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#5144 党の責任が抜けている:政治資金パーティ券裏金問題 Jan. 11, 2024 [8. 時事評論]

 今朝(1/11)7時台のNHKラジオ放送で、田中秀征(元衆議院議員・元経済企画庁長官)が、自民党がスタートさせた政治刷新本部のお題目には「党の責任」という重要な項目が抜けていると指摘していた。
 300億円のお金が政党交付金として支出されているのだから、その範囲内で政治活動をすべきで、違法を承知で裏金作りをしていた議員は、相応の責任をとるべきだと。

 つまり、議員辞職せよということだ。そういう国会議員を支持した国民の責任にも言及している。地元に何人も秘書を置いて、裏金でその活動資金を賄っていた議員は責任をとるべきだし、そういうことを政治刷新本部で議論すべきというのが田中秀征氏の意見である。

 自民党議員でスタートし、新党さきがけの仕掛け人、細川護熙と武村正義を担いで新党を結成し、その後武村氏と意見の対立から袂を分かち離党、「党友」として活動。筋の通った政治家である。

 東大文学部西洋史科を卒業、衆議院議員に落選したときに、北大へ学士入学、その後衆議院議員に返り咲く。

 政治刷新本部38名のうち10名が安倍派で占められている。そのメンバーの大半が、本来は政治刷新されて政治の世界から足を洗うべき存在なのだから、本部長の岸田総理はまたしてもやっているふりだけ。これでは支持率が上がりようがない。
 それでも野党支持が増えている気配がない。野党自身にも問題はあるだろうが、国民はこうした政治に甘んじているように見える。田中秀征氏が言うように「国民の責任(=裏金作りをしていた国会議員には票を入れない)」が問われているのだろう。

*東洋経済オンラインより抜粋
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同本部は麻生太郎副総裁と菅義偉前首相が首相経験者として最高顧問に就任。さらに茂木敏充幹事長や森山裕総務会長ら党七役に加え、首相最側近の木原誠二幹事長が事務総長、小倉将信前こども政策担当相が事務局長に起用されるほか、小泉進次郎元環境相ら青年局長、女性局長経験者が参加する見通し。

さらに複数の若手議員、外部有識者も加えるため、メンバーは38人の大所帯となり、11日に初会合を開く。菅氏と共に最高顧問に就任する麻生氏は8日の地方講演で、「信頼をきちんと回復し、引き続き政権を担っていく決意を新たに対応していきたい」と改革断行への決意を強調してみせたという。




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#5143 黒澤明監督「生きる」 Jan. 8, 2024 [A8. つれづれなるままに…]

 NHKBS放送で標記の映画を見た。「生きる」は1952年に公開されたモノクロ映画である。
 主演は市民課長渡辺勘治役で志村喬、彼はこの映画の2年後に「七人の侍」でも島田勘兵衛役で主演している。

 体調が悪く病院で診察を受けると、胃潰瘍と主治医はいうが、じつは胃癌に罹っている。本人は診察前に隣に座って順番を待っていた別の患者から、胃癌の症状を具体的に一つ一つ聞かされ、自分が胃癌であることを知ることになる。主治医は胃潰瘍だからといって好きなものを食べたらいいという。患者が帰った後で、診察室では主治医が別の医師と看護師へ、余命半年が自分だったらどうするかと問う。
 癌は治療の方法がなかったので、告知しない時代の話である。告知するようになったのは2000年代に入ってからだろう。平成2年に義父が大腸癌に罹り3か月で亡くなった。そして翌年3月にオヤジが大腸癌を手術、2年後に外科医の予告通りに全身転移で亡くなったが、どちらのケースも癌は告知していない。でも、本人は知っていた。転移して肝臓が板のように固くなってしまっていたから隠しようがない。

 地方公務員の渡辺は、30年間市役所勤務をしてきたが、何をしたのか覚えていない。覚えていないほど、どうでもいい仕事を毎日毎日やってきた。市民課が新設され、そこへ雨が降ると水が溜まってしまう土地を公園にしてもらいたいと、その周辺のカミさんたち10人ほどが押し掛けるが、公園課、上下水道課などさまざまな部署をたらいまわしにされて、一向に埒が明かない。
 渡辺勘治は、「生きる」意味を探し始める。たらいまわしになっていた公園建設を生きている間に何とかしようと、そこに生きがいを見つけた。関係各課に何度も何度も頭を下げて通い続けて、縦割りの役所仕事の調整役を果たしていく。
 いきなり場面が変わり、渡辺勘治の葬式の場面に変わる。そこからが面白い。
 志村喬が映画の中で最後に歌う「ゴンドラの歌」はしみじみとした響きをもっていた。命の灯が消えていく感じが伝わってきた。歌は心情や情緒を伝えるもの。
 「いのちみじいかし 恋せよ乙女 紅き唇褪せぬ間に 熱き血潮の消えぬ間に 明日の月日はないものを♪...」

 印象的だったのは市役所の若い女事務員役の小田切みきの演技だ。左卜全も人情味あふれる役柄で市民課の一職員として出ていた。それぞれの役の俳優の演技は、役柄の生きざまがにじみ出ているようで個性的だった。

 わたしも2007年にスキルス胃癌と巨大胃癌の併発で、ほぼ命はないものと覚悟を決めて入院したので、身につまされるところがあった。
 「先生、お腹におできができたので、手術のために1か月入院します。恥ずかしいのでくれぐれも噂を広めないようにお願いします」
 そう言ったら、中学生の女子が数人笑って応じてくれた。
 「先生、内緒にしとくから」
 明るい笑い声に救われた思いがしました、思い残すことないなって。
 あれは6月、中間テストの数日前のことでした。

 機会があったらたくさんの人に見てほしい映画です。

<余談-1:志村喬の演技と藤田光一郎さん>
 この映画での志村喬の演技は、モノを言わないところ、「間の圧力」の凄みが画面に滲み出てしまうところにその特徴がある。他の人にはまねのできない演技だ、だからそこに惚れて黒澤明監督は「七人の侍」でも志村喬を主役に抜擢している。
 1日たって思い出したのがSRL創業社長の藤田光一郎さんの交渉術だ。記憶にある限りで2度重要な社外交渉の場にお供した。野村証券の子会社であるJAFCOと東北の会社の件で交渉事が持ち上がり、浜松町の東芝ビルにあるJAFCO本社を訪問した折のことを思い出した。藤田さんは言葉が少ない。ボツっと言って間があく。その間に空気がグーンと張りつめていくのが隣に座っているわたしに伝わってきた。そしてまたボツっと話して間があくのだ。JAFCOの役員焦っていました。志村喬の演技にそっくりでしたね。東証1部に現役社長で2社(製薬会社富士レビオと臨床検査会社SRL)上場した日本では初めての人というのが、JAFCOの評価でした。

 交渉に行く2時間前に、東北の資本提携企業へ出向していたわたしが、立川本社ビルで藤田さんとミーティングをしたのが、浜松町へ出かける2時間前でした。その2週間ほど前に黒字化案を説明に藤田さんと副社長の谷口さんに作成してあった資料を携えて説明に行きました。資本提携をやめ、子会社化することで染色体分野の検査を分担することで売上高経常利益率が15~20%になる経営改革案でしたので、SRLの子会社ではナンバーワンの業績になる予定でした。それに対する藤田さんの返事はノーでした。電話での報告、文書でも毎月報告書を送っていましたが、「聞いていない」と副社長を口裏を合わせていました。東北の会社の資本関係を調べて大株主一人一人の背景も伝えてありました。子会社化(社長持ち株の譲渡)と社長交代も東北の会社の社長Tさんの了解をもらっていました。そこはそのまま実行されています。
 藤田さんは大株主数名が気に入らなかったのだと思います、引きずりたくなかった。それで、ノーという結論に至ったのでしょう。
 本社社長室ではなくて、オープンスペースのイスが四つのテーブルで話そうというので、そこで藤田さんと1時間話していました。本社社員全員から丸見えでした。なんてことはない話でしたね。喧嘩腰で交渉すると言って聞きません。ジャフコのバックには東邦銀行がいて、そこの役員とつながっており、情報は筒抜けになるので、穏やかに相手の言い分を聞き、あとは藤田さんの思う通りにやってくださいとお願いしたのですが、聞けないというのです。そんな話は5分間だけ、後はJAFCOへ出かけるのに電車に乗る時間まで暇つぶしの雑談でした。あとで、「何話していたんだ?」と元上司から聞かれました。「大事な話は5分だけ、後は雑談です」と告げると首をかしげてました。藤田さんが社員とオープンスペースで1時間も話すことなんて一度もなかったからです。
 新宿から山手線で、浜松町駅で降り、長い通路を歩いている途中で、「ebisuさんの言う通りにやりますか?」と突然の提案、「そうしてください」と返事しました。それで始まった交渉でした。交渉の「間の取り方」を教えたかったのでしょうね。見事な演技でした。役者の道に入っても、藤田さんはただものではないと思いましたね。
 交渉が終わって、JAFCOの部長さんが「お車はどちらへ?正面玄関に回すように手配しますので」そう言われて、「電車できました」、「え、SRLさんセキュリティはどうなっているのです?東証1部へ2社上場した社長ですよ」と驚いていました。藤田さん、社長専用車をもたない人でした。ある時、A専務(後に参議院議員)が羽田に藤田さんをハイヤーで出迎えに行きました。何か緊急の要件があったのでしょう。藤田さん「社員が社用車を運転して検体を集めているのに、わたしはハイヤーには乗りません」と怒って電車で新宿(当時)NSビルの本社へ戻ったことがありました。そういう人なのです。
 それから数年後、野村証券の役員をしていた中学・高校同期の伊藤がJAFCOの社長に就任していました。同窓会名簿には住所欄が空欄になっていました。セキュリティ上明らかにできないと同期の誰かが言ってましたね。
 野村証券は不祥事で3度役員が総入れ替えになったので、団塊世代は得しましたね。課長クラスが役員に何人もなれました。野村証券の先輩たちはお気の毒様、役員になった途端に不祥事で全員総とっかえでしたから、運も大事です。(笑)



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#5117 公理を変えて資本論を演繹体系として書き直す① Nov. 18, 2023 


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#5142 災害への備え:「濾過装置付きシャワー+コンテナハウス」 Jan. 6, 2024 [8. 時事評論]


 水100Lで100人の人がシャワーを浴びられる濾過装置付きのテント型浴室を開発した企業があります。
 能登半島地震が元旦に起きてからすでに6日目なのに、お風呂にも入れない被災者が多いようです。こういう設備を備蓄して置いて、被災地に空輸できるようなシステムを用意してほしいと思います。国はこういう事業に補助金を出してください。
 別海町の高橋工業さんが、コンテナハウスを開発してホテルとサウナ事業を展開しています。セットで災害用浴室を保管できれば、これから起きるであろう日本各地の地震災害に大きく貢献するのではないかと思います。
 ぜひ、7割の補助金出して、備蓄してください。

*水再生装置シャワー
*NAKASHIBETSU HOTEL KUTEKUN
*高橋工業
*スムノア
 「住む」+「ノア」:ノアの箱舟のノアですね。災害用仮設住宅としてはヘリで空輸できて便利です。コンテナハウスは軽いので、船への積み込みも手間いらず、風が穏やかならヘリでの空輸もできます。
 国の予算で別海町に備蓄したらいかが。別海町には200haの牧場がざらにあります。乳価が低迷し、資料の輸入価格が上がっているので、採算合わずに売りに出るところが増えるでしょう。だから、備蓄基地建設コストを抑えられます。全国5箇所ぐらいの備蓄基地があればいい。


#4936 首都直下型地震関連死者数はどれほどになるのか? Mar. 5, 2023


 同じテーマで昨年3月2日に<仮設住宅の備蓄とコンテナハウス>の問題を取り上げていました。
#4935 人口増大は国土脆弱化を招き人口減少は国土強靭化に寄与する Mar. 3, 2023

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2023年3月3日にブログへアップしたものを紹介します。地震はいつどこで起きるかまったく予測がつきませんね。
<仮設住宅の備蓄とコンテナハウス>
 ところで、地震対策としてコンテナ形式の仮設住宅の備蓄をしてもらいたい。地震が起きてから仮設住宅が整うまで数か月かかっている。1万戸ほどの備蓄があってもよいだろう。いま起きそうなのは、首都圏直下型地震、千島海溝で5500年に13回起きた巨大地震と大津波、東南海連動型巨大地震と大津波。大きなものだけでもこれら3つは明日起きても不思議ではないのだが、仮設住宅備蓄の備えはない。
 別海町がコンテナハウスの備蓄に最適かもしれない。別海町の牧場は平均的な規模で200町歩(200ha)もあるから、牧場を廃業した跡地を使えば、コンテナハウスの備蓄倉庫の場所の問題はなくなる。製造メーカーも別海町にあるから、100個ほど製作して保管コストがどれくらいかかるか、国から補助金を引き出して実証実験してもらいたい。災害用仮設コンテナハウスの機能の改良や維持保管自体が一つのビジネスになる。
 問題は災害勃発時の被災地への輸送である。コンテナ船が用意できなければいけない。被災地では道路が寸断されているので、近くの港から、自衛隊の大型ヘリで空輸することになるだろう。民間企業には大型ヘリの備えはないから、自衛隊にどれくらいの機数があり、災害用に何機振り向けられるのか、シミュレーションが必要だろう。1万戸のコンテナハウスを1か月で運ぶには、1機あたり4往復/日として10機だと30個、風の小さい日が1か月間で半数とすると、「10機×4回×15日=600個」となるから、20機あっても1200個/月しか運べない。6000個/月を考えると、100機の大型ヘリが必要になる。大型災害対策用にこれくらいの準備がないと間に合わぬということ。ふだんから、パイロットを育成し、機体を準備し、整備していなければ到底かなわぬ規模である。だから具体的なシミュレーションと長期戦略が不可欠なのだ。
 災害が起きてから、仮設住宅の設置場所を探したり、自衛隊との調整に手間取るのでは被害拡大を最小限にできない。事前の現実的で具体的なシミュレーションが必要で、その過程や結果の公表が、国民の安心につながる。

<災害時でも清潔な組み立て式水洗トイレ、水源は井戸水で…プールの水でも代用可能>
 考案したのは、井戸や井戸水をためる貯水槽を整備し、下水道につながるマンホールの上に陶器製の便器やビニール製テントなどを設置するシステム。使用後は手押しのポンプで水を流せる。プールなどの水でも代用可能で、マニュアルを習熟すれば短時間で組み立て可能だ。



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#5117 公理を変えて資本論を演繹体系として書き直す① Nov. 18, 2023 
#5120 公理を変えて資本論を書き直す② Nov. 28, 2023 
#5124 資本論の論理構造とヘーゲル弁証法 Dec. 5, 2023 
#5125 公理を変えて資本論を書き直す③ Dec. 8, 2023 
#5127 公理を変えて資本論を書き直す④:生産性とマネジメント視点の重要性 Dec. 10, 2023

 

#5138 集中力と「仕事(=遊び)⇔労働」概念:NHK地上波「スタニスラフ・ブーニン」を見て Jan. 1, 20

#5098 職人の仕事「千年の和釘に挑む」:NHKBS番組 Nov. 1, 2023



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#5141 ウィーンフィル・ニューイヤー・コンサート Jan. 6, 2024 [A9. ゆらゆらゆ~らり]

 ようやく正月気分に浸れました。
 ウィーンフィルによるニューイヤーコンサートが1/6午後2時からEテレで放送されました。今年の指揮はティーレマンです。この人初めて見ました。
 ラスマイの「美しき青きドナウ」とラスト曲の「ラデツキー行進曲」を聞いて元気をもらいました。
 Hpappy New Year!

  このコンサートを見始めたのはもう30年くらい前になるのかな。しばらく親子3人で見てましたね。
 そのころからNHK紅白を見なくなっています。
 今年の紅白は寺尾聡の「ルビーの指輪」が採り上げられたそうですね。彼の歌は味があるので聴きたかった気がします。
 なぜ紅白を見なくなったのかと思い出してみると、学芸会に毛の生えたようなレベルの歌が増えたからという気がします。3時間も続けて見ていられなくなりました。
 その一方で「落語theムービー」のような職人芸の番組が愉しくて、欠かさず見るようになりましたね。

 若い人たちの中から、一時代を築くような音楽家がぽつりぽつりと出てくるはずです、期待しています。

 元旦の能登半島地震で被災地は今日も死者の確認が増えて、126人を数えています。瓦礫の下になっている人たちがまだまだいるようです。早く出してあげたいですね。



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#5140 正月2日夕方の日本航空旅客機事故:「羽田の奇跡」 Jan. 4, 2024 [8. 時事評論]

 2日の午後6時少し前にニュースを見ようとしたら、羽田で滑走路上で何かが燃えている画像が映し出されました。説明はありません。車両が燃えているのかなと思いました。数分後に今度は左側にカメラが動いて、もう一つ何かが燃えていました。何が起きているのか中継しているアナウンサーもわからない様子。
 6時5分くらいだったでしょうか、旅客機の主翼付近が映し出され、カメラはそこから動きません。三つの窓からオレンジ色の炎が見えてます。他の窓には黒い煙が動くのが確認できます。火はどんどん燃え広がって、オレンジ色の染まる窓が前方へ異動していきます。円形の窓13個ほども炎が前進し、屋根を突き破って炎が出始めます。
 6時25分くらいになって、千歳発の日本航空機と海上保安庁の輸送機(ボンバルディアDHC8型)が滑走路上で衝突炎上したという説明がありました。
 6時30分くらいになってから前方の脱出用スライドが映し出されました、だれもいません。
 乗客と乗員は全員退避したとアナウンスがありました。

 後からわかりましたが脱出用スライドは後部の方も降りていました。2箇所から避難したようです。367人が載っているエアバスA350-941は脱出用スライドが6箇所設備されているのではないかと思いますが、確認できません。中央部分は炎に包まれているので、危険があり使えません。
 10分間ほどで全員が避難したようです。電気系統が故障したのかマイクが使えなくなって、ハンドマイクで誘導がなされました。乗客がスマホで撮った映像に「速く出してください!」という子供のお願いする声が入っていました。パニックを起こした乗客も数名いたようですが、指示に従って荷物もハンドバックも持ち出さずに避難したので、スムーズに運びました。自宅の鍵がバックの中だったので、家に入れずに困った方もいたようですが、仕方ありません、命の方が大切ですから。ああいう非常時に優先順位を判断して、ほとんどの人が的確に行動できるというのはすばらしいことです。
 英国ガーディアン紙はこの完璧な避難の様子を「羽田の奇跡」というタイトルで褒め称えています。
 記事のURLを貼り付けますので、高校生は全文読んでみてください。
*Miracle at Haneda: how abin crew pulled off great escape from Japan plane fire
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According to the airline, all 367 passengers and 12 crew disembarked in 18 minutes, although it is not immediately clear how much of the time was spent physically getting passengers down slides.
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  日本航空の発表によれば、実際には何分間でできるのか定かではない中で、乗員12名と旅客367人がわずか18分でダウンスライドで脱出させたと書いてあります。使ったダウンスライドは複数形になっているので、機体の前と後ろのダウンスライドからということ。6時少し前から 現場の火災中継を見ていましたから、そのときはまだ脱出が完了していなかったということ。スライドで乗客が避難中だったようです。後部のダウンスライドは火が出ていないほうだけを下ろしていました。判断が的確です。中央部のダウンスライドも危険と判断して下ろしていません。全部で8個のダウンスライドが設備されていました。

<余談-1:事故の遠因>
①東京の空は米軍の空域で、羽田で完成している空域は米軍と重複している
②羽田は滑走路が4本もあり、混雑しているのでふだんから管制業務の難易度が高い
③正月元旦で、ふだんよりも混雑していた ⇒C滑走路は2~3分に1機の離発着管制をしていた(6日朝日新聞)
④能登半島地震対応で海上保安庁所属機が頻繁に離着陸し、イレギュラー対応を強いられていた
⑤国際線の羽田空港乗り入れが2020年3月以降増えている

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羽田空港は2020年3月29日(日)から国際線の大幅な増便が始まり、これを対象に東京都心を通る新飛行ルートも施行を予定されるなど、年を追うごとにその国際線航空便の割合が多くなっています
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https://ecnavi.jp/mainichi_news/article/6db131cf772876536c57db4176fa9ffd/#goog_rewarded

 これら5つのことが重なり合って、たまたま管制塔と海上保安庁機の機長との間に行き違いが起きた模様。

<余談-2:災害続き>
 元旦の夕方4時10分頃に能登半島を襲ったM7.6、最大震度7の直下型地震に続いて、2日の日本航空機と海上保安庁輸送機との衝突事故、海上保安の輸送機は救援物資を被災地へ輸送する任務に就いていました。
 そして3日には北九州市駅前での飲食店街の火事(35店舗2900平米焼失)と災害が続いています。
 地震と火山噴火の大国ですから、災害への備えを年初から見直しておけとの天の警告かもしれません。1か月間は生き延びられる支度があるのか点検したいものです。なければ補充を。
 そして具体的な災害対策をと子孫に負債を残さない健全な財政政策を主張する政治家を選挙で選びたいものです。

<余談-3:仕事をまっとうした機長> 4日午後6時追記
 機長は機内に乗客が残っていないか点検し、数名残っていた人たちを下ろしてから、最後に降りてきたと4日夕方5時半からのテレビニュースが伝えていました。仕事への責任感の強い機長でよかった。主翼燃料タンクに火がついている中での行動です、なかなかできることではありませんよ、侍のように豪胆ですばらしい行動でした。
 思い出したのが、2014年の韓国のフェリー「セウォル号沈没事故」です。船長がパンツひとつで慌てて真っ先に逃げ出し、修学旅行の高校生などを置き去りにして救助されたことでした。乗客の死者は299人でした。


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#5139 地震大国ニッポン:大阪万博の建築資材を使えないだろうか Jan. 3, 2024 [12. 自然災害への備え]

 1/1、後4時10分の能登半島地震の被害の実態がだんだん明らかになっています。これから厳寒期に入るから被災地はたいへんです。
 大阪万博中止して、建築資材や重機や人を被災地へ回せたらうれしい。北陸は関西の隣である、関西人には隣の災害を見過ごすことのできない人情味あふれる人が少なくないはず。阪神淡路の大震災の時(1995年1月17日)には全国からボランティアが駆け付け、支援の手が差し伸べられた。

 日本は地震と火山噴火の大国だから、日本人は繰り返し起きる自然災害の中で生き抜いてきました。政治や行政は災害への備えをもう一度見直してもらいたい。

 たとえば、首都圏で大震災が起きたら、水洗トイレは使えなくなります。水道が止まるだけでなく下水処理もアウトになります。下水処理場はまるで化学プラントですからね。東京都内の公園に百万か所のトイレを設置しようと思ったら、たいへんな仕事です。10万箇所ぐらいしかトイレが用意できなければ、震災後の数か月間どこで排泄するのでしょう?そこいらじゅうウンコだらけ、夏だったら衛生上もすごいことになります。悪臭が漂い、ハエが大量に育ちます。
 下水が使えないから、公園につくるのは昔ながらの「ポッチャン・トイレ」かな?それでもないよりはずっとましです。水洗トイレしか使ったことのない世代には「ポッチャン・トイレ」の利用は無理かもしれません。
 しばらくは、おそらく1~3か月間は、お風呂にも入れません、洗濯もできません。飲み水を手に入れるのも何時間も並ぶことになります。
 ああ、太陽電池で動くポンプを備えた井戸を掘って、カランを十数個つけておくことも必要ですね。10万か所もあれば、ずいぶんと助かります。飲料水用の井戸と飲めない水の井戸が区別できるようにしておかなければなりませんね。

 都内で、被災者の大半を収容できる仮設住宅建設は無理でしょう。数か月あるいは数年間は、数百万人が地方への移住しなければならなくなる可能性がありますね。そして同時に職の問題が生じます。職を失いたくないですから、大半の人がそのままとどまるでしょうね。備えとして何をどこまでやれるのでしょう?
 首都直下型地震がいつ襲うのか誰にもわかりません。それは突然やってきます。

 今回の能登半島地震で、被災地復興の何ができて何が不可能なのか、しっかり検証して、備えを固めなくてはいけないのではありませんかね。政治家からも行政からも具体的な提案が出てくることを期待しています。
 もちろん、首都圏に住んでいるわたしたち自身も考え、備え、行動する必要があります。まずは、東京都の対策を知ることから始めてみようかな。

*東京都の地震対策

**ドキュメント動画
 やはり、避難所でトイレの問題が起きています。水を流せないので、使えません。臭気が建物の中に漂っているようです。家がつぶれた人が多いので、これから数か月間の避難所暮らしになりそうです。トイレの問題は深刻です。野グソをするしか手がなさそうです。首都圏んだと野グソをする場所もありません。
 やはり、井戸の掘削と太陽電池パネル利用で、電気モータでくみ上げられるようにしておくべきですね。とりあえず都内10万か所。トイレは備えをどうしたらいいのでしょう?

<ニュースからの拾い物>
・3年前の地震で壁にひびが入っていたが、年金暮らしのパート従業員で修理ができずにいたが、今度の地震で全壊してしまった。建て直しはできない。…69歳男性
・つぶれてしまった1階に母親がいたが、助け出せず、津波が来るので避難しろと言われて、ビルの屋上から火の手が自宅を包みこむのを見ているしかなかった。
・3日目なのに救援物資が届かない。
・つぶれてしまった1階に妻がいるが、消防の頼んでも手が回らないと言われて...男性・老人
・避難所で飲み水もままならない、すべての物資が不足している...七尾市
・家の前にフルーシートが置いてあったので使ったら、高額請求された...また聞きの情報、七尾市

・輪島市で起きた火事では200棟が焼けました。

・ガソリンがなくなりつつあります。...4日の夕方のニュース
・アスファルトは各地でめくれあがったり、20㎝ほども罅割れ、土砂崩れ箇所も多い
・4日夜になっても、余震がおさまらないので、倒壊家屋からの救助が困難
・体育館に畳を敷いてその上に布団1枚で寝ているので、体が冷えて腰痛が悪化している⇒暖房がない
・4日のお昼になって初めておにぎり1個をもらったお年寄りの男性、「水がないので、米があるけど食べられない」と訴えていました。
・ボックス型の簡易トイレが二つ欲しい...氷見市の20人ほどを収容している避難所の要望、トイレが一つしかないので
4日「午前8時現在、県内の14の自治体で依然断水が続き、輪島市内の温浴施設では避難者が生活用水に使う水を汲んでいました。
・5日正午までに震度1以上の地震が799回あり。
・歯磨きができないことが大きなストレスになります(東日本大震災の被災者)
・同じ下着や靴下を身に着けえ続けると汗を吸わなくなり、身に着けてはいてもかえって冷えるようになりました(東日本大震災の時の被災者)
・【 カイロ 】暖かいものを身に着けていられるのであると大変助かります(東日本大震災の被災者)
・【 肌を保湿できるクリームや乳液 】・入浴できない状態が続くと 指先も頬もひび割れてきます 栄養状態も悪かったので よく指先が裂けました(同被災者)
・【 生理用品 】必ず必要です(同被災者)
・死者126人。発災後124時間で90歳代の女性が救出された、意識もはっきりしている(1/6朝日新聞)
・1/5午後11時台に震度6の余震あり。林官房長官は確認に時間がかかり発表が遅れたと説明(テレビ報道)(前日震度6と気象庁が発表したことがあり、数時間後に震度3に訂正した経緯があってのことだろう。珠洲市の地震計が調子がよくない?)
・余震は震源の深さが10㎞付近ととても浅いので、揺れが大きいのが能登半島地震の余震の特徴のようだ。
・7日午前8時までで、震度1以上の地震が1149回ありました。(正午のテレビ放送)

・1/12午前8時までに震度1以上の地震は1338回(正午のNHKテレビ報道)
・幹線道路8割が復旧、残りは大規模な土砂崩れなどがあり、相当の時間がかかる見込み(正午のNHKテレビ)


 起きている問題の一つ一つが深刻です。それでも生き残れば、生きていくことになります。今までとは一変した環境の中で...

<余談:昨年2月のトルコ大地震と比較>
 2023年2月6日にトルコでM7.7の地震があり、56000人が死亡している。能登半島地震のM7.6とほぼ同規模の地震だが、こちらの死者数はいまのところ70人台だから、1/800の人的被害にとどまっている。
 日本がいかに地震被害に強いのかがわかる。建物の構造が違う。木組みで地震に強いし、耐震強度基準もこの30年間ほどでさらに改善されている。
 地震大国は備えでも世界ナンバーワンなのだ。それでもまだ足りない。


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#5138 集中力と「仕事(=遊び)⇔労働」概念:NHK地上波「スタニスラフ・ブーニン」を見て Jan. 1, 2024 [5.1 脳の使い方]

 元旦です、あけましておめでとうございます。
 弊ブログを今年もどうぞよろしく。

 午後1時からの標記の番組を見ていて、アッと思いました。
 それはショパンコンクールに出場予定の日本人の若者が、自分の演奏を聴いてもらいたいとブーニンへ依頼し、それに応じたときの様子です。
 演奏を聴き終わって、
 「技術的には問題がない、それが問題でもある」
 それでどこをどのように弾けばいいのか、2台並んだピアノでブーニンはやってみせます。
 何箇所か繰り返しているときに、日本人のピアニストは、
 「自分の感覚が(高いレベルへ)塗り替えられていく感覚がする」
 そういいました。ブーニンの演奏は、手と鍵盤の距離が正確に計算されていました、美しく弾くためです。リストと違って、ショパンの曲を弾くのに過度の感情移入はふさわしくないと戒めていました。
 ブーニンが並んだグランドピアノを弾き始めます、この若者に美しい旋律・演奏がどのようなものか伝えたかったのでしょう。それが40分間続きました。
 ブーニンの奥さん(日本人)は少し慌てていました。時間には制限があって、記念撮影する予定が組み込まれていたからです。ブーニンはお手本を示そうと演奏を始めたら、すっかりそのことを忘れてしまっていました。

 集中のスイッチが入ってしまうと、時間の感覚がなくなります。周りの雑音も会話も耳に入ってきますが、意味をなしません。脳が集中していることに全力で駆使されて、音が耳に入ってきても聞こえないか意味を理解できないのです。他に注意を振り向ける余力が失われているからです。
 こういう時は矢のように時間が飛んでいきます。

 十数時間の勉強を10日ほど継続することはそれほど難しいことではありません。あ、と気がついて時計を見たら、5~8時間も経っているなんてことが起きます。数時間が30分くらいにしか感じられないのです。夢中で遊んでいるときと時間の感覚は同じです。だから、遊びも勉強も全力で集中しているときは一緒、区別がないのです。それが「仕事(=遊び)⇔労働」とタイトルに書いた意味です10日続けたら、睡眠障害が出てきて体力が消耗します。脳の活動レベルを上げる(集中力をアップする)と、脳の血流がアップして大量にエネルギーを消費するようです。だから、血流のバランス確保のためにも、ヨガのような全身を動かすストレッチ運動とか散歩をしたほうがいい。顕在意識と潜在意識をクールダウンするために座禅やヨガの瞑想が有効です。学習事項が自動的に脳内に次々に展開して止められなくなるので、それを消すためには座禅で呼吸をコントロールして、「自動ポップアップ現象」を鎮静化させます。高校生の時にはまだそういうことができませんでした
 スキルス胃癌と巨大胃癌を同時に患って胃と胆嚢のの全摘手術をしてからは、週龍力はせいぜい3時間です。それぐらいの時間でエネルギーが枯渇して続けられません。脳の活動レベルが突然に落ちるのです。脳の活動が体力と関係があることを思い知らされました。2~3時間ごとに何か食べながらやっています。これじゃあかん(笑)
 集中モードが体力ではが続き出来ないので、以前よりも分散モードを上手に利用するようになりました。こちらはトルクが小さいようで、大量のエネルギーを必要としません。

 高校1年の終わりの春休みに、毎日十数時間、原価計算の問題集をやって、1週間でやり終わったときの時間感覚がそうでした。学部のゼミの準備で『資本論』や『経済学批判要綱』を読みふけってい思索しているときも、気がつくと夜が明けていることが何度もありました。
 大学院を修了して、企業に勤めて、科学技術用の計算機HP-67とHP97でリバースポーランド記法のプログラミングを数日でマスターしたときもそうでした。家に帰ってからプログラミングを始めると、空が明るくなってきたのに気がつき、時計を見ると5時近くです。あわてて1時間ほど仮眠して通勤電車に乗るなんて生活をしてました。真夜中の5時間が1時間ぐらいにしか感じられないのです。
 半年ぐらい後でCOOLというダイレクトアドレッシングのオフコン用の原始的なプログラミング言語を習得して、自分の仕事に使ったときにも、時間は矢のように飛んでいきました。終電には間に合うように、そこだけ気を配っていました。3つほど経営改善のためのシステム開発をしたときに外部設計や実務設計をしているときにも時間は矢のように飛んでいきました。

 ピアニストも芸術家であると同時に、スキルアップの厳しいトレーニングを積むので、職人の側面があります。全身全霊で取り組むときにスキルの上達があると同時に、遊びや仕事はより完璧なものとなり、喜びが心を満たします。
 こういう深い集中は誰にでも起きうる現象で、ほとんどの人がなんらかの大好きな遊びの中で経験しているはずです

 私はサラリーマン生活を52歳まで、業種を変えて5つの企業で26年間やりましたが、一度も「労働している」という感覚が湧いたことがありません。いつでも「仕事(=遊び)している」という感覚でした。それが心の持ち方次第なのか、それともそれ以外のものがあるのか、よくわかりませんが、「労働」と感じている人はつらいでしょうね。そこは理解できます。労働という概念は明治以降に入ってきた西欧の概念です。その淵源は奴隷や農奴の「労働」なのです。だから、マルクスのように「労働からの人間の解放」が、経済社会改革の重要なテーマになり得ます。西欧の人々は定年退職は「Happy retirement!」なのですが、日本人の多くは疎外感を感じているのではないでしょうか?仕事に生きがいを感じている人が少なくありません。もうやらなくていいよと言われたら、ありがたくないのです。健康でいる限りは、体力に応じた形で仕事をしたいというのが、多くのお年寄りの本音です。人のお役に立てるということがうれしいのです。日本人が仕事に対して伝統的に維持してきた価値観は、奴隷労働に淵源をもつ「労働概念」とはまったく異なるものなのです。
 日本人にはすくなくとも明治までは「労働」という言葉がないのですから、もともとあった「仕事」という日本語で考えてもらいたい。それにふさわしい、経済社会をデザインすればいいのです。


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