#4096 学力テスト総合A:17校データ比較 Oct. 5, 2019 [71.データに基づく教育論議]
このような学力テストデータは学校の先生たちも、市教委も見たことがないでしょう。学力向上対策の貴重なデータであるにもかかわらず、市教委や町教委はふだんの学力テストデータを集めていません。データに基づかぬ学力向上対策を繰り返しています。的外れになるので、効果がないのは当然のことです。
#4091で9月に実施された学力テスト総合Aのデータ12校を掲載したが、17校集まったので、再掲載する。
緑色は釧路管内の中学校、青色は根室管内、色のないのは根室市内の2校である。
表1は五科目合計平均点と科目別点数を、表2は「得点-平均点」を表している。17校平均点よりも低いところは赤字で表示されている。
別海中央中の社会科が36.8点、17校平均点よりも+7.5点とダントツに高いが、これはこの学校の社会科担任の授業スキルの高さを表している。幣舞中学校の数学も+7.4でダントツに高いが、先生のスキルが高いことが原因かどうかは確認できていない。スキルが低くてこんなに高い平均点にはならないことはたしかだろう。阿寒中の理科も+6.3と高い。
根室市の柏陵中学校では理科でいつも高い平均点を誇る先生が昔いたことがある。小テストを繰り返して、記憶の定着を図っていた。教え方そして学力アップの方法として正攻法だと思う。こういう教員を評価すべきで、教え方を真似すべきではないのか?
先生たちは頻繁に研修をしているはずだが、実績をあげられない者の御託を聴いていてはいけない。ふだんの学力テストの点数を学校別に並べてみたら、どの学校のどの先生の指導スキルが高いかは一目瞭然とわたしには思えるが、違うだろうか?
根室市内の2校は残念ながら、17校中16位と17位(最下位)である。市街化地域のもう一校、光洋中のデータは入手できていない。
わたしは平均点が低いことを、すべてその科目を担当している先生個人の教え方に帰するつもりはない、もちろん他にも原因がある。たとえば、根室は3年前から高校入試が1校体制になり、半数の生徒が勉強やる気を失っているという事実がある。勉強しなくても、根室高校へ全員が入学できる状況が3年前から始まった。道内のほかの地域で、高校2校体制から1校へ編成替えになるところは、根室の轍を踏まないでもらいたい。2校を統合して単位制の普通科へ移行するという、道教委の高校再配置計画への警鐘が鳴っている。高校が学級崩壊状態になるだけではない、中学生とくに学力下位層のいっそうの学力低下を招くことになる。人材の劣化は地元経済に深刻な影響を及ぼすことになるだろう。
釧路根室管内の先生たちは、データを見て生徒の学力アップがどうしたら図れるのか議論してみてほしい。もちろん、それぞれの市教委や町教委も、教育長もデータに基づく議論をして、それぞれの地域の子どもたちの学力アップに寄与してもらいたい。余計なお世話なんだろうな。
この表は「釧路の教育を考える会」のM木さんの協力で作成できたので、かれに感謝、わたしには集められないデータです。
(五科目合計点は各学校公表数字ですから、表の科目別平均点を合計しても「五科目合計点」にならない場合があります。全科目を合計してチェックしてみましたが、端数処理の計算誤差範囲を超えているとおぼしき学校が2校あります。)
高校統廃合後の、根室の中学生の学力低下に驚いている。根室の教育関係者も地元経済団体も危機感をもってほしい。根室高校全入になって、中学生の半数程度が勉強する気を失っており、まだまだ下がりそうな気配だ。このままでは根室高校が学級崩壊する、いや始まっていると思った方がよさそうだ。学力テストの平均点から推しはかると、数学や英語の授業を聴いても理解できない生徒が半数生まれている。だから、高校の授業は生徒の学力に合わせて下げざるをえなくなっている。学力別クラス編成されている数学は、下位のクラスでは基本的な用語の解説すら端折られ始めた。説明しても無駄と考えているのか、たまたま忘れているのか…。例えば、「排反事象」等の教科書記載の基本用語。
根室高校の進学実績も急激に悪化しつつある。状況は<余談>に書いておきます。
(昨年は五科目合計点が100点を切った中学校が2校ありました)
◎ 釧路管内と根室管内の市教委や町教委は、ホームページ上で(人数が10名以下の郡部校を除いて)学力テストデータを公表してもらいたい。だれもこのようにデータを比較してみていないのですから、せっかく学力テストをを実施しても、学校別・科目別の比較して使われないのでは、なんのための学力テストでしょう。それぞれの市や町別の平均点と標準偏差も掲載してくれたら、偏差値はそれぞれ必要な生徒自身で計算可能になります。そういうデータが蓄積されたら、進研模試の偏差値との変換表も作成可能になります。中学生の時から自分の全国レベルの学力を知ることができるようになります。高校に入学してから、大学受験勉強をスタートさせたのでは遅すぎます。目標とする大学と自分の現在時点の学力にどれくらい差があるのか、中学生の時に知るべきです。
<余談:根室高校の進学実績の変化>
道外私大への進学者数は(平成27年度、平成28年度、平成29年度、平成30年度)(41人、12人、8人、5人)、3年間で1/8に激減しています。四年生大学進学者数は(114人、80人、55人、42人)と半減してます。
市内の就職者数は(46人、41人、29人、36人)と3/4に減っています。
これでは、転勤族や学齢期の子どものいる医師は根室に赴任するのを嫌がるでしょう。劣悪と言っていい教育環境です。
(10/7 平成30年度のデータを追記しました。)
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#4091で9月に実施された学力テスト総合Aのデータ12校を掲載したが、17校集まったので、再掲載する。
緑色は釧路管内の中学校、青色は根室管内、色のないのは根室市内の2校である。
表1は五科目合計平均点と科目別点数を、表2は「得点-平均点」を表している。17校平均点よりも低いところは赤字で表示されている。
別海中央中の社会科が36.8点、17校平均点よりも+7.5点とダントツに高いが、これはこの学校の社会科担任の授業スキルの高さを表している。幣舞中学校の数学も+7.4でダントツに高いが、先生のスキルが高いことが原因かどうかは確認できていない。スキルが低くてこんなに高い平均点にはならないことはたしかだろう。阿寒中の理科も+6.3と高い。
根室市の柏陵中学校では理科でいつも高い平均点を誇る先生が昔いたことがある。小テストを繰り返して、記憶の定着を図っていた。教え方そして学力アップの方法として正攻法だと思う。こういう教員を評価すべきで、教え方を真似すべきではないのか?
先生たちは頻繁に研修をしているはずだが、実績をあげられない者の御託を聴いていてはいけない。ふだんの学力テストの点数を学校別に並べてみたら、どの学校のどの先生の指導スキルが高いかは一目瞭然とわたしには思えるが、違うだろうか?
根室市内の2校は残念ながら、17校中16位と17位(最下位)である。市街化地域のもう一校、光洋中のデータは入手できていない。
わたしは平均点が低いことを、すべてその科目を担当している先生個人の教え方に帰するつもりはない、もちろん他にも原因がある。たとえば、根室は3年前から高校入試が1校体制になり、半数の生徒が勉強やる気を失っているという事実がある。勉強しなくても、根室高校へ全員が入学できる状況が3年前から始まった。道内のほかの地域で、高校2校体制から1校へ編成替えになるところは、根室の轍を踏まないでもらいたい。2校を統合して単位制の普通科へ移行するという、道教委の高校再配置計画への警鐘が鳴っている。高校が学級崩壊状態になるだけではない、中学生とくに学力下位層のいっそうの学力低下を招くことになる。人材の劣化は地元経済に深刻な影響を及ぼすことになるだろう。
釧路根室管内の先生たちは、データを見て生徒の学力アップがどうしたら図れるのか議論してみてほしい。もちろん、それぞれの市教委や町教委も、教育長もデータに基づく議論をして、それぞれの地域の子どもたちの学力アップに寄与してもらいたい。余計なお世話なんだろうな。
この表は「釧路の教育を考える会」のM木さんの協力で作成できたので、かれに感謝、わたしには集められないデータです。
5教科計 | 国語 | 社会 | 数学 | 理科 | 英語 | ||
1 | 阿寒中 | 153.2 | 44.4 | 33.1 | 23.2 | 28.6 | 23.9 |
2 | 幣舞中 | 151.0 | 42.9 | 35.1 | 28.8 | 26.2 | 20.8 |
3 | 中春別中 | 146.1 | 45.0 | 30.8 | 25.7 | 23.8 | 20.8 |
4 | 白糠中 | 145.3 | 42.4 | 29.6 | 25.6 | 25.9 | 21.8 |
5 | 遠矢中 | 141.6 | 39.5 | 28.9 | 24.6 | 25.9 | 22.6 |
6 | 別海中央中 | 137.6 | 40.4 | 36.8 | 21.9 | 21.6 | 21.9 |
7 | 鳥取中 | 137.0 | 39.9 | 30.6 | 21.5 | 23.1 | 21.8 |
8 | 大楽毛中 | 136.7 | 39.0 | 29.2 | 23.1 | 23.6 | 21.8 |
9 | 鳥取西中 | 135.1 | 40.8 | 28.2 | 23.6 | 22.2 | 20.3 |
10 | 美原中 | 134.2 | 38.2 | 33.3 | 20.5 | 23 | 19.2 |
11 | 計根別中 | 132.0 | 42.2 | 26.6 | 20.7 | 22.5 | 19.9 |
12 | 共栄中 | 124.8 | 37.2 | 25.9 | 19.3 | 20.9 | 21.5 |
13 | 広陵中 | 121.4 | 38.6 | 24.9 | 18.7 | 20.5 | 18.1 |
14 | 川北中 | 121.0 | 39.9 | 27.2 | 17.5 | 20.2 | 16.2 |
15 | 中標津中 | 117.8 | 38.7 | 28.7 | 17.3 | 16.4 | 16.7 |
16 | 啓雲中 | 111.4 | 36.1 | 25.5 | 15.8 | 16.5 | 17.6 |
17 | 柏陵中 | 107.3 | 36.6 | 23.0 | 15.8 | 17.6 | 15.8 |
合計 | 2254 | 681.8 | 497.4 | 363.6 | 378.5 | 340.7 | |
平均 | 132.6 | 40.1 | 29.3 | 21.4 | 22.3 | 20.0 | |
<(各データ)ー(平均値)> | |||||||
5教科計 | 国語 | 社会 | 数学 | 理科 | 英語 | ||
阿寒中 | 20.6 | 4.3 | 3.8 | 1.8 | 6.3 | 3.9 | |
幣舞中 | 18.4 | 2.8 | 5.8 | 7.4 | 3.9 | 0.8 | |
中春別中 | 13.5 | 4.9 | 1.5 | 4.3 | 1.5 | 0.8 | |
白糠中 | 12.7 | 2.3 | 0.3 | 4.2 | 3.6 | 1.8 | |
遠矢中 | 9.0 | -0.6 | -0.4 | 3.2 | 3.6 | 2.6 | |
別海中央中 | 5.0 | 0.3 | 7.5 | 0.5 | -0.7 | 1.9 | |
鳥取中 | 4.4 | -0.2 | 1.3 | 0.1 | 0.8 | 1.8 | |
大楽毛中 | 4.1 | -1.1 | -0.1 | 1.7 | 1.3 | 1.8 | |
鳥取西中 | 2.5 | 0.7 | -1.1 | 2.2 | -0.1 | 0.3 | |
美原中 | 1.6 | -1.9 | 4.0 | -0.9 | 0.7 | -0.8 | |
計根別中 | -0.6 | 2.1 | -2.7 | -0.7 | 0.2 | -0.1 | |
共栄中 | -7.8 | -2.9 | -3.4 | -2.1 | -1.4 | 1.5 | |
広陵中 | -11.2 | -1.5 | -4.4 | -2.7 | -1.8 | -1.9 | |
川北中 | -11.6 | -0.2 | -2.1 | -3.9 | -2.1 | -3.8 | |
中標津中 | -14.8 | -1.4 | -0.6 | -4.1 | -5.9 | -3.3 | |
啓雲中 | -21.2 | -4.0 | -3.8 | -5.6 | -5.8 | -2.4 | |
柏陵中 | -25.3 | -3.5 | -6.3 | -5.6 | -4.7 | -4.2 | |
17校平均値 | 132.6 | 40.1 | 29.3 | 21.4 | 22.3 | 20.0 |
(五科目合計点は各学校公表数字ですから、表の科目別平均点を合計しても「五科目合計点」にならない場合があります。全科目を合計してチェックしてみましたが、端数処理の計算誤差範囲を超えているとおぼしき学校が2校あります。)
高校統廃合後の、根室の中学生の学力低下に驚いている。根室の教育関係者も地元経済団体も危機感をもってほしい。根室高校全入になって、中学生の半数程度が勉強する気を失っており、まだまだ下がりそうな気配だ。このままでは根室高校が学級崩壊する、いや始まっていると思った方がよさそうだ。学力テストの平均点から推しはかると、数学や英語の授業を聴いても理解できない生徒が半数生まれている。だから、高校の授業は生徒の学力に合わせて下げざるをえなくなっている。学力別クラス編成されている数学は、下位のクラスでは基本的な用語の解説すら端折られ始めた。説明しても無駄と考えているのか、たまたま忘れているのか…。例えば、「排反事象」等の教科書記載の基本用語。
根室高校の進学実績も急激に悪化しつつある。状況は<余談>に書いておきます。
(昨年は五科目合計点が100点を切った中学校が2校ありました)
◎ 釧路管内と根室管内の市教委や町教委は、ホームページ上で(人数が10名以下の郡部校を除いて)学力テストデータを公表してもらいたい。だれもこのようにデータを比較してみていないのですから、せっかく学力テストをを実施しても、学校別・科目別の比較して使われないのでは、なんのための学力テストでしょう。それぞれの市や町別の平均点と標準偏差も掲載してくれたら、偏差値はそれぞれ必要な生徒自身で計算可能になります。そういうデータが蓄積されたら、進研模試の偏差値との変換表も作成可能になります。中学生の時から自分の全国レベルの学力を知ることができるようになります。高校に入学してから、大学受験勉強をスタートさせたのでは遅すぎます。目標とする大学と自分の現在時点の学力にどれくらい差があるのか、中学生の時に知るべきです。
<余談:根室高校の進学実績の変化>
道外私大への進学者数は(平成27年度、平成28年度、平成29年度、平成30年度)(41人、12人、8人、5人)、3年間で1/8に激減しています。四年生大学進学者数は(114人、80人、55人、42人)と半減してます。
市内の就職者数は(46人、41人、29人、36人)と3/4に減っています。
これでは、転勤族や学齢期の子どものいる医師は根室に赴任するのを嫌がるでしょう。劣悪と言っていい教育環境です。
(10/7 平成30年度のデータを追記しました。)
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#4095 道議会喫煙所設置に見えてしまった意識の低さ Oct. 4, 2019 [8. 時事評論]
北海道議会自民党議員の6割が喫煙所賛成だという。賛成している議員たちは自ら氏名を公表したもらいたい。
根室市だって、公共施設で喫煙をすることはできない。市役所庁舎でもその敷地内でもアウトである。もちろん、学校建物内・敷地内でも同様である。釧路市議会は敷地内に「喫煙小屋」があるようだ。知人の釧路市議の一人が嘆いていた。
日本の常識がどうなっているのか知らない道議がいるのではないか、公的な場所で喫煙したいという道議会議員の感覚や意識のズレに驚く。日本人の普通の感覚ではもう30年も前から、公的な場での喫煙禁止という方向に意識の向きが変わった。
喫煙についてはふたつ、強く印象に刻み込まれた思い出がある。日本で臨床病理の国際学会が開かれたことがある。1989年前後のころのことではなかっただろうか。講演が終了した後、廊下でたむろしてタバコを吸っているのは日本人だけ、異様な感じがしたと、数人から聞いた。そのあとSRL社内では煙草をやめる人が続出した。当時の臨床病理学会の国際学会長は河合先生で、SRL創立当初から顧問、というより、河合先生が富士レビオ社長の藤田さんに「特殊臨床検査分野」への事業展開を奨めてくれたらしい。2000年に日本臨床検査医学会へ名称変更されている。ネットで検索したら、河合先生の一番弟子だった櫻林郁之助・教授が学会長のようだ。写真をみて懐かしい思いがしている。臨床検査項目コードの標準化作業で協力願ったのはもう三十年以上前のことになる。先生が居なかったら、いまでも日本中の病院やクリニックが、保険点数が変更になる2年ごとに、医事システムの検査項目マスターの保険点数書き換え作業に追われていただろう。大手六社と臨床病理学会項目コード委員会との数年にわたる共同作業で標準化がなされた。事務局はいまだにSRLのはずだ。SRLに入社した年、1984年に臨床医学の社内講習会が終わってから、櫻林先生とは臨床検査項目コードの標準化について数回議論していた。当時わたしは経理部に所属し、予算編成と予算管理業務、そして統合システムの開発担当者だった。臨床検査項目コードの標準化は、漠然と考え始めていた「臨床診断支援システム事業化」に不可欠だった。SRLへ転職した翌年、1985年に「臨床診断支援システム事業化構想」を稟議書にまとめて、創業社長である藤田さんの了解をもらった。概算200億円の構想案に、藤田さんはすんなり判を押してくれた。NTTと数回打ち合わせをして、コンピュータと通信速度が30年くらいたたないと要求仕様を満たせないというので、とん挫したが、現実はその半分で、どちらも要求性能をクリアしている。いまなら何の問題もなくやれる。
10分野ほど予定していたが、病理診断の分野がAI利用で迅速画像診断が最近可能になったようだ。グレイゾーンの画像を読み込んで、白黒の判定をつけたデータベースが十万単位であれば、どんなに優秀な病理医よりも診断精度が高くなる。民間検査センターの病理医なら、一人で年間万の単位の病理画像を診ることができるから、スキルは自然に高くなる。このシステムは、病理医を育てるためにも使える。インターンの病理医が診断後にAIのその病理画像を処理させて比較してみたらいい。1993年ころ、仙台の玉橋先生が病理画像を電子ファイルとして蓄積しはじめていた。どうされているだろうか?わたしと同じくらいの年齢だったはず。SRLは莫大な病理画像診断情報を蓄積している。国内最大の病理画像だろう。
*日本臨床検査医学会
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2000dir/n2417dir/n2417_02.htm
二つ目は、学術開発本部で仕事したときに、開発部のS崎さんが米国の製薬メーカと交渉事があって出張した。「タバコを吸いたいというと、ガレージの隅に連れていかれ、排水溝のあるところへ着くと、ここで吸ってくれと言われた」、出張から戻るとS崎さんはタバコをやめた。喫煙者はセルフコントロール(自己抑制)の利かない人間として遇されるのである。あれは1990年ころのこと、ずいぶん昔の話なのだが…
北海道の道議会自民党会派には6割もの人間がいまだに公的な場での喫煙は当然の権利と考えているらしい。野党にも喫煙者はいるだろう、各人が喫煙所設置の賛否を明らかにしたらいい。
自民党会派の6割の道議会議員は公の場での喫煙に関しては「われ日本国民に非ざる者」と宣言しているかに見える。おそらくそのような自覚がないのだろう。自分の家でタバコを吸うのは個人の勝手、だが公的な場所に喫煙所設置設置をするのはいまや言語道断。市や町に先立って、道議会こそが範を垂れるべきなのではないのか?
どうしてもやりたいなら、自分たちでお金を出し合い、道庁の近くに土地を買い、建物を建てて、そこで喫煙すればいい、だれも文句は言わぬが、選挙で当選はおぼつかないだろう。道民の大多数が非常識な道義に票を入れるとは思えぬ。
喫煙所設置に反対している自民党道議会議員が4割いる、日高管内選出の藤沢澄雄道議はFB上で反対を表明している。北海道新聞も藤沢議員の取材記事を掲載した。
具体的な政策に関して、自分の意見を述べ、賛否を明らかにすることは道議会議員の義務だと思う。
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根室市だって、公共施設で喫煙をすることはできない。市役所庁舎でもその敷地内でもアウトである。もちろん、学校建物内・敷地内でも同様である。釧路市議会は敷地内に「喫煙小屋」があるようだ。知人の釧路市議の一人が嘆いていた。
日本の常識がどうなっているのか知らない道議がいるのではないか、公的な場所で喫煙したいという道議会議員の感覚や意識のズレに驚く。日本人の普通の感覚ではもう30年も前から、公的な場での喫煙禁止という方向に意識の向きが変わった。
喫煙についてはふたつ、強く印象に刻み込まれた思い出がある。日本で臨床病理の国際学会が開かれたことがある。1989年前後のころのことではなかっただろうか。講演が終了した後、廊下でたむろしてタバコを吸っているのは日本人だけ、異様な感じがしたと、数人から聞いた。そのあとSRL社内では煙草をやめる人が続出した。当時の臨床病理学会の国際学会長は河合先生で、SRL創立当初から顧問、というより、河合先生が富士レビオ社長の藤田さんに「特殊臨床検査分野」への事業展開を奨めてくれたらしい。2000年に日本臨床検査医学会へ名称変更されている。ネットで検索したら、河合先生の一番弟子だった櫻林郁之助・教授が学会長のようだ。写真をみて懐かしい思いがしている。臨床検査項目コードの標準化作業で協力願ったのはもう三十年以上前のことになる。先生が居なかったら、いまでも日本中の病院やクリニックが、保険点数が変更になる2年ごとに、医事システムの検査項目マスターの保険点数書き換え作業に追われていただろう。大手六社と臨床病理学会項目コード委員会との数年にわたる共同作業で標準化がなされた。事務局はいまだにSRLのはずだ。SRLに入社した年、1984年に臨床医学の社内講習会が終わってから、櫻林先生とは臨床検査項目コードの標準化について数回議論していた。当時わたしは経理部に所属し、予算編成と予算管理業務、そして統合システムの開発担当者だった。臨床検査項目コードの標準化は、漠然と考え始めていた「臨床診断支援システム事業化」に不可欠だった。SRLへ転職した翌年、1985年に「臨床診断支援システム事業化構想」を稟議書にまとめて、創業社長である藤田さんの了解をもらった。概算200億円の構想案に、藤田さんはすんなり判を押してくれた。NTTと数回打ち合わせをして、コンピュータと通信速度が30年くらいたたないと要求仕様を満たせないというので、とん挫したが、現実はその半分で、どちらも要求性能をクリアしている。いまなら何の問題もなくやれる。
10分野ほど予定していたが、病理診断の分野がAI利用で迅速画像診断が最近可能になったようだ。グレイゾーンの画像を読み込んで、白黒の判定をつけたデータベースが十万単位であれば、どんなに優秀な病理医よりも診断精度が高くなる。民間検査センターの病理医なら、一人で年間万の単位の病理画像を診ることができるから、スキルは自然に高くなる。このシステムは、病理医を育てるためにも使える。インターンの病理医が診断後にAIのその病理画像を処理させて比較してみたらいい。1993年ころ、仙台の玉橋先生が病理画像を電子ファイルとして蓄積しはじめていた。どうされているだろうか?わたしと同じくらいの年齢だったはず。SRLは莫大な病理画像診断情報を蓄積している。国内最大の病理画像だろう。
*日本臨床検査医学会
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2000dir/n2417dir/n2417_02.htm
二つ目は、学術開発本部で仕事したときに、開発部のS崎さんが米国の製薬メーカと交渉事があって出張した。「タバコを吸いたいというと、ガレージの隅に連れていかれ、排水溝のあるところへ着くと、ここで吸ってくれと言われた」、出張から戻るとS崎さんはタバコをやめた。喫煙者はセルフコントロール(自己抑制)の利かない人間として遇されるのである。あれは1990年ころのこと、ずいぶん昔の話なのだが…
北海道の道議会自民党会派には6割もの人間がいまだに公的な場での喫煙は当然の権利と考えているらしい。野党にも喫煙者はいるだろう、各人が喫煙所設置の賛否を明らかにしたらいい。
自民党会派の6割の道議会議員は公の場での喫煙に関しては「われ日本国民に非ざる者」と宣言しているかに見える。おそらくそのような自覚がないのだろう。自分の家でタバコを吸うのは個人の勝手、だが公的な場所に喫煙所設置設置をするのはいまや言語道断。市や町に先立って、道議会こそが範を垂れるべきなのではないのか?
どうしてもやりたいなら、自分たちでお金を出し合い、道庁の近くに土地を買い、建物を建てて、そこで喫煙すればいい、だれも文句は言わぬが、選挙で当選はおぼつかないだろう。道民の大多数が非常識な道義に票を入れるとは思えぬ。
喫煙所設置に反対している自民党道議会議員が4割いる、日高管内選出の藤沢澄雄道議はFB上で反対を表明している。北海道新聞も藤沢議員の取材記事を掲載した。
具体的な政策に関して、自分の意見を述べ、賛否を明らかにすることは道議会議員の義務だと思う。
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