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33. 地域医療改革の烽火 ブログトップ
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#1252 地域医療改革の烽火(13):市民説明会開催の件 Oct. 23, 2010 [33. 地域医療改革の烽火]

 三名の市議が病院建て替え問題に関して総事業費が半月前の説明よりも7億円も増額されたことに憤り、質問及び要望事項を箇条書きにしてH市長へ提出してからすでに3週間がすぎた。

 ところが市民説明会開催の具体的スケジュールがいまだに明らかになっていない。市議三名は公開質問状に回答期限を入れなくても工事着工前に市民説明会開催がなされるようなスケジュールでH市長から回答があるものと思っていたのかもしれない。

 しかし、文書での回答がなく、市民説明会も開催されないまま工事着工がなされる可能性がある。
 そうなればわずかに残っている市議とH市長の信頼関係も完全になくなってしまうのだろう。今年度起債対象分の7000万円弱の工事開始は12月と聞いている。総事業費のわずか1%にすぎないこの部分が試金石になる。そして来年度起債分の行方は不透明である。病院収益の悪化が明らかになれば道庁と国は起債を許可できない。
 仕事の基本を無視した病院運営の中で、常勤医師はそれぞれの理由で次々と辞めつつある。信頼・正直・誠実・仕事の基本といった言葉を忘れたかのような医師招聘策も混乱の極みにある。そういうわけで病院収益の悪化は歴然としている。
 しゃにむに進めたら、病院赤字は年間20億円に達し、根室市の財政破綻を招来する危険域に入る。打つ手がなくなり、穴埋めするために職員給与の大幅削減を実施せざるをえなくなる。それが20%になるのか30%になるのかebisuにはわからない。市議が要求すれば財務課が計算してくれるだろう。
 H市長は三名の市議を怒らせないほうがいい。正直に誠実に対応するのが一番よい。否、そうするしか道はない。

 工事差し止め仮処分申請はできるが、そこまで3名の市議はやらないだろうとH市長はたかをくくっているのだろう。その通りかもしれないが、正直に・誠実に対応しなければH市長にとって事態がさらに悪化することになる。そこまでだろう。
 市議3名とebisuの動きはまったく別である。相互に自立しながら、結果を見れば連動していることになるのかもしれない。
 26日と27日に開催される第3回定例市議会で2会派を含む4名の市議が市立病院問題で質問をする。そのうち2名が要望書に名を連ねた議員である。

 それにしても、市立病院問題一つとってもたいへんな問題なのに、たったの二日間しか市議会を開催しないのはなぜだろう?病院建て替え問題一つとっても、たった二日だけで論議が尽くされるはずもない。おまけに質問時間は制限があって、たった25分しか許されていない。一問一答方式での質問すらできないというからあきれてしまう。誰がこのようなくだらない規則を作ったのだろう?市議会も市長もきちんと議論をする気があるように見えるだろうか?
 質問時間や質問の形式について議会改革が必要だろう?くだらないルールはさっさと廃棄すべきだ。
 議会改革調査特別委員会があるから、委員長殿、ぜひこれらの点も検討対象に入れてはくれないだろうか?


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*本田市議のブログに載った新病院建設事業の進め方に関する「要望書」
http://nimuoro.typepad.jp/honda/2010/10/post-d21d.html


#1246 地域医療改革の烽火(12):「最高条件は危険な状態」(宮脇昭) Oct. 18, 2010 [33. 地域医療改革の烽火]

 根室の町を省みる。市議選挙は20名の定員に対して21名の立候補。ご高齢の一人が前回に続いて落ちたのみで、新人数名がそのまま当選。既存議員も引退した者を除いて一つの例外もなくそのまま椅子を温め続けている。実質的な競争がない、凪である。

 市長選挙も前F市長が選挙直前の出馬取りやめ表明によって、H助役が無投票当選、市民の信任すら受けられない。
 そして今年9月、またも2度目の無投票当選。競争がない。
 オホーツクの海は風が強く、波の荒い日が多いが、陸は四十数年前の市長選挙を除いて凪だ。

 市政は市長と市議会という両輪が支えているのだが、そのどちらもが競争なし、それぞれにとっていわば「最高条件」にある。実質的な選挙がなく、そのまま席を温め続けることができる。

 こういう状態が長く続くと町のいっそうの衰退は避けがたい。加速的にふるさとの町の荒廃と衰退が起きる。いままさにそういうときだ。市立根室病院建て替えはそういう分岐点に起きた問題である

 植物生態学者の宮脇昭は最新の著書で次のように言っている。

「長いいのちの歴史を見れば、生物社会では最高条件はむしろ危険な状態といえます。生物は現状よりもよりよい生理的環境になるように環境を変え、個体数を増やしていきますが、すべての条件が満たされた最高条件になると、しばしば自分より競争力の強いものに取って代わられたり、また増えすぎて、過密からくる体内毒素の発生や酸素欠乏などによって自滅したりします。恐竜、マンモスなどの絶滅の例をはじめ、地球上のいのちの歴史がこのことを示しています。
 すべての欲望が満たされる生理的、物質的、エネルギー的な最高条件は、決して最適条件ではないのです。長持ちのするエコロジカルな最適条件とは、すべての条件が満たされる手前の、少し我慢を強いられる状態のことをいのちの歴史は示しています。」
  『三本の植樹から森は生まれる―奇跡の宮脇方式』16㌻、宮脇昭・祥伝社

 市民整備委員会や市議会病院建て替え特別委は「酸素欠乏」、オール根室は「体内毒素」、最近立ち上げられ、その後音無しの「根室まちとくらしネットワークフォーラム」はどちら?まもなく旗色がはっきりするだろう。33人もいれば、まともな根室人は必ず数人いる。その方たちがどういう決断を下すか、じっと見守りたい。

 9月末に市議3名が市民説明会開催を求めたことが唯一の希望、「長持ちのするエコロジカルな最適条件とは、すべての条件が満たされる手前の、少し我慢を強いられる状態」をふるさとの町に創り出すためにebisuは1246番目のブログを書いている。市民説明会を開催することが市政と市長にとって、少し我慢を強いられる状態だろう。

 他の町と比べて、根室の町に足りない要素は、学力とインテリ層だ。自分の頭でしっかり考え判断する。仕事に必要な専門書を独力で読み、理解し、駆使できる、そういう基礎学力が多くの分野で不足している。適確な総合判断を支える、教養の深みが足りない。
 そして責任ある立場のものに不足し求められているのは、私的利害を離れて公益と云う立場に立って考え行動することのできる道徳心、公共心、公徳心などだろう。
 陸に強い風を吹かそう。ふるさとも町を自ら守るために、風の渦を創ろう。
 「どどっと、どう・・・」

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三本の植樹から森は生まれる 奇跡の宮脇方式 (祥伝社ポケットヴィジュアル)

三本の植樹から森は生まれる 奇跡の宮脇方式 (祥伝社ポケットヴィジュアル)

  • 作者: 宮脇 昭
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2010/03/31
  • メディア: 新書

 牧の内の水源地の周りを、根室本来の植生であるミズナラなどの多様な樹種の林で囲みたい。植生調査をし、ドングリを拾い集めてポットでドングリを育て、移し変えて苗木に育てて、植樹する。全国、いや全世界に広がりつつある宮脇方式だ。子供の教育上よい材料だから、言い出してやってくれる学校があるとうれしいな。根室の水源地の環境を守る、町おこし運動はこんなことからも可能だ。

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*#1960 宮脇翁の提言:命を守る森の防波堤構想=震災瓦礫処理 June 3, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-03-2

#1313 水源地である牧ノ内ダム周辺への植樹 :かれこれ17年目 Dec. 24, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-24

#1042 水源地を300メートルの森林の帯で取り囲もう May 27, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-26

#1289 天使の森計画(根室) Nov. 25, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-11-25

#1246 地域医療改革の烽火(12):「最高条件は危険な状態」(宮脇昭) Oct. 18, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-18

#196「市民の森」オープン(北海道新聞より)2,008年6月8日
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-08


#1245 地域医療改革の烽火(11): 院内情報システム(3)システム開発と経営改善 Oct. 17, 2010 [33. 地域医療改革の烽火]

【システム開発は経営改善のチャンス】
 システム開発は大きな経営改善のチャンスである。民間企業では経営改善の一環としてシステム開発が行われているが、市立根室病院の院内情報システムにはそのような形跡がない。
  経営改善という目的意識を欠いているからこそ、売上規模がたかだか22~25億円に過ぎないのに、7億円ものシステム投資をするのだろう。このような過剰な投資は採算を悪化させるだけで、引き合うはずがないのである。
 H市長以前は6億円、H市長になってからは10億円超、昨年は11.7億円の実質赤字だから、パッケージソフト選定に当たってはコストが安くて品質や機能はそこそこのもので我慢するというのが選定基準になければならない。どうだったのだろうか?

 この7億円について私は中身を知らない。以前は5億円とされていた病院建て替えに伴うシステム投資がなぜか今年3月に7億円に増額されており、ブログで叩いたとたんに、同じ月内に突然に総事業費から外されたことを知るのみである。
 病院事務局は病院建て替え特別委にすら、詳細を説明していないようだ。私は何がどうなっているのか知りたい。常識外れの高額だからである。150ベッドだと全国どのソフト会社の提供するパッケージを使っても4億円程度だという業界内部の人のコメントもあった。7億円なんて例は一つもないだろうと。
 繰り返すが、病院建て替えと共に予定されていたシステム投資がどうなっているのか私にはまるで分からない。寄せられる断片的な情報を集めて眺めるばかりである。どういう絵柄になるのだろう?

【システム開発と経営改善の実例1】
 さて、民間会社の場合を紹介しようと思う。業種は臨床検査である。平成3年だから1991年のことだ。買収した赤字子会社の経営改善のために、本社の子会社管理部門としてシステム開発に関わったことがある。4月の健診時に業務量が膨れ上がるのだが、処理量に制限があり受注制限せざるをえなかった。みすみす売上を逃していたのである。
 システム開発はIBMのリレーショナルデータベースマシンAS/400とラボ内のシステムにもう一台別のマシン(RS/6000)使って処理量を4倍にあげることにあった。投資額は1.5億円程度だった。業務の生産性を飛躍的に上げると同時に業務精度も上げることを目的にしていた。
 シミュレーションで予定していた以上の成果を挙げ、翌年から赤字会社が黒字へ変った。
 システム投資の稟議書には、システム開発の狙いとその効果をシミュレーションした損益計算書が添付されていた。赤字会社を黒字にする狙いで開発したシステムで、そういう思想で実務設計がなされた。だから実務設計の巧拙が経営改善の成否にかかわる要点なのである。それぞれの仕事の仕方がシステム導入以前とはまるで変ってしまう

【システム開発と経営改善の実例2】
 もう一つ、臨床治験の合弁会社の経営を任されたことがある。96年ころのことだ。国内最大手T製薬向けに開発したシステムを標準システムに仕上げパッケージ化した。NTサーバーを使ったシステムだった。システム屋2名にT大院出身の応用生物統計の専門家である社員とベテランの業務担当者(薬剤師)のチームでやった。この応用生物統計の専門家の基礎学力は高かった。統計専門ソフトのSASが扱えるだけでなくC++でプログラミングもできた。システム屋と応用生物統計の専門家相互のコミュニケーションがスムーズにそして適確に行われた。お互いに専門用語で話しができる、回りくどい説明が要らない。相互に相手のいうことを理解できる。もちろんデータ管理業務に関する専門知識はメンバー全員が共有している。いいメンバーに恵まれたといってよい。類は友を呼ぶで、不思議と良質のメンバーが集まるということにでくわした。そういうときは必ず時代の先端を行くような仕事が可能になる。
 話しがそれたので元に戻そう。ツールとして使ったNTサーバーと統計専門ソフトSASに数百万投資しただけである。
 人件費は固定費だった。特別にかかった費用は開発期間中の残業手当てくらいだろう。業務上必要があり、暗号システム*の勉強会も開いた。最先端の技術だからテキストは米国で出版されたものだ。システム屋やデータ管理業務の責任者だけでなく、システムに好奇心の強い経理課長まで参加した。
 2000万円程度のその部門の売上が、翌年には2億円、その翌年は3億円だった。コストは10%程度で、90%は粗利益を増加させたから、利益への貢献度は高かった。赤字部門を切り離して合弁会社を設立したのだが、あっという間に黒字化できた。経費は増えていない。それ以前の人数で処理できた。
 黒字化にはシステム開発が重要な役割を果たした。パッケージシステムを開発したから、「金太郎飴方式」でユーザーニーズに合わせて出力部分を調整するだけでほとんどただ同然で、個別顧客ごとの管理システムを提供できた。元々のシステムは3000万円ほどかかっていたが、それをNTサーバーに乗せ換え、機能を強化しただけである。製薬メーカーからはパッケージ代金として500万円ももらえば十分だった。
 このパッケージシステムを武器にして、販売促進ができた。受注額が急激に伸びたのである。コストはほとんど変らない。赤字企業が黒字になるのは当然のことだった。
 このように赤字企業が黒字にするには、経費を切り詰めるという観点からは生まれてこないものだ。智慧の勝負である。システム開発によって営業上の強力な武器をつくり、コストのかからない売上を増やすことによって実現できた
 顧客も従来に比べて非常に安い金額で、しかも精度を飛躍的に上げて仕事を安心して外注できる。社内での解析作業がまるで違ってくるのである。「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」の世界を構築することこそが、赤字企業を黒字化する要諦だろう

【システム開発と経営改善の実例3】
 このように民間企業のシステム開発は経営改善のツールとして行われるケースがほとんどだろう。もう一つ、84年に東証Ⅱ部上場要件クリアのための統合システムを担当したことがあるで紹介しておこう。月次決算が1ヶ月と10日くらいかかっていた。作成される財務資料の精度は上場要件に程遠いものだった。それが統合システム稼動後はたった3日で月次決算がすんだ。数百ページあった固定資産台帳も統合システムはでーたを渡すためにシステムを作り変えた。固定資産税申告書作成作業に4人2ヶ月かかっていた業務が、一人一日で済むようになった。コンピュータシステムを上手に開発すると、資料の精度は比較にならないほど上がるし、業務によっては生産性も数十倍に上がってしまうことがある。その効果は驚くばかりだ。
 上場要件である予算編集から固定資産税申告書作成機能まで含んだ固定資産台帳管理システムの開発費は2百万円程度だった。システム仕様書を1週間ほどで書き上げ、業者に手渡した。
 予算編成作業をシステム化し、財務会計システム、販売管理システム、購買在庫管理システム、原価計算システムが統合システムとして稼動することによって、月次決算が締め後3日で出力できるようになった。予算管理制度は飛躍的に向上した。利益の予測誤差は数分の一になった。従来は年次でしかできなかった原価計算が月次決算単位でできるよになり、ラボの原価管理は月次単位で可能になった。もちろん、営業部門や本社部門もである。
 ebisuが担当したのは財務会計・支払管理システム仕様書と各システムとのインタフェイス仕様書の作成、固定資産管理システム開発であった。システム間インタフェイス仕様書作成には1週間ほどかかった。相手側の業務やシステムに詳しくないと仕様の定義はできない。

 上場企業では8%の利益が1%ずれただけでも問題である。原因究明をして予算精度を上げなければならない。
 市立根室病院の予算は事業収益が22~25億円にすぎないのに、実質赤字8億円の予算が11.7億円になるような杜撰なものである。上場企業がこのような杜撰な予算管理をしたら、すぐに証券取引法上の問題になる。そのような無能な財務担当取締役はいられない。

【システム開発と経営改善の実例4】
 80年代初頭に産業用エレクトロニクスの輸入商社で為替管理、納期管理、円定価システムなどを組み合わせて稼動させたときには、為替変動から会社の業績を完全に切り離すことに成功した。売上高粗利益率は28%から40%代半ばまで上昇した。安定して高い利益率を上がられるようになった。店頭公開への条件の一つは「安定した利益」である。システム開発によってこの会社は高収益の会社へと生まれ変わった。

【システム開発と経営改善の要諦】
 経営改善と業務精度の向上、生産性向上を目的としてコンピュータシステムを開発するときに最重要なのは実務設計である。これの巧拙が結果を左右する。

【市立根室病院はいったいどうなっているの?】
 わたしはそういう目で市立根室病院の院内情報システムを見ていた。だが、市立病院はパッケージシステムを導入しただけ、カスタマイズはしていないようだ。経営改善効果が見えないのは経営改善効果の小さいパッケージだったからだろうか?それとも業界のレベルが低くて経営改善まで狙ったパッケージが開発されていないのだろうか?
 システム導入後にどれほどの経営改善がなされたのか不明、不明どころか赤字の額は6億円から11.7億円にまで膨らんでいる。これはシステムのせいではないが、導入したパッケージシステムが経営改善の役に立たないものであることは明白だろう。たんなるリプレイスだ。経営のバランス感覚やコスト感覚が麻痺しているとしかいいようがない。民間会社なら自殺行為だろう。このような無謀な投資をしたら経営破綻する。自治体病院は足りない資金は一般会計から繰入をするだけのことだから、なかなか歯止めがかからない。気がついたときには一般会計から補填がしきれないほどに、赤字額が膨れ上がっているようなことになる。それが現在の根室市だ。69億円もの巨費をかけて建て替えを強行すれば、夕張市のようなことになるだろう。

 さて、そのシステムのリプレイスはいつから行われ、いくらかかり、これからいくらかかるのか、その詳細を病院事務局は市民説明会で資料を公表して説明すべきである。もちろん市議会や病院建て替え特別委にも。
 早々と解散してしまった「市民整備委員会」はいったいなんだったのだろう。やはりただの翼賛諮問機関であったとしか言いようがないではないか。

*コンピュータセキュリティと暗号システムの勉強会に使ったテキスト、最新版は2006年の第4版である。当時は邦書で暗号システムに関する適当な専門書が見つからなかったので、この本を選んだ。新宿紀伊国屋書店で購入したのか日本橋丸善だったのか定かではない。オフィスが日本橋だったのと通勤途中に新宿駅で乗換えだったから、どちらかよく覚えていない。東京は洋書をずらりとそろえた大書店があるからありがたい。手にとって中身を確認して買うことができる。根室に戻ってamazonで洋書を注文するときは手にとって見るまでわからない。

Security in Computing

Security in Computing

  • 作者: Charles P. Pfleeger
  • 出版社/メーカー: Prentice Hall
  • 発売日: 1996/09/16
  • メディア: ハードカバー



**補足 
【臨床病理学会臨床検査項目コードについて】
 日本では2年ごとに保険点数が改定される。80年代は改定される都度、各病院では病院内のシステムに改定後の保険点数のマスター登録変更作業が発生していた。全国的に見れば莫大な工数が発生していた。社会の無駄といってよいだろう。
 ebisuは1985年に臨床診断支援システム開発を試みたことがある。200億円の稟議に当時の社長のFさんは簡単に判を押してくれた。それでフィジビリティ・スタディをやってみた。NTTデータ通信事業本部と共同で開発する予定だった。当時のコンピュータや回線の速度が要求仕様に満たず、フィジビリティ・スタディ段階で計画を断念した。15年早すぎた企画だった。
 プロジェクトを10個くらいに分解していた。その中の一つに臨床検査項目コードの標準化があった。臨床診断支援システムは検査項目コードを標準化しないと動かないからである。社内の臨床検査部の女性部長Kさんとシステム開発部のKさんの両名の協力を得て、臨床病理学会項目コード検討委員会委員長だった自治医大のS教授に事情を打ち明けて要になっていただいた。臨床検査大手6社の協力を得て産学協同による項目コード検討委員会が立ち上がった。成案を得るまでに5年ほどかかった。
 全国の病院が使うのだから成案は臨床病理学会項目コード検討委員会から公表された。臨床検査項目コードの日本標準がこうしてできた。残念ながら当初狙っていた世界標準にすることはできなかった。
 いまでは、管理事務局のSRL社から2年ごとに臨床検査の保険点数が改定される都度、標準コードによる保険点数データが提供されているはずだ。病院内のパッケージのマスターはこの情報を読み込むだけでいい。全国の病院が一斉にやっていた煩雑で手数のかかるマスター登録変更作業はなくなった。

 ebisuは製薬メーカ向け臨床治験にかかわる小規模なパッケージソフト開発を指揮した経験がある。そういう経験から病院システムのパッケージ4億円という価格は法外に見える。そんなにかかるはずがないだろうから、この事業分野はドル箱だろう。
 ユーザ数が20施設を超えれば、パッケージ本体は数千万円、セッティング費用を2~4千万円いただけば十分ではないだろうか?どんなに高くても1億円だ。
 システム開発から離れて久しいので最新事情にも技術にもebisuはとんと疎くなってしまった。「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」か。
 老兵は、消え去る前にちょっとだけふるさとの役に立ちたいと願う。
 批判が目的ではないのだよ。いつでもボランティアとして協力する用意があっての批判だと言うことを理解してもらいたい。根室を夕張にしたくないから、書いている。
 不正直でずるい奴が出世する世の中かもしれないが、誠実に正直に仕事をしたいと思う職員も少なからずいる。そういう人たちと一緒にふるさと根室を支えたい。

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**#1240 「地域医療改革の烽火(9):院内情報システム(1)」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-14

 #1242 「地域医療改革の烽火(10):院内情報システム(2)業界内部情報」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-15-1


#1242 地域医療改革の烽火(10):院内情報システム(2)業界内部情報 Oct. 15, 2010 [33. 地域医療改革の烽火]

 病院情報システムに関して、業界内部の人から書き込みをいただいた。前回のブログ「#1240 地域医療改革の烽火(9):院内情報システム 」の続編あるいは追加情報としてお読みいただきたい。

こんにちは。いつも参考にさせて頂いております。
病院情報システム関連の企業に勤めている者です。
今回の件について、少し情報を書き込みさせて頂きます。
根室市立病院のシステムですが、パッケージソフトで
あるようですが、おそらくカスタマイズはほとんど行って
いないと思います。今はどこのシステム会社もカスタマイズ
は行わない方針となっています。
カスタマイズするのは大学病院のような大病院に限られて
います。
150床程度の病院でしたら、どこのシステム会社が導入
しても高くて4億円です(5年分の保守料込み)。
7億円は、400床くらいの急性期病院の価格です。
日本中どこを探しても、150床で7億円も掛けている
病院はないと思います。
システム会社は4億円以上の利益が出ているはずです。
根室市は価格調査や見積もり合わせなど行っていない
のでしょうか。

by ねこすけ (2010-10-15 09:23)

 これが現実なのだろう。病院事務局はあまり情報を公開したがらない。市議会特別委も及び腰だ。
 ブログは愉快だ、ひょんなところから、専門家が協力してくれる。システム“も”だが、基本に忠実に、そして正直で誠実な仕事をすれば予算の半分程度でやれる。だからこそ、ゼロベースでの見直しが必要なのである。

 ハンドルネーム“ねこすけ”さん、ご協力ありがとうございます。
 猫語で感謝 “ニャーオォン” m(_ _)m

【ebisuの目標】
1. 総事業費を69億円から35億円程度に小さくし、病院建て替え後の経営上の負担を軽くする。そのために、計画をゼロベースで見直すこと。
2. 療養病床やレイアウトも含め、何度も市民説明会を開催して、理解と納得ずくで速やかに建て替えを行うこと。
3. 関係者それぞれに、基本に忠実に、そして正直で誠実な仕事をしていただくこと。



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#1240 地域医療改革の烽火(9):院内情報システム(1) Oct. 15, 2010 [33. 地域医療改革の烽火]

 夜中から雨が降っていたが、昼からは時折ぱらつくだけだった。夜の気温は10度、あと一月もすれば雪に変る。季節の移ろいは速く、人の歩みは遅い。

 さて、院内情報システムについていくつか分かったことがあるので、以前書いたブログの内容を訂正しておこうと思う。
(病院事務局はホームページ上で出来る限り情報を公開すべきだ。もちろん、建て替え特別委のメンバーにもだ。情報を隠しすぎると誤解を招く。もっとも、公開できない事情があるのはわかる。不都合な部分が多いからだろう。また、ebisuは神経に障るようなことを書く。)

 “スクラッチ”ではなく、パッケージシステムを導入したようだ。どこの会社の製品かはトンと検討がつかぬので、存知よりの方がいたらコメント欄で開示してもらいたい。

 ebisuの情報は古いが、通常はパッケージ本体は高いもので数千万円だろう。だから、7億円と云うのは現場の業務にあわせて、無謀なカスタマイズをしてしまったか、選んだパッケージが途方もない高額だったかどちらか、あるいは両方だろう。

 病院組織を見てもシステム管理部門がないから、システムの管理は外注されているようだ。メンテナンス要員とSEは別だ。院内にメンテ要員がいることになるだろう。
 院内にいる専門家はその人だけだろう。彼または彼女が自分の系列メーカーのパッケージソフトを薦めるのは、当たり前だ。薦められるままに、高額のパッケージあるいはニーズに合わないパッケージをそれと知らずにカスタマイズすることに決めたのか、それともパッケージ選択後にその系列のメンテ業者を探したのかどちらかだろう。このあたりも、病院事務局の情報開示がないとわからない。

 他のソフトハウスのパッケージも検討すべきだった。もっとニーズにあった柔軟なそして安価なパッケージソフトが見つかっただろう。
 もう少し言うと、コンピュータメーカのパッケージソフトだけではなく、ソフトハウスのパッケージソフトを比べるべきだった。それが仕事の基本ではないだろうか。

 コンピュータの専門家でないからといって、病院事務局側でだれも医療やコンピュータシステムについて専門的な学習しようとしない、そういう仕事に対する姿勢が問題を引き起こすことを知ってもらいたい。

 誰でも最初は素人である。だが、専門書と格闘し、実務をこなすうちに次第にその道の専門家に成長していく。利用者側がシステム開発の専門知識を蓄積し、メンテナンス要員とコミュニケーションしないと、メンテ要員はなかなか成長できない。メンテ要員を成長させることができるのは、自身の向上心と利用者側の向上心のぶつかり合いだろう。
 向上心の相互緊張関係が無ければ仕事のレベルはどんどん下がり続ける。あたかも市政と市議会のように。

 コンピュータシステムを外注要員に任せっぱなしでは、誰に職務上の権限があるのかは知らないが職責を果たしていない。コンピュータに関する知識を蓄積してこなかった病院事務局の当事者の基礎学力レベルは果たして仕事を担いうるものだろうか?
 根室の子供たちの学力は残念ながら全道最低レベルである。北海道が全国最低レベルだから、根室は全国最低ということになる。こうして大人の仕事のレベルを観察・分析してみると、子供の学力低下はすでに大人の仕事の世界に表れていると嘆かざるをえない。

 いまどきコンピュータを使わない病院はない。にも関わらず、何も学習をせずにいつまでもシステムに素人同然だったら職責を果たせるはずがない。学習期間は十分あったはずだ。
 いったい何を基準として人事をやっているのだろう?

 もう一度簡単におさらいしておこう。私の結論はこうである。
 病院事務局はパッケージを導入した。そして業務の見直しやあらたな実務設計による実務改革はまったくなされず、千載一遇の経営改革のチャンスを逃した。
 基本仕様を院内で詰めずに見切り発車したために、当初5億円だった開発費が7億円に膨れ上がってしまった。コスト意識もなく、じつにイージーな仕事である


 これが、真相に近いだろう。もし違っているなら、病院事務局は誰でもいいからコメント欄で具体的に説明されよ。ebisuは反論を削除しないし、重要な間違いがあった場合は本欄でも取り上げる。私も普通の市民同様に、本当のことが知りたい。H市長は病院建て替えに関しては、不都合な事実を隠し、市民を欺き続けてきた。

【目的】
 総事業費を69億円から35億円程度に小さくし、病院建て替え後の経営上の負担を軽くする。そのために、計画をゼロベースで見直す。
 療養病床やレイアウトも含め、何度も市民説明会を開催して、理解と納得ずくで速やかに建て替えを行う。
 
*(注1)
 インターネットが普及した90年代半ば以降は、メンテナンス要員の常駐は激減しているというから、わが市立病院もメンテナンス要員は常駐ではないかもしれない。院内に担当組織が無いからいずれにしろメンテナンスは外注だろう。メーカがメンテナンス業者を指定したのか、病院のほうで探したのか不明だ。契約関係や年額いくらメンテナンス料金を支払っているのかも。公開されている議事録等に載っているのを発見した人はebisuに教えてほしい。
 そして院内情報システムのことを知っている人がいたら、差し支えない範囲で情報を開示してもらいたい。病院システムについては金額が7億円と巨額なのに開示されている情報がほとんどない。このような情報を隠しておく必要はないと思う。(15日午前11時35分追記)

*(注2)
 私のいた会社は84年にあるメーカーの当時国内最大クラスの汎用大型コンピュータを導入して、たいへんなトラブルに見舞われたことがある。3ヶ月ほど本社・営業・検査・業務部門から応援部隊をだして急場を乗り切った。最大クラスだったためにOSがほとんど他で使われておらず、OSに関わるバグがでたことや、このメーカのソフト部隊の能力が当時は低かったためだ。まさかいまでもそのようなことはあるまいと思うが、F社という。
 90年代中葉ににサーバーシステムに切り換えた。当時は歴代のシステム部門の責任者が素人同然だったので、メーカ主導だった。当時私のいた会社を担当していたF社のソフト部隊はレベルが低かった。
 個人的な経験だが、コンピュータの性能の悪い他社あるいは他社系列のソフト部隊のほうが当時は腕のよいSEがいた。ソフトで勝負するしかないからだろう。
 直接仕事した経験があるので、経験の範囲内で言いきれる。ひとりは一部上場会社O社の取締役となっている。もう一人は店頭公開ソフトハウスN社の取締役だ。もう一人一緒に仕事をしたNEC情報サービスのトップレベルのSEのその後の消息だけは知らない。お付き合いが短かったからだ。
 F社について笑い話のようなエピソードがいくつかあるが、いまとなっては懐かしい思い出の一部だ。90年代半ばまでのことだが、本当にレベルが低かった。会社の姿勢にも問題があった。すべて具体的な根拠のある発言である。

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#1239 地域医療改革の烽火(8):仕事の段取りと優先順位 Oct. 14, 2010 [33. 地域医療改革の烽火]

 歯舞のお祭りがあって、そのあと花咲港のお祭りが数日前にあった。これが根室の地域祭りの最後である。後一月もしないうちに初雪が降るだろう。ブログのコメント書き込みもずいぶん落ち着いた。これでいい。問題があるうちは、ebisuは静かに坦々と書き綴る。たぶん、それが趣味に合っている。

 北海道新聞根室地域版によれば、昨日(12日)の市議会でH市長は「経室再興へ3プラン」を公表したという。
 1.「産業活性化プラン」
 2.医療や福祉を対象とした「生活安心・安らぎプラン」は市民の幸福度向上を目指す
 3.「未来の活力創出プラン」

 具体的な内容は総合政策部が策定すると書いてあった。
 仕事は段取りが7割だ。病院建て替えは段取りの不手際が続いて二転三転し、ニホロ移転案から数えても8年は経っているのではないだろうか?

 総事業費が55億円から1ヶ月で62億円に跳ね上がった理由に、ヘリポート、電気工事の増額、外来診察ブース増設などがある。他にも市民要望のいくつかを切ったから基本設計のやり直しがその都度発生し、業者への支払(総事業費)が膨れ上がっている。仕事の基本を外すからこういうことが起きる。こういう仕事をしたのは現在の事務長で、前職は建て替えの責任者だったと聞いている。間違いがあれば、どうぞコメント欄へ書きこまれよ。記事に客観的かつ重要な間違いがあった場合はebisuは本欄で訂正する。

 たとえば、外来診察ブースをドクター要望と称して10個も増やし32室にした。そのせいで待合室は切り刻まれ、現在と似たような「廊下兼用待合室」になったのだろう。あとから付け加えられたヘリポートも駐車場工事の変更を引き起こしただろう。喫茶コーナーなどの切り捨てもレイアウトの変更を余儀なくしたに違いない。その都度仕様変更によって業者へ設計し直し作業が発生する。

 まるで子供の仕事に見える。仕事のやり方、順序が違うだろう。本来はさまざまな要求仕様をまとめ、それらに優先順位をつけて、予算の範囲内に納めるのが普通の仕事のやり方であるこういう仕事は積み上げ方式でやってはいけないのだ。予算額がいくらでも膨れ上がってしまうからだ。
 病院事務局のやった仕事はシステムもレイアウトも「御用聞き」をやるのみで、それを設計業者へ次々に丸投げしただけのように見える。当然のごとく仕様変更だらけだろう。できあがるシステムはツギハギだらけのメンテナンス困難なものになる。業者側の開発担当者しか理解できないシステムになりかねない。そして、普通のスキルのSEなら、他の会社への転職はありうることだ。メンテナンスは大丈夫だろうか?「普通ではないやり方」をするとツケは必ず回ってくるものだ。システムに関する情報が特別委にすら公開されていないので、一般的な話になるが、パッケージ本体を上回るようなカスタマイズは避けたほうが賢明である。後のことをよく考えよう。
  利用者側にシステムの専門知識のある者が一人もいないのではないか?導入前に必要な勉強はするのが当たり前だろう。中高生の時期に夢中で勉強したことのない者ばかりの集まりなのだろうか?仕事なのにどうして必要な専門知識を学ぼうとしない?それでは開発予算管理などできるはずもない。この点でも基本を外したお粗末さが露呈している。

 建築は基本設計の前に基本仕様の詰めをやらなければならないのだが、基本仕様の詰めを十分にしないまま、市民に基本仕様すら明らかにせずに、業者へ建物基本設計を発注した。2度もである。その支払額はもう7000万円を超えているのではないか?

 レイアウト、システム、医師招聘と一連の仕事を観察・分析すると仕事の手順・基本・段取り・優先順位を無視したお粗末な点が目に付く。末端の職員がやっているのではない、市長の指示で市長のメガネにかなった幹部職員がしているのだろう。

 3プランを担う総合政策部は大丈夫だろうか?仕事の段取りができるのだろうか。優先順位はつけられるのだろうか?心配だなあ。
 
 「根室再興へ3プラン」は大丈夫か?
 病院建て替えと同レベルの仕事は勘弁しろ。
 しっかり、大人の仕事をしてもらいたい。 

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#1238 地域医療改革の烽火(7):市政批判は根室のタブー Oct.13, 2010 [33. 地域医療改革の烽火]

 友人に市議会の傍聴をしないかと誘ったことがある。言下に断られた。期待に反した答だったので理由を聞いてみたら、こういうことだ。
 「紙に住所と名前を書くだろう?あれを書いたらどう思われるか知れたものではない。」

 危ないというのである。兄弟や親類が市役所に関係していたり、市役所と取引関係があれば嫌がらせがある、迷惑がかかるという口ぶりだった。高校卒業以来35年間ふるさとから離れていたから、事の真偽はまったくわからないが、ずっとふるさとに暮らし続けた団塊世代のかなりの割合が同じ危惧を抱くようだ。真偽のほどは不明ではあるが、そういう雰囲気は霧とともに町に立ち込めている。これもわたしは唾棄すべき根室の旧弊と呼びたい。

 市議会議員削減に市民4団体が立ち上がり署名運動まで展開したが、市の財政が破綻するかもしれない69億円の杜撰な病院建て替えに、反対の意思表明をした市民団体はない。
 市議定数の削減は市政への反対表明ではないが、病院建て替えを1年延期し、半分の35億円へコストカットしてやり直そうというのは痛烈な市政批判である。

 市政批判は根室のタブーであり、共産党を除くどの党派も、あるいは無所属議員も、市政に反対したことはほとんどない。戦後65年間ずっとそういうことを続け、市政批判がタブーとなっている不思議な町である。

 「オール根室」とか「根室MKNF」とかという翼賛団体はいくらでもできる。そして市政批判はますます封じ込められ、町は衰退を続けてきた。


 そろそろノーと言わなくては、根室の町が夕張市と同じになる。自立した市民による連帯だけが市長の暴走をとめられる。 

 昨12日に無投票当選市長の所信表明演説が第3回定例市議会であった。市側提出の議案に対して、26日代表質問、27日一般質問が行われる。市議がどういう質問をするのか、H市長がどのように答えるのか、暇がある人は気楽に傍聴に行ったらいい。30くらいしか席がないが、びっしり埋まれば市長も市議たちも驚くに違いない。
 市議会の傍聴席には新聞社の記者以外ほとんど市民のいたためしがない。市民が無関心を決め込んでいると人気(ヒトケ)のない傍聴席をみて、H市長はますます市民をないがしろにして好き勝手のし放題になる。
 根室に市立病院を維持したいなら、そして夕張市のような財政破綻市にしたくないなら、そろそろ市政に関心をもとうではないか。そして反対する勇気も。
 
                (...どうだ、いつもよりも短いだろう)(笑い)

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#1237 地域医療改革の烽火(6):院内情報システム7億円のバカげたはなし Oct.12, 2010 [33. 地域医療改革の烽火]

 市立根室病院の売上は22~25億円である。この程度の売上規模の民間会社で7億円ものシステム投資をする会社は日本中を捜してもないだろう。

 私のいた会社は、84年当時売上は300億円、経常利益が36億円ほどあっただろう。その会社が東証Ⅱ部上場のために6億円のシステム投資をしたとき、監査法人のトーマツからⅡ部上場でこれほどシステム投資をした会社は例がないと言われた。

 市立根室病院は年間の実質赤字が10億円を超える。昨年度は11.7億円だった。

 建て替えられる病院の外来診察ブースは数え方にもよるが、32ある。どう数えても30はある。135ベッドでこんなに外来診察ブースがいるのだろうか。待合室は今までどおり壁と壁の間、通路である。なんてセンスの悪い設計だろう。こういうレイアウトは40年前のものだろう。
 かくして外来診察ブースは医者の数の2倍となった。このような実務設計ではそうなってしまう。実務の設計しなおしがされるべきだったが、手抜きされた。
 眼科×4診療室、整形×3、産婦人科×6、・・・、小児科×5、・・・

 さて、このことから何が言えるのだろう。現在とまったく同様のフローを前提にしているということである。何の進歩もないということでもある。一番楽な仕事と言い換えてもよい。システムや効率を見直すチャンスだったはずだが、まったくそういう形跡がない。ただただ、現在の実務をそのまま新しい建物に移し変えただけである、驚いた。

 カルテの集中管理など考慮外だったのだろう。仕事のレベルは最低だ。

 ずいぶん以前にクラウドさんというハンドルネームのコメント主も主張していたが、クラウドシステムは無理でも、院内情報システムはパッケージシステムを検討すべきだった。費用が比較にならない。

 パッケージに院内の業務を合わせれば、建物内部のデザイン、少なくとも外来診察室はまるで違ったものになっただろう。ブースの数は10は減らせただろう。患者の待合スペースは廊下ではないところに、広いスペースが取れたに違いない。
 どのようなパッケージシステムがあるのか私は知識がないが、全国に病院は何千とあるから、パッケージシステムの種類は多いだろう。予算額は入り口と出口部分のカスタマイズを入れても、1億円程度で済んだのではないだろうか?予算に見合うパッケージシステムを選べばいいだけだった。

 電子カルテはいまや常識の部類に属するが、それすらない。自前で一からシステムを作る時代ではとっくにない。院内の業務に知識の乏しいシステム屋や、システム知識も医療に関する知識も乏しい事務屋がシステム仕様をまとめたら、後から仕様変更でどれほど予算額が膨らむかしれたものではない。
 それが、5億円からこっそり7億円に増額された理由だろう。システム概略仕様をきちんと文書化できていたら、このような増額はありえない。

 いまからでもいい、今やっているシステムは中止すべきだ。そして1億円以内のパッケージシステムを入れるべきだ。パッケージシステムに業務を合わせるべきだ。

 7億円もかけたら、メンテナンスに年間7千万円程度はかかる。院内にシステム屋を抱えても年間3千万円は出て行くだろう。
 いったいどういう考えで、システム開発をしたのだろう。現行業務を見直さず、そのままシステム化しようとしたのではないか。考えられる中でもっとも愚かなやり方だ。

 なぜもっと視野を広げて検討しなかったのだろう?パッケージを使うかどうかの議論はしたのだろうか?検討経過を示す具体的な資料を精査したいものだ。仕事の基本が分かっていない。

 仕事は正直に誠実にやるべきだ。知らなければ知っている者に聞けばいい。知った振りしてやるとこういう風に大怪我をする。怪我をしても病院だから大丈夫だって?洒落にもならない。

 根室の小中学生の学力は全道14支庁管内最低である。先ごろ行われた中間テストでも数学10点以下が市街化地域の3校では20~30%もいる。昔なら5段階評価で1だろう。そういう生徒が20~30%もいる。
 当然大人のレベルも疑わしくなる。院内情報システム開発を分析すると、幹部職員の学力や仕事の基本的能力を疑わざるをえない。それは、院長と事務長の医師招聘にも現れていることは数日前のブログで書いたから再説しない。仕事の基本、報・連・相すら無視するお粗末なものだった。病院管理者である院長も事務長もしっかり勉強しないとマネジメントはできないということだ。子供たちの学力低下よりも、市幹部職員の能力不足のほうがはるかに深刻である。仕事の基本すら知らない実態が次々に明らかになっている。どの問題も同じところ、幹部職員あるいは市長の仕事の能力不足に行き着く。基礎基本がなっていない。
 まるでお子ちゃまが総事業費69億円(院内情報システム開発費を入れるとそうなる)をもてあそんでいるかのようである。
  正直にそして誠実に、報酬に見合う大人の仕事をしてもらいたい。

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*13日追記
 どうやら院内情報システムはパッケージシステムのようだ。7億円のパッケージシステムとはどういう選択だろう?22~25億円の売上規模でやはり大きな疑問の残る選択である。当初5億円がなぜ7億円になったのかについても、市議会や特別委にすら説明がない。
 パッケージ・システムはパッケージそのものは通常それほど高くない。問題なのは業務をいままでのままにして、パッケージを現行業務に合わせるような仕事をした場合だ。パッケージ本体よりもカスタマイズ部分のほうが金額が大きくなる。通常はパッケージに業務を合わせるのが、パッケージを導入する際の一般的なやり方である。パッケージ本体部分がいくらで、カスタマイズ部分がいくらなのだろう?やはり仕事の仕方に疑問が残る。ホームページ上で情報を明らかにしたもらいたい。


#1236 地域医療改革の烽火(5):根室市の医師招聘政策に対する痛烈な批判: コメント欄より Oct. 11, 2010 [33. 地域医療改革の烽火]

 体育の日だ。昨日は終日雨降りだったが、今日は晴れている。雨上がり、秋晴れの根室の空気は美味しい。そこのあなた、ブログなんか読んでいないで、外に出て美味しい空気を吸おう。そのあとでちょっとだけ読んで欲しい。

 明日(12日)第三回定例市議会が開かれる。H市長が所信表明演説をするそうだから、その医師招聘策がどのようなもので、大学医局がどう思っているのかを市民も市議も知っておくべきだろう。

 コメント欄に、根室の医師招聘政策についての痛烈な批判が最近寄せられている。
 市長の医師招聘策を褒め称えている「オール根室」の面々は頭を冷やしてよ~くお読みいただきたい。読んで熟慮し、舵を切っていただきたいと思う。市長、院長、事務長、何を馬鹿なことをやっていると。
 同時に、先ごろ華々しく立ち上げられ、音沙汰なしの「根室まちとくらしネットワークフォーラム」のメンバーも。動きが遅いところを見ると、現役引退の老人クラブだったかもしれないが、根室の市財政が破綻すれば困るメンバーも少なくないだろう。仕事は減るし、補助金関連事業は大幅にカットされざるを得ないから、他人事ではすまない。火の粉はかぶることになるだろうから、方向転換するならいまのうちだ。夕張市のように手遅れになってはどうしようもないぞ。

 読みようにとっては「落語」かもしれない。話の内容は深刻だが、失礼ながらその口調が時代がかり頓知が利いていて、実に楽しく面白いからだ。
 では、匿名投稿を紹介する。流れの都合上、ebisuのコメントもはさんであるが、読み飛ばしてくれていい。

出演者:最初は“勘弁しろ!”殿、“医局とは”殿、最後の締めは根室市民ハンドルネーム“サンマ漁師”殿。

 ニムオロ塾はコメント欄に好い出演者が増えずいぶんと楽しいブログになった。最近1ヶ月のアクセス数はおおよそ4.2万である。この数ヶ月毎月3~5千も増え続けている。コメント出演者の力はすごいものだ。
 
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「院長と事務長はまた外科医探しに東奔西走することになるのでしょうね。しばらくは仕事をしている暇がなさそうです。」

西走は止めろ!
東奔は勝手にやれ!ロシヤの国境警備隊にでも撃たれろ!
ebisuも煽るな!迷惑だ!







by 勘弁しろ! (2010-10-10 00:19) 
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 長い空白行も意味があるかもしれない。
 ebisuはこのコメントの主が何者なのかまったく検討がつかなかった。「煽るな」の意味を取り違えてしまった。それで、次のような頓珍漢なコメントを書いてしまう。
 コメントの主は「ebisu、オヌシハ ドンカンヨノウ」と苦笑いしただろう。

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勘弁しろ!さんへ

おやおや、どなたが「迷惑」しているのでしょうか?
市長と院長と事務長殿にはたしかにご迷惑をおかけしているようですが、そのいずれのかたでもなさそうです。
他の方には迷惑をかけているつもりがないのですが、そうではないようですね。他にも迷惑している方がいらっしゃるようです。事と次第によっては考え直すことはやぶさかではありません。

信頼関係を大事に基本に忠実に仕事をしていれば、今日の窮地はなかったでしょう。
今後の病院運営健全化のためにも、基本に忠実に仕事をしてほしいものです。市民にも、医師にも嘘偽りを言わず正直に・誠実に仕事をしてもらえば私はなにも言うことはありません。

私にはまるで彼らが自ら火をつけ、そして消化にあたふたしているように見えてならないのです。
「東奔西走」、根室より東はありませんから、「西走」だけでしたね。一本取られました。

ところで今年度の実質赤字が13億円を超えそうです。一般会計で全額補填できるのでしょうか?
これ以上医師を減らしてはいけない、だが、減る。
あせる気持ちは分かります。
しかし、原因があって結果がある。原因はすでにつくってしまっている。あとは結果が出てくるだけです。

わたしは煽るつもりは毛頭ないし、煽る必要もない。事実を書き連ねて、少しの間、因果のめぐりを見守るのみです。
by ebisu (2010-10-10 01:22)
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根室市当局の方々へ。
きっと読んでいると思うので申し上げる。

医局封建社会をご存知かな?
医局意識で、7帝、8校意識という言葉がある。

旧7帝国大学(東京、京都、東北、九州、北海道、大阪、名古屋)に官立8校(東京、東北、京都、金沢、熊本、岡山、鹿児島、名古屋)を示す言葉だ。

北大は旧7帝に入る。

旧7帝意識は相当強く、これら7帝に並ぶのが官立8校(7帝の一部も含まれる)である。

その他は一まとめで、区別なく一緒と言われる。
私大はというと・・・、慶応を除き言及を避ける。

ノーベル賞の殆どは旧7帝だ。

そこで、市当局が市立根室を札幌医大でまとめると言った負の影響は甚大で、7帝8校を敵に回したと考えて頂きたい。

では札幌医大の中での市立根室の意識とは、道派遣枠期間が終了したら早く切りたい、のが本音だ。

医師招聘方法の作戦ミスだ。

今後根室では、7帝8校の医師が順に退職し、次に札医大以外の医師退職が加速する。
7帝8校には根室なんか関係ないのである。

そして、札医大も契約終了後に引き揚げたがっているのがわからないようなので忠告しておこう。

先日の北大小児科と思われる書込も現実であった。

市の学力低下は能力の低い市当局者しか生まなかった後遺症を残している。
小中高の学力向上はもちん、市当局者も市外へ再学習に出たほうがよさそうだ。事務長研修、総務課長研修、経理課長研修が必要だ。

根室のサンマ、大海を知らず状態だ。

作戦改め出直して来い!
by 医局とは (2010-10-10 11:37)

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医局とは殿

貴君のおっしゃる通りだが、一点だけ再考していただきたい文言がござる

「作戦改め出直して来い!」  勘弁していただきたい。

繰り返し申し上げるが、出直して来られると一層迷惑でござる。
もう西方には来ないでいただきたい。ご理解いただけたかな?





by 勘弁しろ! (2010-10-10 17:38)

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勘弁しろ!さんへ

ははは、私はなんてバカだったのでしょう。
たしかにたいへんご迷惑をおかけしています。
気がつかず、見当違いのご返事を書いてしまいました。

“医局とは”さんと“勘弁しろ”さんの問答は傑作です。
まるで名人の落語を目の前で聴いているようで・・・
わたしはとっても楽しい。

問答セットでブログ本欄に採り上げさせてください。
市民もこういうことを知るべきです。
by ebisu (2010-10-10 18:17) 

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「医局とは」さんの『市の学力低下は能力の低い市当局者しか生まなかった後遺症を残している。』は、全く、そのとおりだと思う。外では通用しないような低レベルだ。
根室市は緊急に改善策を打ち出すべし。
また、「勘弁しろ」さんに『出直して来られると一層迷惑でござる。』といわせるくらいに世間知らずなのでもあろう。
これに関しては品性の問題か? 


by サンマ漁師 (2010-10-10 19:58)

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 ebisuには抱腹絶倒、じつに面白い問答だった。“医局とは”さんの「根室のサンマ、大海を知らず」の文言に対して、ハンドルネーム“サンマ漁師”で応答するなんぞ、なかなか根室市民にも洒落た方がいらっしゃる。

 さて、2度にわたる無投票当選市長の所信表明演説はどれほど空々しく、虚偽に満ちたものになるのか、暇のある方は明日の第三回定例市議会に出かけて聴いてみたらいい。

 ここまで書いて提案が一つある。市長の所信表明演説は日曜日に市議会を開いてもらいたい。そしてそれに続いて、質問を夜8時までやっていただきたい。市民参加や市民との協同を声高に仰っているようだから、それぐらいして当たり前だろう。ウィークディの10-4時に市議会を傍聴できる市民は少ない。そして市議会の傍聴席に市民が座っているのは年に数回しかない。報道の3名ほどがいるばかりだ。
 もうひとつ言わせてもらおう。傍聴席から市民の「品の良いヤジ」は飛ばしてよいというルールを市議会でつくってもらいたい。白々しい質疑を聞いているとだんだん腹が立ってきて叫びたくなるからである。傍聴席に座っていた数人の他の人も同じ感想だった。

 ニムオロ塾はコメント欄に好い出演者が増えずいぶんと楽しいブログになった。最近1ヶ月のアクセス数はおおよそ4.2万である。この数ヶ月毎月3~5千も増え続けている。コメント出演者の力はすごいものだ。一部のコメント主の情報の正確さにも、そしてその力にも、ebisuはただただ驚いている。 
 公開アドレスにも数名の方から、いまはブログでは書けない情報もお寄せいただいている。ブログをきっかけに数人の方ともお会いしている。自立した市民の輪は広がりつつある。


 さて、わたしは祝日も平常どおり仕事をしているので、ブログは夜までお預けである。またウィットの利いたコメントを期待している。もちろん、常連のコメントやフレッシュな感想をお寄せいただいている「初めてのコメントします」も。みんなで根室の地域医療について考え、情報を共有し、自分の意見を発信しよう。根室の地域医療を守るのは根室に住む人々である。そうでない人もコメント欄に書き込んで、ときに解説、そしてエールも送ってくれる。

 こもごも、みな感謝。・・・m(_ _)m

(ebisuは教育関係者、市役所職員、病院関係者、医療と教育問題に関心のある人、いろんな人と直接話しをするつもりはある。意見は真っ向から反対で結構だ。反対論も賛成論も、話はとにかく聴いてみようと思う。いつでも連絡をくれればいい。時間の許す限りお会いしたい。ブログ専用アドレスは公開してある。)

 
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#1234 地域医療改革の烽火(4):根室市議会 病院建て替え問題点 焦点 Oct. 10, 2010 [33. 地域医療改革の烽火]

 1234、連続番号となっているので、なんとなく勢いがありゲンがいい。寒くなった、夜は10度近くまで気温が下がるようになった。夜中から雨が降り続いているから、体育の日(明日?)ではあるが外出を控えた人も多いのではないだろうか。わたしも今日は遠出の用事があったのだが、予定を変更してこうしてブログを書いている。

 さて今日は北海道新聞10月9日根室版の記事を紹介しよう。敏腕記者の記事と本田議員のブログに貼り付けられている資料とつき合わせてみたらどういうことになっているのかなおよくわかる。

根室市議会
 
病院建て替え問題 焦点
  12日開会 工事費など予算提案
【根室】12日に開会する第3回定例市議会では、市立根室病院建て替え問題が最大の焦点になる。本体工事費を盛り込んだ補正予算案が初めて提出され、総事業費の膨らんだ理由や今後の経営展望など、9月に再選された長谷川俊輔市長は2期目最初の議会から、市民への丁寧な説明が求められる。(幸坂浩)

 病院事務局によると、建て替えの総事業費は62億7800万円。9月の市議会特別委の理事会には55億3千万円と報告されたが、その後、基礎工事費や電気工事費が当初予定より増えた結果、金額が膨らんだという。
 今回の病院事業会計補正予算案に計上された建て替え総事業費は計1億5163万円。来年2月に着工する病院本体工事費のほか、現病院の一部解体費用も盛り込まれた。
 新病院の機能面では、構内には路線バスを乗り入れさせず、外来レストランを設置しない方向で検討が進められており、これらも議論になりそうだ。
 一方、建て替えと並んで、病院経営も重要だ。9月に明らかになった病院事業改革プラン改訂版では、収支不足を補う一般会計からの繰り入れが、2015年度まで毎年9億~11億円と見積もられていたる。市立病院を将来にわたって健全に経営していくためには、繰り入れの圧縮が大きな課題となる。
 定例会では、長谷川俊輔市長が初日に所信を表明。13~25日の休会をはさんで、26日に代表質問が行われる。

 < コメント >
(1)総事業費について
 9月の建て替え特別委では55.3億円と説明しておいて10月になると62.7億円。病院事務局がいかにでたらめな仕事をしているのかが分かる。作る資料がことごとく信用のできない、ありていに言えばインチキ資料だ
 システム開発費用の7億円を外したままのようだから、実際は69.7億円の総事業費となっているはずだ。
 基礎工事や電気工事でいまさら増額になるような好い加減な仕様の詰めをしていたということだ。基本設計が好い加減か、院内での仕様の詰めの作業が杜撰だったとしかいいようがない。
 建築で気をつけなければならないのは、仕様変更である。業者はこれにつけこんで工事費を膨らませ、売上を増やそうとする。なんだかすでに業者と工事仕様について詰めの作業をしているような気配だ。通常このような変更は業者を選定した後で行われる作業であり、業者選定前にこのような変更はない。何かおかしい。病院事務局が何をしているのか情報公開が必要だ。「不都合な事実」がぞろぞろ出てくるに違いない。
 基本設計を2度もやり、これまでに1億円近くも業者に支払ってきたのではなかったか?それらがこれほど杜撰だったということだ。市長や事務長の責任問題のレベルだろう。
 市長のリコール請求があってしかるべきだが、共産党を除いてはすべて市政翼賛議員だった過去の経緯からみて、不信任議決は無理だろう。しかし、他の市議の色分けを確認するために不信任案は提出してもらいたい。誰が賛成し誰が反対したのか市民が知ることができれば、根室の市議選も次回から変わるかもしれない。
 もちろん他の議員も発言すべきだ。病院建て替えについての市民説明会を求めた三人の市議を見て、他の市議が動くだろうか?これほど杜撰な計画を見過ごす市議がいたら、市議の資格はないとebisuは思う
 根室市民のどれくらいの割合がebisuのこの意見に同意してくれるだろうか。病院建て替え問題を契機に市民意識が変りつつあるようだから、この問題に無関心な市議の次の選挙は厳しいものになるかもしれない。そうした緊張関係が根室の町には必要だ。

(2)路線バスの乗り入れ等
 路線バスの乗り入れが外された。ヘリポートをつくるためだろう。現有地は狭いから、ヘリポートを造れば駐車場も著しく制限されざるをえない。ヘリポートを最優先で考えるなら、現有地での建て替えはすべきではない成央小学校がいい。場所の選定を間違えているということだ。振り出しに戻して候補地の検討からやり直すべきだろう。
 たった135ベッドの病院にレストランは不要だというのがebisuの意見。理由は採算が取れないから経営上の負担になることにある。そこで代案だが、病棟ごとに患者が眺めのよい配置で食事をできるスペースをつくればいい。ベッドの上での食事はまずい。患者の身になって考えるべきだ。デイルーム件食事室を作ればそこで見舞い客と談話もできる。こういうことをきちんと詰めてから基本設計すべきで、市側のやり方は本末転倒である。これでは設計にいくらお金がかかるかわからない。想定しうる仕事のやり方の中で最もバカなやり方だろう

*確認したところ、デイルーム兼食堂は病棟ごとにある。軽喫茶機能が必要かどうかは、市民説明会で皆で議論して結論を出せばよい。病院経営の負担にならないように、経営の民営化という選択肢もあという。意見が相違していたら、それぞれ思うところを主張して、結論は市民が出せばよい。

 外来ブース30という、バカな話はどうなったのだろう。積み上げで要求を入れていけばとんでもない病院になる好例だろう。各部門の要求を重ね合わせただけ、コストカットの努力の微塵もない仕事だ。カルテの集中管理をすれば外来ブースは20も要らない。135ベッドの病院規模なら15前後でいいのではないだろうか。外来患者数は2009年度574人/日弱である。

*小児科5診療室、整形3診療室、・・・カルテを集中管理すれば個別に診療室を設ける必要はあるのだろうか?要検討事項だろう。業務フローすら見直さない院内情報システムということがハッキリした。院内プロジェクトは「御用聞き」仕事だ。22~25億円という売上規模に比して7億円というのはおよそ経済的に引き合わない法外な巨費といえる。業務の見直しをして実務設計すらしなかったのだから、7億円をどぶに捨てたようなものだ。
 もう一点、4階の病棟が150ベッド以下の病院では例がないほど広い観察室を二つ、他に三つもっている。必要なのだろうか?ナースステーションや倉庫の予備スペースとなるのではないだろうか、最初からそのつもりかもしれない。用途の不自然な「観察室」群がある。面積が広いと暖房費がかかる。外断熱にすれば暖房費は半分ですむが、基本設計に外断熱はないようだ。いたずらに広い病院は病院コンサルタントが維持費の点からもやってはいけないと戒めていた。自治体病院にはそういう病院が多いという。事務長の能力が低く、御用聞き仕事しかできないからだろう。

(3)経営問題について
 2010年度予算では実質赤字6.8億円、それが9月の「改革プラン改訂版」では9.6億円に、そして10月12.3億円への拡大がアナウンスされたこの数字は私が予算作成前から言っていた数字だ。この数字で予算を作るべきだった。予算額6.8億円の2倍の実質損失である。いかに数字合わせの予算であるかがわかる。12億円の実質赤字の「改革プラン」をつくれば、道は起債許可を下ろさなかっただろう。道庁の審査もまた形式主義で、実質を欠いたものであるかが分かるだろう。共犯といってよい。道庁の実質を無視した起債審査は根室市民だけでなく道民の信頼を損なう。
 さて、麻酔科医が9月に退職してもう1ヶ月がたった。外科手術は激減だろう。入院患者数もどんどん減っているに違いない。昨年実績から考えて、実質損失は13億円を超えるかもしれない。決算で補填できなければ「不良債務」として残る。この「不良債務」とは行政用語だ。4月以降数人の医師が退職しそうだ。さらに、地域医療派遣枠で来ている医師の期限が再来年に切れる。4名だ。補充はないから、根室市独自に見つけなければならない。看護師・准看護師のH26~28年の大量定年退職が間近に迫っている。経営の傾いている病院に新人の看護師はなかなか応募してくれないから、人員が確保できずに病棟閉鎖も十分想定しうる事態だ
 仮に病院建設や更新設備等の償却負担増加額が年間4億円とすると、最低でも16億円の実質赤字、それに人員確保ができずに一部病棟閉鎖などがあれば20億円を超す年間実質赤字がでるだろう。財務課に聞いてみればいい。どこにもそのような財源はない。つまり、精度の高い計画を作り、総事業費の40%のコストカットをし、経営改善をしなければ、病院建設は根室市の財政破綻の引き金を引くことになる

 病院事務局、事務長、院長、副市長、市長はでたらめな説明を繰り返すのをやめて、病院建設を1年延期すべきだ。嘘は嘘を呼ぶ、辻褄合わせをするために次々嘘をつくのをやめて、正直に誠実に仕事をしろということだ

*本題議員ブログ「4回目の議員活動報告会を開催しました」
 この中に「説明資料PDFファイル」があるのでクリックしてみてほしい。病院事務局のものとは違い、しっかりした資料だ。
http://nimuoro.typepad.jp/honda/2010/10/post-f426.html

 本田議員はこう言っている。
>市民と協働のまちづくり? 何を共に行うのかさっぱり理解できません。
>協働のまちづくりを進めるというのであれば、真実を、正しい情報を開示し、市民が自ら意思決定をできるようにしなければならないのではないでしょうか。
>辛い選択、我慢という選択も市民が自らできるように...

 本田市議の当該ブログにコメントを記入したら、すっきりしたお答えがあった。自立した市民同士によるコラボレーションが生まれつつあるのだろうか?あわせてお読みいただければ幸甚である。


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