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#4384 医学部受験生:進捗状況メモ Oct. 13, 2020  [65.a 成績上位層にかかわる問題]

<更新情報>10/14正午「余談」追記


 数学は「1対1対応シリーズ」6冊を終了して、先週から『やさしい理系数学』に取り組んでいる。指示は一切出していない。自分で課題を見つけ、必要な問題集を揃えてやっている。この問題集、国公立難関大学向けでちっともやさしくないのだそうだ。この上に「ハイレベル理系数学」という問題集があるという。
 今日は整数問題に取り組んでいた。時々ため息が出たり、エレガントな解法に出遭うとうれしくて、感想を求める。問題によっては3種類の解法が載っていたりする。一番最後に載っているのがシンプルでエレガント。自分の答案と見比べて「こんなアプローチがあるのか」とうれしそうな顔をしている。良質の問題とそれにふさわしいエレガントな解法を経験することは、視野を広げる。
 速度アップが課題の一つだから、即決で解ける標準問題レベルの範囲を広げる必要を感じている様子。「もう10分あれば全問解ける」では話にならない。決められた制限時間内で全問制覇という勝負である。
 整数分野は脳を使う分野の一つ、解法への慣れと深い思考を要求するから難易度の高い分野なので誰もが苦手だ。この分野では「マスター・オブ・整数」というのが最高難易度の問題集だという。
 共通試験で数学9割越えを狙うというのは、数学が得意な生徒にとっても、峻険なルートを選択したということ。

 英語は共通試験レベルはもういいらしい。語彙数の多い2次試験対策用の問題集をやっている。さらに速度アップしたいと言っていた。国語は古典の弱いところを補強して現状75%をなんとか80%へ。
 自分で課題を見つけ、課題にマッチした問題集を探し、坦々とこなす。そういう生徒を育てることがニムオロ塾の目標であった。


<余談:整数論>
 整数論は現代数学の基礎的部分をなしている。経済学の基礎概念はスミスやリカードやマルクスによって洗練され、『資本論』ではそれら基礎的概念の関係が一つの学問体系として姿を現したが、マスクスは当時流行の弁証法にこだわり、破綻している。だから、マルクス自身の手になるのは『資本論第1巻』のみ。自ら方法的破綻に気がついたのだろう。2巻以降は、方法的破綻にすら気がつかぬエンゲルスが、マルクスの遺稿を寄せ集めてでっち上げたもの。
 どんな学問もその分野の基礎的概念の検討なくして成り立たないが、もちろん数学も御多分に洩れない。
 数学の諸概念を概観させてくれる本を手に取る受験生がいてもいい。
 興味があって20代半ばのころにR.L.グッドシュタイン著小林富郎訳『現代数学の基礎概念』(法政大学出版局1973年、絶版)を購入した。この本の前半は群論をベースにした整数論である。
 経済学の基礎概念の関係を分析するのに役に立ちそうなものは、なんでも目を通してみよう、数学が役に立つかもしれないと思った。そして数年後にユークリッド『原論』にたどり着いた。マルクスの方法に関する致命的なミスが明らかになると同時に、公理を変えることで別な経済学が成立することに気がついた。いま別の公理系の新しい経済学が必要だ。







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マスター・オブ・整数―大学への数学

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