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#5176 能登の被災地へ冬山用寝袋を...:高齢者の住民は困っている Mar.1 2024 [12. 自然災害への備え]

 NHK朝のラジオで、登山家の野口健が能登半島の災害地へ冬山用寝袋を届けている活動を報告していた。

 冬の能登の被災地はいま、避難所が閉鎖になって別の避難所への移動を迫られて困っています。
 たとえば、避難所に指定された小学校が解除となり、近くの中学校への移動を指示されますが、中学校もすでに避難民であふれている状態で受け入れてもらえません。当たり前ですよね。市の方の職員にどうすればいいのか聞いても、避難所に指定されている中学校と直接交渉してくれというだけ、被災現場の行政もお手上げなのです。
 それで被災者は赤や黄色のラベルを張られた壊れた家へ戻り始めています。車での寝泊まりもせざるを得ません。これが能登半島沖地震被災者の「B面」ということなのだろう。能登の冬は寒い。
 家は壊れ家財道具は滅茶苦茶になっていますから、片づけないと寝る隙間がありません。高齢化率が50%を超えているので、お年寄りが雪の残っている中、片付け作業をしています。作業は延々として捗りません。野口さんはSNSで誹謗中傷されながら、8回現地へ行って被災者たちの話を聞いています。ボランティアの助けが欲しいとお年寄りたち、切実です。災害ボランティアは被災地へ入っていけなくて、その活動は著しく制限されています。道路が開通して、ボランティアが活動を始めた地域がありますが、そこですら移動に時間がかかって、実際の作業時間を2~3時間しか確保できていないのだそうです。

 それで野口さんは、ボランティアが寝泊まりできるように、七尾市にテント村の設営をしようといま努力しているところだと言います。行政の手が届かずに放置される状況が発災2か月後で新たに生まれています。
 民間団体がいまやれることをしないと、能登の被災者たちは3月も困窮の度合いが大きくなります。

 寝袋はすでに8800届けています。2月中旬になって、避難所が閉鎖になって壊れた家へ戻ったお年寄りたちから、寝袋が欲しいと、野口さんの事務所へ要請が相次いでいます。
 しかし、国内の冬山用の寝袋の在庫は国内にはもうないので、海外調達を検討しているようです。

 寒いと眠れません。このままだと、疲労が重なって災害関連死する人が増えます。2週間ほど前に、女房殿がテレビで災害報道を見ながら、
「たいへんだねえ、生活クラブへ、そしてみずほ銀行から支援金振り込んでおいたよ」
 ボランティアに参加できるほどの体力はありませんから、自分たちにできる範囲で好い。寒い中で震えて今夜も眠れない人たちがいることをすこしだけ想像してみましょう。

 スポニチに掲載された野口健さんのインタビュー記事を紹介します。
野口健氏、被災地は「ボランティアが足りない」 “現地入り”を叩くネット民にチクリ「萎縮しないで」

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 アルピニストの野口健氏(50)が、X(旧ツイッター)を更新。能登半島地震の被災地を支援する中で「ボランティアが足りない」と体感したと言い、自身の思いを語った。
 野口氏は現在、自身の過酷な登山経験から、被災地に必要と思う寝袋やエアマット、携帯ウォシュレット、ソーラーランタンなどを被災に届ける活動を行っている。

 そんな中、「被災地はボランティアの数が過去の災害に比べ圧倒的に少ない」と感じていると告白。この日、「SNSに萎縮 災害ボラ諦める人も」と報じられたニュースを引用し、「半島だけにアクセクしにくい、渋滞が激しかったなど、様々な要因があるかと思いますが、しかし“萎縮”される必要はありません」と呼びかけた。
 ボランティアによるマナーがたびたび話題になる中、「もちろんボランティアにもマナーや決められたルールを守る必要はあります」とした上で「独りよがりの行動はむしろ迷惑になりますが、ちゃんと調べて、準備をしてからボランティアに参加されれば大変、助かります」と説明。 「SNSでの誹謗中傷で萎縮」と報じられた点については、「しかし、今はそんな事を気にしている場合でもないのだろうと。ルールやマナーをきちんと守ってさえいれば少なくとも被災された方々から批判されることはない」と主張。
 「SNSでの誹謗中傷の大半は部外者によるものだと過去の経験から感じています」とし、「僕も何度も“売名行為”云々と書き込まれてきましたが、しかし、被災地に通ってこの現場を前にしたらそんな誹謗中傷に構っている余裕は全くなくなります」と明かした。 
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<余談-1:冬登山用寝袋の備蓄の必要性>

 冬に巨大地震が起きたときには、冬山用の寝袋と下に敷くマットが数万単位で必要になるということが今回判明した。当たり前のことだが、実際に起きなければ気がつかない。
 政府はこれから冬の災害に備えて寝袋を備蓄する必要があるのだろう。国内の在庫が1万足らずだから、首都圏や東南海地方、北海道や東北で同様の災害が起きればその数十倍を超える寝袋と断熱マットが緊急に必要になる。
 「備えあれば患いなし」

<余談-2:道路は2か月たっても寸断されている>
 道路の復旧を急がないといけないが、工事はなかなか進まない。これから建物を建て替えたり、耐震補強をすることになるだろうが、資材の調達もたいへんだ。
 大阪万博で使っている重機で被災地の復興に使えるものはそちらへ回すべきではないのか?木材で回廊をつくって半年後に壊すなんてプロジェクトは止めて、被災地へ建築資材を回せないのか?半年後に壊してしまうトイレに「2億円?」、こういう深刻な災害が起きたのだから、即中止だろう。復興必要人材も資材も重機も不足が深刻だ。いまだに2万世帯近くの水道がとまったままである。水道工事の専門要員でないとできない仕事だから、人員を揃えるだけでも復旧工事は至難の業だ。
 戦国時代の戦にたとえると、負け戦の撤退戦です。信長は一番機転が利いて戦に長けた秀吉を撤退戦で使ったことがありました。「金ヶ崎の戦い」といいます。命じられた秀吉は、十中八九は捨て駒にされたようなもの、でも見方を変えると「おまえの真価を試してやる、やってみろ」ということ。
 吉村大阪府知事殿、決断が遅れれば遅れるほど、傷が深くなるよ。プロジェクトを中止するというのは大仕事です。仕事がよほどできる者でなければなしえません。おやりになったら?
 明日にでも大阪で大災害が発生したら、大阪府知事はどんな顔で救援要請するのでしょう?能登半島の被災は他人事ではないのです。

 
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