間違いない。

 不安なのは民主党の多くの国会議員がそうだったように、企業人として30代で責任ある仕事を経験していないことである。道新で紹介された経歴からは実務能力に不安がある。区議会議員と首長は仕事がまるで違う。慶応大学文学部仏文科卒だから、市長職に必要なスキルや専門知識は大学では得ていない。
 そこそこの規模の組織で責任ある仕事を任されて人は鍛えられるものだ。根室市役所は職員数が500人を超える組織。従業員500人以上が大企業の定義だから、ギリギリで大企業に位置する。それなりの規模の企業で実務経験のあるブレーンに協力を仰げば、欠点はカバーできる。

 政策はこれから検討するのだろうが、「市民が自由に意見交換できるまちにしたい」ではお話にならぬから、現市長の政策に対してどのような政策を対置するのか明確にする必要があるだろう。論点は医療・教育・財政・町の活性化・北方領土問題など、一つ一つ丁寧にやればいい。ブログを書いているのだから、本気ならそこから発信されたらいかが?
 道新の取材には「~出馬する可能性がある」と含みを持たせた言い方をしている。根室市長選挙にチャレンジするつもりがあるなら、勝つ算段をしっかりやってもらいたい。

 具体的な政策を見て根室市民もわたしも判断することになるだろう。根室人ではないから、戦う武器は明解な政策論しかないよ。現職市長と似たような政策なら、選挙を棄権する市民が増え、圧倒的に現職有利になる。つまり、政策論は現市長とは真っ向から衝突するものでなくてはならない。

 市民4団体が署名を集めたことがあり、4000名ほど現在の恣意的な市政に反対の住民がいることは事実、だが選挙に行って投票するところまで動くかどうかはあやしい。
 根室で生まれ育った若い人の中から根室を改革しようと言う者が出てこない、なんと情けないことだろう、市長選挙では根室市民のふるさとへの情熱・改革意欲も問われている

 対立候補が根室人であろうとなかろうと関係なし、問題は政策の中身。対立候補があって選挙戦が行われることがベスト。わたしは根室の住民がどのような判断をするのかみてみたい。

 市長選挙に関する弊ブログはカテゴリー「2014根室市長選挙の争点」にまとめてある。
 根室の旧弊・悪弊を壊すために、市長選挙の争点をもう一つ書くつもりだ。
 

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【7月24日追記】
 仮装盆踊りを見学する前に「チーズ工房チカブ」を訪ね、4日後の21日に毛ツブの加工場を訪れている。市内をあちこち探索されているご様子、いいね。こちら(根室市民)も市長選挙に立候補するかもしれない彼女について知っておく努力はすべきだね。
 フェイスブックにそのときの写真アップしているから、ご覧いただきたい。(フェイスブックにアカウントをお持ちでない方は閲覧できません、悪しからず。)

https://www.facebook.com/search/results.php?q=%E9%B4%A8%E5%BF%97%E7%94%B0+%E3%83%AA%E3%82%A8&init=public#!/rie.kamoshida

#2665-11 根室市長選挙の争点:市議会議員の政務活動費 July 10, 2014 [25. 根室市長選挙]

<根室最高⇒根室再興>

  兵庫県議の野々村竜太郎氏の政務活動費が問題になっている。

*「号泣県議「辞職を念頭」 兵庫県議会、各会派が要求」 朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASG766V2VG76PIHB00G.html

 毎月50万円先渡しで、領収書なしでいいというルールがおかしいのと、年間190件を超える日帰り出張という不自然な出金を市議会事務局が繰り返し見逃していても監査委員がチェックできていないことがおかしい。監査業務がきちんと行われていたらできない不正である。

 監査業務に関する専門書を読んでいない者や読んでも理解できない者は、監査人を引き受けてはならない。できない仕事を引き受けないのは当たり前のことだ。
 市ばかりでなく市の関連団体でも監査手続きを知らない者が監査役を担当していて、決算書類をぱらぱらめくるだけでメクラ判を押すことが多いのではないか?監査手続きすら知らない者が監査委員では実質的に監査はないも同然、公金横領という犯罪を防ぐためにも、監査手続きの知識のある者か公認会計士による外部監査を導入すべき併行して内部監査制度も確立したらいい。ようするに専門業務は基本に忠実にやるということ
(根室市では漁船保険組合と落石漁業組合で使い込みがあった。監査役がいたが実質監査がなされていないから、何年も使い込みがバレずに金額が膨らむ。きちんと監査業務がなされていれば、こういう出来心を起こす者をださずにすむ。使っても使ってもばれないからだんだん大胆になり、金額が膨らんでいった。)

 税務署は税務申告の資料として領収書の添付を求めている。自営業のものや会社は支出した金銭について、領収書を証憑台紙に貼って保管している。そうしなければ税務上の経費として認められない。
 議員は公金を使っているのだから、民間よりも厳しくあるべきだ。領収書については一般企業や個人事業者と同じルールでやるべきだと思う。

 市長に立候補する者は、議員の政務活動費支出について領収書の添付と使用目的の明記を義務付けることと外部監査の導入を公約に掲げたらいい
 根室市議の多くは自営業を営んでいるから、所得税の青色申告には手馴れているだろう。反対する者は少ないと思う。

 世間でルーズな政務活動費支出が問題になっているから、根室市議会の面々は全国の市議会に先駆けて、率先して公金の使い方に関するルールを改めたらいい。
 よいことは最東端の根室市からやろう、そして根室は日本中に誇れる市になればいい。「根室再興」とはこういうところからやるべきではないのか?最東端の根室から日本をリードする価値を産みだそう。

 いよ~♪、日本一~♪、根室最高!


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<基本監査手続きが教科書どおりに守られていたら被害を数分の一に小さくできた事件>

*#2637 落石漁協の係長8000万円着服事件:監査および経理業務のあり方 Apr. 9 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-09

**#513「漁船組合横領 元専務を追送検(北海道新聞)」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-02-01

***#256「根室漁船保険組合専務、数千万円着服事件のその後」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-08-15




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#2665-10 根室市長選挙の争点:市の工事に疑惑報道あり June 29, 2014 [25. 根室市長選挙]

 根室市は市立病院建て替えで市が招聘した病院コンサルタント提案、年間売上の範囲内(25億円以下)でやるべきだという案を無視して、総事業費を70億円に膨らませた。なぜ?
 病院職員アンケートで強い要望があり、地域医療協議会からも要望のあった療養型病床をもつのをやめた。なぜ?
 医療療養型病床は老健施設や特別養護老人ホームでは代替できないが、根室市は療養型病棟を市立病院医付設する選択肢をろくに検討もせずに老健施設と特養の増床を決め、老健施設(30ベッド+デイルーム)に9億円、特別養護老人ホーム(35ベッド増床)へ5.5億円の法外な補助金支出をした。多いほうは厚生省基準とは一桁金額が違う増床であるから割り算してもらいたい)。厚生労働省の基準を以前調べてみたが、200万円/ベッドの補助金になっていた。
 補助金支出が悪いと言っているのではない。市立病院に療養病棟を設置しなかったことや、この2施設への補助金が国基準に比べて大きすぎることに市議会から健全な批判が起きないことがまずいと言っている。
*#2247 根室市予算案をチェックする(6): 補助9億円「高すぎる」 Mar. 20, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-19

 いままた、明治公園の再開発に40億円が投じられようとしている*。市議会というブレーキがまるでないかのようでこれでは市長の暴走だ。なぜ暴走するのか?市議会が健全な批判精神をもって市政チェック機能を果たせないのはなぜ?
*弊ブログ#2203参照
 #2203 明治公園再整備市民委員会:市民委員会は市政翼賛装置 Feb. 9, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-09


 最近のことだが、成央小学校の耐震工事がすんだと思うと、市教委は市街化地域の小学校の人数が少ないのでにわかに取り壊しの検討をするという。だったら1億円以上もかけた耐震改修の必要がなかったということ。児童数が減っているのは人口統計や社会保障人口問題研究所の地域別年齢別人口推計で何年も前からわかっていることで、高校統廃合の9年前に小学校の統廃合が、3年前に中学校の統廃合が完了していなければならない(高校の統廃合は3年後である)。典型的な「お役所仕事」だ。仕事の基本を外したかのようなこんな手違いが起きたのはなぜ?
 これからはぜひ子どもたちに恥じないプロの仕事をしてもらいたい。

 歴史の一番古い花咲小学校は全校生徒数が305人である。根室市内全部を集めても小学生は1100人程度、もう3校を一つのまとめていいくらいの規模になってしまっている。団塊世代の時には花咲小学校の全校生徒数は約2000人。
(無料のマイクロバスで送り迎えすれば、1校に統合できる。それくらいの具体案を市教委が作成して市議会で具体的に議論してもらいたい。)

 根室市政がこんなに工事を増やし、その一つ一つをなぜ膨らませたがるのかいささか不思議だった。市内の土木建築業者はこんなに公共工事を膨らませなくても立派にやっていけるだろう。
 市立根室病院の工事発注では2500万円安い札を入れた業者に落札せず、除雪などの市への協力を理由に二番札に落札させた。これでは入札は無意味である、落札業者は最初から決めてあるようなものだ、市が率先してこういうことをやっている。これでは地元業者が入らぬJV(ジョイント・ベンチャー)には落札しないような仕組みに見える。工事入札に関する問題追求は共産党だけ?公正な競争を確保するために健全な批判勢力のあることが望ましいから、他の会派が工事に関して市政監視機能を担う気がないように見えるのはなぜ?

 根室市政の恣意的な一面がこの事件に現れているのでなければ幸いである。

 北海道新聞根室支局の記者たちは3年ぐらいで転勤していくから、根室に特別のしがらみがないから、しっかり取材・報道ができる。
 地元のマスコミである根室新聞はどう報じたのだろう?根室市民ラジオはどうだったのか?報道機関としてその役割を果たしているだろうか?知っている人が居たら、コメント欄に書いて教えていただきたい。

 このようなもろもろの全体背景を押さえて北海道新聞6月18日根室地域版の記事をじっくり読んでもらいたい。根室の旧弊・悪弊は根室市民自らが壊さなければならぬ。

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 光洋団地工事入札で圧力?
  業者、公取委に文書 
市議会
【根室】6月定例市議会が17日閉会し会期を20日までの4日間と決めた後、一般質問が行われた。市は、光洋団地の建て替え整備工事の入札にからみ、市内の建設業者が不公正な圧力をかけた疑いがあるとして、別の建設業者が公正取引委員会に内容証明文書を送っていたことを明らかにした。
 神忠志氏(共産)の質問に答えた。市は4月下旬、光洋団地建て替え整備工事関連で6件の入札を実施。このうち建設主体の工事2件に市内の建設会社など5企業体が参加し、同じ建設会社がいずれも約1億円で落札した。
 市によると、その後ライバル会社が落札業者の下請け業者に対し、まだ入札していない厚床小学校改築工事について「落札することになっている」と説明し、落札業者の下請けをやめるよう圧力をかけた疑いがあるという。落札業者は下請け業者からこうした情報を受け、5月中旬、市に「厚床小の工事で談合の疑いがある」と通報、工事の入札予定日だった今月4日にも市に情報提供した。
 市幹部でつくる公正入札調査委員会が談合の有無を調べたが、「不正行為の物証はない」として、同5日に入札を1日送れて実施していた。
 一方、光洋団地の工事を落札した業者は、公正取引委員会に対し、内容証明文書を送り、事実解明を求めているという。神氏は「市はきちんと法律に基いた対応をしたとは言えない。ずさんとしか言いようがない」と指摘した。
 長谷川俊輔市長は「行政としてのすばやい対応や配慮を欠いていた。入札の適正化に向け、疑わしい情報に対し適切に対応できるように体制を整備したい」と述べた。 

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 市長選挙で対立候補の話しを聞かない。対立候補がないのなら、三回目なのだから無投票とせずに市選挙管理委員会は「信任投票」を実施を検討してもらいたい。
 市議会が市政チェック機能を果たし、マスコミが健全な批判精神を失わなければ、どなたが市長になってもいいのである。各々がその役割をまっとうすれば、恣意的な市政運営はなくすことができる。市議会が市政チェック機能と提案機能をしっかり果たせば、この町の人口減少の幅も小さくできるだろう。しっかり仕事をしてもらいたい。

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*中標津町人口統計のページ
 
http://www.nakashibetsu.jp/nakashibetsu.nsf/doc/jinkou?OpenDocument

 #2269 衝撃!根室市の人口推計値 :とまらぬ人口減少 Apr. 21, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-21

*#1187 無投票市長選 数字で見る根室の課題(2):人口推移 Sep.2, 2010 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-09-02

 #1395 根室市23年度予算案:「根室再興」???  Feb. 25, 2011 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25

 #1855 「一般会計2.4%増164億円(根室市予算案) :北海道道新聞根室地域版より」 Feb. 23, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-02-23

 <2012年度予算案をめぐって>
 #1867 根室に市議はいるか?:市立根室病院の赤字脱却焦点 Mar. 4, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-03-04-2

 <なりふり構わず市債発行増額50億円>
 #1856 活性化「なりふり構わず」:北海道新聞根室地域版より Feb. 25, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-02-25

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【予算関連記事】
*#2247 根室市予算案をチェックする(6): 補助9億円「高すぎる」 Mar. 20, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-19

  #2318 わけのわからぬ「根室市の家計簿」(1):広報ねむろより Jun. 2, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-02

 #2236 根室市予算案をチェックする(5): 国の借金は1100兆円になる
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-03-2

  #2231 根室市予算案をチェックする(4): 成央小耐震改修4億円 Mar. 1, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-1

 #2229 根室市予算案をチェックする(3): 病院事業赤字はどこへ? Feb. 27, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-27

 #2227 根室市予算案をチェックする(2): アカウンタビリティ  Feb. 26, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-26

 #2226 根室市予算案をチェックする(1):市債発行額24億円 Feb.26, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-25

 #2203 明治公園再整備市民委員会:市民委員会は市政翼賛装置 Feb. 9, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-09

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#2665-9 根室市長選挙の争点: 地元経済の活性化  June 15, 2014   [25. 根室市長選挙]

 根室には日本合同缶詰という巨大企業があった。1979年12月25日に倒産している。わたしが知っている限りで原因を六つ挙げることができる。

① 従業員(女工さんや男工さん)を粗末に扱った
② 本社部門が機能していなかった
③ ワンマン経営で会社組織の体をなしていなかった
④ 会社組織としての基礎・基本が脆弱なのに事業拡大をした
⑤ 社長の側近にはイエスマンばかり
⑥ ワンマン社長と有能な財務マンの組み合わせが最強だが、そこに人材がいなかった。当時の根室では無理だっただろう。

 ②と③はセットだから一つと見てもいい。いまだにこういう企業が根室には多いのではないか。企業が大きくなるときに、リスクも大きくなる。企業が倒産するのは企業規模が拡張するときに多いことが案外知られていない。儲かって投資資金ができて事業拡張が可能になったときが一番危ない。日本合同缶詰はカニや魚の缶詰で儲けた、そして富良野に果実や野菜の缶詰工場を建てて事業拡張を図った。ところが経営や財務を任せられる人材が育っていなかったし、企業規模が大きくなったのに個人経営から脱皮できなかった。
 やるべきことは簡単だ、会社の規模が小さいうちに基本に則った会社運営に切り換えしっかり基礎固めをして、将来の事業拡大に備えればいい。事業拡大のチャンスが来てからでは手遅れとなることはたくさんの会社の事例が教えてくれている。

 事業規模拡大のときに倒産する企業が多い理由は簡単だ
 規模が10倍になれば、ワンマンでコントロールできる経営者は稀である。そのときまでに会社組織を基本に則ったものに変えておかなければならないのだが、それができないマイ・カンパニー(俺の会社)意識から脱皮できないのである。マイ・カンパニーからアワ・カンパニー(俺と従業員の会社)への切り替えを上手にやった企業は、事業規模が10倍になっても100倍になっても大丈夫だ
 東京証券取引所への株式上場の際はそうした基本がきちんと整備されているか否かが審査される。基本に忠実にやっているかどうかを見るだけで特別なことはないのである。

 根室の中小企業はオープン経営への切り替えをすべきだ。決算は従業員へ公開し、年次予算制度を導入する。中期計画もつくる。経理規程や人事・給与・退職金規程、退職金規程、業務規程等を整備して規程どおりにやる。ようするに、上場できるような基礎基本に忠実な会社経営へ切り替えを行うのである。たくさん本も読まなければならないし、実務ではいろんな事が起きるから考え抜かなければやり通せない。この手の仕事を完遂するためには充実した基礎学力が必要だ。
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 わたしは戦時中の大倉財閥の帳簿を見たことがある。大学院の同期のSが研究メンバーの一人で、たまたま資料を見る機会を得た。経済史の専門家には簿記のエキスパートがいないのである。両方の分野の専門知識がないとアタックできないニッチ分野はいたるところに存在している。
 月次決算資料を見たのだが、支払利息の見越し計算をきちんとしており、一目で月次損益の精度が非常に高いものであることがわかった。あの時代にそこまで徹底して月次決算制度を高めることに、執念ともいえる情熱を燃やして仕事をした経理マンがいたことに驚いた。大倉喜八郎のワンマン経営を非凡な実務能力を有した番頭が支えていたのである。
 大倉財閥は関東軍と一緒に中国へ進出し、一時は三井・三菱をしのぐ規模になったのだが、敗戦と共に大陸に築いた莫大な資産をすべて失った。あれだけ規模拡大をしても有能な番頭がいたから、しっかり経営管理できていたのである。大倉喜八郎を支えた有能な財務マンがいたことは知られていない。世界史的に見ても、当時あれだけの規模の企業であんなに精度の高い月次決算は日本以外にはおそらくない。日本にはソロバンの名人がたくさんいたから計算可能だった、筆算でできる計算量ではない。
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 オーナと率直に話のできる幹部社員がいなくてはならぬ。しかし、往々にして自分と異なる意見をもつ社員を煙たがって追い出すような愚挙を、大局の見えぬ器の小さいオーナはしがちである。それでは会社は大きくならぬ。

 会社の基本規程類について例を挙げて言うと、退職金がいくらになるかもわからないのでは安心して働けないからいい人材がなかなか集まらない。企業主が恣意的なお金の使い方をすれば従業員がみて、好い加減な会社だと思う。退職金規程を整備しよう、経理規定を整備しよう、そしてきちんと運用しよう。基本に忠実にやれば、これらの問題点はなくなり、従業員は安心して働け家族も共に将来に夢を抱ける。

 基本規程類を整備し、決算情報を社員に公開しよう、そこから始めたらいい
 ebisuは3社の会社の上場に立ち会っているのでその方面の専門家でもある。いまのうちなら教えてあげられる。道東には専門家は他にはいないよ、根室には謙虚に学ぶ企業はひとつもないのか?
 本来は金融機関がそういうサポートをするのだが、田舎の信金はそういう仕事をしたことがないだろう。

 簡単な理屈だ、根室市の発展は根室の企業の発展抜きには考えられない。中国人だベトナム人だなんてやっていたら、水産加工場の品質管理技術はだれが受け継ぐんだ?60代のベテランのおばちゃんたちが10年もしたら退職してしまう。そうしたら品質ががたんと落ちることになる。クレームが増えて売れなくなるよ。せっかく優良な水産資源を抱えていても、加工技術が衰えたらその企業は消えていくしかない。
 人が足りないから根室の外から呼べばいいなんてことは55年前に大失敗している話だ。国内では集まらないような労働条件やオーナの意識が時代遅れだから若い人たちが来ない。同じ過ちをまた繰り返すのか?
 全道各地そして青森から女工さんたちが根室に働きに来たが、処遇が悪かった。4工場で千人近くも若い女工さんがいたが、宿舎は土間で2段ベッドに寝せていた。そんなことをいつまでもやっているから、東京と道内の他の地域にいい働き口が増えるにしたがって人が集まらなくなった。昭和30年代半ばには根室の水産加工場はそういう状況になっていた。女工さんが集めづらくなると同時に、本社部門が機能せず将来に見切りをつけて現場の男工さんたちが次々にやめて根室から出て行った。あのときに気がつけば、日本合同缶詰はいまも根室で健全な経営を続けていたかもしれない。地元金融機関は地元企業を育てるために諫言しなければならなかったのに、儲けることばかりを考えて、しなかった。事業拡張に伴い、オーナの個人保証を取り付けて融資拡大に走り、地元金融機関として融資責任を負うことがなかった。実質的にリスクゼロだったのである(いまも似たようなことをしていないか?根室市への貸付は実質的にリスクゼロである。夕張市へ夕張信金が貸し付けたお金は道庁が保証した。いまも苦しい市財政の中から肩代わりした道庁へ返済を継続している。このような道庁の政策は金融機関のモラルハザードを招いた)。

 生産年齢人口が前年比で200万人も減少し、32年ぶりに8000万人を切った。有効求人倍率は1.08倍となり、世の中は若い働き手が不足している。就職氷河期は終わった。地元の人間を大事に使わないと、国内の他の地域から根室に働きに来るわけがない、もうそういう時代だよ。外国人ではスキルが受け継げない。「企業は人」だ、スキルが受け継げないようにしてしまったらアウト。ベトナムとも中国とも手を切り、地元の若い人たちが競って就職したくなるようなすぐれた加工技術をもった夢のある水産加工場をつくってみないか?

 基礎・基本に忠実な企業経営をやること、根室の発展はその上に築かれる。だから、根室市役所は地元企業経営者の耳に痛いことを言わなければならない
 見ないとわからないだろうから、上場企業を1社つくろう、そうすればお手本ができる。市税収入(法人住民税)も大幅に増える。

 政治の役割は、事が起きる10年も20年も30年も前から、それに備えて手を打つことなのだろう。そうした役割は国政も根室市政もかわらない。世の中をいつも大局的に眺めて、着実な手を打たねばならぬ。
(それには広い学識や教養があったほうがいい。ほかのことにかまわず勉強に没頭できるのはわずかの期間しかない。勉強をやるべき時期には旬があるからその時期を逃してはいけない。)

 着眼大局、着手小局


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 ― 余談 ―

【マル海光洋水産の倒産】
 1976年に設立された西浜町の水産会社が2013年に38億円の負債を抱えて倒産した。
 資本金4千万円、従業員数30名、ネットでも販売拡大して順調に経営しているように見えた。ebisuは経営破綻の事情は知らないが想像はつく。2001年から事業拡大が始まり、2002年には韓国へ拠点を設け、国内も札幌のイオンやアークスに出店するなど積極経営を続けていた。
 何を血迷ったのか、そういう大事なときに金融ディリバティブに手を出し、大きな為替差損を被った。会社としての基礎・基本がなっていなかったのか、財務面での人材がいなかったのだろう。財務面で強力な人材を育てておくことは実に大事なことなのだが、そんなことすら理解せずにイエスマンを財務の責任者に据えるのが、物事を知らぬ傲慢なオーナにありがちなパターンである。少し規模が大きくなったら、財務を任せるに足る人材を探さなければならない。自社で育成するにはオーナがよほど大きな器でないとできない。
 会社の規模が小さいうちに、基礎・基本に忠実な会社運営に切り換えないといけないのである。

 「ピークとなった15年3月期には138億8,082万円の売上高を上げていた」

*マル海光洋水産倒産情報
http://www.tsr-net.co.jp/news/flash/1226401_1588.html

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#2665-8 次の根室市長選挙の争点:学力テスト情報の公開⇒低学力からの脱皮のために  June 13, 2014  [25. 根室市長選挙]

 根室管内の小中学校の学力は前年度の全国一斉学力テストの都道府県別データを基にする偏差値では、小学校が37.0、中学校は41.4*である。
*#2484 ⑨全道14支庁管内別・科目別・偏差値表(小・中対比)  Nov. 8, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-08-4

 全国平均が偏差値50であり、偏差値40は成績下位17%である。五段階相対評価だと偏差値40以下は1に近い2である
--------------------------------------------
 5段階評定の場合、次の割合が目安
   5…7%、
   4…24%、
   3…38%、
   2…24%、
   1…7%

 今月は根高普通科1年生がはじめて全国模試を受験する月であるから、自分の成績(偏差値)が全国レベルでどの位置にあるのか確認できるように五段階評価とそれに対応する偏差値を一覧表にしておく。

<五段階>   <偏差値>
 5   ⇔   64.8以上 
  4   ⇔   54.9~64.7
  3   ⇔   45.1~54.8
  2   ⇔   35.3~45.0
  1   ⇔   35.2以下
--------------------------------------------

 根室市内は別海よりも低いらしいが、データを公表してもらわないとわからない。根室市全体ではダメだ、市街化地域の学校に問題があるのか郡部なのかの分析が必要になるから、学校別科目別データを公表すべきだ。

 根室市内の学校別・科目別データを公表することは各市教委の判断にゆだねられているから、根室市も公表すべきだ。
 市街化地域のB中学校では6年間で文協学力テスト(五科目300点満点)の平均点が50点も下がった*。このように同じ学校でも年度によって変動があるし、学校間の格差も年度によって伸びたり・縮んだり・逆転したりとさまざま。データを公表してくれれば計算・分析してブログで公表し、低学力問題にたいする理解を共有できる。もちろん、これらは市教委本来の仕事の一部をなしているから、市教委もデータ分析をしてホームページ上で公表するだろう。しっかり仕事してもらいたい。

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*#2606 根室の中学校の過去6年間の学力低下を検証する  Feb. 28, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27-1

B中学校3年生2007年
  国語 社会 数学 理科 英語 合計
4月学テ33.234.922.927.832.4151.2
8月学テ37.440.423.634.831.7167.9
 総合B38.929.223.526.932.0150.5
 総合C37.440.423.634.831.7167.9
 模試37.325.624.825.229.3142.2
 合計184.2170.5118.4149.5157.1779.7
 平均36.834.123.729.931.4155.9
成績下位20%は18/83で、点数は119点(8/27の学テデータによる)
B中学校3年生2013年
 国語 社会 数学 理科 英語 合計
4月学テ25.51719.316.922.0100.7
 総合A26.724.617.825.615.9110.6
 総合B33.717.517.724.215.9109.0
 総合C27.522.716.218.418.0102.8
 模試27.318.817.522.021.2106.8
 合計140.7100.688.5107.193.0529.9
 平均28.120.117.721.418.6106.0

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 学力の変動の主要な要因が析出できれば適切な対策もみんなで考えることができるだろう。過度なブカツがどれほど低学力化を促進しているかもわかるし、効果のない授業をしている先生と効果の大きな授業や補習をしている先生もはっきりする。
 よい先生たちをお手本に検収すれば、根室市内の子どもたちの学力を全国平均以上にすることは夢ではない。

 根室市政は情報隠蔽体質が強い。病院の医療事故は発生月も診療科や病棟も明らかにはなっていないし、病院の赤字額すら隠蔽されて黒字という報告を「広報ねむろ」で行っている。病院建て替えの時には市議三名の要求にも関わらず、市民説明会すら開くことがなかった。明治公園の開発も同じだ。
 住民にとってこれらの情報を隠蔽していいことは一つもないから、まず、学力テストの結果情報を学校別・科目別に公開すべきだ。
 大学へ進学した子どもたちのほとんどが根室に戻ってこない。閉鎖的で魅力的な企業が少ないからだ。学力の低い生徒たちをなんとかしないと根室の未来が明るくならない。根室を担う子どもたちの学力が低下していけば、根室の地場産業や中小企業、零細企業が衰えてしまう。26年後の根室の人口は1.8万人である、果たして半数の企業が残っているだろうか?

 教育問題(学力テストデータの学校別・科目別公開)を選挙の争点に掲げて、若い人が市長選挙に立候補してもらいたい。




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*#2672 急激な学力低下はなぜ起きているのか?:ある假説 May 10, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09

 #2658 学力テスト公表:根室市教委の見解 Apr. 25, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-24-1

 #2531 (4) 根室管内版解説 : RC-5 & RC-10学習時間等  Dec. 17, 2013   
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-12-17

 #2529 根室市教委の仕事振り(3):「確かな学力向上に関する取組方針」 Dec. 15, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-12-15

 #2528 根室市教委の仕事ぶり(2):「全国学力・学習状況調査の結果報告」 Dec. 15, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-12-14-1

 #2527 根室市教委の仕事ぶり(1):教育に関する評価報告書 Dec. 14, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-12-14

 #2526 根室は学力テスト結果非公表 :学力向上の抵抗勢力は誰だ Dec. 13, 20
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-12-13


 #2509 (眼耳鼻舌身)意と仕事 Nov. 24, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-24#favorite

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 #2503 (3) 根室管内版解説 : RC-4 生活習慣の調査  Nov. 19, 2013  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-18

 #2494 (2) 根室管内版解説 : RC-2, RC-3 <例証:データの限界>  Nov. 14, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-14

 #2492 (1) 根室管内版解説 : RC-1と偏差値 難易度の高い問題を授業でやるべし  Nov. 13, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-12
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 #2500 11月7日 中学1・2年生 学力テストの結果  Nov. 17, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-17-1

 #2499 個別指導と戦略思考 Nov. 17, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-17

 #2498 中学校 英語授業進捗管理の実態 Nov. 16, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-16-3

 #2405 中学数学の先生たち、授業進度管理は大丈夫ですか?  Sep. 12, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-12-1

 #2456 市町村別学テ情報公開解禁へ(読売新聞)  Oct.21, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-21

 #2093 教員の質向上はどうやる?⇒ "Educating educators" Sep. 25, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-25-1


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#2665-7 次の根室市長選挙の争点:予算規模縮小のための成果主義評価制度導入  June 11, 2014     [25. 根室市長選挙]

 未来にツケを回す市政が8年間続いている。これは私たちの世代の問題であり、次の世代にツケを回すことはいけないことだから、わたしたち根室に住む大人たちが責任ある大人であるとしたら私たち自身がケリをつけなければならない問題であるが、そのために若い人たちのなかからどなたか具体的な政策を掲げて市長選挙に立候補していただかねばならない。
 この稿の目的は次の世代を担う中学生や高校生にもわかるように、必要なデータを添えて現在の市政がどうなのかを前市長時代と比較して論じ、市長選挙の争点をつまびらかにし、もって若い人の奮起をうながすことにある。
 心根がまっすぐな若い人にふるさとの未来を託したい。

(計算に使っているツールはいつものことだが、ソロバン、EXCEL、科学技術計算用プログラマブル・キャリュキュレータHP-35s。この手の計算機でなければ計算できない項目がある。もちろん国産の関数電卓でもやれるから、ひとつひとつ追試してみたらいい。EXCELの関数機能を使える人はそちらでも代替できるけど、数Ⅱの指数関数や対数関数の知識は必須だ。数学はとっても役に立つ。)

【過去16年間の予算規模と人口の推移:小欲知足
  予算規模が9年前には140億円台だったが、最近2年間は160億円台に増えている。人口は2000年の国勢調査では33,150人、これが2015年の推計値では27,203人、17.9%の減少である。計算してみると対前年比1.30%の減少率であるから10年間で13.3%の減少となる。
  145億円×(1-0.133)=125.7億円
 人口比で考えると予算規模は120億円台に縮小していなければならない。
 藤原前市長時代は8年間で人口が3153人(9.1%)減少し、予算規模は人口減少の2倍、35億円(17.9%)減らした財政運営が健全だったといえるだろう。人口の減少は年平均394人であった。
 長谷川市政の8年間では、人口は3552人(11.3%)減少したのに予算は20億円(13.8%)も増えている。不健全な財政運営だったといえる。人口減少は年平均444人で、「根室再興」という掛け声とは裏腹に、藤原前市長時代よりも年間50人も人口減少が加速した。効果のない政策が並んでいた証拠で、彼の政策立案能力の欠如を示すものだ。効果のない事業に無駄にお金が使われているということ。

 長谷川市政の8年間は人口減少が加速する中で予算を13.8%%も増やしているから、この数字から放漫財政を続けていたことがよくわかる

 例を挙げると市立根室病院建て替え事業にコンサルタント提案の25億円の3倍に近いコストをかけた。そして病院経営の年間赤字額は8億円台から21億円に増えた。
 一部の地元企業に対して法外な補助金も出し続けた。いままた明治公園の再開発40億円もゴーサインが出されようとしている。
 喜んでいるのは大盤振る舞いともいえる補助金を受け取った、そして受け取っている地元企業と建設業者だ。これ以上ツケを後の世代に回してはいけない。市政は一部の者たちのためにあるのではない。ほどほどでいいではないか、関連する地元企業は欲望を自制(小欲知足)し、低コストで高品質の仕事をすることでふるさと根室に貢献し、市民と和気藹々とやったらたらいかが?
 このままでは将来市民から恨まれるような事態を引き起こしかねないから、そろそろ市民の皆さんから「いい会社だ」と褒められるような経営に舵を切ったらいい。
 人口減少下で財政規模を膨らませ続けた夕張市は財政破綻した、同じ轍を踏んではならない


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<根室市の予算推移> #2603から転載

 増減人口 予算(億円)
  36,041 1994年H6年177.8
-481 35,560 1995年H7年184.7
-343 35,217 1996年H8年186.4
-382 34,,835 1997年H9年190.4
-301 34,534 1998年H10年178.9
-351 34,183 1999年H11年178.1藤原市政
-324 33,859 2000年H12年181.4
-371 33,488 2001年H13年178.6
-460 33,028 2002年H14年173.1
-360 32,668 2003年H15年166.3
-402 32,266 2004年H16年166.3
-495 31,771 2005年H17年159.2
3,153-390 31,381 2006年H18年146.0
-500 30,881 2007年H19年141.5長谷川市政
-412 30,469 2008年H20年147.3
-388 30,081 2009年H21年145.7
-485 29,596 2010年H22年155.0
-457 29,139 2011年H23年160.9
-389 28,750 2012年H24年164.8
-46128,289 2013年H25年166.4
3,552-46027,829 2014年H26年166.2
推計値  


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【争点:人口減に見合った予算規模の縮小】
 政策の争点としてはこの放漫財政をやめ、財政規模を縮小することを挙げていいだろう。そのための具体的な方法を提案しておきたい。26年後の2040年には根室の人口は17,892人にまで縮小するのだから、借金を増やしてはいけない。できるだけ減らしておくのが私たちの世代の義務である。

【予算規模縮小の具体的な方法】
 管理職に成果主義の人事評価を導入する。部課別に過去5年間の予算案と実績値の平均値を各々計算して低い方をとり、その上で15%カットを命じたらよい。
 一律の削減は許さない。各事業ごとに五段階の優先順位付けをさせ、優先順位の低い順に15%になるまでカットすればいい。優先順位のつけられない管理職は仕事ができないのだから降格して管理職から外そう。
 すでに契約で支払が決まっているものもあるから、調整作業は必ずでてくる。全部オープンにやればいい。

【予算規模縮小に関わる情報公開】
 事業ごとにつけた五段階の優先順位とその理由および担当責任者名は市のホームページ上で公開し、日曜日に5回、市民説明会(質疑アリ)を開催する。こうして市役所は市民へ説明責任を果たし、市政監視の一端を担ってもらう。


 むずしいことはそんなにないよ、このように市政改革はやろうと思えばいくらでもできる。若い人がこれらの「争点」を参考にして立候補しないか?


*教育改革の争点
 #2698 根室高校と根室西高校の統合問題 June 3, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-03-2

 これ以外は、カテゴリー「2014根室市長選挙の争点」をクリックすると並んで出てきます。

**#2603 平成26年度根室市の予算:21年間の予算推移 Feb.25, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-25


<参考データ>

<老人人口の推移>表-2
男女計2010年2015年2020年2025年2030年2035年2040年
総数29201272032539023494215711969717892
G. 65歳以上7733823885408310796875167136
老人人口%26.530.333.635.436.938.239.9

 

 1995年2000年2005年2010年2015年2020年2025年
総数34,94333,15031,20229,20127,20325,39023,494
10~14歳2,2391,8741,6031,3061,165936821
中学生1学年あたり人数448375321261233187164
10~14歳の総人口比6.45.75.14.54.33.73.5
緑は国勢調査による実績値、青は国立社会保障・人口問題研究所の地域別推計値





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#2698 根室高校と根室西高校の統合問題 June 3, 2014 [25. 根室市長選挙]

 今日(6/3)は暑かった、といっても根室の最高気温は23度、夜の気温は14度で冷たい風が吹いている。道内はたいへん暑かったようで、帯広市の隣の音更町の最高気温が37.8度を記録したとテレビが報じていた。全国最高気温トップ・テンを北海道が独占した。猛暑日を記録したのは道内160の内17の観測地点、まだ六月が始まったばかりだよ、いったいどうなっているの?

【2017年統合後の定員数は40減】
 3日の道新夕刊1面に大きな字で「根室と根室西 統合」の見出しが載っていた。
 現在根室高校の定員は、普通科120人、商業科40人、事務情報科40人の合計200人、根室西高校は普通科80人で両校あわせて280人であるが、2017年度から普通科4学級、商業科2学級、合計240人になるのだそうだ。

【五科目300点満点で90点以下は足切りすべき】
  子どもたちを甘やかしすぎてはいけない、30%の得点すらとれないで高校の標準課程の授業を理解できるはずがない。中学校の課程の復習のような授業を1年間やることになるからムダである。中卒程度の基礎学力をつけることは日本国民としての義務である。フィンランドがそうしているように1年間勉強して中学卒業に見合った学力をつけてから高校を受験しなおせばいい。そして頑張りを見せた生徒も褒めてやる社会であってほしい。
 毎年他地域への高校進学で20人ほど根室から出て行くから、定員割れが常態になることが予測される。定員割れならさらなる学力低下は必至だ。
 全員入学できるような規模の定員を維持するのなら、入試の得点90点以下は道立高校入学を認めないというようなルールをつくるべきだ。勉強をやる気のない生徒にまで定員枠を確保する必要はないという考えがあってもよい。
 根拠は何か?百点満点換算で、平均点が30点に満たない者のほとんどが標準レベルの高校授業内容を理解できないからである。本当のことは教育関係者も教育行政もなかなか言わないから、あえて言っておく。
 小学校の先生たちは小学校卒業程度の基礎学力を生徒に保障すべきだし、中学校の先生は中学校卒業程度の基礎学力保障をすべきだ。そういう義務を負っていることを自覚したら、杜撰な授業進捗管理は消えてなくなる。放課後補習も保護者からも生徒からもニーズが出てくるから、やらざるをえなくなるだろう。ブカツも自ずと本来あるべき姿の「文武両道」へ切り換えられていく。

(実データで説明した方が説得力があるだろう。B中学校の2013年11月実施の学力テスト総合Cのデータをみると、300点満点で90点以下が35人/75人(46.7%)いる。2012年のA中学校学力テスト総合Bでは300点満点で90点以下は29人/88人(33.0%)である。学力低下の原因はいくつもあるだろうが、定員割れで競争がないことも大きく影響している。90点で足切りをすれば、もっと勉強に真剣に向き合うようになるだろう。高校入試問題の難易度が過去2年間急激に低下したので、それを前提にすると110~120点での足切が妥当だろう。)

【基礎学力に問題あり】
―普通科の標準レベルの授業についていけるのは四人に一人―
 前から何度も書いているのだが、普通科の標準的な授業についていけるのは、根室市内の高校生1学年230~250人の内のおおよそ約60人のみ。
 4クラスにしたときに起きる問題は国語(現代国語と古文)、数学、英語、理科系科目の教科書である。
 たとえば、中3で小4年程度の語彙力の生徒が30~50人いる。これが普通科と商業科にばらけて存在することになる。先生が授業で話す日本語を頭の中で適切な漢字に置き換えられないから、意味をつかめない。
 統合後で標準的なレベルの教科書を使用するとしたら、ついていける生徒は普通科4クラス・定員160人のうち約60人のみ。数学も小数や分数の四則計算の怪しい生徒が同じ割合でいる。習熟度別に分けても教えきれない。使う教科書を変えなければならないほど学力に開きがある
 これらは高校だけでも学校や教育関係者だけでも解決できない問題である。小学校の先生たち、中学校の先生たち、そして高校の先生たちが集まって対策を協議すべきだ。各段階の授業や補習のやり方に問題がある。もちろん地域にいるわたしのような教育専門家をオブザーバに呼べばいい。

【閉鎖的な議論ですむ問題ではない】
 高校問題検討会のメンバーがどういう方なのか知らないが、こうした学力差が引き起こす深刻な問題が議論された形跡がないようにみえる。小学校や中学校の校長先生もメンバーに入っていたはずだが、根室高校の教科書と根室西高校の主要科目の教科書にすら眼を通さなかったのだろうか?「教育村」で議論する限りこうしたお粗末な仕事がいつまでも繰り返されるから、オープンな場で議論すべきだ。

【ピント外れの道教委のコメント】
 新聞には道教委のコメントとして「幅広い科目を開設できる単位制とすることで生徒の多様な進路に対応したい」と書いてある。そんなことで対応できるわけがない、これは現場の学力差を知らない者の戯言だ。
 統合によって学力差の大きい生徒が「普通科」にまとめられてしまうのは根室だけではないだろう。

【ニーズの高い普通科は成績で2グループに分けて、教科書を別にすべき】
 普通科のニーズが高いのは事実である。大学入試を考えるときに商業科では、国語や英語や数学の時間数や授業内容に大きな差があり、圧倒的に不利になるからだ。だから、普通科に入学する生徒は五科目300点満点で20点~260点までの生徒が混在することになるのである、同じ教科書で教えられるわけがない。
 高校へ入学してからではほとんど打つ手がないから、小学校や中学校での基礎学力向上が鍵だ。全国学力テストの結果を見る限りでは、中学校(偏差値44)よりも小学校(偏差値37)の先生たちの授業力や補習体制により大きな問題がありそうだ。適切な対処をすれば三年間で成果は出てくる。

 2017年度から根室高校は一体どういう教科書を採用し、どのようなレベルの授業を提供するのだろう?何の準備もないようにみえる。
 市立病院建て替えで、実務設計をしないで建築仕様を決め、3億円のシステム投資が無駄になったのと同じ愚を冒そうとしている。お金の問題ではないよ、根室の子どもたちの学力と根室の町の未来にかかわる問題だ。さらなる衰退を招くようなことを、根室の教育関係者たちがやってしまった。関係者にそうした自覚はないのだろう。

【道教委は根室高校1減を提案していた】
 10年間ほど時間を稼ぐチャンスはあったのだよ。
 2010年2月26日の北海道新聞には、「根室高の1減可能」という見出しが載っている。道教委が根室高校職業科の1減でもいいと言っている、二校並立でもいいと言っているのに、なぜか1校に統合ということになった。検討をした委員会からも市教委からも教育長からも、理由の説明が一切ない。高校の体制は地域経済にも大きな影響があるのだから、根室の教育行政は日曜日に「市民との対話集会」を開き、市民にきちんと説明して対話すべきだった。

【優秀な生徒たちがつぶれる:ジレンマ】
 標準的な教科書を使えばテスト問題は基本問題のみ、大学進学希望者はたいへん困ることになる。追試には同じ問題を使い、遮二無二「形式卒業」させる。だからといって、低学力層に照準を合わせてやさしい教科書を使うと、大学入試にまったく対応できない低レベルの授業になることは想像に難くない。これも大学進学希望者には困ったことになる。準備のないまま統合をすれば結果がどうなるかは明らかではないのか?

【対策】
 学力の実態からいうと、入試成績で普通科Aと普通科Bの二つに分けて、使う教科書を別々にするのがいいのではないだろうか。そんなことを道教委が認めるかどうかわからないが、交渉してみたらいい。
 何も対策がないまま移行したら、授業レベルの低下が起きて偏差値50以上の大学への進学者が激減するだろう。学力は人生を渡っていくための強力な武器の一つであるが、根室の子どもたちはそういう武器を身につける機会をいままでよりいっそう阻害されてしまう。


―余談―
 根室市内の私塾で高校生を教えているのはいま3つ、そのうちの一つは来年3月での閉塾を宣言している。
 市内の中学生徒数合計は12年前に比べると60%、約700人になっている。C中学校のアンケート調査では通塾率は30/157人(19.1%)。
 中学生を対象に含む私塾の数はI、W、C、T、Sとニムオロ塾の6つ、公文が4教室、英語塾がK、K、T、WB、これらが市街化地域にある塾だ。他に歯舞地区に一つあると聞いている。わたしの知る限りで全部で15。市街化地域と郡部の人数比は概ね3:1、C中学校の通塾率から推計すると塾へ通う中学生は100~120人くらいだろう。
 120人÷15=8人
 掛け持ちで二つの塾に通っている生徒もいるから、多く見積もっても平均10人?これでは若い人が新規参入できない。

 大手進学塾が進出してくるのは市場が小さすぎて無理だから、私塾の数が減るとともに学力の地域格差はますます大きくなるだろう。インターネットで配信される塾を利用するか、地元高校を見捨てて、他地域の進学校を目指す生徒が増えるのだろうか?これも無理がある。学力が高くないとインターネット配信の教材を理解できないし、進学校でつぶれてしまう生徒も少なくないように聞いている。
 才能や家庭環境や経済面で恵まれた一握りの生徒だけが偏差値50以上の大学進学を果たすような状況が生まれつつある。根室に残る生徒たちの半数は中学校の学力テストで90点未満(五科目300点満点)というのが5年後の現実になりかねない。

*#749 フィールズ賞受賞数学者小平邦彦と藤原正彦の教育論  Oct. 4, 2009 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-10-04


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