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#1240 地域医療改革の烽火(9):院内情報システム(1) Oct. 15, 2010 [33. 地域医療改革の烽火]

 夜中から雨が降っていたが、昼からは時折ぱらつくだけだった。夜の気温は10度、あと一月もすれば雪に変る。季節の移ろいは速く、人の歩みは遅い。

 さて、院内情報システムについていくつか分かったことがあるので、以前書いたブログの内容を訂正しておこうと思う。
(病院事務局はホームページ上で出来る限り情報を公開すべきだ。もちろん、建て替え特別委のメンバーにもだ。情報を隠しすぎると誤解を招く。もっとも、公開できない事情があるのはわかる。不都合な部分が多いからだろう。また、ebisuは神経に障るようなことを書く。)

 “スクラッチ”ではなく、パッケージシステムを導入したようだ。どこの会社の製品かはトンと検討がつかぬので、存知よりの方がいたらコメント欄で開示してもらいたい。

 ebisuの情報は古いが、通常はパッケージ本体は高いもので数千万円だろう。だから、7億円と云うのは現場の業務にあわせて、無謀なカスタマイズをしてしまったか、選んだパッケージが途方もない高額だったかどちらか、あるいは両方だろう。

 病院組織を見てもシステム管理部門がないから、システムの管理は外注されているようだ。メンテナンス要員とSEは別だ。院内にメンテ要員がいることになるだろう。
 院内にいる専門家はその人だけだろう。彼または彼女が自分の系列メーカーのパッケージソフトを薦めるのは、当たり前だ。薦められるままに、高額のパッケージあるいはニーズに合わないパッケージをそれと知らずにカスタマイズすることに決めたのか、それともパッケージ選択後にその系列のメンテ業者を探したのかどちらかだろう。このあたりも、病院事務局の情報開示がないとわからない。

 他のソフトハウスのパッケージも検討すべきだった。もっとニーズにあった柔軟なそして安価なパッケージソフトが見つかっただろう。
 もう少し言うと、コンピュータメーカのパッケージソフトだけではなく、ソフトハウスのパッケージソフトを比べるべきだった。それが仕事の基本ではないだろうか。

 コンピュータの専門家でないからといって、病院事務局側でだれも医療やコンピュータシステムについて専門的な学習しようとしない、そういう仕事に対する姿勢が問題を引き起こすことを知ってもらいたい。

 誰でも最初は素人である。だが、専門書と格闘し、実務をこなすうちに次第にその道の専門家に成長していく。利用者側がシステム開発の専門知識を蓄積し、メンテナンス要員とコミュニケーションしないと、メンテ要員はなかなか成長できない。メンテ要員を成長させることができるのは、自身の向上心と利用者側の向上心のぶつかり合いだろう。
 向上心の相互緊張関係が無ければ仕事のレベルはどんどん下がり続ける。あたかも市政と市議会のように。

 コンピュータシステムを外注要員に任せっぱなしでは、誰に職務上の権限があるのかは知らないが職責を果たしていない。コンピュータに関する知識を蓄積してこなかった病院事務局の当事者の基礎学力レベルは果たして仕事を担いうるものだろうか?
 根室の子供たちの学力は残念ながら全道最低レベルである。北海道が全国最低レベルだから、根室は全国最低ということになる。こうして大人の仕事のレベルを観察・分析してみると、子供の学力低下はすでに大人の仕事の世界に表れていると嘆かざるをえない。

 いまどきコンピュータを使わない病院はない。にも関わらず、何も学習をせずにいつまでもシステムに素人同然だったら職責を果たせるはずがない。学習期間は十分あったはずだ。
 いったい何を基準として人事をやっているのだろう?

 もう一度簡単におさらいしておこう。私の結論はこうである。
 病院事務局はパッケージを導入した。そして業務の見直しやあらたな実務設計による実務改革はまったくなされず、千載一遇の経営改革のチャンスを逃した。
 基本仕様を院内で詰めずに見切り発車したために、当初5億円だった開発費が7億円に膨れ上がってしまった。コスト意識もなく、じつにイージーな仕事である


 これが、真相に近いだろう。もし違っているなら、病院事務局は誰でもいいからコメント欄で具体的に説明されよ。ebisuは反論を削除しないし、重要な間違いがあった場合は本欄でも取り上げる。私も普通の市民同様に、本当のことが知りたい。H市長は病院建て替えに関しては、不都合な事実を隠し、市民を欺き続けてきた。

【目的】
 総事業費を69億円から35億円程度に小さくし、病院建て替え後の経営上の負担を軽くする。そのために、計画をゼロベースで見直す。
 療養病床やレイアウトも含め、何度も市民説明会を開催して、理解と納得ずくで速やかに建て替えを行う。
 
*(注1)
 インターネットが普及した90年代半ば以降は、メンテナンス要員の常駐は激減しているというから、わが市立病院もメンテナンス要員は常駐ではないかもしれない。院内に担当組織が無いからいずれにしろメンテナンスは外注だろう。メーカがメンテナンス業者を指定したのか、病院のほうで探したのか不明だ。契約関係や年額いくらメンテナンス料金を支払っているのかも。公開されている議事録等に載っているのを発見した人はebisuに教えてほしい。
 そして院内情報システムのことを知っている人がいたら、差し支えない範囲で情報を開示してもらいたい。病院システムについては金額が7億円と巨額なのに開示されている情報がほとんどない。このような情報を隠しておく必要はないと思う。(15日午前11時35分追記)

*(注2)
 私のいた会社は84年にあるメーカーの当時国内最大クラスの汎用大型コンピュータを導入して、たいへんなトラブルに見舞われたことがある。3ヶ月ほど本社・営業・検査・業務部門から応援部隊をだして急場を乗り切った。最大クラスだったためにOSがほとんど他で使われておらず、OSに関わるバグがでたことや、このメーカのソフト部隊の能力が当時は低かったためだ。まさかいまでもそのようなことはあるまいと思うが、F社という。
 90年代中葉ににサーバーシステムに切り換えた。当時は歴代のシステム部門の責任者が素人同然だったので、メーカ主導だった。当時私のいた会社を担当していたF社のソフト部隊はレベルが低かった。
 個人的な経験だが、コンピュータの性能の悪い他社あるいは他社系列のソフト部隊のほうが当時は腕のよいSEがいた。ソフトで勝負するしかないからだろう。
 直接仕事した経験があるので、経験の範囲内で言いきれる。ひとりは一部上場会社O社の取締役となっている。もう一人は店頭公開ソフトハウスN社の取締役だ。もう一人一緒に仕事をしたNEC情報サービスのトップレベルのSEのその後の消息だけは知らない。お付き合いが短かったからだ。
 F社について笑い話のようなエピソードがいくつかあるが、いまとなっては懐かしい思い出の一部だ。90年代半ばまでのことだが、本当にレベルが低かった。会社の姿勢にも問題があった。すべて具体的な根拠のある発言である。

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コメント 2

ねこすけ

こんにちは。いつも参考にさせて頂いております。
病院情報システム関連の企業に勤めている者です。
今回の件について、少し情報を書き込みさせて頂きます。
根室市立病院のシステムですが、パッケージソフトで
あるようですが、おそらくカスタマイズはほとんど行って
いないと思います。今はどこのシステム会社もカスタマイズ
は行わない方針となっています。
カスタマイズするのは大学病院のような大病院に限られて
います。
150床程度の病院でしたら、どこのシステム会社が導入
しても高くて4億円です(5年分の保守料込み)。
7億円は、400床くらいの急性期病院の価格です。
日本中どこを探しても、150床で7億円も掛けている
病院はないと思います。
システム会社は4億円以上の利益が出ているはずです。
根室市は価格調査や見積もり合わせなど行っていない
のでしょうか。
by ねこすけ (2010-10-15 09:23) 

ebisu

ねこすけさんへ

情報が不十分な中を、断片的な情報でブログを書いています。注意はしていても、ときに見当外れを起こしかねません。

業界内部の方から、最新情報をこうしてご提供いただくと根室の様子をブログを読んでいる根室市民も客観的に眺め、考えることができるでしょう。

思い切って書き、こうして補足いただく。
ブログは見知らぬ人とのコラボレーションのツールなのですね。

重要情報なので、ブログ本欄に転載させていただきました。
ご了承ください。
by ebisu (2010-10-15 10:40) 

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