#2665-7 次の根室市長選挙の争点:予算規模縮小のための成果主義評価制度導入 June 11, 2014 [25. 根室市長選挙]
未来にツケを回す市政が8年間続いている。これは私たちの世代の問題であり、次の世代にツケを回すことはいけないことだから、わたしたち根室に住む大人たちが責任ある大人であるとしたら私たち自身がケリをつけなければならない問題であるが、そのために若い人たちのなかからどなたか具体的な政策を掲げて市長選挙に立候補していただかねばならない。
この稿の目的は次の世代を担う中学生や高校生にもわかるように、必要なデータを添えて現在の市政がどうなのかを前市長時代と比較して論じ、市長選挙の争点をつまびらかにし、もって若い人の奮起をうながすことにある。
心根がまっすぐな若い人にふるさとの未来を託したい。
(計算に使っているツールはいつものことだが、ソロバン、EXCEL、科学技術計算用プログラマブル・キャリュキュレータHP-35s。この手の計算機でなければ計算できない項目がある。もちろん国産の関数電卓でもやれるから、ひとつひとつ追試してみたらいい。EXCELの関数機能を使える人はそちらでも代替できるけど、数Ⅱの指数関数や対数関数の知識は必須だ。数学はとっても役に立つ。)
【過去16年間の予算規模と人口の推移:小欲知足】
予算規模が9年前には140億円台だったが、最近2年間は160億円台に増えている。人口は2000年の国勢調査では33,150人、これが2015年の推計値では27,203人、17.9%の減少である。計算してみると対前年比1.30%の減少率であるから10年間で13.3%の減少となる。
145億円×(1-0.133)=125.7億円
人口比で考えると予算規模は120億円台に縮小していなければならない。
藤原前市長時代は8年間で人口が3153人(9.1%)減少し、予算規模は人口減少の2倍、35億円(17.9%)減らした。財政運営が健全だったといえるだろう。人口の減少は年平均394人であった。
長谷川市政の8年間では、人口は3552人(11.3%)減少したのに、予算は20億円(13.8%)も増えている。不健全な財政運営だったといえる。人口減少は年平均444人で、「根室再興」という掛け声とは裏腹に、藤原前市長時代よりも年間50人も人口減少が加速した。効果のない政策が並んでいた証拠で、彼の政策立案能力の欠如を示すものだ。効果のない事業に無駄にお金が使われているということ。
長谷川市政の8年間は人口減少が加速する中で予算を13.8%%も増やしているから、この数字から放漫財政を続けていたことがよくわかる。
例を挙げると市立根室病院建て替え事業にコンサルタント提案の25億円の3倍に近いコストをかけた。そして病院経営の年間赤字額は8億円台から21億円に増えた。
一部の地元企業に対して法外な補助金も出し続けた。いままた明治公園の再開発40億円もゴーサインが出されようとしている。
喜んでいるのは大盤振る舞いともいえる補助金を受け取った、そして受け取っている地元企業と建設業者だ。これ以上ツケを後の世代に回してはいけない。市政は一部の者たちのためにあるのではない。ほどほどでいいではないか、関連する地元企業は欲望を自制(小欲知足)し、低コストで高品質の仕事をすることでふるさと根室に貢献し、市民と和気藹々とやったらたらいかが?
このままでは将来市民から恨まれるような事態を引き起こしかねないから、そろそろ市民の皆さんから「いい会社だ」と褒められるような経営に舵を切ったらいい。
人口減少下で財政規模を膨らませ続けた夕張市は財政破綻した、同じ轍を踏んではならない。
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<根室市の予算推移> #2603から転載
増減 | 人口 | 予算(億円) | ||||
36,041 | 1994年 | H6年 | 177.8 | |||
-481 | 35,560 | 1995年 | H7年 | 184.7 | ||
-343 | 35,217 | 1996年 | H8年 | 186.4 | ||
-382 | 34,,835 | 1997年 | H9年 | 190.4 | ||
-301 | 34,534 | 1998年 | H10年 | 178.9 | ||
-351 | 34,183 | 1999年 | H11年 | 178.1 | 藤原市政 | |
-324 | 33,859 | 2000年 | H12年 | 181.4 | ||
-371 | 33,488 | 2001年 | H13年 | 178.6 | ||
-460 | 33,028 | 2002年 | H14年 | 173.1 | ||
-360 | 32,668 | 2003年 | H15年 | 166.3 | ||
-402 | 32,266 | 2004年 | H16年 | 166.3 | ||
-495 | 31,771 | 2005年 | H17年 | 159.2 | ||
3,153 | -390 | 31,381 | 2006年 | H18年 | 146.0 | |
-500 | 30,881 | 2007年 | H19年 | 141.5 | 長谷川市政 | |
-412 | 30,469 | 2008年 | H20年 | 147.3 | ||
-388 | 30,081 | 2009年 | H21年 | 145.7 | ||
-485 | 29,596 | 2010年 | H22年 | 155.0 | ||
-457 | 29,139 | 2011年 | H23年 | 160.9 | ||
-389 | 28,750 | 2012年 | H24年 | 164.8 | ||
-461 | 28,289 | 2013年 | H25年 | 166.4 | ||
3,552 | -460 | 27,829 | 2014年 | H26年 | 166.2 | |
推計値 |
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【争点:人口減に見合った予算規模の縮小】
政策の争点としてはこの放漫財政をやめ、財政規模を縮小することを挙げていいだろう。そのための具体的な方法を提案しておきたい。26年後の2040年には根室の人口は17,892人にまで縮小するのだから、借金を増やしてはいけない。できるだけ減らしておくのが私たちの世代の義務である。
【予算規模縮小の具体的な方法】
管理職に成果主義の人事評価を導入する。部課別に過去5年間の予算案と実績値の平均値を各々計算して低い方をとり、その上で15%カットを命じたらよい。
一律の削減は許さない。各事業ごとに五段階の優先順位付けをさせ、優先順位の低い順に15%になるまでカットすればいい。優先順位のつけられない管理職は仕事ができないのだから降格して管理職から外そう。
すでに契約で支払が決まっているものもあるから、調整作業は必ずでてくる。全部オープンにやればいい。
【予算規模縮小に関わる情報公開】
事業ごとにつけた五段階の優先順位とその理由および担当責任者名は市のホームページ上で公開し、日曜日に5回、市民説明会(質疑アリ)を開催する。こうして市役所は市民へ説明責任を果たし、市政監視の一端を担ってもらう。
むずしいことはそんなにないよ、このように市政改革はやろうと思えばいくらでもできる。若い人がこれらの「争点」を参考にして立候補しないか?
*教育改革の争点
#2698 根室高校と根室西高校の統合問題 June 3, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-03-2
これ以外は、カテゴリー「2014根室市長選挙の争点」をクリックすると並んで出てきます。
**#2603 平成26年度根室市の予算:21年間の予算推移 Feb.25, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-25
<参考データ>
<老人人口の推移> | 表-2 | ||||||
男女計 | 2010年 | 2015年 | 2020年 | 2025年 | 2030年 | 2035年 | 2040年 |
総数 | 29201 | 27203 | 25390 | 23494 | 21571 | 19697 | 17892 |
G. 65歳以上 | 7733 | 8238 | 8540 | 8310 | 7968 | 7516 | 7136 |
老人人口% | 26.5 | 30.3 | 33.6 | 35.4 | 36.9 | 38.2 | 39.9 |
1995年 | 2000年 | 2005年 | 2010年 | 2015年 | 2020年 | 2025年 | |
総数 | 34,943 | 33,150 | 31,202 | 29,201 | 27,203 | 25,390 | 23,494 |
10~14歳 | 2,239 | 1,874 | 1,603 | 1,306 | 1,165 | 936 | 821 |
中学生1学年あたり人数 | 448 | 375 | 321 | 261 | 233 | 187 | 164 |
10~14歳の総人口比 | 6.4 | 5.7 | 5.1 | 4.5 | 4.3 | 3.7 | 3.5 |
緑は国勢調査による実績値、青は国立社会保障・人口問題研究所の地域別推計値 |
今日の根室新聞の一面を見ると大見出しが「一般会計3億円超の余剰金」、小見出しに「国保、基金活用し健全維持」「病院への繰り出し金、決算で圧縮」ううううん
でも中身を読むとそうでもない、公平な感じの記述。しかし見出ししか見ない人もいる。そうすると理解の中身も週刊誌の中吊り広告になってしまう。
by もやしさんま (2014-06-17 18:16)
もやしさんまさん、こんばんは。
一般会計は毎年余剰金が億単位で出ています、それだけ予算がずぶずぶだということでしょう。
「病院への繰出金、決算で圧縮」はどういう意味でしょうね。予算よりも圧縮できたのでしょうか?前年度に比べたら増加のはずですが・・・資金の支出を伴わない損金が多かったのかな?
赤字の額が21億円ということを書かなければならない筈ですが、ありますか?
赤字が膨らんだ原因のひとつに旧建物除却損が入っているのかもしれません。これは資金の支出を伴わない損金です。そういう情報を調べて記事にしてほしいと思います。
by ebisu (2014-06-17 22:47)