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#4683 英作文問題及び解答解説:10000題越え! Dec. 30, 2021 [49-4 英作文トレーニング]

 英作文問題を作成して配信を始めたのは、2020年1月14日です。国立医大受験生の2次試験対策でハラリ"Sapiens"で読解トレーニングしていましたが、英作文が手薄なので共通テストの得点を確実にしようと思い、とりあえず500題の問題と解説を配信することに決めました。
 毎日配信して、翌日O君がやってきたノートを見ながら、解説していました。こうすると塾ではチェックと間違えた個所と重要部分の解説だけでいいから、時間の節約ができます。2か月くらい、冠詞類(定冠詞、不定冠詞、無冠詞)を徹底的にチェックし、解説しました。2020年10月でO君への英作文トレーニングは終了してます。他の高3年生6人にも配信していましたが、やってきたのは医大受験生と、昨日遊びに来てくれた看護学校受験の生徒Yがやってきてくれました、励みになりましたよ。英語が苦手でアレルギー反応をつぃしていた他のメンバーには読んでもらっただけだけでも勉強になったでしょう。数人が何度かやってきて、添削した覚えがあります。ガッチリ点をあげたければ、数学の演習問題と同じように、鉛筆をもって片っ端からやってみて、解答と比べ、そして解説を読んで次の解の問題にチャレンジするのが一番手っ取り早いのです。覚悟を決めて1年間やり通す生徒が現れることを期待しています。量が増えすぎたのが反省点です。1週間で80-90題では多すぎでした。

 先ほど書きましたが、大西泰斗(おおにしひろと)先生のNHK「ラジオ英会話」テキストから文をいただいています。「ラジオ英会話」テキスト一か月分で300-330の英文載っています。今年7月以降は手持ちの十数冊から例文を採集して付け加えるようになりました。300-350文追加しているので、ほぼ2倍の分量になっています。お陰で、3月末に10000題達成のはずが、年内にクリアしてしまいました。
 いま、中学生を含めて10人ほどの希望者へ配信しているが、英文法参考書になってしまっているようです。英検2級でも結構きついようなので、1月から配信の回数を週に2回に変更します。15-40題/週のペースで、月曜日と木曜日に配信予定。年間1200題になるので、高校生の英作文トレーニング量としては十分です。ちゃんとやれば、英検2級は楽勝です。準1級にもチャレンジできるレベルまでアップしますよ。多量の作文をやると、読みも深くなります。書き手の意図が読めるようになるんです。なぜこういう単語を使ったのか、書き手が脳内にイメージしたものを的確にとらえられるようになります。

 いま作成しているのは、1120回目、1256頁。『英作文問題及び解説集』は本にしたら約2500頁分あります。500題やるつもりが、ついに10000題を越しました。生徒のためと思ってやっていましたが、一番勉強になったのはわたしだったかも?(笑)
 大学時代は英字新聞と経済思想史の本一冊だけ、大学院で理論経済学を研究するのに経済学書を中心に数冊読み、その後英字新聞を15年間ほど読んできました。仕事ではシステム開発関係や会計情報システム、SRL八王子ラで購買の機器担当と学術開発本部スタッフとして仕事していた4年間ほどの間に、図書室で定期購読していた20種類ほどの医学雑誌など、英語と縁が切れませんでした。だが、読むことばかりで、「話す」と「書く」スキルの不足を感じていたのです。やる気にさせてくれたのは受験生たち。彼ら・彼女たちに感謝してます。
 
①左は5cmのファイル、昨年分。
 右は平積みで7.5mの厚さ、今年1月から、来年1月の13か月分です。合計12.5cm
DSCN5929s.jpg

②7.5cm
 これは、今年1月から13か月分です。1か月6㎜成長していきます。来年4月からは数学にアタックできるかな?東大医学部を受験したいという生徒が来るかもしれませんので…(笑)
DSCN5928s.jpg



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#4629 there is ~構文:aとthe どちらもアリエール Oct. 17, 2021 [49-4 英作文トレーニング]

 以前、'there is a ~'と'there is the ~'について、コメント欄へ後志のおじさんが書き込んでくれたことがあった。英作文トレーニングの#757回目の配信が、ちょうどそのことを取り上げているので、ブログにアップします。不定冠詞と定冠詞のどちらもあり得ますが、要点は何か?
 大西泰斗先生の『NHKラジオ英会話』にいくつか問題と解説をつけ足して、毎日配信しています。

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<#757 英作文問題>  L59  FELNS  thereを用いた存在を表す文


1.① わたしのポケットに穴が開いています。
      ② 見てごらん。木の上に猿が一匹いるよ。


― there文をつくりましょう —


2.昨晩大きな地震がありました。怖い!
3.君のことをじろじろ見ている男がいるよ。
4.スケジュールに関したたくさんの混乱があるように思えます。



=============== 2021/10/17


<#757 英作文解答>  L59  FELNS  thereを用いた存在を表す文


1.① There’s a hole in my pocket.
 お馴染みの「there+be動詞」による「~がいる・ある」の文です。be動詞の形は後ろの名詞が決定します。ここではa holeが単数なのでisを使い、There’s=There is)となっています。
 さて、ここからが本題。there文には使われるべきタイミングがあります。例えば次のように使うことはできません。
(X) There is he / the boy / Tom in the classroom.

 he, the boy, Tomは「既知」、つまりすでに話の中に登場済みのものを表しています。heと代名詞を使えるのは、theをつけることができるのは、Tomと固有名詞で言えるのは、話し相手にすでにそれらが何を示しているのかが理解されているからですね。there文にこうした語句が使えないのは、この形が聞き手に取って「未知」のものをもちこむ形だからです。初めて話に引っ張り込む―それがthere文の感覚です。
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 情報をつけ足します。じつは定冠詞のtheがつく文があります。
Then there is the joke in which a young man tells his mother he will become a Doctor of Philosophy and she says, “Wonderful! But what kind of disease is philosophy?”
 哲学博士になるという息子に、哲学ってどんな病気?と母親が訊いている。「ドクター」を「医者」と勘違いしたということ。このジョークは誰もが知っているはずというのが、書き手の頭の中にある、だから、「例のあのジョークだよ」ということでthe Jokeとなったというわけ。

A: I’m hungry. Is there anything to eat?
B-a: Well, there’s an apple pie in fridge.
B-b: Well, there’s the leftover apple pie from last night.
「お腹空いた、何か食べものある?」
「冷蔵庫にアップルパイがあるよ」
「昨晩食べ残したアップルパイがある」

 昨夜食べ残したアップルパイはB-bにとっては特定のものだけど、Aにとっては未知情報なわけだ。要するに話し手もしくは書き手が、頭の中でどのように考えているかで冠詞は変わるということ。
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② Ah, look! There’s a monkey up in the trees!
いままで話題に上っていない「1匹の猿」を持ち込んでいますね。

2.There was a big earthquake last night. Scary.
 a big earthquakeが単数なので過去のbe動詞はwas。話題に昨晩の地震を登場させる意識で使われています。scaryは「怖い・恐ろしい」。


3.There’s a guy staring at you.
 There’s There isの短縮形。a guy(男)の後にどういった男がいるのかの説明がstaring at youstareは「(目を見開いて)ジッと見る・ジロジロ見る」。なにやら興味がありそうな目付です。there文の名詞にV-ing形の説明がつくのはたいへんポピュラー。しっかり音読暗唱してパターンを身につけてください。

4.There seems to be a lot of confusion regarding the schedule.
 seem toは「~のように思える・見える」。このフレーズと「there+be動詞」を組み合わせてThere seems to beseemsと三単現の-sがついているのはa lot of confusionが複数ではないから。regardingはカタい感触の「~に関して」。前置詞です。


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#4519 I‘ve never seen anything move like that before.  Mar. 31, 2021 [49-4 英作文トレーニング]

 昨年1月14日から英作文の問題と解説集を作成して、その中から20%ほどを選んで、e-mailで英作文トレーニング用に配信している。4965題の問題と解説はA4判で680頁になっている。
 NHKラジオ英会話の英文と大西泰斗先生の解説をそのままタイピングして利用している。文体が好みに合わないので、気になる箇所は随時書き換え、語彙解説で不足しているところは英英辞典2冊から語彙の定義や用例を引いて貼り付けている。高校生には英英辞典に慣れてもらいたいからだ。全員電子辞書をもっているようだが、英英辞典も中にあるのに、利用している生徒がほとんどいないので、慣れることには意味がある。
 英作文問題をやるやらないは生徒の自由である。やって来れば、大西先生の解説だけではとても足りないから、3倍くらいの分量の解説をすることになる。とくに冠詞の使いかたは数か月間具体的な事例でやってはじめて自在になる。結構手間がかかるものです。(笑)
 1年3か月やってきて、初めて「おや?」と思うような文にでくわしたので、メモしておきます。
 『ラジオ英会話四月』p.29に次の文がありました。
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 I‘ve never seen anything move like that before.


 この文を会話で反射的に言うことができたとしたら、十分英語上級者です。ポイントはまずI’ve never seen ~ の現在完了形。現在完了形(have+過去分詞)は「(今に)迫ってくる」イメージ(意味の中核)をもち、それが「経験を表す使い方につながっています。経験は過去の体験を現在に「引き付けて」語ることだからです。次のポイントは動詞see(見える)がつくる「目的語説明型」(来月以降のレッスンで詳しく説明します)。anythingmove like that(あんなふうに動く)の間に「=(イコール)」あるいは「主語・述語」の関係があります。「anythingmove like thatするのを見る」という意味となります。


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  いま目の前で起きていることだから原形不定詞になる理由はない、進行相でいい。普通はanything (that is) movingと書くだろう。

 p.27には次の文がある。生成変形文法では「主格の関係代名詞+be動詞」は消去変形の対象になるので、(that is)はカッコで示した。
  I live in an apartment overlooking a beautiful lake not far from Boston.
 この、an apartment overlookinganything movingは生成文法から見ると同じ変形規則に従うことになるので、moveは誤用なのだ。分詞形容詞が後置されて前の名詞を修飾する例は中3の英語の教科書でも関係代名詞が出てくる直前にいくつも文例が紹介されている。


 教科書「Sunshine3」のプログラム6から文例を拾っておく。教科書では「現在分詞の後置修飾」と書かれているが、ひとつ過去分詞の後置修飾の例文③が混ざっている。これらは関係代名詞の次に導入すべき説明である。①~⑥まで「主格の関係代名詞+be動詞」消去変形がなされている。


① I mean the man reading newspaper.
② The cat walking around the garden is mine.
③ That the temple built by Ashikaga Yoshimitsu in 1397.
④ The boy sitting on the chair is my brother.
⑤ The girl writing a letter is Junko.
⑥ Look at the boys dancing on the stage.


 要するに、分詞句が後置されるのは、それが目的語や前置詞句を含んでいるからで、それがなければ通常の形容詞と同じように前置される。


 さて、以前から気になっていたことがある。それは修辞上の都合で縮約変形されるケースがあるということ。大学受験参考書である江川泰一郎著『英文法解説』(2003年改訂第3版)「Ⅱ分詞」p.341に次の文が載っていた。


 Anyone wishing (=who wishes) to leave early may do so.(早退を希望するものは早退してよい)


 この文例が示すところは、主格の関係代名詞節なら動詞を分詞に書き換えることで、関係代名詞節を分詞句に縮約できるということ。①~⑥までの文と表面構造は同じだが基底構造は異なる文であることがわかる。


 江川先生のこの説明を頭に置いて、先にあげた次の例文をもう一度よく見てみよう。
I live in an apartment overlooking a beautiful lake not far from Boston.
 この文は関係節に書き換えると次のようになる。
I live in an apartment which overlooks a beautiful lake not far from Boston.
 この文は三つの単文から合成されている。
⑦ I Iive in an apartment.
⑧ It overlooks a beautiful lake.
⑨ The lake is not far from Boston.
 基底構造は⑦⑧⑨の三つの文である。節構造を句構造に書き換えるために、overlooksoverlookingになったのであるから、表層構造は①~⑥の文と一緒でも基底構造は異なっている。


 大西泰斗先生の『NHKラジオ英会話』で初めて違和感のあった文だったので、わたしの意見を書いた。大西先生のことだから、わたしにはわからない合理的な理由があるのかもしれないから、判断は読者のみなさんにゆだねたい。

 わかりました。知覚動詞であることを見落としてましたね。(笑)
 I‘ve never seen anything move like that before. 

  動詞がseeなので、目的語の後の補語がtoなし不定詞、原形になるんです。それだけのことでした。Swan"Practical English Usage" p.222より。
 hear、see、watch、noticeなどの知覚動詞は「目的語+動詞原形」あるいは「目的語+動詞-ing形」をとる。
  I saw her cross the street.
    I saw her crossing the street.
 日本語に訳したときに訳文に違いはないが、ニュアンスは異なる。動詞-ing形のほうが女性が目の前の道路を横断しているように感じます。
 だから、引用した文も、次のように書くことができます。
 I‘ve never seen anything moving like that before. 

 知覚動詞であってもそれに続くのは原形不定詞だけではないのです、現在分詞もありうるということ。書き手がどういいうイメージを脳裏に浮かべたかで、原形不定詞か現在分詞かが決まります。英語って面白いね。
    以上

<2022年5月19日追記>
 英作文は12000題、A4判で1420頁になっています。3月末で作成を終了し、いま2月分の原稿の校正作業中です。数日で終わる予定です。そのあと、3月分の原稿校正作業で全部が終了です。週に2回配信しているので、3.5年分の配信ストックになります。ニムオロ塾の大学受験生のためと思って始めましたが、わたしの勉強になりました。メール配信英作文に付き合ってくれている生徒たちに感謝です。一人じゃ続かなかった。


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#4366 ライン配信方式「英作文千本ノック」: Sep. 10, 2020 [49-4 英作文トレーニング]

とつぜん思い立って、1月中旬から始めたライン配信方式での英作文特訓は8か月がたちます。昨日は110回目の英作文問題を配信しました。
 大西泰斗先生のNHKラジオ英会話の本文と解説をそのままWORDにタイピングして、生徒との対話授業で付け足すところがあれば、加筆しています。問題を追加することもあります。要は臨機応変にやっているということ。

 NHKラジオ英会話のテキストは単なる材料なのです。英検準2級と英検2級に初めてトライしてどちらもハイスコアでクリアした生徒に最適で良質なものを選びました。読解は高校教科書を全部やった後に、ハラリのSapiens原書講読授業で英文読解力アップトレーニングと並行して、リスニング対策として会話文をやっておく必要があったからです。Sapiensはすでに1年間やっています。左サイドバーのカテゴリー欄に「44-3原書講読講座Sapiens」に授業で生徒から質問のあった文章の解説で面白そうなものを選んでアップしてます。生成変形文法に基づいた解説になっていますが、50ページまでやり続けて生徒はやり方を熟知してますから、教えることはもうほとんどないと思います。後は意味のチャンクごとにスラッシュを入れながら、頭から読み解いていけばいい。速度は2倍くらいにはなるでしょう。もう下地はできあがっています。下地作りまでがわたしの役割で、あとは興味のある分野の洋書を選んで好きなように読めばいいのです。もちろん、Sapiensの続きを読んだっていい。50ページまででおおよそ16500語ですから、高校3年の英語教科書「Vivid Ⅲ」の3年間分の分量です。精読に1年と1か月間かけました。これからはスピードアップ・トレーニングへシフトします

 英作文にNHKラジオ英会話を選んだ理由の一つは、担当の大西泰斗先生の英語指導法が認知論に基づく新しいアプローチだったからです。イメージを中心にした語彙理解や英文法は最近20年くらいで指導法がずいぶん進化したと同時にポピュラーになりました。

 でも、教材がよくても、問題文をライン配信しても、自力でやってこない人には効果が小さいのです。大西先生の解答と解説を翌日午後10時に配信するのでそれを見て正解を知るだけ。たしかに文法や語彙の勉強にはなります。

 ライン配信した翌日に英作文をやってきた生徒には、15分くらいで答え合わせと正解の英文がどれほどコンパクトですぐれたモノであるかがわかるような解説を心がけています。最初の3か月は冠詞を中心にノックしました。冠詞が変わるとニュアンスが変わります。日本語にない機能なので理解がむずかしいので、具体的な文章に即して解説するのがいいのです。

 冠詞類A={無冠詞(∅)aanthe}、名詞類B={名詞の単数形と複数形}とすると、集合Aと集合Bの4×2の多対多対応です。a, anと複数名詞の組み合わせだけはありえません。30年前は冠詞に関する参考書が、一つだけありましたが、満足のいくものではありませんでした。役に立ったのは、Alan S.Brender 'THREE LITTLE WORDS A, An, The'のみでした。この本でトレーニングしてようやくわかった気がしました。
 著者や話し手が冠詞を操ることで脳内にどのようなイメージを創り上げているのか説明しています。書き手や話し手が脳内につくりあげたイメージを精確に自分の脳内に再現するのが文章に理解だと生徒に伝えています。ライン配信の作文問題をやってきた生徒は3か月で冠詞類の使いかたに迷いがなくなったようです。呑み込めたのです。3%くらいはまだ届かない部分があります。たくさん読んで事例にぶつかり、その都度考えるでしょう。それで十分です。そこは塾の役割ではありません。
 英作文問題を翌日やって来れば、大西泰斗先生の解説にさらに付け加えた解説をします。そこが対話方式の個別指導の強みなのです。半年もたつころには3-4割くらいがテキストそのままの文、それ以外も正解文例はあるので、正答率は8割ほどに上がりました。
 肝心なのは良質のテキストを使うことと、対話方式での解説、これが「英作文千本ノック」を動かしている車の両輪です。

 英語の学習においても視野を広く持つことは大切です。古ゲルマン語がドイツ語と英語に分化したのは5世紀ごろではないかと推測されています。英語はゲルマン語に属しており、近縁関係にあるドイツ語と文法規則が類似しています。英語で理由のわからない事項は、ドイツ語の文法と比較すると、その理由がはっきりすることがあります。
 高校分野で新しく出てくる仮定法はドイツ語では接続法です。なぜ、I wereなのかは英語の範囲では説明がつきませんが、ドイツ語の接続法を例に挙げて説明すると納得がいきます。動詞に接続法第2式をいう変化形があります。仮定法について投稿欄で議論があったときに、英語とドイツ語の達人「後志のおじさん(ハンドルネーム)」が指摘しました。彼は、ゲルマン語系の言語であることを意識して思考する人でした。
 もう一つ付け加えると、知覚動詞とともに使われる動詞が基本形であることも、ドイツ語文法を見ると納得がいきます。知覚動詞は助動詞などとともに「準助動詞」なので、動詞の基本形とセットで使われます。ドイツ語では「基本形」とか「原形」とは言わずに、「不定形」と言います。
 I see them play tennis.
 Ich sehe sie Tennis spielen.
 もちろん生徒の学力を無視してこんな説明はしません。生徒が疑問を感じて質問すれば答えます。あるいはこの生徒ならここまで説明したほうがいいと感じたら、高校英語あるいは大学の教養課程の英語の外側へ躊躇なく踏み込みます。だから、対話型の授業が楽しい。
 英語とドイツ語の文を比較してみると、英語で知覚動詞のseeは動詞の原形playを伴なう理由がよくわかります。英語の勉強を英語という狭い視野で考えていると、答えの出ない問題にいくつも突き当たります。
 生徒はいつ・どのような質問をするかわかりません、だからごまかさずに答える用意はしておかなくてはならないのです。わからないときは「わからないので調べて次回説明します」と答えるほかありません。真摯に調べることで、自分の知識が広がると同時に今まで知っていた知識が別の新しいつながり方をします。シナプスが伸びて別の立体構造に組みあがるのが手に取るように実感できます。だから、教えるということは学び、すなわち自分の知識構造を組み替えるとか再構築するということと等価です。 

 すでに実施・消化したのは110回分、約800問題。昨夜第220回分を作ったので、おおよそ1650題が20回分ずつ小分けされたWORDファイルにおさまっています。打ちっぱなしにするとタイプミスが出ますから、校正がたいへんです。自分で校正してミスがないだろうと思っても、翌日生徒から「こことここにタイプミスがあります。・・・ということだと理解してやってきました」、そんな場面はしょっちゅうです、とってもありがたい。本にしてすでに450頁ほどの分量になっていますが、300回までやれば2000題、年内に600頁を超える英作文問題・解説集になります。基本は大西泰斗先生、それに生徒とわたしが少し付け加えて出来上がります。
 言いたかったことは、NHKラジオ英会話のテキストは単なる材料でして、このトレーニングの本質部分は生徒がつくりあげた英作文をまな板に上げて、15分間の対話形式の授業によって「切れる英文」へと仕上げることにあります。
 塾で問題プリントを渡してその場でやらせたら、1-1.5時間かかる授業がライン配信して家庭学習でやるか、学校で暇な時間を見つけてやってくることで、1115分間ほどの対話授業に短縮できるのです。それを週4回やったのですから、効果が大きくないはずがありません。でも、週1でもいいでしょうね。
 英語の指導はとっても手間がかかりますし、生徒本人の努力を要求します。どちらが欠けても成立しません。
 わたしの理想は、自分が中高生だったら、こういう塾で学びたいというところにあります。このごろようやく近づいてきたような気がしています。


<余談:思いがけぬ効果あり>
 「英作文をやり始めてから、並び替えの問題にミスがなくなりました」とは生徒の弁です。英作文トレーニングを積んだことで、文例が頭の中にたくさんあり、並び替えが間違っていると、違和感が働くのです。そして複雑な構文はハラリSapiensでたくさん出くわしています。鬼に金棒。

<余談-2:ドイツ訛りのような英語>
 1988年ころに染色体画像解析装置を3台購入したことがあります、もちろん、仕事ですよ。臨床検査会社で機器購入を一人で担当していた時のことです。英国のエジンバラ大学と画像解析装置開発会社の共同研究でできた製品です。エンジニアがしばらくいて現地組み立て調整していました、彼の英語はドイツ訛りのようなゴツゴツした英語で聴き取りやすかった。スコットランド人の彼の英語にはゲルマン語系の匂いが強かったのでしょうね。染色体に関する分厚い専門書を書いている副社長にラボ内で講演してもらいましたが、こちらは見事なセレブの英語、歌うような話し方でした。ああ、思い出しました、IRS(Image Recogunition Systems)という名前の会社でした。輸入総代理店は日本電子輸入販売、担当はS野さんだった。S野さん、お陰でいい仕事させてもらいました。有能な営業マンだった、元気にしてるかな?
 ニコンの子会社のニレコ社と染色体画像解析装置の共同開発をやっていたのですが、ニコンのレンズと当時最高速の画像処理用コンピュータであるマジスキャン社の製品を使っても、1検体1時間以上の性能が実現できませんでした。これでは顕微鏡写真を撮って染色体を大きさの順に並べて切り貼りしたほうがまだ早い。採算上お話になりませんでしたので、ラボで機器購入を任されてすぐに整理することに決めました。それまでの開発費を支払って染色体課と検査管理部にあきらめてもらいました。その直後に、虎の門病院に30分で4検体処理できる染色体画像解析装置があるという情報があり、連絡を取って、サンプルを持参してテストさせてもらいました。特殊なサンプルでなければそんなスペックは無理と思ったからです。なんと20分で5検体処理できたので、すぐに導入を決めました。ラボ管理部のO形さん、染色体課長のI原さんと三人でサンプルをもって虎の門病院を訪れました。なぜ、そんなに高性能だったかは弊ブログのどこかに書いてます。世界第2位のレンズメーカの子会社との共同開発でしたから、レンズにこだわった、それが間違いの元でした。データ入力に使っていたのはCCDカメラ、データ処理用に使っていたのは自作のボードコンピュータ、マッピングではなくてプリント基板でしたからおそらく100万円程度のコストでした。量産体制でのコストに見当がつけば、価格交渉やそれ以外の条件ツケ交渉がスムーズにやれます。ここまでの線なら利益が十分に確保できるから、製造メーカに飲めるだろう、輸入総代理店にはこういう情報と条件提示をすれば、営業マンが担当役員のyesを引き出せるだろう。実際にそうしましたし、こちらの思惑通りの仕事仕事になりました。
 産業用エレクトロニクス輸入商社で6年間働いていた時に、技術部で開発していたマルチチャンネルのマイクロ波計測器の開発にタッチしていたので、開発エンジニアとしょっちゅう話す機会があって、プロトタイプの作り方や量産段階への移行、関連コストについては専門知識があったので的確な判断ができました。商社としては初めての自社製品開発でしたから製品のプロトタイプの開発費や量産段階の原価計算のトレースを任されていました。社内の業務についてもいくつかコンピュータシステムを設計し、実務フローデザインやプログラム仕様書を書いていたので、プログラム仕様やプログラム開発のどれくらいの工数がかかるかもいくつか前提条件を置いて考えます。製品の実物を見ただけで、コスト構造や開発手順のおおよそが具体的に見えてしまいます。どこで何が役に立つかわからないものです。
 マジスキャンは当時2000万円くらいしたのではないかと思います。それがコスト100万円ほどの自作のボードコンピュータで十分。データの入り口にCCDカメラを使っていました。それで後処理工程が簡単になってました。
 いまSRL八王子ラボで何台動いているのだろう?当初3台だったから、倍にはなっているでしょうね。日本最大の染色体画像解析データがSRLにあります。染色体研究にこのデータを使えば宝の山です。学術論文がいくらでも書けるでしょう。患者の式別データにマスキングして、外部の研究者がこのデータにアクセスできるようになることを期待します。


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Three Little Words: A, An, and the (A Foreign Student's Guide to English Articles)

Three Little Words: A, An, and the (A Foreign Student's Guide to English Articles)

  • 出版社/メーカー: Delta Systems Co Inc
  • 発売日: 1991/08/01
  • メディア: ペーパーバック

 amazonを見るとペーパーバックで62頁となっているので、わたしの持っているのとは違いますね。
 マグロウヒル出版社が1991年に出した5刷で185頁あります。書名もカッコの中が違っています。(A Systematic Approach to Learning English Articles)となっています。
 どうやら、英語を外国語として学ぶ学生用に1/3程度に簡略化した本のようです。



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#4360 英作文千本ノック:第200回問題・解説作成、1500問題 Sep. 5, 2020 [49-4 英作文トレーニング]

 にわかに思い立ち、今年1月中旬から「英作文千本ノック」をスマホでライン配信方式で始めた。わたしはいまだにガラケイなので、メールで塾生の一人に送信すると、それをラインに乗せてメンバーにばらまいてくれる。

 昨日第200回目の問題と解答・解説を作り終えた。いま203回目に手を付けている。すでに来年2月分まで作成済み。
 NHKラジオ講座「英会話」の文例と解説を使わせていただいている。多少味付けすることはあっても基本はそのまま。大西泰斗先生の解説がいままでの受験参考書にはないもので素晴らしいからだ。
 英語のよくできる生徒には、ハラリのSapiensを使って「原書講読」授業をしている。これは長文対策用である。左サイドバーのカテゴリー欄に「44-3. 原書講読講座 Sapiens(41)」があるので、そちらをクリックしてもらえば、授業での解説内容がわかる。生成文法に準拠した授業で、大学3年次の外書講読授業レベル。大学院受験に対応できるレベルだろう。実際の受験にはその分野の専門書を数冊読む必要はあるが、読めるだけの英文読解力はつく。たとえば、医学専門書のほとんどはSapiensよりも構文がやさしい。周辺知識を蓄積すればそう苦労なく読める。わたしは仕事で2年間ほど、20誌ほどの英文の医学専門雑誌に目を通していた時期がある。大学院での専攻分野は経済学だから、経済学関係の本はもとより、3社で数年間統合システム開発を担当していたので、システム開発関係の専門書や会計情報システムに関する専門書も原書で読んでいた。日本ではこういう複合分野の最先端の専門書はこなせる学者がいないのか翻訳されないから、仕事では原書で読まざるを得ないのだ。チョムスキーの構造言語学関係の著作も翻訳がないので興味に任せて原書で読んでいる。どの分野の大学院へ進学するにも、構文に関してはハラリのSapiensで十分。専攻する分野の本を数冊読んで専門用語を蓄積しておくのはあたりまえだね。 
 弊ブログへの或る投稿者からの情報によれば、今年から大学入試にハラリの著作が出題されているらしい。ハラリの本は世界的なベストセラーで難易度の高い英文が詰まっているから、難関大学の入試問題作成担当の先生が取り上げやすいのかもしれぬ。
 読解はこれでいいとして、会話文も出題されることはあるので、英作文トレーニングは会話文主体で英作文問題をつくることにしようと考えていたら、NHKラジオ英語講座の「英会話」がよろしいように感じた。これがすらすら書けるようになれば(英検には英作文の出題はないが)、準1級相当の英語力は十分に身につく。

 平均7.5問ほどあるので、200回分だと1500題の問題と解説ができた。面白いので300回、2000題超ぐらいまで継続することにした。「英会話」の本文と解説をタイピングしているだけでもわたしにも勉強になって面白いのである。ヤメラレナイ・トマラナイというのが本音。
 200回までで来年1月分まである。残り100回分は使わないかもしれないが、2月からは2年生対象にこの問題を40回分ほど英検3級程度の学力の生徒でもやれるように、ヒントを入れて改作するつもりだ。300回まで問題を作り、解説をタイピングすれば、わたしのほうの作文スキルがアップしそうだ。(笑) 教えているのか学んでいるのかもうわからぬ。教えること=学ぶこと、混然一体で分けられない。

 英語の苦手な1・2年生用にはいま第Ⅲ文型のみの英作文トレーニングを実施している。分量は3年生に比べて1/10ほど。準備運動くらいのつもりでつき合ってもらっている。もちろん、強制ではないから、やりたくない生徒はやってこないが、ちゃんとやってくる生徒の英語力は格段にアップすることになる。
 高校生は大人扱い。家でも勉強しなければ塾に来る意味がないから休塾を勧めることはあっても、勉強しないからといって叱ることはない。いつまでも人に言われてやるようでは話にならぬ。


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(文書作成時間:20分)

①紫陽花は鮮やかな青紫から脱色したように白っぽくなってきました。早く褪色するもの、ゆっくり色を落とすもの、人間と一緒です。

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②よく陽の当たる花がさきに色褪(いろあ)せるようです。

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③真っ白だった時のことを思い出してあげましょう。みんなそういう時があった。

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④グズベリーの実は大半が落ちました。
鳥がついばんでくれたら、種は遠くの地で根を張るかもしれません。

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⑤バラ科のハマナスは長いですね、日のよくあたる上の方にまだ数輪が残っています。次々に咲く。

地上高2.5mくらいのところに咲いてます。

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 写真を見ていただきありがとうございます。


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#4247 ライン配信による「英作文千本ノック」 May 11, 2020 [49-4 英作文トレーニング]

 1月14日から、英作文問題を週に4回ライン配信して、翌日に個別に授業前に解説している。今日は第57回目だった。問題の方は昨日までで百回分作成した。毎回5-10題の出題だから、百回分で約700題。1年間でおよそ200回、1400題を超えるだろうから、英作文千本ノックとネーミングする。
 さまざまな種類のノックを千本トレーニングしたら、ゴロでもフライでもたいがいのボールは拾えるようになります。質より量、いえ、質もちゃんと考慮してマッセ!(笑)
 読解トレーニング用にはハラリの”Sapiens”を使っている。ようやく35頁消化。精読ができるようにスキルアップしたので、音声データを使ってリスニングと音読とスラッシュリーディングのトレーニングをそろそろ始めたい。生徒は400語/3分を目標にしたいと言っていた。目標設定は好きにしたらいい。

 英作文問題とその解説で、1題A4版1枚の分量、百回で106頁になっている、1頁1300語。四六判が800語/頁だから、すでに172頁。200日分だと350頁ほどになるだろう。千本ノックが終わるころには英作文の問題・解説参考書が一冊書きあがることになるだろう。
 「千本ノック」で「NHKラジオ英会話」のテキストレベルの英文が書けるようになることが目標である。


 100日分、700題を作ってみてわかってきたことがある。日本語の文を英文へ翻訳する難易度からわけると三つに分類できるということ。
a1:日本語の語順が五文型に容易に並び替えられるもの
a2:英語の慣用表現にかかわるもの
a3:日本語特有の表現で、英語にそのまま置き換えられないもの

 そして文構造という視点からは、次の五分類になる。
b1:単純な文
b2:重文・複文
b3:一塊のセンテンス(たとえば、段落一つ分)
b4:3つ以上の段落構成の文
b5:論理的な文章が書ける
 
 同じ英作文問題を、適度にヒントを配置することで、英検3級レベルにもできるし、英検準1級レベルにもできることも作問と解説を通してわかったことである。

 作文を通して英文の語順ルールを身につけることも大切だ。修飾に関わるルールである、【指定ルール=前に置いた修飾句は後ろを指定する】や【説明ルール=後ろに置いた修飾句は前を説明する】、これらもトレーニングを通じて自然に身についてくる。
 次の700題はそういうことを意識したトレーニング問題になりそうだ。1200題を通過する10月ころから、現在の2年生に同じ問題を使いまわししようと思うが、aとbの視点から見直すので、削除や加筆、さらに分類記号をつけるつもりなので、別ものになりそうだ。たとえば、基礎トレーニング用としてa1レベルの英作文問題集を作ってみるとか、b3レベルのものを集めたトレーニング問題集というように。

 やってみてわかることがいるいそあるが、もうひとつ、わかったことがある、国語力の問題である。問題の日本語の文章の読み方は一通りではない、たいてい複数の読みが可能だ。会話文ならどういうシーンでの発話か、シーンの設定次第で意味合いが違ってくるのである。当然、英作文も読み=場面の設定に応じて違ってくる。国語力のない生徒は複数の読み方ができなかったり、具体的なシーンが思い浮かばない。高校生までに文庫本50冊、新書版の本10冊くらいは読んでおくべきだ。日本語の作文ができない日本人に英作文は無理。英語力を下支えしているのは母語としての日本語の運用能力である。

 2月下旬から、高校は休校になっているので、普段から新しいことを試していると、こういう非常時に役にたつ。
 3か月くらいは続くかなと思って始めたが、問題文と解説作りが面白くて、終わりが見えぬ。やればやるほどいくらでも工夫の余地が見えてくる。これを泥沼にはまり込み始めたと思うか、螺旋階段を昇り始めたと考えるかでやる気と智慧の出方がまるで違ってくる。作問とその解説を通して生徒と会話しているようなものだ。大西泰斗先生のNHKラジオ英会話の解説はとっても勉強になる。そういう視点満載だから、いままでにない英作文トレーニングになっている。高校時代の英作文は実につまらなかった、なんだか暗記するだけのように思えた。知的好奇心の対象外だった。ところが指導の仕方次第で、生徒の知的好奇心を満足できることがわかった。自分が高校生ならやってほしい英作文トレーニングを思い描いて、そこへ向かってまっしぐら。愉しいね、とっても。(笑)
 生きているってこういう充実感を日々感じることなんだ。ロードバイクで60km/hのときも、ゴーっという音とともに身体を吹き抜ける風、アスファルトの罅割れから身体に伝わってくる振動が、生を実感させてくれます。そして、家の周辺をのんびりラルゴ(幅広く緩やかに)で散歩しているときも。


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 林望先生が、作文添削の実例を紙上公開。英作文とは関係ありませんが、日本語でスキのない作文を書ける人は、英作文も上達が速いとは言えそうです。

文章術の千本ノック―どうすれば品格ある日本語が書けるか

文章術の千本ノック―どうすれば品格ある日本語が書けるか

  • 作者: 林 望
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2020/05/12
  • メディア: 単行本

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#4203 仮定法プリント13ページ Mar. 11, 2020 [49-4 英作文トレーニング]

 Lineで配信する英作文トレーニングを1/14から始めた。月・火・木・金の週4回、毎回5題。
 3/10は33回目だったから、165問題が終わった。60回(300題)はやるつもりでいる。100回までやるかどうかは生徒たち次第。火曜日は高2の生徒6人中5人が第33回の問題をやってきた。個別指導だから、それぞれ書いてきた英文を見て、正解手順を教える。一緒に来た二人に、「手が空いたら英作文解説やるから声かけて」、そう言っておいたら、ホワイトボードの左側にR、右側にHと場所を分けてそれぞれの英作文を書いて待っていた。二人してそれぞれ相手の作文例を見ながら話し合っていた。学力に応じて私の方は教えるポイントが少しずつ違ってくる。しばしば文型に戻って説明する。日本語の文と英語の文とでレトリックの違うものが難易度が高い。英語はモノやコト主語の文が多い。このあたりの処理に慣れてくると、英作文能力が飛躍的にアップする。問題文の日本語が発せられたシーンを具体的に想定しながら、理解してそれを英文に置き換えてもらうから、国語の能力が高いほど英作文も的確なものが書ける。
 問題文の( )内は、シーンの一例を、あとで書き足したものである。当初の問題には書いていなかったもの。

 第33回の英作文問題を紹介する。全国の高校2年生は、学校が休みで暇を持て余しているだろうからやってみたらいかが?
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<#033英作文問題>3/10

1.(学校祭が終わって協力してくれた人たちに対してお礼を言う)何から何までありがとう。本当に助かりました。

2.すばらしいパーティをありがとう。とても楽しみました。

3.素晴らしいアドバイスをありがとうございました。なんとかガールフレンドと仲直りmake up withできました。

4.わたしたちのチームをコーチしてくれてありがとうございます。あなたなしではわたしたちは優勝することができなかったでしょう。(実際には優勝できたのですから、仮定法過去完了の帰結節を利用します。「助動詞の過去形+have+過去分詞」ですが、「できなかったでしょう」だから助動詞はcouldn’tになります。)

5.(高校を卒業して10年がたち、同級生が久しぶりに会って斉藤先生の思い出を話しています)古い本や辞書でいっぱいの部屋があったのを覚えている?

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<#033英作文解答>

1.Thanks for everything. You’ve been a great help.
2.Thanks for a wonderful party. We had so much fun.
3.Thanks for your great advice. I managed to make up with my girlfriend.
4.Thank you so much for coaching our team. We couldn’t have won the championship without you.
5.Do you remember she has a room filled with old books and dictionaries?

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 英文はNHKラジオ英会話からピックアップしている。
 仮定法の問題が3度目だったかな、出てきたので、仮定法過去完了の形とキモチを説明しておいた。
 学校の授業では、教科書の終わりの方に出てくるのだが、教科書半分で学年末テスト突入だったから、生徒たちは習っていない。1月の進研模試にも仮定法の問題が出たと、生徒が言っていたので、せっかく武漢コロナウィルス感染症で全国の高校が休みになって暇を持て余しているのだから、それを利用しない手はない。問題集から仮定法の章を13ページコピーしたので、明日生徒たちに渡すつもりだ。
 塾へ来たら洗面所で手を洗う、授業中は換気扇回しっぱなし、マスクのある人はマスク着用。来週から月末まで塾はおやすみ。

 数学と同じで、知っているだけではダメで、問題を解き、30回程度は音読しないと英語(の読み・書き)は身につかない。

 数学は得意だが、英語は大嫌いというのが6人中5人。(笑)
 第33回だけは5人がちゃんとやってきた、その意気はよし。
 むずかしいものは、主語と動詞を考えてくるだけでいいと言っている。問題文はやさしいものではないのが多いから。

 5/29で65回、合計325題の英作文問題を消化することになる。
 一人だけ英語偏差値が70を超えているが、あとはだいたい40-45の範囲にある。7月模試で英語偏差値60を超えるものが何人出るのか楽しみだ。数学の勉強ばっかりして、英語の勉強をしなかったのに、このごろ言わなくても、英語の教科書を開いて辞書を引いていたり、英語の問題集やプリントをやるようになった。高3の教科書を使って、9-12月毎週水曜日に2時間・10回の特訓授業をした。音読中心・全文文型解説の授業に参加してくれたから、英語へのアレルギーはとれたのだろう。手間のかかるやつらだ。(笑)
(学校の授業進度が遅くてやり残した微分積分の章にかれらが取り組んでいる。彼らにとっては数学は得意科目だから独力でやっている、そのほうが愉しいのである。わたしはかれらが迷路に迷い込んだ時に質問に応えてやればいいだけ。)


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#4167 英作文問題:メール送信方式開始 Jan. 15, 2020 [49-4 英作文トレーニング]

 英作文問題をメールで出題する方式を昨日(1/14)から試しにやってみている。毎日5題、送信して、家でやるか、学校の休み時間にやってくる。塾では答えのチェック、英語の偏差値が70以上の生徒には5分程度で解説が充分間に合うことが分かった。問題文を黒板に書いて、それから問題を解かせて解説すると、いままでは10-15分かかっていた。
 塾へ来る都度、英語授業のときだけでなく、数学の授業の前にもやるから、時間の節約がしたかった。

<英語アレルギーの治療>
 他の高2の生徒5人にもラインで「英作文トレーニンググループ」をつくり、問題を送信するシステムにした。塾が休みの水曜日を除くと、4回×5題=20題/週、のペースである。分量としては充分だろう。レベルは「NHKラジオ英会話」、英語の偏差値が70を超えている生徒にはちょうど好いが、苦手な生徒にこのレベルの英作文は無理。ヒントを与えて、試行錯誤させなければならないから、30分くらいかかるだろう。そんな時間は授業中に確保できない。
 英語が苦手な5名は、自分の学力に合わせて問題を選別してやってよいことにした。日本語を英語の語順に並べるところから、やらないといけない。やっていくうちに、効果的なやりかたがわかってくる、かれらの英語力にチューニングした英作文指導法がやっているうちに固まってくる。試して効果がありそうなことはどんどんやってみるに限る。やりながら、反応を観察してやり方を修正していけばいい。
 2時間10回、高3教科書を使って文型解説した特訓授業で文型に慣れたろうから、文型を橋頭保に作文できる範囲から始めるのがいいのだろう。相乗効果を期待したい。
 音読トレーニングは自分がよいと思うCD教材を選んで、家でトレーニングしてもらうことにしているのだが、やっている気配がない。個別指導で音読トレーニングはできない、他の生徒がいるから学習の妨げになる。個別指導の欠点である。いままでは、音読指導したい生徒は学校が終わったらすぐに来てもらい、個別に30分ほどやっていた。子音の発音を矯正しないと、いつまでも英語にならない。塾が休みの水曜日に、ときどき2-5人の集団で90分の特訓授業を組むのがよさそうだ。


 英作文の解答と解説は3日ぐらい後で送信する。問題と解答にはそれぞれメールのタイトルに「英作文問題#001」「英作文解答#001」という風に付番しておく。問題を創るときに解答も同時にWORDで作成して、あとで、メールにコピペして、配信すればいいだけ。
 毎日英作文問題にチャレンジする習慣とたくさんの量をこなすことで慣れるのが目的だ。

 これで、長文読解と英作文トレーニングの体制が整う。「鬼に金棒」すなわち、「読解に英作文」、英語が苦手な生徒も両方やることに慣れてもらう。これにCDを利用した音読トレーニングが加わると、ベストな学習方法になるが、そこは生徒の自主性にゆだねるしかない。おんぶにだっこでは自立心が育たぬ。

 英語が苦手な生徒に昨年10月から2時間10回、高3の教科書を使って、全文・文型解説しながら、冠詞に配慮しつつ特訓授業をした。特訓が終わってから、それまで得意の数学しか勉強しなかった生徒たちが、進んで英語の問題を解いていることが多くなった。4年半の長患いである「英語アレルギー」がとれたのだろう。(笑)
 中学3年間で英語が苦手になった生徒は、独力で「英語アレルギー症状」から脱することができない。英語の勉強の仕方がわからないのである。高校生になってもずっとそのまま、卒業するまで苦手のままがほとんど。ところが、特訓授業で、英語が少し理解できるようになると、言われなくても自分からやるように変わることが分かった。英語も数学と同じで結構面白いのだ。
 「読み・書き・算盤」という言葉の通り、「読み」の次は「書き」であるから、英作文トレーニングも大人の手助けが必要だ。高校生たちは全員スマホをもっているから、それを利用しない手はない。好い手を思いついた。しかし、毎日問題を発信し続けるのはなかなかたいへんだから、とりあえず1か月やってみて、その後のことを考える。(笑)

 高校1年生は3か月ほど期間を置いてから、スタートさせる。四月から英語が苦手な高校1年生が揃うので、文型中心にした簡単な英作文トレーニングからはじめるつもりだ。シンプル・センテンスで英文を書き、節構造にしてつなぐ、それを句構造に書き換えるような作業を坦々とやれば、簡単な英文が書けるようになる。書くスキルは読解力アップにも寄与する。200文例くらい音読トレーニングで丸暗記したっていい、英語力アップの要点は、知っているだけでなく使えるレベルの英文を増やすこと、やり方はいろいろあるから自分にあったやり方を見つけたらいい。
 塾としては、独力で勉強を始めるきっかけを提供したい。新高1年生には四月から教科書を使った特訓読解トレーニングを毎週水曜日に2時間10回やる予定である。ほうっておいたら、数学の勉強ばかりすることになりそうだから。(笑)

 自分の弱点の分野を単元別に検索すれば、ユーチューブで無料の授業をみることができます。ソースはたくさんありますから、お金をかけなくても工夫次第です、好い時代になりました。

 最近の根室の中学生の学力状況は#4099の通り、根室高校の進路実績も道外私大進学が10年前の1割まで減って振るいませんが、そろそろ下げ止まってもいいころではないでしょうか。苦手の科目のアレルギーがとれて勉強する生徒が増えることを期待してます。
 
*#4099 学力テスト総合A「18校科目別データ」 Oct. 11, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-10-11


 *根室高校平成30年度進路実績
http://www.nemuro.hokkaido-c.ed.jp/?action=common_download_main&upload_id=3103
http://www.nemuro.hokkaido-c.ed.jp/index.php?page_id=31

*#4168 根室高校進路実績H27-30年度比較 Jan. 16, 2016
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2020-01-16



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