#4935 人口増大は国土脆弱化を招き人口減少は国土強靭化に寄与する Mar. 3, 2023 [12. 自然災害への備え]
現在の人口は1.25億人であるが、これが1.5億人になるとどうなるのか?
住宅地が足りなくなるので、埋め立て、山林伐採と宅地造成が行われる。山のふもとの傾斜地が迫っているようなところを開発せざるを得ない。谷間を埋めたら、台風や集中豪雨の際には造成地は川になる。地盤が軟弱だから、地震や大雨で土砂崩れが起きたくさんの人が亡くなる。
人口が増えれば、遊水地は宅地になったり、道路が増えてアスファルトでふさがれ、地下水の流入量が減り、地盤沈下が生ずる。地下水の取水が禁止あるいは制限されて、井戸がなくなる。巨大地震が起きたときには水の確保に井戸がないということが起きる。
人口増大と国土強靭化は二律背反しているように感じる。人口が増えれば増えるほど、自然災害や戦争の時の被害が大きくなる。
江戸時代の日本の人口は3000万人と言われている。現在はその4倍であるが、国土は自然災害にずいぶん弱くなったと思ってよい。安全な空き地は少なくなり、危険な場所でも宅地開発されて、きれいな住宅が並んでいる。
高層住宅、なかでもタワーマンションが水害に弱いことはすでに証明済みだ。人口が現在よりも増大していけば、都会にはタワーマンションがさらに林立することになる。
関東大震災が起きれば、水も電気もガスも下水も数か月ストップしてしまうだろう。首都圏の人口が半分なら被害はずいぶん小さくなり、対策もまるで違ってきそうだ。
首都直下型地震では、全焼・全壊する家屋は61万棟と予測されている。10万戸の仮設住宅や仮設テントでは全然間に合わないが、それらを建てる場所が首都圏に見つかるだろうか?そうした場所の選定がなや準備がなされているなら幸いである。公園の一部にはトイレを増設できるような整備がなされているところがある。公園の半数にはそうした整備が必要なのではないだろうか?
一番大きな問題はおそらく水である。上水道と下水道だ。飲料水確保のために、地下水くみ上げ井戸が100m置きくらいに一つは必要だ。カランは20個ほどは欲しい。太陽電池でポンプを稼働させ、水をくみ上げる。
下水はどうなる?糞便を排出しない人間はいない。下水処理は一種の化学プラントである。野糞をしようにも野原が周辺になければどうする?家のトイレは糞便であふれかえる。水がなければ流せないし、下水処理場は機能停止だから流すわけにはいかない。もし流れたとしたら、未処理のまま川に放流され、数か月間河川は糞便川となるだろう。そのまま海へ流れていく。
四季の美しい日本列島は、火山、地震、津波、台風、集中豪雨、風雪害などの自然災害の多い場所でもある。
人口は少ない方が、被害は小さくできるし、危険なところへ住宅を建てる必要もなくなる。
人口縮小はさまざまなインフラ維持のコストを小さくすると同時に、インフラの縮小をしていかなければならない。拡大再生産に慣れたわたしたちが、縮小再生産を円滑に行うのはとっても困難である。ノウハウの蓄積がゼロに等しいからだ。日本人の想像力が試される。
例えば、交通インフラである。北海道ではいまですら鉄道の維持は困難だし、都市間をつなぐバス路線も経営は青息吐息である。人口が半分になってコストに低い交通インフラをどのように創り上げるか、地域住民の生活維持にかかわる重大問題がここにある。
地域医療も人口が半分になったら、現在の体制での地域医療は維持が不可能である。過疎地域の医療を支えるために、診断手順をプログラム化したエキスパートシステムが疾患ごとに必要になる。治療も遠隔手術のようなシステム整備がなされなければならない。どうやら、人口半減を前提とすると、地域医療はかなり高度化したシステムが必要なことがわかる。
交通インフラもおそらく同じことだろう。
社会福祉も根本から仕組みを見直さないと大きな問題を引き起こすのではないだろうか?
水や下水や電気やガスが止まれば、特別養護老人施設や療養型病床群の病院へ入院しているお年寄り、精神病院で介護されているお年寄りたちのほとんどが生き延びられないだろう。地震災害後の混乱の中で、受け入れ先が見つかるとは思えぬ。
人口縮小という状況下では学校の再配置、再編成、統廃合も必須である。古里の根室市の中3年生は20年前は400人ほどだったが、現在は180-200人程度で、20年間で半減している。さらに20年先には1学年100人を割ることになる。現在中学校は5校あるが一つで十分だ。高校は現在の道教委の基準では1校維持できるぎりぎりになる。数年以内に根室管内の他の5校との統廃合が問題になる。過去20年間の人口縮小は根室市の個別的な問題だったが、これから20年間で起きる問題は根室管内一市4町に関わる広域の問題である。
これから20年間で地元企業の半数は人材を補充できずに消えてなくなる可能性が大きい。
(20年後の根室市の人口は15000人(現在24000人)を割っているだろう。市庁舎は人口45000人の時に建てられたが、現在建て替え中の新庁舎の面崎は旧庁舎の2倍だ。人口増大を前提にした建て替えに見える。)
人口縮小は人口増大とはまったく別な困難を産み出すことになる。
それでも、地球の資源が有限であることを考えたら、人口減少は不可欠の命題に思える。6000万人の人口を前提にして、社会や経済のデザインを試み、そこへ向けて長期戦略を策定しなければならないのだろう。日本人の叡智を集めなければ到底かなわぬ大きく困難な課題である。
<仮設住宅の備蓄とコンテナハウス>
ところで、地震対策としてコンテナ形式の仮設住宅の備蓄をしてもらいたい。地震が起きてから仮設住宅が整うまで数か月かかっている。1万戸ほどの備蓄があってもよいだろう。いま起きそうなのは、首都圏直下型地震、千島海溝で5500年に13回起きた巨大地震と大津波、東南海連動型巨大地震と大津波。大きなものだけでもこれら3つは明日起きても不思議ではないのだが、仮設住宅備蓄の備えはない。
別海町がコンテナハウスの備蓄に最適かもしれない。別海町の牧場は平均的な規模で200町歩(200ha)もあるから、牧場を廃業した跡地を使えば、コンテナハウスの備蓄倉庫の場所の問題はなくなる。製造メーカーも別海町にあるから、100個ほど製作して保管コストがどれくらいかかるか、国から補助金を引き出して実証実験してもらいたい。災害用仮設コンテナハウスの機能の改良や維持保管自体が一つのビジネスになる。
問題は災害勃発時の被災地への輸送である。コンテナ船が用意できなければいけない。被災地では道路が寸断されているので、近くの港から、自衛隊の大型ヘリで空輸することになるだろう。民間企業には大型ヘリの備えはないから、自衛隊にどれくらいの機数があり、災害用に何機振り向けられるのか、シミュレーションが必要だろう。1万戸のコンテナハウスを1か月で運ぶには、1機あたり4往復/日として10機だと30個、風の小さい日が1か月間で半数とすると、「10機×4回×15日=600個」となるから、20機あっても1200個/月しか運べない。6000個/月を考えると、100機の大型ヘリが必要になる。大型災害対策用にこれくらいの準備がないと間に合わぬということ。ふだんから、パイロットを育成し、機体を準備し、整備していなければ到底かなわぬ規模である。だから具体的なシミュレーションと長期戦略が不可欠なのだ。
災害が起きてから、仮設住宅の設置場所を探したり、自衛隊との調整に手間取るのでは被害拡大を最小限にできない。事前の現実的で具体的なシミュレーションが必要で、その過程や結果の公表が、国民の安心につながる。
次回は首都直下型震災が起きたときの、老人の震災関連死が半年間でどれくらいになるのか、いくつか假定を置いて試算してみたい。震災による死者数よりも、理由があって、震災関連死者数は数十倍になる可能性があるが、東京都の想定にはないから、備えもないということだ。備えができないから、想定していないのかもしれない。東京オリンピックなんて、何と愚かなことをやってしまったのだろう。東京都民は石原慎太郎を東京都知事に4回も選んでしまったのだから、都民が愚かだったということか。他の候補を選んでも代わり映えしなかったのかもしれない。その後の3人の東京都知事を眺めてつくづくそう思う。1期の在任期間すらまっとうできなかった者が二人いた。
NHKの2019年11月15日の公表データでは震災による推定死亡者数は23000人である。震災関連死に関する推計データは見つからなかった。
全壊する建物は82200棟、これに火災の被害を受けて住めなくなる建物112,200棟が加わり、20万棟弱になる。東京都の被害想定を前提にすると、必要な仮設住宅はコンテナハウスに換算すると数十万棟ということになる。いまのままでは数十万人が仮設住宅にすら入居できずに、数か月間生き延びなければならない。弱いものから数十万人が死んでいくだろう。次回は老人問題に絞って震災関連死について述べたい。
災害関連死について防災新聞の記事を貼り付けておきます。
*災害関連死について
3/3配信された関連記事
*「毎年70万人」勤労世代げ減り、60代自衛官が90代を守る...人口激減が招く「恐ろしすぎる未来」
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住宅地が足りなくなるので、埋め立て、山林伐採と宅地造成が行われる。山のふもとの傾斜地が迫っているようなところを開発せざるを得ない。谷間を埋めたら、台風や集中豪雨の際には造成地は川になる。地盤が軟弱だから、地震や大雨で土砂崩れが起きたくさんの人が亡くなる。
人口が増えれば、遊水地は宅地になったり、道路が増えてアスファルトでふさがれ、地下水の流入量が減り、地盤沈下が生ずる。地下水の取水が禁止あるいは制限されて、井戸がなくなる。巨大地震が起きたときには水の確保に井戸がないということが起きる。
人口増大と国土強靭化は二律背反しているように感じる。人口が増えれば増えるほど、自然災害や戦争の時の被害が大きくなる。
江戸時代の日本の人口は3000万人と言われている。現在はその4倍であるが、国土は自然災害にずいぶん弱くなったと思ってよい。安全な空き地は少なくなり、危険な場所でも宅地開発されて、きれいな住宅が並んでいる。
高層住宅、なかでもタワーマンションが水害に弱いことはすでに証明済みだ。人口が現在よりも増大していけば、都会にはタワーマンションがさらに林立することになる。
関東大震災が起きれば、水も電気もガスも下水も数か月ストップしてしまうだろう。首都圏の人口が半分なら被害はずいぶん小さくなり、対策もまるで違ってきそうだ。
首都直下型地震では、全焼・全壊する家屋は61万棟と予測されている。10万戸の仮設住宅や仮設テントでは全然間に合わないが、それらを建てる場所が首都圏に見つかるだろうか?そうした場所の選定がなや準備がなされているなら幸いである。公園の一部にはトイレを増設できるような整備がなされているところがある。公園の半数にはそうした整備が必要なのではないだろうか?
一番大きな問題はおそらく水である。上水道と下水道だ。飲料水確保のために、地下水くみ上げ井戸が100m置きくらいに一つは必要だ。カランは20個ほどは欲しい。太陽電池でポンプを稼働させ、水をくみ上げる。
下水はどうなる?糞便を排出しない人間はいない。下水処理は一種の化学プラントである。野糞をしようにも野原が周辺になければどうする?家のトイレは糞便であふれかえる。水がなければ流せないし、下水処理場は機能停止だから流すわけにはいかない。もし流れたとしたら、未処理のまま川に放流され、数か月間河川は糞便川となるだろう。そのまま海へ流れていく。
四季の美しい日本列島は、火山、地震、津波、台風、集中豪雨、風雪害などの自然災害の多い場所でもある。
人口は少ない方が、被害は小さくできるし、危険なところへ住宅を建てる必要もなくなる。
人口縮小はさまざまなインフラ維持のコストを小さくすると同時に、インフラの縮小をしていかなければならない。拡大再生産に慣れたわたしたちが、縮小再生産を円滑に行うのはとっても困難である。ノウハウの蓄積がゼロに等しいからだ。日本人の想像力が試される。
例えば、交通インフラである。北海道ではいまですら鉄道の維持は困難だし、都市間をつなぐバス路線も経営は青息吐息である。人口が半分になってコストに低い交通インフラをどのように創り上げるか、地域住民の生活維持にかかわる重大問題がここにある。
地域医療も人口が半分になったら、現在の体制での地域医療は維持が不可能である。過疎地域の医療を支えるために、診断手順をプログラム化したエキスパートシステムが疾患ごとに必要になる。治療も遠隔手術のようなシステム整備がなされなければならない。どうやら、人口半減を前提とすると、地域医療はかなり高度化したシステムが必要なことがわかる。
交通インフラもおそらく同じことだろう。
社会福祉も根本から仕組みを見直さないと大きな問題を引き起こすのではないだろうか?
水や下水や電気やガスが止まれば、特別養護老人施設や療養型病床群の病院へ入院しているお年寄り、精神病院で介護されているお年寄りたちのほとんどが生き延びられないだろう。地震災害後の混乱の中で、受け入れ先が見つかるとは思えぬ。
人口縮小という状況下では学校の再配置、再編成、統廃合も必須である。古里の根室市の中3年生は20年前は400人ほどだったが、現在は180-200人程度で、20年間で半減している。さらに20年先には1学年100人を割ることになる。現在中学校は5校あるが一つで十分だ。高校は現在の道教委の基準では1校維持できるぎりぎりになる。数年以内に根室管内の他の5校との統廃合が問題になる。過去20年間の人口縮小は根室市の個別的な問題だったが、これから20年間で起きる問題は根室管内一市4町に関わる広域の問題である。
これから20年間で地元企業の半数は人材を補充できずに消えてなくなる可能性が大きい。
(20年後の根室市の人口は15000人(現在24000人)を割っているだろう。市庁舎は人口45000人の時に建てられたが、現在建て替え中の新庁舎の面崎は旧庁舎の2倍だ。人口増大を前提にした建て替えに見える。)
人口縮小は人口増大とはまったく別な困難を産み出すことになる。
それでも、地球の資源が有限であることを考えたら、人口減少は不可欠の命題に思える。6000万人の人口を前提にして、社会や経済のデザインを試み、そこへ向けて長期戦略を策定しなければならないのだろう。日本人の叡智を集めなければ到底かなわぬ大きく困難な課題である。
<仮設住宅の備蓄とコンテナハウス>
ところで、地震対策としてコンテナ形式の仮設住宅の備蓄をしてもらいたい。地震が起きてから仮設住宅が整うまで数か月かかっている。1万戸ほどの備蓄があってもよいだろう。いま起きそうなのは、首都圏直下型地震、千島海溝で5500年に13回起きた巨大地震と大津波、東南海連動型巨大地震と大津波。大きなものだけでもこれら3つは明日起きても不思議ではないのだが、仮設住宅備蓄の備えはない。
別海町がコンテナハウスの備蓄に最適かもしれない。別海町の牧場は平均的な規模で200町歩(200ha)もあるから、牧場を廃業した跡地を使えば、コンテナハウスの備蓄倉庫の場所の問題はなくなる。製造メーカーも別海町にあるから、100個ほど製作して保管コストがどれくらいかかるか、国から補助金を引き出して実証実験してもらいたい。災害用仮設コンテナハウスの機能の改良や維持保管自体が一つのビジネスになる。
問題は災害勃発時の被災地への輸送である。コンテナ船が用意できなければいけない。被災地では道路が寸断されているので、近くの港から、自衛隊の大型ヘリで空輸することになるだろう。民間企業には大型ヘリの備えはないから、自衛隊にどれくらいの機数があり、災害用に何機振り向けられるのか、シミュレーションが必要だろう。1万戸のコンテナハウスを1か月で運ぶには、1機あたり4往復/日として10機だと30個、風の小さい日が1か月間で半数とすると、「10機×4回×15日=600個」となるから、20機あっても1200個/月しか運べない。6000個/月を考えると、100機の大型ヘリが必要になる。大型災害対策用にこれくらいの準備がないと間に合わぬということ。ふだんから、パイロットを育成し、機体を準備し、整備していなければ到底かなわぬ規模である。だから具体的なシミュレーションと長期戦略が不可欠なのだ。
災害が起きてから、仮設住宅の設置場所を探したり、自衛隊との調整に手間取るのでは被害拡大を最小限にできない。事前の現実的で具体的なシミュレーションが必要で、その過程や結果の公表が、国民の安心につながる。
次回は首都直下型震災が起きたときの、老人の震災関連死が半年間でどれくらいになるのか、いくつか假定を置いて試算してみたい。震災による死者数よりも、理由があって、震災関連死者数は数十倍になる可能性があるが、東京都の想定にはないから、備えもないということだ。備えができないから、想定していないのかもしれない。東京オリンピックなんて、何と愚かなことをやってしまったのだろう。東京都民は石原慎太郎を東京都知事に4回も選んでしまったのだから、都民が愚かだったということか。他の候補を選んでも代わり映えしなかったのかもしれない。その後の3人の東京都知事を眺めてつくづくそう思う。1期の在任期間すらまっとうできなかった者が二人いた。
NHKの2019年11月15日の公表データでは震災による推定死亡者数は23000人である。震災関連死に関する推計データは見つからなかった。
全壊する建物は82200棟、これに火災の被害を受けて住めなくなる建物112,200棟が加わり、20万棟弱になる。東京都の被害想定を前提にすると、必要な仮設住宅はコンテナハウスに換算すると数十万棟ということになる。いまのままでは数十万人が仮設住宅にすら入居できずに、数か月間生き延びなければならない。弱いものから数十万人が死んでいくだろう。次回は老人問題に絞って震災関連死について述べたい。
災害関連死について防災新聞の記事を貼り付けておきます。
*災害関連死について
3/3配信された関連記事
*「毎年70万人」勤労世代げ減り、60代自衛官が90代を守る...人口激減が招く「恐ろしすぎる未来」
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2023-03-03 00:39
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コメント(8)
一番最後にURLを貼り付けた記事を引用します。
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人口減少日本で何が起こるのか
2008年に1億2808万人でピークを迎え、2023年には1億2477万人、2053年には1億人を割る見込みの日本の総人口。その減少スピードは想定以上の速さだ。
「1億人以上の規模の国でここまで人口減少を経験した国はありません。この先40年で総人口が3割ほど減っていきますので、世の中が相当変わり、混乱も起こってくるのではないでしょうか」
「本当はもっと早く人口が減っていたはずですが、長寿化が進んだことで減りが遅く見えていました。その一方、出生数がどんどん減っていて、コロナ前から5%ペースで落ちていたところ、コロナ禍で政府の想定よりハイペースで進んでいったのです」
では、人口減少の影響はどんなところに現れるのか。『未来の年表 業界大変化』でも克明に描かれるが、経済・各産業・業界への影響は計り知れない。
「現在6900万人ほどいる20〜64歳の勤労世代人口が、これから20年で1400万人ほど減ります。単純計算で毎年70万人減っていくことになり、ありとあらゆる職種で人手不足が起こることになります」
by ebisu (2023-03-03 11:00)
(2)
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物流・住宅業界で起きること
生活に身近な影響では、物流業界が挙げられる。
2015年に比べて2030年にはドライバーが3割減って24.8万人減少という予測があり、31億7000万トンの需要に対して、11億4000万トンが運べなくなるという。
「荷物が明日届くといったことが難しくなります。また、ドライバーといってもトラックだけではなく、タクシーやバスも含まれますので、地方では身近な足がなくなるような事態も起こりうるでしょう」
次に、住宅業界では、住宅を買うようになる30代の減少と晩婚化で、新築住宅より中古住宅に注目する人が増え、2040年度には新設住宅着工戸数が43.6%減少し、新築住宅がますます売れなくなっていく……。
「今の30歳の人と0歳の人を比べると3割少ない。ということは、30年後の30歳人口は現在よりも3割少ないことが言えます。晩婚化で住宅を買う年齢が後ろ倒しになっており、現役世代のうちに完済するとなると返済額が多くなります。そうなると、新築よりも手頃な中古を買う人が増え、新築需要が減っていくことになります」
by ebisu (2023-03-03 11:01)
(3)
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60代の自衛官が80〜90代の国民を守る
人口減少は、安全保障の分野にも大きな影響をもたらすことになる。
たとえば、自衛官はそもそも現状ですら人手不足が起こっている。2021年度には定数24万7154人のところ、現数が23万754人で定員割れ。過去10年間で一度も定数を満たしたことがないのだ。
中でも「士」と呼ばれる最前線で働く階級は充足率79.8%であり、『未来の年表 業界大変化』の帯や章でも書かれているように、「60代の自衛官が80〜90代の国民を守る」という衝撃の未来がやってくる。
防衛だけでなく、警察にも同じことが言える。2042年には警察の4割が50歳以上になるという推計もあり、国民の安全を守る仕事に多大な影響が及ぶことになる。
by ebisu (2023-03-03 11:03)
(4)
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人口減少、どうすればいい?
ここまで日本の人口減少の実態やその影響を見てきた。では、どうすればいいのだろうか。
「国はすぐ少子化対策を打とうとしがちだが、しばらくは人口減少を前提に、社会を運営・機能させることを本気で議論しなければいけません。いま国会で子育て支援策が議論されていますが、出生数を上げることにはつながりません。日本の少子化は残念ながら、かなり長い時間止めることができませんから、いかに減少スピードを緩めることができるかどうかという話をするしかありません」
「出産適齢期の女性の数が減っている――少子化の最大要因はこの点にあります。2021年時点で、子どもを産む女性の年齢は25〜39歳で86%くらいを占めます。この数は25年先までに25%くらい減少しますから、多少の出生率上昇ではなんともできない。この事実を直視しなければいけません」
子どもを持ちたいけど持てない、2人目が欲しいけど産めない、そもそも結婚したいのにできない、年収の壁があり働き控えをしている……結婚・出産・労働をめぐる数々の難題を乗り越えなければいけない日本。いよいよ人口減少問題に向き合い、10〜20年先を展望できる社会づくりをしていくときが来ている。
by ebisu (2023-03-03 11:03)
着眼点が素晴らしいと思います。でも解決策はあるでしょうか。
逆に私は第二次関東大震災がebisu先生の言う解決策になると思います。浅間山か富士山が天明に大噴火したと思いますが、今回も何れでも全滅する村は多数あるでしょう。生き残った関東人も数か月暮らすことになるでしょう。
私は諦めてあの世に行きます。そう考える戦前生まれはたくさんいると思います。災害が人口減少に拍車をかけ、ebisu先生の言う時代が来る、それがひとつの仮説です。
もう一つは日本がウクライナのように侵略され、人口が半減してしまう。これもかなりの確率でありそうです。14億人の国と1億人の国では被害者数は100倍以上違います。
結婚しない、子供を作らない親が増えるのは先取ではないでしょうか。仕方ない。南無大師金剛遍照。
by tsuguo-kodera (2023-03-04 14:34)
koderaさん
こんばんは。
完璧な解決策はないのでしょう。でも被害を小さくすることくらいはできそうです。
例えば飲料水の確保ですが、首都圏は100mの網目状に井戸を掘ってカランを一箇所に十数個用意しておけばいい。とくに、入院施設のある病院は必須です。
飲み水が確保できれば、生き延びられるチャンスが増えます。
被災者の半数くらいに1か月間で仮設住宅が容易できたら、救える命は万単位を越えます。
本欄で述べたように、大型ヘリによる空輸体制整備もこれから可能です。
どちらも、これから数年で準備可能なことです。
その前に首都圏直下型地震が来たら、あきらめるしかありません。でも、可能な手を尽くしてのことなら、あきらめられます。
何もしないというのは、愚かすぎます。
貴兄は相変わらずよい勘をしているようですね。
「 結婚しない、子供を作らない親が増えるのは先取ではないでしょうか。」
こんなところで、神の国日本を持ち出したくありませんが、日本人は分かっているのでしょうね。貴兄の意見にうなずけることが悲しい。
何も準備ができぬまま、巨大な自然災害とその後に起きる、もっと大きな人災を受け入れて、人口を急激に減らすことになるのでしょう。
三つの、巨大地震と富士山大噴火あるいは浅間山の大噴火で日本列島の住民は人口を減らします。経済規模は否応なしに縮小します。
そんなところを近隣諸国に狙われたら、ひとたまりもありません。どこかの国の属国になりかねません。いまでも半分くらいはそうなっていますが、「宗主国」が変わることにならないことを祈ります。
そうはならぬように、警鐘だけは鳴らしておきたい。
by ebisu (2023-03-04 18:51)
私の解決策は自死を憲法と法律で認めることです。人は自分で最適な時期に死を選べるのが幸せです。生きるより如何に死ぬかを考える時期に私はなりました。後10年足が持ったら2人でスイスかベルギーに行きます。それまでにオーストラリアかニュージーランドが自死を自由に選べる国になっていることを祈っています。無理やり生かされるのは御免です。昔の偉いお坊さんはそう考えていたため、逆に長生きしてしまいました。
by tsuguo-kodera (2023-03-05 03:56)
koderaさん
もろ手を挙げて散瞳いたします。
わたしは食を断って穏やかに死んでいくことを望んでいます。それを認めてもらうだけでいい。
食を断つのは苦しくありません。水だけで2週間は死にません。1か月あったら、苦しまず、精神が透明になるのを体験しつつ、死ねるでしょう。
死んでいく姿を家族に看取ってもらいたい。いや、人間の死というものを間近に見せてあげます。いつかはみんな死ぬのですから、食を断って死ぬのは怖くない、苦しくない、痛くないということを見せてあげたい。現実に観て体験しないと理解できないでしょう。
いま自宅でそんな死に方を選んだら、老人虐待を疑われます。司法解剖はまっぴらごめんです。
by ebisu (2023-03-05 09:03)