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#4392 新型コロナワクチンの周辺の問題 Oct. 29, 2020 [8. 時事評論]

<最終更新情報>10/30朝9時

 今朝のNHKラジオより。
 感染症の専門家がワクチン開発の現状を解説していた。ファイザーとアストラゼネカやJ&Jの名前が挙がっていた。いま開発中のワクチンは遺伝子操作によって、ウィルスの遺伝子の一部を体内に入れて、抗体を産生するものだという。運び屋のベクターを使うものがあるが、ベクターの役割を果たすのはアデノウィルスだ。大阪でも大学のドクターと製薬メーカがワクチン開発をしているがこれも遺伝子操作によるワクチン製造である。少し遅れて来年末くらいに実用化される。
 NHKのアナウンサーからワクチンができたら使いますかと問われて、「うーん」と返事に困っていた。

 いまやっている臨床試験(人体実験)はどの製薬メーカも1万人ほどの被験者によるもの。インフルエンザワクチンは20-30年間も作り続けており、副作用が小さく性能がいいものに改良が続づけられている。新形コロナにはそういう歴史がなく、いきなりなのだ。一般に百万人に10例以上の副反応があれば、ワクチンとしては没になるが、1万例の臨床試験では判断がつかないというのがモノの道理。

 重症化患者が日本には少ないし、標準的な治療法がいくつかわかってきているので、重症化の確率がだいぶ下がってきている。
 かりに、新型コロナに罹患して1万人に1人が重症化するとして、百万人に10人の副反応が出るワクチンを打とうという人がどれほどあるだろうか?ワクチンの効果と副反応は秤にかけられるのがあたりまえ。
 一般論を抜け出し、セグメントしてみたら具体的な様相が理解できる。一般論ではリスクが大きすぎると判断されても、免疫が低下している老人の重症化を防ぐ効果はあるし、老人は副反応も小さい。使うメリットはあるだろう。しかし若い人たちにメリットはほとんどなさそうだし、デメリットである副反応も老人に比べると大きい。重篤化はサイトカインストーム(免疫の暴走)による場合が多いが、それが起きるのは免疫が強い若い人であって、免疫機能が脆弱になっている年寄りには起きにくい。

 さて、予防効果だが、新型コロナのワクチンはインフルエンザワクチンほどの効果しか期待できないという。開発中の遺伝子操作によるワクチンの実相は、予防効果は小さいが、重篤化は防げるという程度のもの。だから、そんなに大きな期待はできないし、自分が投与するかどうか問われて、答えに迷ったのである。解説してくれたこの分野では権威のある専門家のご意見。元責任ある地位にいて、いまどこかの大学の招聘教授だった。ラジオの聞きっぱなしだったのでお名前を記憶できなかった。

 1万人の臨床試験も済んでいない開発中のワクチンを、副作用が出たときの損害賠償を免責する条項を織り込んだ契約をを交わして、7000万人分、政府は確保した。SRLと帝人の合弁会社としてスタートした臨床治験検査データ管理会社の経営をしたことのある私の感覚から言と、ありえない選択肢。もしどうしても必要なら、問題のある副反応が出たら、直ちにワクチン投与は中止、残りのワクチンは廃棄処分、そういうリスクがあることを正直に公表します。
 今やろうとしていることは、7000万人の臨床試験を同意書なしに強行するようなもの。あきれるほど大胆、それもリスクがあるのに同意書もとらずにやってしまう。通常の臨床治験の手続きではガイドラインに違反し、犯罪である。問題が出たら、年寄りに使う分だけ保管して、あとは棄ててしまう覚悟でやっていると考えざるを得ない。嘘と偽りの医療行政に未来はあるのか?

 新形コロナワクチンはマイナス60度以下での保管が必要で、マイナス80度仕様の冷凍庫がいるが、そんなスペックの冷凍庫は普通の病院にはないだろう。手配は進んでいるのだろうか?送られてきたら、保管できずに廃棄処分になりかねない。臨床試験も済んでいない7000万人分のワクチンを免責条項付きで契約した担当者がワクチン保管のための-80度仕様の冷凍庫を300台発注、そして全国の拠点に配置なんて仕事は眼中にはなさそうだ。輸入されれば問題が現実化する。いったいだれがやるのだろう?この件に関しては官邸はほとんど機能不全状態ではないのか?仕事の全体に責任をもっているのは誰なのかすら定かでない。

 SRLでは1990年ころ八王子ラボに50台ほどあった。一番高性能な冷凍庫は日立製のマイナス150度の冷凍庫である。どういう冷媒を使っているのか気になって訊いてみたが、当然営業担当者がそんなことを知るはずもなく、日立の営業課長は製造部門に問い合わせてくれたが、内容は企業秘、冷媒の開発がたいへんだとだけ云ってました。材料工学の分野かな、日立にはこの分野で世界トップレベルの優秀な研究者がいるということ。人間一人が手足を伸ばして入れるような横型の冷凍庫は研究部に設置しました。固定資産・投資管理システムのマイナス80度の冷凍庫の分類コードで検索すれば、どの部署に何台あるのかすぐにわかる。このシステムもわたしが1980年代半ばころ、入社1年半くらいに外部設計仕様書を書いた。減価償却費の推計精度が悪かったので、投資予定を入れて、減価償却費を予定計算できるようにした。ついでだったから棚卸実務フローも固定資産管理票も新たにデザインした。推計計算の精度アップはコンピュータシステムをデザインするだけではできない。固定資産管理票も固定資産棚卸実務も予算編成の際にその年度の投資案件を明細で提出させる手続きや帳票のデザイン、そしてルールの徹底があってようやく成し遂げることができる。年間1億円を超える推計誤差が、1/10ほどに下げられた。
 




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