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#2888 H26全国学力テスト分析(4):中学校・前年対比14支庁管内別偏差値 Nov. 28, 2014  [68.H26全国学力テスト・データ分析]


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<データ取扱上の注意-1> 11月28日早朝追記
 私が算出している偏差値は道コンのSSや進研模試の個人結果表にある個人別偏差値とは同列に扱えません。
 都道府県別・科目別の正答率データ(47×4科目=188データ)から4種類の標準偏差を計算して、14支庁管内の新聞公表正答率データを用いた偏差値です。…続きは後段へ

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 対前年度対比の14支庁管内別偏差値ランキング表です、じっくり眺めてください。一番低下したのは根室管内、残念な結果です。14支庁管内の格差は拡大傾向にあるようです。

<中学校・14支庁管内・科目別偏差値内訳表>


        表-4
2014年度
 国語A国語B数学A数学B合計平均
全道48.9 44.6 44.6 49.1 187.346.8
全国50.0 50.0 50.0 50.0 200.050.0
2014年度<道内14支庁管内別偏差値内訳とランキング>
 支庁名国語A国語B数学A数学B合計平均
1石狩54.654.150.357.0216.154.0
2上川53.949.848.853.6206.251.5
3十勝46.541.246.248.8182.645.7
4留萌49.640.341.646.4177.844.5
5胆振45.840.340.840.8167.841.9
6釧路49.635.043.538.8166.941.7
7渡島42.735.537.840.2156.239.0
8空知40.231.239.743.9155.138.8
9オホーツク43.335.035.938.4152.738.2
10檜山47.132.732.838.1150.737.7
11後志34.627.433.635.0130.632.6
12根室32.121.228.734.0115.929.0
13宗谷41.523.618.425.0108.527.1
14日高25.223.627.529.5105.826.5
単純平均値⇒39.2
2013年度<道内14支庁管内別偏差値内訳とランキング>
 支庁名国語A国語B数学A数学B合計平均
11石狩53.151.453.850.4208.752.2
32十勝50.849.349.548.4198.049.5
23上川48.048.545.948.4190.747.7
44留萌48.049.236.242.3175.643.9
85空知44.846.540.142.9174.343.6
96オホーツク43.247.237.242.3169.942.5
107檜山47.646.334.440.7169.042.3
78渡島42.846.535.441.5166.341.6
129根室41.645.338.040.8165.741.4
510胆振41.945.934.442.3164.441.1
611釧路42.845.634.439.9162.740.7
1112後志36.445.430.436.4148.637.2
1413日高33.642.621.436.4134.033.5
1314宗谷37.143.918.933.8133.733.4
単純平均値⇒42.2



*偏差値50以上を青で、40未満30以上を黄色で、30未満をピンクで表示した。
 青    1⇒1 ・・・変化なし、上川の数学Bがずいぶん上がった
 ピンク  2⇒10
 黄色  14⇒18

<教育の地域格差拡大:地方の子どもたちの学力劣化が進んだ>
 昨年の14支庁管内偏差値の単純平均値は42.2で、今年度は39.2に低下している。全国に対して全道14支庁管内偏差値が相対的に低下したのは、札幌圏が全数調査であったことを併せ考えると、石狩・上川・十勝の上位3強とそれ以外の11支庁管内の格差が拡大したことを意味する
 そういう目であらためてみると、偏差値30以下の科目であるピンクがずいぶん増えた。14支庁管内は昨年度は4科目単純平均偏差値40以下は3支庁のみ、しかし、今年は8支庁に拡大し、最底辺の3支庁が偏差値30を割り込んでしまった。中学生の学力という観点から見ると、北海道は二極分解過程にあるようだ。都道府県別・科目別正当率データをベースにした標準偏差で測定すると、偏差値40以下の地域と40以上の地域に真っ二つだ。釧路と胆振がボーダライン上にいる。各市町村教委や学校に適切な対応がとれなければ、三年後にはこの2地域も偏差値40以下へ転落する可能性がある。
 石狩・上川・十勝の3支庁管内がはっきり学力が高い。この地域は学力最底辺層の3地域とどこが違うのだろう。石狩と上川は北海道の中では大都市圏と中都市圏に当たる。渡島がそれに次ぐ。子どもの教育環境としては大都市圏が有利だ。親の学歴の高いことや大手進学塾や学校の先生のレベル、私立の中高の並存による競争条件の違いなど、全道560万人の人口のうち190万人を占める札幌圏が圧倒的に有利である。石狩や上川は道内の他地域に比べて親の学歴が高い、高学歴の親ほど子どもの教育への関心は高くなる。

<あきらめない、正答数の差はわずかだ>
 昔は学歴の低い親達が、子どもに立派な学歴をつけようとがんばった。期待に応え大学へ進学した子どもたちの大半が、地元へ戻ることがなかった。そうして地方の人材枯渇化現象がはじまった。諦めが地方の親達や子ども達、そして教育関係者に蔓延し始めているのではないか?
 でも、あきらめる必要はない。全部で4科目平均正答率59.6%を64.4%にたった4.8%上げるだけ、4科目合計92問のうち4題正解を増やせば根室管内は全国レベルに追いつける。
 要するに、どういう具体的な目標を設定して、どのような対策を実施するかだ。3年間で全国平均超えという目標を決めて、具体的な戦略策定をし、毎年検証しながらやればいいだけ。
 各中学校が取り組みやすいように、学校別・科目別の全国学力テストデータやふだんの学力テストデータを市教委がホームページで公開したらいい。
 先生と生徒と保護者が検証可能な共通目標を設定して一緒に取り組んだらいい。


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<データ取扱上の注意-2>
 ・・・続き
 本来なら、受験者全員のデータを使って計算すべきですが、文科省からデータが公表されていないのでやむをえず都道府県別・科目別集計データから基本統計量を計算しています。ですから個人別偏差値とは性格が違い、地域全体の相対的な評価を表すものです。その尺度は都道府県別・科目別の集計データを利用して作成された標準偏差や平均値をベースとして作られています。高校生なら進研模試で受験した「学校偏差値」(あれ、「校内偏差値」はあったけど「学校偏差値」はあったかな?)のようなものと考えてください。私の高校の平均偏差値は40で学力の低い高校だとか、学校の平均偏差値が60だから相対的に学力の高い高校なんだという風に。
 いま手元にある「進研模試総合学力テスト個人成績表」を確認しましたが「学校偏差値」は出力されていません。

 次いでですから脱線しちゃいましょう。学校ごとの偏差値を個人成績表のように算出できないかという疑問をもった人がいると思います。もちろんできます。そのときは学校別の正答率データの科目別平均値から標準偏差を計算します、偏差値の計算式はいつでも同じです。どこかに書いておいたのでここでは端折ります。
 学校別偏差値に使う標準偏差を計算するときの作業手順を書いておきます。全国の中学生の正答率データを受験会場になっている学校識別コードで集計して人数で除して平均値を求めます。その学校別の科目別正答率平均値を基礎データにして標準偏差を計算して偏差値を算出すればいいのです。基データは一人一人の中学生のデータで、それを集計したデータから標準偏差を求めることになるので「メタ偏差値」と言い換えてもいいでしょう。全国の生徒が受験した「学校一つ一つの真の偏差値」が計算できます。その偏差値は全国の中学校の中で、それぞれの学校の相対的な学力テスト成績の位置を表すことになります。
 同じ作業を全国の市町村識別コードでデータをソート(並び替え)をして、市町村識別コードごとに集計すれば全国の市町村の学力テスト成績格差が偏差値で表現されます。残念ながら、北海道の14支庁管内のような行政区域の分割は他の県にはありませんので全国データで14支庁管内のような単位で偏差値を算出することは今年度のデータに関しては実務上不可能です。市町村では可能ですから、文科省は市町村別の基本統計量を公開してもらいたい。そのデータで計測しても根室市の偏差値は33前後でしょうね。日高と後志は20代の偏差値が出るはずです。全国でも沖縄に次いで最底辺の学力の地域であることは間違いがなさそうです。ただデータの解釈は間違えないでいただきたい、その地域の中3生全部の学力が低いということではなく、高学力層が他に比べて極端に薄くなっていると同時に、基礎学力の問題のある成績下位層が異常に肥大化していることは間違いのないことだと考えます。
 市町村別の基本統計量は学力の低い全国の地域の子ども達にとって学力向上の大きな武器になるだけでなく、国民が共有すべき重要な財産です。

 次に問題となるのはたった47×4科目のデータ数で、全体の傾向を表しうるのかということです。充分な妥当性があると思っています。20~30だとサンプリングしたデータの「個性」に結果が左右されますが、ベースにしているのは全国の中3生のテストデータを都道府県別に集計したデータですから、妥当性は確保されていると考えていいでしょう。問題は集計データですから、分布の幅が小さくなることや正規分布から大きく外れる可能性が予想されます。前者の問題は避けられませんが、後者の問題は都道府県別の偏差値をご覧いただければおおよそ正規分布に近いであろうことがわかります。沖縄県の偏差値が18ですから、これだけが「外れ」です。「同じ母集団に属さないデータ」、つまり「異常値」と考えていいでしょう。ですが、日高・後志・根室管内は全国市町村レベルで最底辺2%に近いのかもしれません。
 14支庁管内の偏差値の幅は26.5~54.0です。一番低い日高管内の偏差値26.5は正規分布では出現率が1%です。根室管内の偏差値29は1.8%の出現率に相当します。真偽のほどは全国市町村ごとの平均正答率をベースにした標準偏差を公開しない限り不明です。この種のデータは教育行政が独占すべきものではなく国民共有の財産だというのが私の意見です。文科省はこうした国民の権利を侵害しています。私たちは自らの権利を守るためにももっと強く学力テスト・データ公開を主張すべきです。
*参考資料「#2709 偏差値と「100人(百校)中の順位」対応表 June 22, 2014 」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-22


 ここまで述べてきましたが、皆さんにも全国学力テストの改善点がはっきりと見えてきたのではないでしょうか?

○4科目92問では問題数が少なすぎ、狭い範囲にデータが集中してしまうので、問題数を2倍くらいに増やすべき

 問題数が増えれば、今度は「読み・書き・計算」基本技能の処理速度の差も正答率に現れます。その結果、正答数の分布が広がって有意義なデータがとれます。文部科学省の決意次第でやれることですから、ぜひ改善検討をお願いしたい。


 根室市の偏差値が33.7というのは、もちろん全員が低学力で小学校4年レベルの学力しかないということではありません。500点満点の文協学力テストで400点をを越える生徒が4~8%くらいいます。しかし、石狩管内のデータはありませんが、文協学力テストで400点超は20%前後はいるのではないかと思います。
 読み・書き・計算については中3で小4レベルの生徒は根室管内では20%程度(中1では3035%)いるようです。「読み・書き・そろばん(計算)」の基礎学力に問題を抱えている生徒は偏差値54の石狩管内に比べて比率で3倍くらではないかと考えています。
 なんども弊ブログで根室市内の市街化地域の3中学校のふだんの学力テストの得点分布をとりあげていますが、この数年間、五科目500点満点で400点を超える学力上位層が1/3以下にやせ細り、200点以下の低学力層が肥大化していることに警鐘を鳴らしていますが、今年の学力テストの結果からは、そういう得点分布の異常さが根室管内に広がっており、その実態は根室市内よりももっとひどいということを表しています。今年度の中3年生だけが特別に学力が低かったのかそれとも根室管内全体の中学生の学力がこんなに低いのかは、来年度以降のデータをモニターしなくてはわからないことです。年度ごとのデータの比較ができるように、人口の多い札幌市は学力テストに全校が参加してもらいたいと思います。そうでなくては昨年の根室市教委のように、学力の高い札幌市の2/3が参加しないことで全道平均値が低くなっているのに、「全道との差が縮まった」と(実際には道内でも学力の地域格差が拡大しているのに)データの読み違いをしてのんきなコメントを出すところがでてきます。

 加工したデータの話だけでは誤解の恐れがあるので、実際の正答数の差についても言及しておきます。
 根室管内の中3の生徒たちが4科目合計92問中正解を7問増やせば、石狩管内に並びます。偏差値では54と29ですからその差は25もありますが、実際の正答数の差はそんなに大きくはないのです。

 算出された偏差値は地域ごとの中学3年生の平均的な学力を相対的に表したものです。4科目それぞれ47データあるので母集団全体で計算した標準偏差とそんなに大きな差は出ないと考えます。
 標準偏差の値が動いても、それによって表現される各地域の相対評価は動きません。理由は簡単です、地域ごとの平均正答率データは各地域の全データから集計・計算されたものだからです。

 文科省は全データの基本統計量市町村別の基本統計量を公表してほしいと思います。そうすれば地域の正答率データを市町村教委が公開しているところは高校生でも自分の住んでいる地域の真の偏差値を計算できます。隣の市町村とどの程度の差があるのかもわかります。

 道教委が掲げている「全国平均を超える」という目標を達成するためにも、学校別・科目別のデータを公表すべきなのです。そうすれば各中学校は具体的な数値目標を立て、目標達成のための戦略を策定し、全国学力テスト結果データを見て、自分達の実践が効果があったのかどうかの判定ができます。目標を達成できなかったら、戦略を見直したらいい。どこの企業でもやっているPDCAサイクルがしっかり回ります。

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■ 【全道14支庁管内・偏差値ランキング表】

#2485 (小・中対比) 2013年度
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09


 #2859 全国学力テスト:根室市教委の「結果報告書」-1   Nov. 7, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-07

 #2886 H26全国学力テストデータ分析 (2) :中学校・都道府県別・科目別偏差値表  Nov. 27, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-27-1

 #2887 H26全国学力テストデータ分析(3):14支庁管内別偏差値 N0v. 27, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-27-2

 #2890 H26全国学力テストデータ分析(5):偏差値の仕組み解説 Nov. 30, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-29-1

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*#2606 根室の中学校の過去6年間の学力低下を検証する  Feb. 28, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27-1

 #2672 急激な学力低下はなぜ起きているのか?:假説 May 10, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09ある

 #2806 高校数学面白い問題 :小中学校の先生たちへ Sep. 14, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-09-13-2

 #2869 根室の中学生の学力の現況(1):B中学校の例 Nov. 16. 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16

 #2870 根室の中学生の学力の現状(2):C中学校  Nov. 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-1

 #2871 根室の中学生の学力の現状(3):学級崩壊  Nov. 16, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-2

 #2872 根室の中学生の学力の現状(4):B中学校2年生も問題あり Nov. 18, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18

 #2873 根室の中学生の学力の現状(5):C中学校1年 Nov. 19, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18-1

 #2875 根室の中学生の学力の現状(6):B中対C中学校1年 Nov. 20, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-20

*#2865 マルクスの労働観と日本人の仕事観:学校の先生必読 Nov. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-13





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#2887 H26全国学力テスト分析(3):中学校・14支庁管内別偏差値 N0v. 27, 2014 [68.H26全国学力テスト・データ分析]

 EXCELでデータを計算してわが目を疑った、そして見直したが偏差値はかわらない。

<中学校・14支庁管内別・科目別偏差値内訳表>

       表-4
 国語A国語B数学A数学B合計平均
全道48.9 44.6 44.6 49.1 187.346.8
全国50.0 50.0 50.0 50.0 200.050.0
<道内14支庁管内別偏差値内訳とランキング>
支庁名国語A国語B数学A数学B合計平均
1石狩54.654.150.357.0216.154.0
2上川53.949.848.853.6206.251.5
3十勝46.541.246.248.8182.645.7
4留萌49.640.341.646.4177.844.5
5胆振45.840.340.840.8167.841.9
6釧路49.635.043.538.8166.941.7
7渡島42.735.537.840.2156.239.0
8空知40.231.239.743.9155.138.8
9オホーツク43.335.035.938.4152.738.2
10檜山47.132.732.838.1150.737.7
11後志34.627.433.635.0130.632.6
12根室32.121.228.734.0115.929.0
13宗谷41.523.618.425.0108.527.1
14日高25.223.627.529.5105.826.5

■ 北海道教育委員会が掲げている全国平均超を達成しているのは石狩と上川管内の二つのみ、全国平均の偏差値50かた遠く隔たっている偏差値40以下の8支庁は目標達成のためにどのような具体的な政策を実施するのだろう?
 まずは、2013年度の計画と実績をよく対比して、市教委が作成した具体的な計画案のどこがまずかったのか、原因を突き止めるべきだろう。客観的な数値によるPDCAサイクルをおろそかにしていたらいつまでたっても全国平均を超えられない。

■ データを計算してみて驚いた。札幌市が全校参加すると全道平均正答率がハネ上がるようだ。どういうことかというと、全道平均正答率を使った「全道偏差値」が46.8なのに対して、14支庁管内の各管内別偏差値の単純平均値が39.2であるからだ。正答率の高い札幌市のウェートが大きいから、全道正答率は前回よりも著しく上昇している
 都道府県別偏差値では前年度は37位だが、札幌市が全校参加した今年は33位に浮上しているのは札幌市が強制全校参加だったからだ。
■ 言い換えると、札幌市が全校参加しない学力テストでは北海道全体の子どもたちの学力を判断することができないということ

■ 札幌市の人口は185.6万人、石狩支庁管内の人口は234万人(平成10年度)、北海道の人口は550.7万人(平成10年度国勢調査)だから、石狩管内は42.5%を占めている。札幌市は全道人口の33.7%を占めている。札幌が1/3しか参加しないと123万人分が抜ける。中3の生徒の割合も似たようなものと考えていいだろう。学力の高いおおよそ22.5%が抜けてしまえば、データは使いものにならない

■ 昨年度、14支庁管内で偏差値40を切ったのは、宗谷・日高・後志の3支庁のみだったが、今年は8支庁ある。北海道の子どもたちの学力がさらに下がりつつあるのだろうか、それとも他の都道府県でも高学力の地域が抜けていたところがあったのだろうか? ⇒不明
 やはり毎年全数調査を実施してもらわないと年度ごとの比較ができなくなるので困る。

■ 学力の低い4支庁管内に共通しているのは国語Aと国語Bの偏差値が低いこと、とくに国語Bが最低ランクの4支庁管内は全部偏差値が30以下である
 偏差値30は百校中98番目である。全国的に見ても日高・宗谷・根室・後志の3支庁は最低レベルである。根室管内は99番目に相当する。

*#2709 偏差値と「100人(百校)中の順位」対応表 June 22, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-22


<根室はどうだったのか?>

       表-5
<偏差値データ>
 国語A国語B数学A数学B合計平均
根室市40.2 25.5 32.5 36.7 134.933.7
根室管内32.1 21.2 28.7 34.0 115.929.0
全道48.9 44.6 44.6 49.1 187.346.8
全国50.0 50.0 50.0 50.0 200.050.0
*全国平均値は都道府県別データから算出した値を使用した 


■ 昨年の根室管内の偏差値は41.4で、今年は29に下がったように見えているが、札幌市が参加することで全道平均値が大幅に上がったことが影響している。迷惑だ、札幌市が30%ほどしか参加しない年度があると経年変化が追えない

■ 札幌市が全校参加していなかった昨年度は全道偏差値が「真の全道偏差値」よりも低かったから、それと比べて「全道平均との差が縮まった」という根室市教委の分析は「悪い冗談」である。事実は根室の子どもたちの学力低下は進行しているということ。中学生の偏差値は昨年に比べて著しく下がっっている。悔しくてならないが、偏差値29というのが根室管内の実力ベースだ。教えていてもそういう実感がある。昨年度は14支庁管内中9番目、今年は12番目だから学力が低下したのは事実だろう。

■ 根室市の偏差値は根室管内平均よりも高いのは事実だが、それで浮かれてはいられぬ、高いといっても百校中95番目に相当するのだから、全国レベルでは最底辺に属する。偏差値33.7の大学を想定してみたらいい、そんな大学には生徒が集まらないし、学歴にならない。学力がないことの証明になってしまう。いいかい、それほど学力の低い地域に転勤族が小中学生の子どもを連れて喜んでくると思う?連れて来たお父さんお母さんも困り抜いているはずだ。もちろん爺さん婆さんが札幌に住んでいるなら、こどもを置いて赴任するだろう。

 根室管内と釧路管内の科目別前年対比データは次のようになっている。

 <根室管内対前年比較>
順位年度国語A国語B数学A数学B合計平均
12201432.121.228.734.0115.929.0
9201341.645.338.040.8165.741.4
<釧路管内対前年比較>
順位年度国語A国語B数学A数学B合計平均
6201449.635.043.538.8166.941.7
9201342.845.634.439.9162.740.7


*#2492 (1) 根室管内版解説 : RC-1と偏差値 難易度の高い問題を授業でやるべし  Nov. 13, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-12


■ 根室管内は昨年と比べて偏差値が12.4も下がった、二桁減少した支庁は根室支庁管内以外にない。根室管内の中3の学力は全道一の下がり方をしている。

■ 根室管内は昨年41.4から、今年29.0へ大幅に低下した。たまたま「不作」の年なのかどうかは不明である。根室市内はC中学校がほぼ全国平均で、B中学校がそれに近い成績であったと思われる。文武両道を言う先生たちが増えつつあるし、放課後補習も増えている、授業の進捗管理も昨年から格段によくなったから、市街化地域の3中学校は底上げがなされつつあると考えていいのだろう。
 それでも根室市内全校で33.7という偏差値は全国平均の50には程遠い。全国模試で偏差値33.7の生徒が偏差値50の大学に入学したいと言ったら、進路指導室の先生は笑うだろう。根室高校普通科学年120人中115番の生徒が偏差値50の大学に進学を希望するのと同じだから。
 でもね、あきらめてはいけない、正答率の絶対的な差はそれほど大きくない。集団で正答率を1割アップすれば全国平均に肉薄し、2割アップすれば全国平均を凌駕できる。要するに適切なプログラムをつくってやればいいだけのことだ。市街化地域のC中学校が実例を見せてくれた。

■ 昨年度のデータでは、全国平均と根室管内平均の正答数の差は4科目合計でたったの3.5問に過ぎない。根室管内正答数平均値56.7問(93問中)、全国平均正答数60.2問である。このようなわずかの差でも教育行政が適切なバックアップをしない限り、根室管内平均値は全国平均には届かない。どの市町村のどの学校のどの科目という風に限定できないと適切な対応ができない。それにしても各市町村教委は学校別・科目別のデータをもっているのだろうから、学校別・科目別に適切な対策を支持できるはずである。それをしないあるいはできないのは職務怠慢であろう。

■ 課題はハッキリしている。国語Bの偏差値が25.5と極端に低いのは読み・書きのスキルに大きな問題のあることを意味している。中3で読み・書きスキルが小4以下の生徒が20~30%くらいいそうだ。分数や小数の四則計算技能が身についていない生徒も30%くらいいるだろう。「読み・書き・計算」トレーニング量が不足している。
 躾や小学校教育に大きな問題のあることを中学校の学力テストデータが示している。

■ 根室市教委はこの偏差値データをみてどう思うのだろう?
 昨年度の全国学力テスト結果に根室市教委の課長職の「全道平均との差が縮まった(=学力が上がった)」というコメントが北海道新聞に載っていたが、昨年は全数調査ではなく札幌市の中学生の2/3が参加していなかったから、全道平均値が真の平均よりも低かっただけの話、あのときも弊ブログで根室市教委批判を載せたが、その通りだったことが2014年度全数調査による学力テストでハッキリした。
 昨年度の『~結果評価報告書』には「結果についての点検がなされていない」という意見がつけられていたが、根室市教委はどのように改善したのだろう?
 根室市教委は2014年度の学力テストが偏差値33.7で全国平均50との格差がさらに広がったのだから、学力向上のための教育施策について客観的な数値データで点検をすべきだろう。
 仕事はひたすら正直に誠実にやればよい。

-----------------------------------------
■ 【全道14支庁管内・偏差値ランキング表】

#2485 (小・中対比) 2013年度
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09


 #2859 全国学力テスト:根室市教委の「結果報告書」-1   Nov. 7, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-07

 #2888 H26全国学力テストデータ分析(4):前年対比14支庁管内別偏差値 Nov. 28, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-28 

 #2890 H26全国学力テストデータ分析(5):偏差値の仕組み解説 Nov. 30, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-29-1

------------------------------------------------

*#2606 根室の中学校の過去6年間の学力低下を検証する  Feb. 28, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27-1

 #2672 急激な学力低下はなぜ起きているのか?:假説 May 10, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09ある

 #2806 高校数学面白い問題 :小中学校の先生たちへ Sep. 14, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-09-13-2

 #2869 根室の中学生の学力の現況(1):B中学校の例 Nov. 16. 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16

 #2870 根室の中学生の学力の現状(2):C中学校  Nov. 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-1

 #2871 根室の中学生の学力の現状(3):学級崩壊  Nov. 16, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-2

 #2872 根室の中学生の学力の現状(4):B中学校2年生も問題あり Nov. 18, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18

 #2873 根室の中学生の学力の現状(5):C中学校1年 Nov. 19, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18-1

 #2875 根室の中学生の学力の現状(6):B中対C中学校1年 Nov. 20, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-20

*#2865 マルクスの労働観と日本人の仕事観:学校の先生必読 Nov. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-13





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#2886 H26全国学力テスト分析 (2) :中学校・都道府県別・科目別偏差値表  Nov. 27, 2014  [68.H26全国学力テスト・データ分析]


[表-2]
       original
科目SDsumAV分散新聞
国語A1.60073739.779.574.405479.40.1681
国語B2.0989215.851.044.405451.00.0404
数学A2.62861140.967.416.909767.40.0085
数学B2.9035420.559.668.430559.8-0.143

 偏差値=(科目別正答率-科目別平均値)/標準偏差*10+50
 偏差値=(x-AV)/SD*10+50

 10月30日付の北海道新聞に載っている「科目別・全国平均値」と都道府県別・科目別平均値には当然のことながら差が出るので、それを「差」と表示した。一番誤差が大きい国語Aで2%、他の科目は1%未満だから、気にしなくていいだろう。
 科目別正答率が公表されている市町村の偏差値は上記の表の平均値や標準偏差を利用して出してみたらいい。
 昨年度のワークシートをチェックしてみたら、標準偏差算出に都道府県別正答数データを利用していた。今年度は正答率データで標準偏差を計算している。計算された偏差値への影響はない。

[表-3]

 

<都道府県別・科目別偏差値表・ランキング表>
 国語A国語B数学A数学B平均偏差値
1福井県71.473.276.274.973.9
2秋田県80.272.771.370.173.6
3富山県67.169.364.063.666.0
4石川県64.662.763.362.963.4
5静岡県57.757.063.363.960.5
6群馬県59.665.156.860.160.4
7山口県57.156.561.060.158.7
8東京都57.160.355.357.457.5
9愛媛県54.658.454.961.257.3
10青森県58.954.657.253.656.1
11岐阜県51.454.659.155.755.2
12愛知県47.752.258.759.854.6
13兵庫県52.150.358.355.754.1
14山形県56.455.050.751.953.5
15広島県53.349.353.852.952.3
16熊本県46.551.250.056.751.1
17山梨県52.754.646.950.151.1
18千葉県51.453.147.351.550.9
19京都府48.951.251.151.550.7
20香川県48.351.751.551.250.7
21奈良県46.548.954.252.950.6
22神奈川県47.752.248.453.950.6
23島根県53.954.645.048.150.4
24宮城県54.654.643.149.150.3
25鳥取県49.650.850.050.150.1
26新潟県49.646.551.950.549.6
27茨城県52.156.046.543.649.6
28栃木県48.351.748.148.849.2
29埼玉県48.952.245.448.848.8
30宮崎県42.746.053.850.848.3
31徳島県48.344.154.244.647.8
32岩手県55.853.637.442.647.4
33北海道48.944.644.649.146.8
34長崎県46.544.148.148.446.8
35長野県50.842.249.244.646.7
36大分県51.446.046.942.246.6
37福島県48.947.439.740.244.1
38三重県40.240.348.845.343.7
39福岡県42.743.143.143.643.1
40鹿児島県40.840.842.745.742.5
41滋賀県39.639.346.538.441.0
42岡山県41.536.042.437.139.2
43佐賀県40.239.337.039.138.9
44和歌山県36.533.144.340.238.5
45大阪府34.031.740.840.536.7
46高知県35.234.132.129.132.6
47沖縄県17.724.115.017.818.6




■ 最下位グループの4府県は、国語Aと国語Bの偏差値が共に37以下である。国語の学力が低ければ、学力全体が低下してしまうと言えそうだ。読み・書き技能が劣るものは計算力や文章題の読解力も劣るということ


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 #2859 全国学力テスト:根室市教委の「結果報告書」-1   Nov. 7, 2014 
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 #2888 H26全国学力テストデータ分析(4):前年対比14支庁管内別偏差値 Nov. 28, 2014 
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 #2890 H26全国学力テストデータ分析(5):偏差値の仕組み解説 Nov. 30, 2014
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#2885 H26全国学力テスト分析 (1) :中学校・都道府県別データ入力ワークシート  Nov. 27, 2014 [68.H26全国学力テスト・データ分析]

 2014年度の全国学力テストデータ分析を始めた。中学校の道内14支庁管内別データを算出し終わったところだ。小学校は明日計算してみる。
 
<利用したデータ>
 元にしたデータは都道府県別正答率データである。全国平均値はこの都道府県別データの平均をとったので、11月25日付北海道新聞に載っていた全国データとは少し異なる。
 都道府県別データには相対度数が出ていないので、それの単純平均値で全国平均値を代替した。真の平均は全受験者のデータを加算して受験者数で割って出さないといけないが、そういうデータは公表されていないし、基本統計量も公表されていない。
 ebisuは基本統計量の公表を望む。

 そういう制限があるなかでデータを加工して、都道府県別・科目別正答率データから基本統計量と偏差値を計算した。元にしたデータと計算値を公開して、他の方の利用の便に供したい。ソネットのブログは10万字の制限があるが、EXCELはことのほかメモリーを食うようで、各種の表は何回かに分けてアップする。ほんとうは全部を一括アップしたほうが見やすいのだがご辛抱いただきたい。

*都道府県別偏差値データを公表しているサイトがあったので紹介する。元にしたデータと計算式があきらかでないので、ebisuの計算したものとは少し違っていることだけお断りしておく。
http://todo-ran.com/t/kiji/16236

<1.入力したデータのチェックシート>
  [表-1]
 全国学力テスト・中学校
<都道府県別正答率データ>
 国語A国語B数学A数学B
北海道79.4 49.9 66.0 59.4
青森県81.0 52.0 69.3 60.7
岩手県80.5 51.8 64.1 57.5
宮城県80.3 52.0 65.6 59.4
秋田県84.4 55.8 73.0 65.5
山形県80.6 52.1 67.6 60.2
福島県79.4 50.5 64.7 56.8
茨城県79.9 52.3 66.5 57.8
栃木県79.3 51.4 66.9 59.3
群馬県81.1 54.2 69.2 62.6
埼玉県79.4 51.5 66.2 59.3
千葉県79.8 51.7 66.7 60.1
東京都80.7 53.2 68.8 61.8
神奈川県79.2 51.5 67.0 60.8
新潟県79.5 50.3 67.9 59.8
富山県82.3 55.1 71.1 63.6
石川県81.9 53.7 70.9 63.4
福井県83.0 55.9 74.3 66.9
山梨県80.0 52.0 66.6 59.7
長野県79.7 49.4 67.2 58.1
岐阜県79.8 52.0 69.8 61.3
静岡県80.8 52.5 70.9 63.7
愛知県79.2 51.5 69.7 62.5
三重県78.0 49.0 67.1 58.3
滋賀県77.9 48.8 66.5 56.3
京都府79.4 51.3 67.7 60.1
大阪府77.0 47.2 65.0 56.9
兵庫県79.9 51.1 69.6 61.3
奈良県79.0 50.8 68.5 60.5
和歌山県77.4 47.5 65.9 56.8
鳥取県79.5 51.2 67.4 59.7
島根県80.2 52.0 66.1 59.1
岡山県78.2 48.1 65.4 55.9
広島県80.1 50.9 68.4 60.5
山口県80.7 52.4 70.3 62.6
徳島県79.3 49.8 68.5 58.1
香川県79.3 51.4 67.8 60.0
愛媛県80.3 52.8 68.7 62.9
高知県77.2 47.7 62.7 53.6
福岡県78.4 49.6 65.6 57.8
佐賀県78.0 48.8 64.0 56.5
長崎県79.0 49.8 66.9 59.2
熊本県79.0 51.3 67.4 61.6
大分県79.8 50.2 66.6 57.4
宮崎県78.4 50.2 68.4 59.9
鹿児島県78.1 49.1 65.5 58.4
沖縄県74.4 45.6 58.2 50.3

<2.都道府県別・科目別偏差値表>
 [表-2] この表もオーバフローのため次回へ

<3.都道府県別偏差値ランキング表>
 [表-3]
 メモリーオーバのため次回へ回す。


<お楽しみ・・・>
 今年の学力テストは札幌市のすべての公立中学校が参加しているから、道内平均値が昨年より高いことが予想される。それはどの程度なのだろう。
 ■ 道内14支庁管内別偏差値データ・ランキングは昨年と順位が入れ替わっただろうか?
 ■ 管内別学力格差は開いたのかそれとも縮まったのか?
 ■ 釧路管内と根室管内の偏差値はどれくらい変化したのか?
 ■ 道内学力最底辺管内(下から3つ)はどこか?
 ■ 根室市と根室管内は偏差値でどれくらい差があるのか?

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 #2859 全国学力テスト:根室市教委の「結果報告書」-1   Nov. 7, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-07

 #2888 H26全国学力テストデータ分析(4):前年対比14支庁管内別偏差値 Nov. 28, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-28 

 #2890 H26全国学力テストデータ分析(5):偏差値の仕組み解説 Nov. 30, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-29-1

 #2865 マルクスの労働観と日本人の仕事観:学校の先生必読 Nov. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-13



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#2859 全国学力テスト:根室市教委の「結果報告書」-1   Nov. 7, 2014 [68.H26全国学力テスト・データ分析]

  10月30日の北海道新聞根室地域版に根室市教委作成の4科目結果データが一覧表になって載っていた。同じものが市教委のホームページに載っているが、貼り付けられないのでEXCELで作り直してお目にかける。この報告書の正式名称は「平成26年度全国学力・学習状況の結果」(以下「結果報告書」と略記)。
*http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/9ebe7710315e8ac149257aec000a715c/$FILE/%EF%BC%A826gakuryokutesutokekka.pdf
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2014年全国学力テストの根室市と全道、全国の平均正答率
 国語A国語B数学A数学B平均
小学6年生根室市71.451.474.350.762.0
 北海道71.852.975.855.263.9
 全国72.955.578.158.266.2
中学3年生根室市78.045.962.855.860.6
 北海道79.449.966.059.463.7
 全国79.451.067.459.864.4
*小学校は「数学」ではなく「算数」である。    

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 このほかに経験年数ごとの教員配置に関する表が最後のページに載っている。この二つ以外に表はない。北海道教育委員会はレーダチャート用のツールを各市町村脅威に配布したはずだが、レーダチャートは一つもない。グラフやチャートが一つもない「結果報告書」は異様に見える

<民間会社の経営改善のためのデータ分析との比較>
 民間会社では何のためにどのようなデータ分析をしているのか、具体例を紹介して比較の材料に供したい。
 わたしは1978年にエレクトロニクスの輸入専門商社に中途入社し、会社の過去の業績データを並べ、統計処理を施してさまざまな表に展開して経営分析報告書を書き、四半期ごとに現状の問題点を「収益見通し分析委員会」で社長を含む役員全員に説明していた。その後併行していくつかの利益管理用のツールであるコンピュータシステムを開発して利益構造を変え、自己資本を充実させて財務体質を改善した。そのときに25本のゲージを有するレーダチャートも作成し、25項目の総合偏差値で業績の目標管理をしていた。長期計画委員会は社長が委員長となり、実務はebisuがやり、委員会でメンバーの役員全員に説明していた。同時に年度予算編成と予算管理も統括したのは、長期計画との連続性が必要だったからであり、四半期ごとに目標と実績を並べて比較分析をして目標値の達成度合いを繰り返し検証していった。
 過去5年分の会社の決算データや理想的な財務体質や利益構造を考慮し、目標管理に使える面白いレーダチャートだった。25本のゲージの多くは標準偏差を計算して決定していた。25本のゲージは5つのデメンション、財務安定性、成長性、生産性、収益性、資本効率性の五項目に分類され、目標管理がなされていた。当時そういう目標管理を実現していた日本企業はほとんどなかっただろうと思う。簿記ができて同時に科学技術計算用の計算機でプログラミングができる人材がいなかったからだ。分析は財務体質と利益構造の変革を目的にしていたから、それらの目的に必要ないくつかの個別のシステム開発を伴っていた。日本の管理会計の専門書には会計情報システムについて詳細に書かれたものがなかったから、米国で出版されて翻訳のないものをいくつか読まなければならなかった。汎用大型機を利用した先端の統合型会計情報システムの具体例を原書で読んですぐに仕事で応用したのである、1979年のことだった。SEレベルのシステム開発技術と管理会計の素養がなければ読めない本だったから、当時は翻訳できる学者が国内にいなかった。時代は複合分野がこなせる人材を必要としていた。
 財務データやそのほか会社の経営に関わるさまざまな数値データを並べても全体を理解できる役員はメッタにいないし、経理財務担当役員だって決算書データを並べただけで全体の構造や問題点が具体的にわかるわけはない、経営分析や経営管理のプロのわたしだってデータを加工してみなければわからない。
 わかりやすいように移動平均の折れ線グラフ、円グラフ、帯グラフ、ガントチャート、ヒストグラム、函ひげ図、レーダチャート、パートチャートなど手当たり次第に使った。
 移動平均値や基本統計量を計算したりするので、ヒューレットパッカード社の科学技術用プログラマブル計算機を使用していた。普通の電卓で計算していたら、電卓を叩くのが仕事になってしまうし、計算の正確性が保てない。だからプログラミングしてさまざまな統計計算をパッケージ化してしまったのである。そのなかにはたくさんの線形回帰分析や小数の曲線回帰分析が含まれていた。
(パソコンが仕事で使えるような高性能なレベルになったのは十年ほどしてからのことで、1990年頃からである。最大手の臨床検査会社SRLへ上場準備要員として入社し、1991年頃に子会社管理部へ異動したときに、1979年に開発した経営管理システムとレーダチャートを丸ごとEXCELに移し変えた。パソコンがようやく仕事で使えるレベルになった。入力したデータからレーダチャートを自動描画できるようになったのがありがたかった。1980年頃にマイクロ波計測器制御用のコンピュータとプロッターを使ってやりたかったが、どちらも200万円ほどの価格で400万円の機器には手が出なかった。手で描けばすむ作業が、4色プロッターできれいに書けるだけのこと、でもやってみたかった。)
 産業用・軍医用エレクトロニクスの輸入商社では、四半期ごとに経営分析をして社長を含む役員に説明し、併行して財務体質や利益構造を改善するコンピュターシステムを開発、5年間で売上高経常利益率を5%ほどアップすることができた。売上40億円の輸入商社で売上高経常利益率を5%アップしたら、高収益で財務の安定した会社へ脱皮できる、劇的な変化だった。人件費を増やして売上を増やし、売上総利益率をアップして会社は高収益会社となり、後に店頭公開を果たしている。東大出の三代目が潰してしまい、他の会社に吸収されたようで数年前に店頭市場から消えた。
 ebisuは上場直前のSRLやSRLとテイジンの合弁子会社などで数回似たような経験を積ませてもらった。良質の仕事がなければスキルを磨くことができないし、他に抜きん出るスキルを複数もっていなければ良質の仕事は任せてもらえない。ふだんの勉強が物を言う。

 誰にでも理解できるようなグラフやチャートに展開して現状を分析することは業績の改善にとって重要であるように、低学力の改善にも欠くことのできないものである

 ebisuはデータの扱いには多少慣れているのだが、根室市教委の「結果報告書」を見ると、表が二つのっているのみで、グラフもチャートも一つもないのでたいへん奇異に感じた次第。同じパターンの分かりにくい説明を最初から最後まで読み通すことのできる人はよほど忍耐強い人に違いない。そしてせっかく読み終わっても何が書いてあったか内容が思い出せる人はいないだろう。
 担当者やその上司が根室の子どもたちの低学力状況を何とか改善したいという熱意がちっとも伝わってこない。できの悪い生徒が出された宿題をいやいややっているのと瓜二つに見えてしまうのは、工夫も情熱も感じられないからである。

 道教委はその辺りの不便を解消するためにレーダチャートが簡単に作れるようなソフトも配布しているのだが、ひとつも利用していない。猫に小判、馬の耳に念仏とはこういうことを言うのだ。
 手抜きのわかりにくい報告書になってしまった。担当者がこんなものを作ったとしても、上司がどうしてこんな報告書に承認印を押したのか理解できない、民間会社では上司が作り直しを命ずるだろうから、ありえない報告書である。同じお役所でも帯広市教委はきちんと仕事しているし、あの地域の子どもたちの学力も根室よりずっと高い。熱意や仕事の力量は結果に大きく影響するものなのである
 子どもたちの学力の低い地域は市教委の仕事の能力も低いようだ。この二つの現象の背後に因果関係が隠されているのだろうか?

<「結果報告書」のデータ分析具体例>
 この結果報告書は全国や全道データと根室市のデータをただ並べ、項目ごとに次ぎの9分類をしただけ。
■著しく高い
■相当高い
■高い
■やや高い
■同程度
■やや低い
■低い
■相当低い
■著しく低い


 データの羅列のみで、なぜそうなっているのかという分析がない。
 たとえば、こうである。
--------------------------------
≪算数・数学の状況≫
○ 算数・数学の基礎知識を測定する算数・数学Aでは、全道と比較して小学校はやや低く、中学校は低い。また、全国と比較して小・中学校とも低い。
○ 算数・数学の活用能力を測定する算数・数学Bでは、全道と比較して小・中学校ともに低い。また、全国と比較して小学校で著しく低く、中学校は低い。
--------------------------------
 人を食ったこういう調子の説明が延々と続くのだが、これで頭の中に具体的なイメージがわく人がいるだろうか?根室市のデータが全道データと全国データに比べてどうであるのか7つの分類を項目ごとに延々と綴るのみ。実に退屈で、どこに問題があり、なぜこういうことになっているのかわかる人が一人でもいるだろうか?


<表と偏差値による評価の対比>
 気を取り直して、最初に挙げた表をもう一度見てもらいたい。4教科小中学校どちらも、全道平均も全国平均も超えたものはない道教委は全部の市町村で全国平均値を上回ることを目標にしていたはずだが、「結果報告書」には目標への言及すらない。結果の検証という意識がない、結果は全敗である民間会社ではこのような「全敗」での目標未達は責任を問われる。教育長や学校教育部長や担当課長職は責任を問われて当然だ職務権限には責任が伴うはずだが、そういう反省のない報告書だ
(全道14支庁管内データが北海道教育委員会から公表されていないので、昨年のように管内別での偏差値比較ができない。道教委は方針を変えたのだろうか?昨年より、ずっと後退してしまった。)
 47都道府県データで計測した北海道の小学生の偏差値は37.3(45位)、中学生は46.7(31位)です。小学校は前年36.4(45位)、中学生は45.1(37位)
 結果からいうと、北海道全体では中学校がすこしよくなったと言えそうだが、札幌市が参加したことによるのだろう。ここでも話は簡単だ、前回の全国学力テストでは、札幌市は一部の学校しか参加していない、札幌圏の平均点が道内で一番高いことは前回の14支庁管内別偏差値で判明している。札幌圏の全校が学力テストに参加したら、北海道全体の平均点が上昇するのは当然のことだ。

(ついでにいうと、大学入試で偏差値36の大学は最底辺であり、就職は実に困難だ。偏差値45クラスは下位三分の一に相当し、100社に応募したとして正規社員の職にありつけるのはせいぜい半分程度、やむなく非正規雇用で妥協するか、いまも就職活動で走り回っている学生が多い。偏差値55以上の上位三分の一は大学4年の四月に半数程度が条件のよい正規社員の内定をもらっている。偏差値60を超える大学の学生は春に大手企業に就職内定をもらった者が多いだろう。偏差値はわかりやすいのである。)

 昨年北海道教育委員会によってなされた14支庁管内別データが公表されていない。前回初めて14支庁管内別の結果報告書が作成されて公表されたが、あれはずいぶんと手間のかかる仕事だ。現場は死ぬ思いで仕事をしたに違いない、いい仕事だった
 わたしは文科省が公表した都道府県別全国データと北海道教育委員会が公表した14支庁管内別データを利用して14支庁管内別・科目別の偏差値を計算して公表した。同じデータが公表されれば、根室管内の偏差値が計算できるし、今回根室市教委が公表した科目別正答率表データを使って根室市の偏差値が算出できる。根室管内の中で根室市の子どもたちの学力がどの程度の差があるのかが偏差値で理解できる
 根室市教委はデータをもっているのだから、やる気があれば偏差値を計算公表できる。立場上やれないのならebisuが公表データを使いブログで公表すればいい。その気になれば教育行政と地域社会は連携していい仕事ができるのである
 根室市教委だって、いまどきEXCELで標準偏差や偏差値が計算できない能力の低い職員ばかりではないはずだから、もうすこしグラフやチャートを工夫した公表の仕方を考えたらどうだろう。

<サンプル分析>
 面白い記述があるからそれをとりあげてみたい。この報告書の中に、学習塾に通っている生徒たちのテストの点数が低いと書かれているが、わたくしもその通りだと思う。
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・学習塾で勉強している児童生徒の平均正答率は、そうでない場合よりも小学校ではやや低く、中学校では低い。・・・6ページ
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 この報告書には、なぜかという理由が載っていない。
 簡単なことだ。この8年間に大きな変化があった市街化地域の3校で学力テストが400点以上の生徒が8年前には20名前後の学校が2校あったのだが。いまは各校数名で、3校集めても10名に達しない。つまり、高学力層がほとんど消滅し、低学力層が肥大化した
 根室市内のどの塾にも根室にも高学力層の生徒がほとんどいなくなった、一学年数名ずつしかいない。各塾ではほんの一握りの高学力層の生徒には個別指導しか手段がない、ニムオロ塾は個別指導だからもちろんそうしている。
 その一方で肥大化した低学力層の生徒が増えた。小学校や中学校が放課後補習を嫌がり、学校教育で落ちこぼれてしまった生徒は学習塾で救済せざるをえない状況が現出していた。
今年になってから学校の状況が変わって、放課後補習を組織的にやっている学校が増えた。状況に改善の兆しの見えることはいいことです。)

 中学生で小数や分数の四則演算に問題のある生徒は三人に一人いる。50年間で根室の子どもたちの基礎計算能力が著しく落ちた。小学生の時期に珠算塾に通わなくなったことと、小学校での計算トレーニング量が激減していることや、放課後補習をする先生がほとんどいなくなってしまったからだろう。5年6年生のときに習ったT木先生(曙町)は放課後補習をよくしてくれた。「分数計算のわからなかった人は残れ!」「小数の割り算のやり方のわからない人は残れ!」ってね。
 文章を読む速度の遅い生徒も増えている。大量に本を読む生徒が少なくなってしまったからだ。スマホにゲーム、生徒たちは忙しい、夜中までスマホをいじって、中学生でも学校で授業中に居眠りしている。字を書く速度の著しく遅い生徒も増えている。先生たちがプリント主体の授業を増やして、板書をする機会が少なくなったからことが原因の一つだ。それぞれに原因がいくつか絡んでいる。そういう糸をほぐさないで効果的な学力向上策がたてられるか?


 この8年間で高学力層が消滅しつつあるのは残念なことだが事実である
。「浜焼け」という言葉があるが、高学力層がめっきり減少してしまった。そういう危機的状況に根室市教委はいまだに気がついていないのだろうか。

 具体的な数字を挙げて説明してみたい。
 五科目合計点が400点を越す生徒が市街化地域の3校で、1学年10名以下、少ないときには4名である。根室は高学力層がほとんど消滅しかかっており、高学力層対象の集団授業へのニーズが失われた。1学年数名の生徒に個別補習すればいいだけ。
 五科目合計点で400点以上を高学力層と書いたが、高校生対象の全国模試では400点の生徒の偏差値は45~47くらい。430点超で偏差値50相当、つまり大学受験生では430点くらいが真ん中の成績。400点以上の生徒数は根室市内全部で一学年たった10名以下で高校生になって偏差値55以上(上位三分の一)の大学へ一般入試で入学できる生徒数は5名以下になるだろう。推薦入試組みが増えている。
 根室高校普通科の先生たちが、放課後の「進学講習」を繰り返してくれているが、まもなく焼け石に水の状態になるだろう。数学をみても授業速度が低下している。定期テストの問題も教科書準拠問題集からそのまま、しかも事前にプリント復習宿題でやらせるという風に変ってしまった。毎週まるで小学生の宿題みたいなものを出さざるをえなくなっている。こうして高校生の幼児化が進んでしまった。対処療法を長く続けると強い副作用があるのは薬の世界と同じ。名医は病気の原因を見極め、処方箋を書く。

 市内の生徒数が12年前に比べておおよそ55%程度に減少しただけでなく、高学力層がほとんど消滅しかかり(四分の一以下に激減)、低学力層が急激に増えてしまった、それが根室の現実

<10年後>
 私塾経営から客観的にみれば、高学力層が消滅しかかっている根室はすでに「限界集落」である。
 10年後にはどうなっているだろう?
 1学年数人いる高学力層はネットで安い商品が出ているから、ネット予備校のようなもので勉強すればいい。低学力層は、私塾が消滅すれば学校が放課後個別補習をして救済するしか手がなくなる。手間が数倍かかるから、地域の人々が協力してあげないと根をあげてしまうだろう、それほどたいへんな仕事になる。

 小学生や中学生は「寺子屋」方式がいい。総務省の公務員アウォード大賞をとった釧路市立病院職員の大越さんがいい仕事をしてくれている。根室にもそのうちにボランティアが現れて「寺子屋ねむろ」をつくるだろう。

*#2642 釧路の教育改革と公務員アウォード大賞 Apr. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13-1


<家・学校・私塾:やれる範囲のことをやろう>
 弊ブログで「公開時事英語授業」をやっているのは、根室の数名の高校生のための、そして道内で似たような状況下にある地域の高校生に向けた情報発信。英字新聞記事は面白いのだが、大学3年次レベルの授業でやっているのが当たり前だから、高等学校の授業でとりあげるのは無理がある、でも、意欲的な高校生には必要だ。学力が高くても経済的な理由で進学できない者も少なくない。そういう若者たちのための公開講座だ。


 根室の海はすっかり「浜焼け」して、高学力層の魚が一学年数匹しか泳いでいない。子どもたちの前に大人が劣化したことは根室市教委の「結果報告書」にも、市長選挙に地元出身の対立候補が3期連続していなかったことにも現れている。子どもの躾けのできない親もじわじわ増えている。躾けの劣化は学力の劣化と強い相関がある。躾けの善し悪しや育ちの善し悪しは言葉づかいと勉強の姿勢や礼儀作法に現れる。
 がまんすることを教えよう。何でも買い与えたら子どもをだめにする。塾で一番厄介なのは、親の言うことが聞けない、学校の先生の言うことが聞けない、塾の先生の言うことが聞けない生徒だ。やらなければならないことを辛抱してやれる人間に鍛えなければ、その子の未来は暗い。
 家でも、学校でも、私塾でも厳しく子どもを躾けたいものだ。
 ニムオロ塾では、塾長の言うことを聞けない生徒には「成績が上がらないし他の生徒の迷惑になるから、さっさとやめていいよ」とはっきり言うように変えた。昨年までは3年間でも辛抱して生徒が変わることを待ち続けたが、だんだん気が短くなってきた。
 余り言うことを聞かなければときに、頭もゴチンと叩く。平手で本気で叩いたら怪我するから、手加減はする。わがままな子は嫌なら塾はやめればいい、本気でやる気を起こしたらいつでも大歓迎だ。かってながら、厳しく躾けて構わないという親御さんが諒解してからお預かりする。
 このように10年前に比べると生徒のレベルがかなり下がってしまった。携帯はスマホへ替り、オンラインゲームははるかに高機能となり、パソコンもほとんどの生徒が利用している。ケジメのある利用、つまり利用制限をしないと子どもたちは長期にわたって中毒症状を呈する。そうなったら、精神科へいって治療しないといけなくなるが、それも親がしっかりしていないととてもムリ。家庭でも学校でも学習塾でも、協力して躾けは厳しくやろう。

<能天気な根室の教育行政>
 学校関係者や教育行政関係者はよく「知徳体のバランス」とか「社会で生きるための力」を強調する。最近任命された新任の教育長T氏も北海道新聞の取材に応じて、得意げに語っているから、11月5日付の根室地域版で確認したらいい。
 小学校6年生レベルの漢字が半分も書けない中学生や分数や小数の計算すらできない中学生に「社会で生きるための力」がありますか?高卒なのに中卒程度の学力もあやしい若者に安定した会社の正社員の職があると思いますか?
 
もちろんあろうはずがない。小4程度の基礎学力しかない中学生は「社会で生きていくための力が非常に弱」く、とっても苦労する。
 そういう就職状況を知っていて「知徳体」ということで、基礎学力をもたない小中学生が三人に一人いる現実に目をつぶる、そんな者に教育を語る資格はない
 こういうことを言う人は自分が大卒で勉強して現在の職についているのに、若者には「知徳体のバランス」が大事で、学力だけではないとしたり顔に言う。ずるくて卑怯な人間だ。昔は卑怯な人間のことを「人間のクズ」と言ったものだ。
 グレて高校へ行かなかったり、高校を中途退学して社会人となって苦労した人は「知徳体のバランス」なんてことは言わない、「学力は大事だ、一生懸命に勉強しておけ」と言う、自分が苦労したからだ。

 根室の市街化地域の3中学校はこの2年間で授業の進捗管理が著しく改善した。放課後補習も学校で取り組んでいるところがあり、学力の底上げが進みつつあるでも油断は禁物で、定着するまで数年かかるでしょう。現場の努力に敬意を表すると共にその継続努力に期待している
 根室市の教育行政の熱意や仕事のレベルはこの「結果報告書」に端的に現れている、まことに残念でならない
 2年前の帯広市教委の「平成24年度全国学力・学習状況調査結果 帯広市の結果報告書」のURLを書いておくので、根室市教委と比べて見たらいい。天と地の差がある。担当している職員や教育長の情熱や仕事の能力差がはっきりでている。根室市教委は謙虚に反省して来年は労を惜しまず、まともな報告書を公表してもらいたい。

*「帯広市の平成24年度全国学力テスト報告書」
http://www.city.obihiro.hokkaido.jp/gaxtukoukyouikubu/gakkoukyouikusidousitu/d100307gakuryoku-tairyoku-test.data/zenkokugakuryoku24.pdf

 釧路の教育を考える会のメンバーの一人が、「根室は数値の公表をしているから釧路よりも立派」と言ってくれたことは、記しておく。科目ごとの正答率を公表したのは昨年よりも前に進んだということだ、根室市教委、悪いことばかりではない。

 表のあとに「全体の傾向」として総評が六項目載っている。

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○ 昨年度と比較して全体を通してみると、小学校は全国・全道との差が若干拡がったが、中学校は差が縮まった。
○ 問題の内容や受検する児童・生徒が異なることから、経年比較は極めて困難であるが、標準化得点により、昨年と比較すると、小学校は全道・全国との差が若干拡がったが・中学校では全道・全国との差が縮まった。
○ 4教科の平均では、全道と比較して小学校はやや低く、中学校は低い。また、全国と比較して小。中学校ともに低い。
○ 4教科の平均でみると、小学校では4校が全国・全道平均を上回っている。また、中学校では4校が全道平均を上回り、その内3校が全国平均を上回っている。
○ 国語、算数・数学とも基礎的・基本的な知識、技術を活用する能力を更に身に付けさせることが大きな課題である。
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 問題はなぜ小学校では全国との差が広がっているのか、中学校では差が縮まったのかだ。そして来年度はどのような対策を打ち、全国平均をどうやって超えるのか、市内の学校別に計画をたて、結果の検証をしてもらいたい。

 市教委は結果の検証をしていないと、退職校長の「学識経験者」が昨年「平成24年度 教育に関する事務の管理および執行状況の点検および評価報告書」(以下「24年度教育点検評価報告書」)意見を記していた。その意見を今年度どのように活かしたのかもホームページ上で説明をしてもらいたい。
 「24年度教育点検評価報告書」より引用
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http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/3dbb59ad0b6b3ca549257b93001c9015/$FILE/24hyouka.pdf

○ 塙 文 彦 氏
根室市教育委員会は、社会を生き抜く力を育む学校教育活動の充実を図るために3項目にわたる施策について体系的に推進していますが、その執行状況についての点検・評価が行われていますが、それらについての所見を述べさせていただきます。
■ 施策:『根室市の確かな学力向上に関する取組み方針』の推進
様々な施策を実施し、社会を生き抜く力を育む学校教育の推進に当たっていることは大変重要なことであります。
平成24年度の『学力向上』を視点に48項目にあたって、施策の実施を行政評価をしていますが、殆どの項目については実施したことの内容が記述されているだけで、評価、つまりどういう実践効果があったのか、各学校の現状を明らかにしていくことが必要であります
・・・
-----------------------------------------
 「平成25年度教育評価報告書」にはこの「学識経験者」の名前がない。市教委は異論を書くものを排除したのだろうか、「学識経験者」の任命権は市長にあるのだろう。市長が好い加減なら教育政策も恣意的なものになるということか。

*#2860 「学識経験者」がひとり消えたのはなぜ? Nov. 8, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-08


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#2791 充分に勉強しているつもりの道産子 Aug, 28, 2014 [68.H26全国学力テスト・データ分析]

 全国学力テストと一緒に実施されたアンケートの都道府県別データが公表されている。
 「家で、学校の授業の復習をしていますか」との問に「している」と「どちらかといえばしている」と解答したのは(小学校、中学校)=(62.6%, 55.8%)で、全国平均値の(54.0%, 50.4%)を大きく上回っている。その差は(+8.6, +5.4)ある。
 ところが、ウィークディに1時間以上勉強している層をみると、北海道は(51.4%, 60.3%)に対して全国平均値は(62.0%、67.9%)であり、大きな隔たり(-10.6%, -7.6%)がある。

 北海道の小中学校では基本問題を授業でやるが、難易度の高い問題は学校では扱わない。学校の授業の基本問題を短時間おさらいしただけで勉強したつもりになっている。たとえば、首都圏の公立小学生の四人に一人は私立一貫校を受験するために予習中心の勉強をやっているので、ほとんどの生徒が復習しかしない道産子よりも勉強時間は長くなる。
 そうした事情が、このデータから読み取れるのである。首都圏の小学生は半数以上が予習中心の勉強をし始めるのに対して、根室の子どもたちの3割が予習中心の勉強をし始めるのは高校生になってからである。同じ能力なら小学生から予習中心の勉強を始めた子どもと、高校生になってから予習中心の勉強を始めた子どもにはたいへん大きな学力差が表れる。わたしは両方で教えた経験から、全国模試の偏差値で10以上の差がつくと考えている。

 毎日6時半までブカツをしたら、ウィークディは最大で1日に1.0時間しか勉強時間がとれない。成長期の子どもの睡眠時間を9時間とすると、朝7時に起きて18:30分まで学校、帰宅は7時、その後1時間「食事+まったり+お風呂」2時間とすると、残りはたった1時間だ。
 体育系のブカツを真剣にやれば食事後に眠たくなるから、本を読んだし勉強したりするのはしんどいのでテレビを見たりゲームをしたりスマホをすることになる。好きなことはやるから、睡眠時間を削っている。だから授業中に居眠りをする中学生が増えている。
 親が注意しても自我が芽生えている子どもたちは聞かぬ。土日もニブレンをやったりしたら、勉強しない習慣を毎日育てているようなものだ。3年間もそういう毎日を続けさせたら、習慣は性格にまでなり固まってしまう。気がついても治すのに3年かかることになる。実際にはほとんど治らない。やるべきときにやるべきことをやらず、テレビ、ゲーム、スマホに流れる性格の子どもたちは将来きちんとした職につけるのだろうか?少しむずかしい本は読めないから仕事で必要な専門書も読めない、学力は低い、現実は厳しい。日本から生産拠点はどんどん海外へ移転していくから、単純労働の職場は年々少なくなる。低賃金(年間100~150万円)の非正規雇用雇用しかない。

  ブログ「情熱空間」が帯グラフを掲げて詳しい解説をしてくれているので、お読みください。

http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/7481698.html
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2014年08月26日

お次は「宿題」に踏み込みましょう!

興味深いデータです。

次のデータから、本道の子ども達は、家で学校の授業の復習をしている。そう読み取ることができそうですね。全国平均よりもずっと高くなっていますから。

fukushuu



















しかし、家庭学習の時間はこういった感じで、全国平均を大きく下回るんですね。

bennkyou





















データに整合性が見られません。一方、教師の側はこうしたもの。

koku



















sann



















全国平均を下回っています。増えてはいるものの、やはり宿題の量が少ないことが読み取れます。以上を総合すると、こうした判断になります。

北海道の小中学校は、宿題の量が少ない。また、子どもの家庭学習時間も少ない。しかし、子ども達は学校の授業を家で復習していると思っている。

これ、つまりはこういったことですね。

ちょっと勉強したら、すごく勉強した気になる。
しかし、まだ量が足りていない。


実際、夏冬休みの課題(宿題)をまとめたプリントなどを見てみると、「宿題なし」とか「ワークP○~P×まで。提出の必要はなし」といったケースがとても多いんですね。中学校ですらそうなので、小学校は推して知るべし。私自身は、宿題を出す・出さない派で言ったならば、実は出さない派です。でも、その私から言わせても、やはり少なすぎると感じています。

もったいない。いかにももったいない。受験指導を生業とする塾の側から言わせたなら、実に実にもったいないことだって思います。夏を制する者は受験を制する。などと言われますが、その大切な期間がみすみす放置されてしまっているわけなんですね。「その時間、俺らにくれ!」って叫びたくなっちゃいます。

お次の攻めのポイントは、ここだって思います。宿題は、どの程度の量をもって、どういったレベルのものをもって、どういった形式のものをもって、《標準》とするのか、その《基準》を道教委が示すことだって思います。平常時のもの、長期休業中のものに分けて。ここ、本当に驚くほどに、指導する側個々人に温度差がある部分なんですよね。

宿題とは、子ども達を家庭学習へと誘い、学んだ知識の確実な定着を図ることを目的にしたツールである。故に、授業で未消化の部分を出すことは厳禁とする。配りっぱなしのもの、教師が正誤を確認しないものもまた宿題ではない。

そこの意思統一ができたならば、全国平均などクリアしたも同然だって思いますよ。道教委さん、よろしくお願いします!

●北海道教育委員会 義務教育課
平成26年度 全国学力・学習状況調査 調査結果のポイントについて
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/gky/gks/h2608tkp.htm

《追記》
宿題に関する調査項目もありますが、これだけだと、そもそも《量》が足りているのかいないのかが読み取れませんね。

shukudai



















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#2789 全国学力テスト 支離滅裂な記事 Aug. 27, 2014 [68.H26全国学力テスト・データ分析]

 北海道新聞は、北海道の学力の低さを、学習塾の質・量ともに不足していることに求めている。しかし、全国一の秋田県には学習塾が少ない。じつは学校と教育行政の取り組み方にこそ大きな違いがある。2011年11月に、釧路市議会副議長の月田さんが秋田県を訪問して数箇所現地調査をしているので弊ブログで4回にわたってとりあげた。その関連記事のURLを末尾に注記しておく。わかりやすいので、学校の先生たちにぜひお読みいただきたい。仕事の手を抜かない秋田の先生たちの具体的な取組が紹介されている。
  一番大切な教員の資質とは何かと問われたら、わたしは「自ら学ぶこと」だと答えたい。秋田県の教員が日々何をしているのか北海道の教員は学ぶべきだ。学力が上がるような内容の授業をしている。学校教育の重さを実感してもらいたい。

 北海道新聞根室支局は3度ほど教育論シリーズを敢行して、いい取材記事を載せてくれたが、本社サイドの学力テストの論評はどうしてこんなに北教組寄りで、教条的な物言いになるのだろう?同じ新聞社とは思えないほど現実を見ない偏った主張をしているようにebisuにも見えてしまう。#2787と#2789に転載した読売新聞記事とはまったく違う。
 ブログ「情熱空間」の言い分をご覧戴きたい。
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/7481456.html
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2014年08月26日

支離滅裂な記事(北海道新聞)

お次は、恐怖新聞こと北海道新聞、今日の朝刊(2014.08.26)から。

 そもそも、全国学力テスト実施自体には疑問を感じる。例えば、北海道では塾が各地にあるわけではない。道内を見ても都市部とそれ以外の地域では、事情がかなり異なる。そうした状況を考慮せずに数値が発表され、全国平均と比較される。現在、その順位や比較が独り歩きし、関心の中心となっている。

 学力調査という点では、昨年までの傾向とさほど変わらないのだから、毎年行う必要があるのかも議論していい。数値だけを追うのではなく、弱点を見つけて今後の指導に生かすというのが本来の目的ではなかっただろうか。

21面記事にはこのようにあり、しかし1面にはこうあります。

 4科目平均正答率は文科省が公表していないため北海道新聞がデータを基に試算した。

バッカじゃねーの!いや、バカそのものだな。「文科省がデータを公表してないので試算して公表しました」ってそう言いながら、「数値が発表されて、それが独り歩きしている」って、何言ってんだべか?気は確かかい?自分が散々煽っておきながら、何こそ言ってんだべか?

塾がないから点数が低い。
都市部は学力が高い。


何言ってんの、この人は?実は秋田県って、通塾率がとても低いんですよ!おまけに、都市部よりも郡部の方が学力が高いんですよ!そう、学校が塾の機能をも請け負っているって、そういうことなんですよ。そうした事実を知らないのでしょうね。お気の毒な方です。

実に4面を割いて、出題までをも大々的に掲載しておきながら、まさしく自身が派手に煽っておきながら、しかしこんなテストは不要だって、もはや支離滅裂ですな。

はい、道民はこうして洗脳されていくんですね。第一通報者の放火犯が、燃え盛る火事の現場を見て不敵な笑みを浮かべている様子。思わずそれを連想してしまいますね。こんな新聞が、NIE(教育に新聞を)だなんて、笑わせるな!って、声を大にしてそう言いたくなりますね。ふざけるな、北海道新聞よ。
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<月田レポートを4回に渡ってとりあげています>
 月田氏は釧路市議会副議長で「釧路の教育を考える会」のメンバーでもあります。秋田だけでなく東京品川区の小学校も取材しています。最近問題になっている政務調査費は、月田さんのように有効に使ってもらいたい。根室市議の中に、月田さんのように教育問題に情熱を燃やして闘い抜く人が現れてほしい。

*#1738 秋田県はどうやって学力を上げたのか?(1):「秋田と秋田」 Nov. 20, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-20

 #1739 秋田県はどうやって学力を上げたのか?(2):「ここの教員の力量頼みではない」 Nov. 20, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-20-1

 #1740 秋田県はどうやって学力を上げたのか?(3):「わかる」「できる」はクリア Nov. 20, 2011  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-20-2

 #1741 秋田県はどうやって学力を上げたのか?(4):秋田市の重点項目「小中一貫」 Nov. 20, 2011  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-20-3



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#2788 目標設定 意義あった(読売新聞) Aug. 26, 2014 [68.H26全国学力テスト・データ分析]

 北海道教育委員会が学力向上へ向けて旗を振り続けている。2代前の教育長から全国平均を上回ることを目標において具体的な施策を講じている。
(新聞記事をクリックすると別画面に全面が拡大表示されます)

 ブログ「情熱空間」より転載。
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/7481427.html
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2014年08月26日

目標設定 意義あった(読売新聞)

同じく今日(2014.08.26)の読売新聞から。立川北海道教育長へのインタビュー記事です。

(応用力以前の)基礎基本が身に付いていない子供の割合が全国より高いことが原因だ。
義務教育の目的を踏まえ、正答率の少ない子供を減らし、なくしていくのが私たちの責務だ。

嬉しいですね、本当に嬉しい。この気概、本道の義務教育現場の隅々にまで広がることを、心より願ってやみません。いわゆる、できない子の救済。自己肯定感とやらを、たかが子どもの勉強ができないことで持てないなどとは、そんなことはけっして容認できるものではありませんから。

CCI20140826_00004
















































国立教育政策研究所総括研究官、藤原文雄さんのコメントもまたすばらしい。

苦手分野を分析し、改善を図るという方法が学校レベルで進んでいる。
学習規律の徹底や学習習慣作りに学校ぐるみで力を入れた点が、特に有効だった。


「宿題を出すのは学校の敗北だ」という一部教師の認識。これ、たしかにそういった風潮が根強く残っていますね。宿題の真の目的は、学習習慣の確立にある。まったくもって、ご指摘の通りですね。授業のオープニングとクロージングに課題あり。これもまた、ご指摘の通り。一つ一つの授業に入魂。それを大切にしたならば、その部分は改善されるはずです。

お次は、2017年度調査において、全教育局管内の全教科が全国平均をクリア。というのが目標です。ハードルは、より高いものです。

やってやれないことはない。
やらずにできるわけがない。

頑張れ!すばらしい記事に、感謝・感謝であります。読売さん、ありがとう!
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#2787 全国平均あと一歩(読売新聞) Aug. 26, 2014 [68.H26全国学力テスト・データ分析]

 H26年度の全国学力テストの都道府県別データが公表された。小学校は47都道府県中44位で前回よりも一つ上がったが、依然として最下位層。中学校は5位上がって33位となった。小学校は算数Bで全国最下位の47位、算数Aも45位。北海道の小学校の先生たちは算数を教えるのがよほど苦手のようだ。中学1年生で九九が使える生徒が15%ほどいる。逆九九を教えていない先生は半数を超える。割り算の速度に影響している。基礎基本をしっかりやらないとダメだ。家庭学習習慣を小学生低学年で躾けないと中学生になるころには勉強しないのが性格にまでなってしまう。毎日6時過ぎまで少年団活動に夢中になっていると危ない。文武両道は小学生からしっかり躾けたい。

 ブログ「情熱空間」が解説してくれているので、転載します。
(新聞記事はクリックすると別画面に拡大されます)

http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/7481347.html
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2014年08月26日

全国平均あと一歩(読売新聞)

さすがは「教育の読売」、すばらしい記事(2014.08.26)です。

道教委が掲げた一大目標。2014年度調査までに全国平均クリア。残念ながらその目標には及ばなかったものの、全国平均との格差は確実に縮まってきています。高橋前教育長の英断に、今更ながら心よりの感謝を申し上げたいと思います。

国語は改善が続くも、算数・数学は基礎足踏み。まったくもってその通り。中学校は大きく改善されたものの、小学校は足踏み状態が続いています。中学3年生は、高校入試という目標が間近に迫っていることもあり、だから伸ばしやすい。しかし小学校6年生は、そうした目標がないので伸ばしにくい。そうした事情もあると思われますが、しかしそれにしても算数が弱すぎですね。

CCI20140826_00000








































北海道の子は、算数・数学が実に弱い。塾人としてずっとそれを痛感しておりますが、今回もまたそれがデータに如実に現れています。

2011年に発表された一大目標。その後、道教委は矢継ぎ早に数々の施策を打ち続けてきましたが、いかんせん北海道は広く、また読売新聞が言うところの「空気のようなもの」が蔓延している中、現場に道教委の本気度が浸透するには時間がかかってしまいました。北教組の傀儡の札幌市教委の抵抗。教職員組合の抵抗。そんな中、道教委は本当によい仕事をしてくれたものです。

残念ながら目標は達成できませんでしたが、しかし期は熟しましたね。あともう一歩。頑張れ道教委!頑張れ小中学校!頑張れ先生方!子ども達に、結果で示そうではありませんか。

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