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#5140 正月2日夕方の日本航空旅客機事故:「羽田の奇跡」 Jan. 4, 2024 [8. 時事評論]

 2日の午後6時少し前にニュースを見ようとしたら、羽田で滑走路上で何かが燃えている画像が映し出されました。説明はありません。車両が燃えているのかなと思いました。数分後に今度は左側にカメラが動いて、もう一つ何かが燃えていました。何が起きているのか中継しているアナウンサーもわからない様子。
 6時5分くらいだったでしょうか、旅客機の主翼付近が映し出され、カメラはそこから動きません。三つの窓からオレンジ色の炎が見えてます。他の窓には黒い煙が動くのが確認できます。火はどんどん燃え広がって、オレンジ色の染まる窓が前方へ異動していきます。円形の窓13個ほども炎が前進し、屋根を突き破って炎が出始めます。
 6時25分くらいになって、千歳発の日本航空機と海上保安庁の輸送機(ボンバルディアDHC8型)が滑走路上で衝突炎上したという説明がありました。
 6時30分くらいになってから前方の脱出用スライドが映し出されました、だれもいません。
 乗客と乗員は全員退避したとアナウンスがありました。

 後からわかりましたが脱出用スライドは後部の方も降りていました。2箇所から避難したようです。367人が載っているエアバスA350-941は脱出用スライドが6箇所設備されているのではないかと思いますが、確認できません。中央部分は炎に包まれているので、危険があり使えません。
 10分間ほどで全員が避難したようです。電気系統が故障したのかマイクが使えなくなって、ハンドマイクで誘導がなされました。乗客がスマホで撮った映像に「速く出してください!」という子供のお願いする声が入っていました。パニックを起こした乗客も数名いたようですが、指示に従って荷物もハンドバックも持ち出さずに避難したので、スムーズに運びました。自宅の鍵がバックの中だったので、家に入れずに困った方もいたようですが、仕方ありません、命の方が大切ですから。ああいう非常時に優先順位を判断して、ほとんどの人が的確に行動できるというのはすばらしいことです。
 英国ガーディアン紙はこの完璧な避難の様子を「羽田の奇跡」というタイトルで褒め称えています。
 記事のURLを貼り付けますので、高校生は全文読んでみてください。
*Miracle at Haneda: how abin crew pulled off great escape from Japan plane fire
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According to the airline, all 367 passengers and 12 crew disembarked in 18 minutes, although it is not immediately clear how much of the time was spent physically getting passengers down slides.
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  日本航空の発表によれば、実際には何分間でできるのか定かではない中で、乗員12名と旅客367人がわずか18分でダウンスライドで脱出させたと書いてあります。使ったダウンスライドは複数形になっているので、機体の前と後ろのダウンスライドからということ。6時少し前から 現場の火災中継を見ていましたから、そのときはまだ脱出が完了していなかったということ。スライドで乗客が避難中だったようです。後部のダウンスライドは火が出ていないほうだけを下ろしていました。判断が的確です。中央部のダウンスライドも危険と判断して下ろしていません。全部で8個のダウンスライドが設備されていました。

<余談-1:事故の遠因>
①東京の空は米軍の空域で、羽田で完成している空域は米軍と重複している
②羽田は滑走路が4本もあり、混雑しているのでふだんから管制業務の難易度が高い
③正月元旦で、ふだんよりも混雑していた ⇒C滑走路は2~3分に1機の離発着管制をしていた(6日朝日新聞)
④能登半島地震対応で海上保安庁所属機が頻繁に離着陸し、イレギュラー対応を強いられていた
⑤国際線の羽田空港乗り入れが2020年3月以降増えている

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羽田空港は2020年3月29日(日)から国際線の大幅な増便が始まり、これを対象に東京都心を通る新飛行ルートも施行を予定されるなど、年を追うごとにその国際線航空便の割合が多くなっています
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https://ecnavi.jp/mainichi_news/article/6db131cf772876536c57db4176fa9ffd/#goog_rewarded

 これら5つのことが重なり合って、たまたま管制塔と海上保安庁機の機長との間に行き違いが起きた模様。

<余談-2:災害続き>
 元旦の夕方4時10分頃に能登半島を襲ったM7.6、最大震度7の直下型地震に続いて、2日の日本航空機と海上保安庁輸送機との衝突事故、海上保安の輸送機は救援物資を被災地へ輸送する任務に就いていました。
 そして3日には北九州市駅前での飲食店街の火事(35店舗2900平米焼失)と災害が続いています。
 地震と火山噴火の大国ですから、災害への備えを年初から見直しておけとの天の警告かもしれません。1か月間は生き延びられる支度があるのか点検したいものです。なければ補充を。
 そして具体的な災害対策をと子孫に負債を残さない健全な財政政策を主張する政治家を選挙で選びたいものです。

<余談-3:仕事をまっとうした機長> 4日午後6時追記
 機長は機内に乗客が残っていないか点検し、数名残っていた人たちを下ろしてから、最後に降りてきたと4日夕方5時半からのテレビニュースが伝えていました。仕事への責任感の強い機長でよかった。主翼燃料タンクに火がついている中での行動です、なかなかできることではありませんよ、侍のように豪胆ですばらしい行動でした。
 思い出したのが、2014年の韓国のフェリー「セウォル号沈没事故」です。船長がパンツひとつで慌てて真っ先に逃げ出し、修学旅行の高校生などを置き去りにして救助されたことでした。乗客の死者は299人でした。


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