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#1246 地域医療改革の烽火(12):「最高条件は危険な状態」(宮脇昭) Oct. 18, 2010 [33. 地域医療改革の烽火]

 根室の町を省みる。市議選挙は20名の定員に対して21名の立候補。ご高齢の一人が前回に続いて落ちたのみで、新人数名がそのまま当選。既存議員も引退した者を除いて一つの例外もなくそのまま椅子を温め続けている。実質的な競争がない、凪である。

 市長選挙も前F市長が選挙直前の出馬取りやめ表明によって、H助役が無投票当選、市民の信任すら受けられない。
 そして今年9月、またも2度目の無投票当選。競争がない。
 オホーツクの海は風が強く、波の荒い日が多いが、陸は四十数年前の市長選挙を除いて凪だ。

 市政は市長と市議会という両輪が支えているのだが、そのどちらもが競争なし、それぞれにとっていわば「最高条件」にある。実質的な選挙がなく、そのまま席を温め続けることができる。

 こういう状態が長く続くと町のいっそうの衰退は避けがたい。加速的にふるさとの町の荒廃と衰退が起きる。いままさにそういうときだ。市立根室病院建て替えはそういう分岐点に起きた問題である

 植物生態学者の宮脇昭は最新の著書で次のように言っている。

「長いいのちの歴史を見れば、生物社会では最高条件はむしろ危険な状態といえます。生物は現状よりもよりよい生理的環境になるように環境を変え、個体数を増やしていきますが、すべての条件が満たされた最高条件になると、しばしば自分より競争力の強いものに取って代わられたり、また増えすぎて、過密からくる体内毒素の発生や酸素欠乏などによって自滅したりします。恐竜、マンモスなどの絶滅の例をはじめ、地球上のいのちの歴史がこのことを示しています。
 すべての欲望が満たされる生理的、物質的、エネルギー的な最高条件は、決して最適条件ではないのです。長持ちのするエコロジカルな最適条件とは、すべての条件が満たされる手前の、少し我慢を強いられる状態のことをいのちの歴史は示しています。」
  『三本の植樹から森は生まれる―奇跡の宮脇方式』16㌻、宮脇昭・祥伝社

 市民整備委員会や市議会病院建て替え特別委は「酸素欠乏」、オール根室は「体内毒素」、最近立ち上げられ、その後音無しの「根室まちとくらしネットワークフォーラム」はどちら?まもなく旗色がはっきりするだろう。33人もいれば、まともな根室人は必ず数人いる。その方たちがどういう決断を下すか、じっと見守りたい。

 9月末に市議3名が市民説明会開催を求めたことが唯一の希望、「長持ちのするエコロジカルな最適条件とは、すべての条件が満たされる手前の、少し我慢を強いられる状態」をふるさとの町に創り出すためにebisuは1246番目のブログを書いている。市民説明会を開催することが市政と市長にとって、少し我慢を強いられる状態だろう。

 他の町と比べて、根室の町に足りない要素は、学力とインテリ層だ。自分の頭でしっかり考え判断する。仕事に必要な専門書を独力で読み、理解し、駆使できる、そういう基礎学力が多くの分野で不足している。適確な総合判断を支える、教養の深みが足りない。
 そして責任ある立場のものに不足し求められているのは、私的利害を離れて公益と云う立場に立って考え行動することのできる道徳心、公共心、公徳心などだろう。
 陸に強い風を吹かそう。ふるさとも町を自ら守るために、風の渦を創ろう。
 「どどっと、どう・・・」

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三本の植樹から森は生まれる 奇跡の宮脇方式 (祥伝社ポケットヴィジュアル)

三本の植樹から森は生まれる 奇跡の宮脇方式 (祥伝社ポケットヴィジュアル)

  • 作者: 宮脇 昭
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2010/03/31
  • メディア: 新書

 牧の内の水源地の周りを、根室本来の植生であるミズナラなどの多様な樹種の林で囲みたい。植生調査をし、ドングリを拾い集めてポットでドングリを育て、移し変えて苗木に育てて、植樹する。全国、いや全世界に広がりつつある宮脇方式だ。子供の教育上よい材料だから、言い出してやってくれる学校があるとうれしいな。根室の水源地の環境を守る、町おこし運動はこんなことからも可能だ。

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*#1960 宮脇翁の提言:命を守る森の防波堤構想=震災瓦礫処理 June 3, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-03-2

#1313 水源地である牧ノ内ダム周辺への植樹 :かれこれ17年目 Dec. 24, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-24

#1042 水源地を300メートルの森林の帯で取り囲もう May 27, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-26

#1289 天使の森計画(根室) Nov. 25, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-11-25

#1246 地域医療改革の烽火(12):「最高条件は危険な状態」(宮脇昭) Oct. 18, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-18

#196「市民の森」オープン(北海道新聞より)2,008年6月8日
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-08


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隣町の住民

そう言えば11月に根室市立病院に年配の産婦人科医が赴任してくると言う噂でしたが、あの話はその後どうなったのでしょうか。
by 隣町の住民 (2010-10-22 12:35) 

ebisu

隣町の住民さんへ

産婦人科医の11月赴任は延期になったようです。
#1250に「勘弁しろ」さんという方がコメントを書いてくれています。
確度の高い情報が多いですから、だぶんその通りになるのでしょう。
誰とはいいませんが、権限と責任のある方はこれからは正直で誠実に仕事をしてほしいものですが、無理でしょうね。
「○○につける薬はない」のでしょう。たぶん治りません。
by ebisu (2010-10-22 22:55) 

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