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#1611 児玉龍彦教授(3):息子さんからのエール Aug. 3, 2011 [17. ちょっといい話]

【拡散希望】

 東大アイソトープセンター長児玉龍彦教授の国会での参考人意見の陳述ビデオと書き起こしを紹介した。
 ZAPPERさんが、児玉氏の息子さんのツィートを見つけてブログに掲載してくれたので、転載し紹介したい。ブログでこのような情報が爆発的に伝わることで、名誉や地位や己の職を守るために虚偽の発言をして恥じない学者や官僚・政治家たちを誰も相手にしなくなることを願う。
 学者とはかくあるべきだというお手本がここにある。地位や名誉や職を失うリスクを犯しても毅然としてわが子に恥じない発言・行動をする者がおり、そうしたオヤジを支持する息子がいる。いい家族だ。

http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/4041116.html
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2011年08月02日

ちょっといい話(家族愛~児玉竜彦教授と息子さん)

7月27日の衆院厚労委員会の参考人招致において、学者の良心をもって体を張って訴え叫び感動を呼んだ、東京大学・児玉竜彦教授。その息子さんのツィッターでの発言が、とても素晴らしい。家族愛。いいですね。

●misaさんのブログ
児玉龍彦教授の息子さんのツイートより
http://ameblo.jp/aries-misa/entry-10970326040.html

《引用開始》
前回記事にした児玉教授の、息子さんのツイッターから、家族愛が垣間見えました。

順不同ですが、こちらよりいくつか抜粋します。

https://twitter.com/#!/a_kodama

親父が厚労委員会に参考人として招致されました。東大放射線センター長として、毎週末南相馬に400km車を走らせて、自身で除染にあたったうえでの訴えです。どうか見てやってください。

俺は、この人の息子で良かった

親父の懸命の訴えなので、見てやってほしい。

一生懸命伝えるべきことを伝えてました。

肝臓移植からようやく一年経ったお袋を置いて、毎週末南相馬まで行ってた。

ありがとうございます、父も母も、自分の身を削って世の中のために仕事をしています

実はうちの母は聴覚障害児教育を仕事にしており、昨年大病をしたのですが今度仕事に復帰します。

親父からはいつも勇気ということを教えられてきた親父の立場で、公開の場でああしたことをいうのは、どれだけの勇気がいったことだろう。まずはそれをねぎらってあげたい

父はそんなに大げさな人間ではなく、科学者としての努めを果たしているまでだと思います。それでも、いろいろな方に応援していただけるのはとてもありがたく思います。

とても多くの方から父の参考人招致について激励の言葉をいただき、感謝の言葉もありません。全ての皆さんにお返事するのが難しいほどですが、全て拝見していますし、父にも伝えます。本当にありがとうございます。

ちょうど一年前に父から肝臓移植をした母は、おかげさまでかなり体調が回復し、今度仕事にでることになりました。あの時もいろいろな方に激励をいただきました。この一年間本当にいろいろなことがありますが、家族一同支え合ってなんとかやっています。

父のスピーチを通して、どうか学者にも社会のため、人のために真摯に仕事をしている人間がいると伝わればと思っています。利権やポジションにとらわれた人間の多さに嫌気がさすこともあると思いますが、物事をよくするために行動することをどうかあきらめないでください。

少しでも被害を減らす役に立てば親父も本望と思います。

親父のスピーチを見ていただいた方に、一つだけお願いさせてください。
父は影響力のある科学者ですが、同時に病気の妻を抱えた58歳のただの男です。一人ですべてを解決できるわけではありません。
本当に状況が良くなるために、一人一人ができることがあると思います。

俺らからすると普通のおっさんだけどね、でも小さい子供たちのために、真剣にがんばってるよ

昨日今日いただいた大変な反響を通じて、福島の原発の被害について、どれほど多くの方が納得を持っていないか、納得のいく説明がなされていないと思っているか、強く感じました。
原発の件だけでなく、この国の統治全般について、そのようなフラストレーションが溜まっている。

父は医学者として、常に真摯な人間です訴えが多くの人に届くよう願っています。

<抜粋終わり>

『物事をよくするために行動することをどうかあきらめないでください。一人一人ができることがあると思います。』

父親と息子さんから、私たちはメッセージをいただきました。
《引用終了》


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*「逆システム学の窓」児玉龍彦
http://plusi.info/wp-content/uploads/2011/08/Vol.28.pdf

 #1606 「児玉龍彦東大アイソトープ総合センター長が学者の良心をかけて告発」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-07-30-2

 #1607 「児玉龍彦国会で告発(2):(書き起こし)」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-07-31

 書き起こし、Hirosukeさんのきれいな文字修飾バージョン
http://tada-de-english.blog.so-net.ne.jp/2011-07-31-4



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#1610 恩師思いのめんこい生徒 Aug.2, 2011 [17. ちょっといい話]

 「#1608 読んであきれてしまった元教育長の教育論 (北海道新聞より)」に5年前の8月のあるパネルディスカッションでのT氏の発言のことを書いたら、趣旨が違うとコメント欄に反論があった。私はメモをとりながら聞いたのだが、コメントをお寄せいただいた方の言われる内容にまったく記憶がなかった。
 当のご本人から直接聞いた話しを勘違いしているのではないかと応答したら、2年前の別の講演会のことだったと思い違いを訂正する再コメントがあった。

 きちんとした文章をでのコメントだったので感じがよかった。T先生、いい生徒をお持ちだったようだ。せっかくだから内容を紹介する。

*「#1608 読んであきれてしまった元教育長の教育論 (北海道新聞より)」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-07-31-1

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>過去に根室高校で教員をしたことのある旭川東高校の元校長もパネラーの一人だったが、その人の「根室の高校に来たくて来た教員は一人もいない」という発言を聞いてもパネラーからは誰一人たしなめる言葉すらなかった。ああ、この人たちは根室に愛着がないのだなとそう思った。これほどわがふるさとを侮辱されてもその無礼さを咎めない。


上記、T元校長の発言ですが、ebisuさんもあまり体調がよろしくなかったせいかと思いますが、論点が少しずれていると思いましたので一言述べたいと思います。

「根室の高校に来たくて来た教員は一人もいない」のくだりは、T元校長があくまでも「根室転勤を命ぜられたとき」に率直に感じられたお気持ちです。

旭川や札幌といった進学校勤務の教員から見たら根室は学力過疎地、そのような場所に転勤を命ぜられるのは都落ちだと感じられたのでしょう。

しかし、当時の上司(旭川東高校の校長だったと思いますが)から、低学力地域を立て直すことができれば、きっと今後の人生においてプラスになると言われ、一念発起されて根室転勤を決意されたというようなことを仰っていました(私も記憶が少し曖昧ですが、このような主旨だったはずです)。

そして、根室高校赴任当時は学校全体に学力向上の雰囲気は皆無で、教員も学力は二の次で部活一辺倒と、今の市内中学校のような有り様で、まずは教員の意識改革から行わなければならなかったと仰っていたと思います。

当時はI塾のK先生も時間講師として根室高校におられ、今では当たり前となった根室高校の補習授業や習熟度別のクラス構成等もT元校長とK先生がご尽力なさって現在の骨格を作られました。

T元校長が根室高校に赴任された時は模試すら学校で実施されていない状況でしたが、これもI塾K先生とT元校長たちのご尽力により、一つずつ改善されていきました。

根室高校の大学進学率(特に首都圏への進学)もこのような取組があってから飛躍的に伸びていきました(赴任された平成5年(くらいだったと思います)以降からの前後の進学実績データを見れば一目瞭然です)。

そして、私自身が根室高校卒業生としてその恩恵を受けた一人でもあります。

T元校長が仰りたかったのは「どうしようもない低学力地域に赴任することになり、当初は本当に嫌だと思ったが、上司の一言で今後の自分の人生にプラスになると思い赴任した。赴任後は予想通り学校の方針や教員たちの学力軽視がひどく苦労もしたが、様々な取組を行った結果、教員たちの意識も変わり、学校全体に学力向上の機運が生まれた」ということでした。

最後まで話しを聞けば、その発言をたしなめるようなくだりでは決してなく、ましてや無礼だとか侮辱的に仰ったことではないということだけはおわかりになるかと思います。

加えていうならば、T元校長がいたからこそ、現在の根室高校のシステムはあるのであって、そのような方こそ、地域に尽力、貢献をされた真のパトリオットであるような気がします。
by 当時の講演参加者&T元校長の教え子より (2011-08-01 20:22) 


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当時の講演参加者&T元校長の教え子さんへ

詳しい情報ありがとう。

>しかし、当時の上司(旭川東高校の校長だったと思いますが)から、低学力地域を立て直すことができれば、きっと今後の人生においてプラスになると言われ、一念発起されて根室転勤を決意されたというようなことを仰っていました(私も記憶が少し曖昧ですが、このような主旨だったはずです)。

この件はわたくしにはまったく覚えがありません。私はメモをとっていました。あの場でそういう発言があったのなら、わたしはうれしくて感激してメモっていたはずです。T先生のそういう心の変化やその後の貢献を知りませんでしたので、ただ憤慨していました。こういうことはご本人は言いにくいもの、司会者が紹介すべきでしたね。
T先生の教え子とのことですが、あなたは別の場で聞いた話を混同していませんか?

あの場では根室赴任に落胆したことを"率直に"語ったとしても、赴任してから模試の導入や習熟度別クラス編成の骨格作りに寄与されたなら、それはそれとして評価したいと思います。

生徒たちはいま習熟度別クラスで学んでいます。
他の先生の尽力があったのか進学補習体制も実に充実しています。各学年で一つの科目につき基礎と応用の二つのコースが設定されています。市内の小中学校に比べたら雲泥の差です。
根室高校が変わるそういう時期に尽力された先人の努力は素直に評価したいと思います。

いいお話ですから、このままコメントを本文に載せて構いませんね?

by ebisu (2011-08-01 23:16) 

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すみません、少し調べたところ、T元校長は退職後根室で2度講演なされているようでした。私が聞いたのは平成21年の講演ですので、ebisuさんが聞かれたのとは違うものですね。大変失礼しました。

本文への転載は構いません。
by 当時の講演参加者&T元校長の教え子より (2011-08-01 23:35)


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当時の講演参加者&T元校長の教え子さんへ

あなたの聞いたのは2年前の講演でしたか、どうりで違うはずです。わたしの聞いたのは5年前の8月です。総合文化会館小ホールでした。
3ページほどメモを取って聞いていましたから、術後まもなくでいくら体調が悪くても、肝心な箇所、しかも私が聞いたらうれしくなるような情報を聞き落としたはずがないと思いました。

はは、T先生、いい生徒をお持ちになったようだ。
本文へ転載してあなたの大事な恩師の名誉は回復しておきましょう。

コメントの文がしっかりしていたので興味が出ました。
根室在住の方ですか?
だとしたら、一度酒でも飲みたいですね。よろしかったらメールをください。
by ebisu (2011-08-02 00:10)
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#1560  "明石の鯛"の意味するもの : 『日本はなぜ世界で一番人気があるのか』 Jun. 24, 2011 [17. ちょっといい話]

 先ほど(11時半)までBSハイビジョン番組を見ていた。京都の老舗料亭の跡継ぎ育成を扱ったものである。京都料理組合長の高橋栄一さんの経営する瓢亭という老舗が舞台になっていた。
 自身はお父さんが急逝して20代後半で跡を継がなければならなかったが、先輩格の年齢の同業者がサポートしてくれた。その同業者の息子を今度は自分がサポートする。
 同業者には板場を自由に覗かせ、質問にも答える。秘密はほとんどなく、職人同士、技術はオープンである。それには暗黙のルールがある、そのまま使ってはいけないということだ。自分の工夫をいれて使うということ。丸ごとのコピーは御法度に触れる。そういうことをしたら狭い京都のことだからすぐにバレル。したがって、ズルをするなどという非生産的なことに智慧を使う必要がない。
 ひたすら正直に誠実に仕事をすれば周りがその人の仕事を認め信用の厚みが増していく。それが百年あるいは時に400年以上続く老舗の信用というものである。浮利を追わず、ひたすら正直・誠実に仕事をし、その道を極める、これこそが日本文化の根っこのところにあるヤマト魂だで、1万年を超える歴史をもっている。
 嘘やごまかしのない老舗同士のお付き合いや板場を相互に覗いてつまみ食いまで許し相互に質問をし答える姿に感銘を受けた。
 京都の老舗はこうして地域ごとの同業者が跡継ぎ育成に相互に協力し合うことで代々受け継がれて、技術の粋を極めながら伝承されていく。日本料理が世界一なのはこういう仕組みと伝統のなせる業だ。

 さて、瓢亭では料理に季節感を盛り込むことを大切にしているが"向付"だけは明石の鯛を1年を通じて使っている。1.8~2.5㌔/匹のものを取引先の魚屋が納入する。瓢亭側は注文を出さないのだが、業者の方が客の板場にぶら下がっている予約票を見てそれにあわせて活け締めして納める。年間を通じて瓢亭の規格通りのものを納めるには、船主や同業者などのネットワークがしっかりしていなければできない。

 14代目の瓢亭の主は代を受け継いだ後で、ダシを変えた。昆布と鰹から昆布とマグロ節に変えたのだ。取引している乾物屋にマグロ節を作るように依頼し、血合いを抜いて本枯れ節をつくると削ったマグロ節は透明に輝いていた。ダシをとったら味は上品だった。それ以来、ダシ汁には昆布とマグロ節を使っている。

 老舗の味は主とスタッフの技倆だけでなくこうした納入業者に支えられている。日本料理の懐が深くなるわけである。こういう仕組みは世界中を探してもない。トヨタの看板方式を見ても日本人はこうした取引先のネットワークを作ることに長けている。伝統のすごいところはお金だけのつながりではないというところにある。お互いにプロの職人として相手の仕事に絶対の信頼をおいている。瓢亭の主は明石の鯛を納めてくれる業者にその都度値段の交渉などしたことがないのだろう。

 さて、話はちょっと飛んでしまう。『日本はなぜ世界で一番人気があるのか』竹田恒泰著(PHP新書705)を紹介したい。
星付の店の数は2008年版東京が150軒で、同年版ぱりの74件の2倍以上に上り、総星数でも東京が他を圧倒した・・・東京は世界一の美食と資としての地位を確立したことになる」p.33

 51㌻に「なぜ天皇の昼食は毎日鯛だったのか」という章がある。
なぜ天皇の昼御膳は毎日鯛だったのか。それは決して贅沢のためではない。鯛が「めでたい魚」だからである。鯛を他別ことがすでに吉事と考えられていた。つまり、天皇の周辺は常にお正月状態であることが強制されていたのであって、天皇には毎日鯛をお召し上がりいただくことが義務付けられていたことになる。古来、日本人は毎日天皇の御膳に鯛を供することで、日本全体に幸せが行き渡る、と本気で信じていた。
 そして、宮中に限らず家庭でも縁起の良い日に縁起のよいものを食べると幸せになると信じられていた。このように、料理方法や食材に意味を持たせることで、おのずと日本料理は豊かなものになった。
」P.52

 こうしてみると、老舗料亭の瓢亭が向付に一年を通じて明石の鯛を出すというのはまことに意義深いモノがあることになる。縁起のよい魚を向付に出すことで、それを食する客の幸せを願っているのだ。縄文以来"食は神事"であるという、日本の食文化の伝統の根っこに係わる部分がごく自然に老舗のメニューとなって受け継がれていることに驚く。
 京都という地域が丸ごと老舗の代替わりと技倆の練磨を保障するようなシステム(横糸)を作り上げてしまっている。老舗と取引業者のネットワークが世界に例を見ない様々な職種の職人のネットワーク(縦糸)として存在し、この二つのネットワークが輻輳し壮大なネットワークを構成している。
 そしてそれらのすべてが縄文以来の伝統、神事につながっているのだ。日本の食文化はまことに奥が深い。そのルーツは1万7千年前の土器での煮炊きにまで遡るという。日本の料理が群を抜いて世界最高水準の高みにあるのは当然のことなのかも知れぬ。

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 この本の著者の竹田恒泰は明治天皇の玄孫である。テレビに出ることがあるのでご存知の方が多いだろう。

日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか (PHP新書)

日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか (PHP新書)

  • 作者: 竹田 恒泰
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2010/12
  • メディア: 新書
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#1207 うれしい一言「先生元気だった?」 Sep. 16, 2010 [17. ちょっといい話]

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  高校2年の元塾生二人が寄ってくれた。1年見ない間にだいぶ大人っぽくなった。
 「いらっしゃい、よく来た、久しぶりだ」
 「ホント先生2年ぶりだね」
 「違うだろ、簿記の試験のときSOSで来たろう、1年ぶりだ」
 「先生、○○簿記96点だった」
 「たいしたもんだ」
 「がんばってるも。Kもブカツと勉強頑張っている、成績相当いいほうだよ」
 「うれしいね」
 「先生、顔色いいね」
 「元気にやってるよ、昨日なんか腕立て伏せ連続15回もやっちゃった、すごいだろう。手術してから先週まで4年間1回もできなかったんだから、もうダメかなって思っていたよ」
 「安心した」
 「わたし○㌔も太っちゃった」
 「すこし顔が丸くなったかな?」
 もう一人が、
 「先生、私痩せた」
 「ちょっとだけスマートになったかな?」
 「○㌔も減ったんだってば」
 「あはは」
 ・・・・・

 話すときはいつも笑顔、笑顔は得(徳)だ。人がニコニコしているのを見るのは楽しい。こちらも思わず笑顔になっている。同級生の話しや進路の話をしばらくしてから、ポスで買ってきたと袋の中からバナナと梨を出して、「先生にあげる」そう言いおいてカラオケに行った。前期期末テストが先週終わったばかりだから、のんびりしているのだろう。

 わたしは4年前に胃の全摘手術をしているから、ときどき食べて脳に栄養を送ってやらないと、低血糖状態になるので、授業中でもバナナや焼き芋を必要に応じて食べている。「先生、バナナ好きだね」って、何人かの生徒がよく言っていた。「たぶん前世はサルだったんだよ」と応じてサルの真似をすると、生徒がぷっと吹き出す。

 生徒が聞いたときには、胃癌の話しをきちんとすることにしている。癌細胞ができてから発症するまでにどれくらいかかるのか、癌の原因は何か、手術後の体の管理、身体の仕組みなど、いくらでも勉強の材料になるし、将来自分や周りの人が病気になったときにもあきらめず、適切な対処の仕方を考えられるようになってほしいからだ。看護師志望の生徒も少なからずいる。
 健康はありがたいということをともすれば若いうちはわからない。健康な身体はあらゆることを自動的に調節している。臓器を二つ失えば、いろんなことを自身で調節しなければならぬ。低血糖を起こさぬように2時間ごとに食べ物を口にするのもその一つだ。胃の代わりにはならぬが咀嚼回数を80~100にして腸の負担を減らすことも体調維持のためには重要である。胃の全摘手術は胆嚢も切除するが、胆管からは胆汁液が四六時中垂れ流されているので、それにあわせて食事回数を細切れにして増やしてやる。授業をする体力維持は相応の努力の賜物なのだ。失って初めて生命の自動調節機能の素晴らしさに気がついた。
 身近にこういう先生がいれば、すこしは自身や周囲の大人たちの健康についても考えるきっかけになるだろう。誰かが病気になったときに思い出してくれればいい。

 生徒はメンコイものだ。心配して様子を見にちょこっと寄ってくれた。

「先生、卒業するときにまた来るからね」
「おう!まってるぞ」

そのときまでに腕立て伏せが50回できるようになっていたらうれしいな。生徒にちょっと自慢してみたい気がした。

 一時は顔色が悪かったから、心配してくれていたんだと気がつく。
 近くを通りかかったときに、ちょっと寄って笑顔で声をかけてくれるだけで、元気が沸いて来るものなのだ。笑顔で「先生元気だった」とその一言に二人の優しい気持ちが伝わってきた。
 中学校の先生だってそうだろう。卒業生がちょっと顔を見せて近況を伝えてくれるだけでうれしい。
 他人に元気を分けてあげられる大人に成長した二人をたしかに見た。歳のせいか涙腺がゆるむ。
 


#1197 大地みらい信金 サンマ不漁緊急融資枠30億円をアナウンス Sep.9, 2010 [17. ちょっといい話]

 8日付の北海道新聞根室地域版によれば、大地みらい信金がサンマ不漁で資金が必要になっている漁船主や加工業者、運送業者向けに緊急融資枠30億円を設定したという。
 利率は年利1.875%、1件当たり5000万円が上限の融資である。担保条件が新聞には載っていなかったが、まさか無担保ではあるまい。

 昨日、花咲港に今季最大の水揚げ1246㌧があったばかりだ。8月の不漁分をいくらか取り戻せるといい。水産加工会社にも安い原料が回って欲しい。加工会社でパートで働き、生活を支えている人たちも一息つける。
 
 90年代の終わりころ合弁会社の役員をやっていたことがある。2度目の決算報告と事業展開の説明にメインバンク2行へ挨拶に行った。そのとき(大手都市銀行本店営業部から)親会社の保証なしで、いくらでも融資するとうれしい話しをいただいたことがある。10億円でもOKかと問うと、にこっとして「必要な事業資金はいくらでも」と言った。当面必要な1億円だけ借りた。
 この銀行からの融資条件は1年の期間のもので1%だった。ドル資金を調達して為替予約をすることで金利を安くしてもらった。その代り、融資単位は先方の条件を受け入れ最低単位1億円である。
 無担保融資で低利の融資条件を引き出すには、経営をしっかりしなければならない。会社の内容さえよければ、銀行から必要な事業資金の融資は低利で受けられる。親会社の了解をもらえれば数年で店頭公開するつもりだった。ビジネスは面白い。

 大地みらい信金は民間会社だし、規模が小さいから意思決定が早い。こういう時期に地元企業が期待する融資をすばやく提案する積極性を買いたい。
 根室振興局はこれから支援策を検討するという。民と官との対応速度の差がはっきりでた。
 

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#1188 フォニックス:英語の音読が苦手な中学1年生へ Sep. 3, 2010 [17. ちょっといい話]

  そう多くはないのだが、英語の単語をどう発音すればいいのか迷ってしまい、なかなか単語を覚えられない生徒がいる。病名は「英語が読めない、書けない症候群」だ。ローマ字も怪しい人でも、トライできるツールがある。それはフォニックス*のゲームソフトだ。

 #1183 「教育にも季節はある:旬を逃したらどうなる」をアップしたら、3人がそれぞれコメントしてくれた。
 最初の一人は英語やイタリー語に堪能なサリーさんだが、コメント欄に書き込んでフォニックスを推奨してくれた。それを見て明光義塾愛国教室のZAPPERさんも書き込んでくれた。二人のコメントを見たHirosukeさんが無料ゲームソフトの存在を教えてくれた。
 翌日になってHirosukeさんのブログを見たら過去ログを掘り出し再度掲示し、無料のフォニックス・ゲームソフトを紹介してくれていた。

 さりげない心遣い、人の輪はありがたい。「輪」がふんわりとした「和」へなりつつあるような不思議な感じもしている。そこからしなやかな強靭さが伝わってくる、ありがとう。


 さあ、英語の音読が苦手な中学生諸君、一度試してみよう。
 Hirosukeさんのブログへジャンプ
http://tada-de-english.blog.so-net.ne.jp/2006-07-14?comment_success=2010-09-02T23:41:14&time=1283438474

 Hirosukeさんご推奨の無料ソフトへ直接ジャンプ
http://www.genkienglish.net/phonicsj.htm

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 *「英語の文字とルール、フォニックスについて」
http://allabout.co.jp/children/kidsenglish/closeup/CU20020620a/
 
 *ウィキペディアより「フォニックス」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9

 #1183 「教育にも季節はある:旬を逃したらどうなる」 Aug. 30, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-08-30


#1168 自分の中に敬愛と感謝のこころを育てよう Aug. 21, 2010 [17. ちょっといい話]

 生徒たちの話しを聞いていると、親に敬意をもっている子どもが少なくなっているような気がする。親に対する敬意は基本であるのかもしれない。親へ感謝の気持ちを持てる子どもは「お陰様で」という言葉が素直に口に出てくるのではないだろうか。世間に感謝のこころがもてれば*、その人は回りを明るく照らすことになるだろう。

 Meiko Aikoku Blogに心温まる言葉が載っていたので紹介したい。一部しかペーストしないので、URLをクリックして全文を読んでもらいたい。タイトルは「狩猟民族の逃げ口上」、日付は8月20日。
 http://blog.livedoor.jp/meiko_aikoku_blog/archives/51587922.html

いつもお世話になっているK社長のことばを伝えたい。

女工だったおふくろが、一生懸命に働いて私を育ててくれた。
うちの女工さんたちを見ると、おふくろを見ている気がするんだ。
私がこうやって会社をやっているのは、おふくろへの恩返しかも知れない。


 釧路で水産会社を経営している現職社長の言葉だそうだ。こういう経営者がいる釧路は捨てたものではない。


*人間いいときばかりではない。長い人生にはきついときつらいときもある。恨み辛みのこころが生まれたら、自分の成長に必要な試練だと思ってそれを飛躍のバネにすればいい。きつい状況下でも世間を恨まず坦々と暮らす人は清々(すがすが)しくみえる。渡る世間は決して鬼ばかりではないことにもいつか出くわすだろう。正直に誠実に、どんなときでもまっすぐに生きることだ。

#1069 殴り方2題:自分の太ももをパーンと叩く先生 Jun. 13, 2010 [17. ちょっといい話]

 6月11日にいただいたコメントをみてうれしくなった。そのうれしさをおすそ分けしたい。
 某中学校の学校敷地内での喫煙問題を採り上げたブログへのコメントである。最初の殴り方に関するコメントはebisuが書いた。二つ目はそれに対してmamiさんが自分の経験を書いてくれた、これがとってもいい。根室市内にはいい先生がいた。いまでも少なからず別なタイプのいい先生がいるだろう。

(わたしが承知している限りでも、某中学校で数学・英語・社会の補習授業を継続しておられる○先生、別の中学校で理科の平均点を他の学校よりも20点アップしている○先生、千葉から赴任してきた郡部の中学校の英語の先生、それぞれにユニークで一生懸命で、なおかつ成果をあげている実例がある。知らないだけで、他にも何人もいらっしゃるに違いない。)

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その体罰で思い出しました。
旧校舎には現在給食調理室のあたりに別棟で技術室がありました。木工や金工の電動機械が揃っていました。
あるとき細身で背の高いY先生が説明を始めました。生徒が二人、席を離れて機会のそばで遊んでいました。
説明を始めても無視しているので、先生は横にあった角材を右手につかんでつかつかとその二人に近づき、物も言わずに角材を振り下ろしました。
躊躇のなく振り下ろされ角材が二人の頭を打つ音が実にいい音色で響きました。

「スコーン、スコーン」

あとから一人が「でかいたんこぶできた」と周りの友人にさわらせていましたね。
機械があるから危ない、殴られて当然でした。先生の殴り方もうまかった。大きな乾いたいい音をシーンとなった広い教室に響かせながら生徒の頭は切れていない、じつに効果的な計算されつくした叩き方でした。
その後の授業は先生が説明を始めると静かなものでした。
問答無用の無言の叱り方、叩き方、どれをとっても名人芸です、実にうまかった、そう思います。

親が子どもの頭に出来たたんこぶを見て学校へクレームを言ったら笑われたでしょうね、問題にもならない。
本人たちも自分が悪かったと理解しているから、親には恥ずかしくて言えない。言ったら今度は親に大目玉を食らう。もう一回今度は親に殴られるかもしれない。
悪さをすれば思いっきり殴る先生がいる、怖いものがある、いい時代でした。
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「殴り方のうまい」で思い出しましたが、大げさに大きな音を立てる先生がいましたね。

怒っている時に自分の太ももなどを出席簿で叩くんですけど、「パーン」といい音がするんです。

それで、教室や体育館がシーンとなる。

その後、職員室に行ったら、その先生がジャージを捲り上げて、太ももに湿布を貼っていました。「生傷が絶えないよ」と笑っておられましたが、体を張っているなと思いました。数学の先生でしたが、勉強も野球で例えたり、授業をつぶして根室の歴史?(映画館がココとココにあって、ココに○○時計店があって~とか)を教えてくれました。勉強だけじゃなくて、ユーモアもある先生でした。

今はもう定年でしょうか。管内で校長先生をされていました。
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 その先生がこのブログを読んだら、涙がでるだろうな、うれしくて、うれしくて・・・、教師冥利に尽きるとはこういうことだろう。思い出してくれる生徒がいる。


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