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#4247 ライン配信による「英作文千本ノック」 May 11, 2020 [49-4 英作文トレーニング]

 1月14日から、英作文問題を週に4回ライン配信して、翌日に個別に授業前に解説している。今日は第57回目だった。問題の方は昨日までで百回分作成した。毎回5-10題の出題だから、百回分で約700題。1年間でおよそ200回、1400題を超えるだろうから、英作文千本ノックとネーミングする。
 さまざまな種類のノックを千本トレーニングしたら、ゴロでもフライでもたいがいのボールは拾えるようになります。質より量、いえ、質もちゃんと考慮してマッセ!(笑)
 読解トレーニング用にはハラリの”Sapiens”を使っている。ようやく35頁消化。精読ができるようにスキルアップしたので、音声データを使ってリスニングと音読とスラッシュリーディングのトレーニングをそろそろ始めたい。生徒は400語/3分を目標にしたいと言っていた。目標設定は好きにしたらいい。

 英作文問題とその解説で、1題A4版1枚の分量、百回で106頁になっている、1頁1300語。四六判が800語/頁だから、すでに172頁。200日分だと350頁ほどになるだろう。千本ノックが終わるころには英作文の問題・解説参考書が一冊書きあがることになるだろう。
 「千本ノック」で「NHKラジオ英会話」のテキストレベルの英文が書けるようになることが目標である。


 100日分、700題を作ってみてわかってきたことがある。日本語の文を英文へ翻訳する難易度からわけると三つに分類できるということ。
a1:日本語の語順が五文型に容易に並び替えられるもの
a2:英語の慣用表現にかかわるもの
a3:日本語特有の表現で、英語にそのまま置き換えられないもの

 そして文構造という視点からは、次の五分類になる。
b1:単純な文
b2:重文・複文
b3:一塊のセンテンス(たとえば、段落一つ分)
b4:3つ以上の段落構成の文
b5:論理的な文章が書ける
 
 同じ英作文問題を、適度にヒントを配置することで、英検3級レベルにもできるし、英検準1級レベルにもできることも作問と解説を通してわかったことである。

 作文を通して英文の語順ルールを身につけることも大切だ。修飾に関わるルールである、【指定ルール=前に置いた修飾句は後ろを指定する】や【説明ルール=後ろに置いた修飾句は前を説明する】、これらもトレーニングを通じて自然に身についてくる。
 次の700題はそういうことを意識したトレーニング問題になりそうだ。1200題を通過する10月ころから、現在の2年生に同じ問題を使いまわししようと思うが、aとbの視点から見直すので、削除や加筆、さらに分類記号をつけるつもりなので、別ものになりそうだ。たとえば、基礎トレーニング用としてa1レベルの英作文問題集を作ってみるとか、b3レベルのものを集めたトレーニング問題集というように。

 やってみてわかることがいるいそあるが、もうひとつ、わかったことがある、国語力の問題である。問題の日本語の文章の読み方は一通りではない、たいてい複数の読みが可能だ。会話文ならどういうシーンでの発話か、シーンの設定次第で意味合いが違ってくるのである。当然、英作文も読み=場面の設定に応じて違ってくる。国語力のない生徒は複数の読み方ができなかったり、具体的なシーンが思い浮かばない。高校生までに文庫本50冊、新書版の本10冊くらいは読んでおくべきだ。日本語の作文ができない日本人に英作文は無理。英語力を下支えしているのは母語としての日本語の運用能力である。

 2月下旬から、高校は休校になっているので、普段から新しいことを試していると、こういう非常時に役にたつ。
 3か月くらいは続くかなと思って始めたが、問題文と解説作りが面白くて、終わりが見えぬ。やればやるほどいくらでも工夫の余地が見えてくる。これを泥沼にはまり込み始めたと思うか、螺旋階段を昇り始めたと考えるかでやる気と智慧の出方がまるで違ってくる。作問とその解説を通して生徒と会話しているようなものだ。大西泰斗先生のNHKラジオ英会話の解説はとっても勉強になる。そういう視点満載だから、いままでにない英作文トレーニングになっている。高校時代の英作文は実につまらなかった、なんだか暗記するだけのように思えた。知的好奇心の対象外だった。ところが指導の仕方次第で、生徒の知的好奇心を満足できることがわかった。自分が高校生ならやってほしい英作文トレーニングを思い描いて、そこへ向かってまっしぐら。愉しいね、とっても。(笑)
 生きているってこういう充実感を日々感じることなんだ。ロードバイクで60km/hのときも、ゴーっという音とともに身体を吹き抜ける風、アスファルトの罅割れから身体に伝わってくる振動が、生を実感させてくれます。そして、家の周辺をのんびりラルゴ(幅広く緩やかに)で散歩しているときも。


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 林望先生が、作文添削の実例を紙上公開。英作文とは関係ありませんが、日本語でスキのない作文を書ける人は、英作文も上達が速いとは言えそうです。

文章術の千本ノック―どうすれば品格ある日本語が書けるか

文章術の千本ノック―どうすれば品格ある日本語が書けるか

  • 作者: 林 望
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2020/05/12
  • メディア: 単行本

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