#4095 道議会喫煙所設置に見えてしまった意識の低さ Oct. 4, 2019 [8. 時事評論]
北海道議会自民党議員の6割が喫煙所賛成だという。賛成している議員たちは自ら氏名を公表したもらいたい。
根室市だって、公共施設で喫煙をすることはできない。市役所庁舎でもその敷地内でもアウトである。もちろん、学校建物内・敷地内でも同様である。釧路市議会は敷地内に「喫煙小屋」があるようだ。知人の釧路市議の一人が嘆いていた。
日本の常識がどうなっているのか知らない道議がいるのではないか、公的な場所で喫煙したいという道議会議員の感覚や意識のズレに驚く。日本人の普通の感覚ではもう30年も前から、公的な場での喫煙禁止という方向に意識の向きが変わった。
喫煙についてはふたつ、強く印象に刻み込まれた思い出がある。日本で臨床病理の国際学会が開かれたことがある。1989年前後のころのことではなかっただろうか。講演が終了した後、廊下でたむろしてタバコを吸っているのは日本人だけ、異様な感じがしたと、数人から聞いた。そのあとSRL社内では煙草をやめる人が続出した。当時の臨床病理学会の国際学会長は河合先生で、SRL創立当初から顧問、というより、河合先生が富士レビオ社長の藤田さんに「特殊臨床検査分野」への事業展開を奨めてくれたらしい。2000年に日本臨床検査医学会へ名称変更されている。ネットで検索したら、河合先生の一番弟子だった櫻林郁之助・教授が学会長のようだ。写真をみて懐かしい思いがしている。臨床検査項目コードの標準化作業で協力願ったのはもう三十年以上前のことになる。先生が居なかったら、いまでも日本中の病院やクリニックが、保険点数が変更になる2年ごとに、医事システムの検査項目マスターの保険点数書き換え作業に追われていただろう。大手六社と臨床病理学会項目コード委員会との数年にわたる共同作業で標準化がなされた。事務局はいまだにSRLのはずだ。SRLに入社した年、1984年に臨床医学の社内講習会が終わってから、櫻林先生とは臨床検査項目コードの標準化について数回議論していた。当時わたしは経理部に所属し、予算編成と予算管理業務、そして統合システムの開発担当者だった。臨床検査項目コードの標準化は、漠然と考え始めていた「臨床診断支援システム事業化」に不可欠だった。SRLへ転職した翌年、1985年に「臨床診断支援システム事業化構想」を稟議書にまとめて、創業社長である藤田さんの了解をもらった。概算200億円の構想案に、藤田さんはすんなり判を押してくれた。NTTと数回打ち合わせをして、コンピュータと通信速度が30年くらいたたないと要求仕様を満たせないというので、とん挫したが、現実はその半分で、どちらも要求性能をクリアしている。いまなら何の問題もなくやれる。
10分野ほど予定していたが、病理診断の分野がAI利用で迅速画像診断が最近可能になったようだ。グレイゾーンの画像を読み込んで、白黒の判定をつけたデータベースが十万単位であれば、どんなに優秀な病理医よりも診断精度が高くなる。民間検査センターの病理医なら、一人で年間万の単位の病理画像を診ることができるから、スキルは自然に高くなる。このシステムは、病理医を育てるためにも使える。インターンの病理医が診断後にAIのその病理画像を処理させて比較してみたらいい。1993年ころ、仙台の玉橋先生が病理画像を電子ファイルとして蓄積しはじめていた。どうされているだろうか?わたしと同じくらいの年齢だったはず。SRLは莫大な病理画像診断情報を蓄積している。国内最大の病理画像だろう。
*日本臨床検査医学会
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2000dir/n2417dir/n2417_02.htm
二つ目は、学術開発本部で仕事したときに、開発部のS崎さんが米国の製薬メーカと交渉事があって出張した。「タバコを吸いたいというと、ガレージの隅に連れていかれ、排水溝のあるところへ着くと、ここで吸ってくれと言われた」、出張から戻るとS崎さんはタバコをやめた。喫煙者はセルフコントロール(自己抑制)の利かない人間として遇されるのである。あれは1990年ころのこと、ずいぶん昔の話なのだが…
北海道の道議会自民党会派には6割もの人間がいまだに公的な場での喫煙は当然の権利と考えているらしい。野党にも喫煙者はいるだろう、各人が喫煙所設置の賛否を明らかにしたらいい。
自民党会派の6割の道議会議員は公の場での喫煙に関しては「われ日本国民に非ざる者」と宣言しているかに見える。おそらくそのような自覚がないのだろう。自分の家でタバコを吸うのは個人の勝手、だが公的な場所に喫煙所設置設置をするのはいまや言語道断。市や町に先立って、道議会こそが範を垂れるべきなのではないのか?
どうしてもやりたいなら、自分たちでお金を出し合い、道庁の近くに土地を買い、建物を建てて、そこで喫煙すればいい、だれも文句は言わぬが、選挙で当選はおぼつかないだろう。道民の大多数が非常識な道義に票を入れるとは思えぬ。
喫煙所設置に反対している自民党道議会議員が4割いる、日高管内選出の藤沢澄雄道議はFB上で反対を表明している。北海道新聞も藤沢議員の取材記事を掲載した。
具体的な政策に関して、自分の意見を述べ、賛否を明らかにすることは道議会議員の義務だと思う。
にほんブログ村
根室市だって、公共施設で喫煙をすることはできない。市役所庁舎でもその敷地内でもアウトである。もちろん、学校建物内・敷地内でも同様である。釧路市議会は敷地内に「喫煙小屋」があるようだ。知人の釧路市議の一人が嘆いていた。
日本の常識がどうなっているのか知らない道議がいるのではないか、公的な場所で喫煙したいという道議会議員の感覚や意識のズレに驚く。日本人の普通の感覚ではもう30年も前から、公的な場での喫煙禁止という方向に意識の向きが変わった。
喫煙についてはふたつ、強く印象に刻み込まれた思い出がある。日本で臨床病理の国際学会が開かれたことがある。1989年前後のころのことではなかっただろうか。講演が終了した後、廊下でたむろしてタバコを吸っているのは日本人だけ、異様な感じがしたと、数人から聞いた。そのあとSRL社内では煙草をやめる人が続出した。当時の臨床病理学会の国際学会長は河合先生で、SRL創立当初から顧問、というより、河合先生が富士レビオ社長の藤田さんに「特殊臨床検査分野」への事業展開を奨めてくれたらしい。2000年に日本臨床検査医学会へ名称変更されている。ネットで検索したら、河合先生の一番弟子だった櫻林郁之助・教授が学会長のようだ。写真をみて懐かしい思いがしている。臨床検査項目コードの標準化作業で協力願ったのはもう三十年以上前のことになる。先生が居なかったら、いまでも日本中の病院やクリニックが、保険点数が変更になる2年ごとに、医事システムの検査項目マスターの保険点数書き換え作業に追われていただろう。大手六社と臨床病理学会項目コード委員会との数年にわたる共同作業で標準化がなされた。事務局はいまだにSRLのはずだ。SRLに入社した年、1984年に臨床医学の社内講習会が終わってから、櫻林先生とは臨床検査項目コードの標準化について数回議論していた。当時わたしは経理部に所属し、予算編成と予算管理業務、そして統合システムの開発担当者だった。臨床検査項目コードの標準化は、漠然と考え始めていた「臨床診断支援システム事業化」に不可欠だった。SRLへ転職した翌年、1985年に「臨床診断支援システム事業化構想」を稟議書にまとめて、創業社長である藤田さんの了解をもらった。概算200億円の構想案に、藤田さんはすんなり判を押してくれた。NTTと数回打ち合わせをして、コンピュータと通信速度が30年くらいたたないと要求仕様を満たせないというので、とん挫したが、現実はその半分で、どちらも要求性能をクリアしている。いまなら何の問題もなくやれる。
10分野ほど予定していたが、病理診断の分野がAI利用で迅速画像診断が最近可能になったようだ。グレイゾーンの画像を読み込んで、白黒の判定をつけたデータベースが十万単位であれば、どんなに優秀な病理医よりも診断精度が高くなる。民間検査センターの病理医なら、一人で年間万の単位の病理画像を診ることができるから、スキルは自然に高くなる。このシステムは、病理医を育てるためにも使える。インターンの病理医が診断後にAIのその病理画像を処理させて比較してみたらいい。1993年ころ、仙台の玉橋先生が病理画像を電子ファイルとして蓄積しはじめていた。どうされているだろうか?わたしと同じくらいの年齢だったはず。SRLは莫大な病理画像診断情報を蓄積している。国内最大の病理画像だろう。
*日本臨床検査医学会
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2000dir/n2417dir/n2417_02.htm
二つ目は、学術開発本部で仕事したときに、開発部のS崎さんが米国の製薬メーカと交渉事があって出張した。「タバコを吸いたいというと、ガレージの隅に連れていかれ、排水溝のあるところへ着くと、ここで吸ってくれと言われた」、出張から戻るとS崎さんはタバコをやめた。喫煙者はセルフコントロール(自己抑制)の利かない人間として遇されるのである。あれは1990年ころのこと、ずいぶん昔の話なのだが…
北海道の道議会自民党会派には6割もの人間がいまだに公的な場での喫煙は当然の権利と考えているらしい。野党にも喫煙者はいるだろう、各人が喫煙所設置の賛否を明らかにしたらいい。
自民党会派の6割の道議会議員は公の場での喫煙に関しては「われ日本国民に非ざる者」と宣言しているかに見える。おそらくそのような自覚がないのだろう。自分の家でタバコを吸うのは個人の勝手、だが公的な場所に喫煙所設置設置をするのはいまや言語道断。市や町に先立って、道議会こそが範を垂れるべきなのではないのか?
どうしてもやりたいなら、自分たちでお金を出し合い、道庁の近くに土地を買い、建物を建てて、そこで喫煙すればいい、だれも文句は言わぬが、選挙で当選はおぼつかないだろう。道民の大多数が非常識な道義に票を入れるとは思えぬ。
喫煙所設置に反対している自民党道議会議員が4割いる、日高管内選出の藤沢澄雄道議はFB上で反対を表明している。北海道新聞も藤沢議員の取材記事を掲載した。
具体的な政策に関して、自分の意見を述べ、賛否を明らかにすることは道議会議員の義務だと思う。
にほんブログ村
2019-10-05 08:52
nice!(0)
コメント(0)
コメント 0