SSブログ

#5152『英会話音読練習帳』のススメ:小学生英語学習 Jan. 25, 2024 [49.1 英語音読トレーニング]

 小学生用の英語教材として『英会話語音読練習帳』をススメたい。この本は次のような3部構成になっています。

 初級編10章 80文
 中級編10章 120文
 上級編10章 160文

 合計でたったの360文ですが、とりあえずはこれで十分です。
 CDがついていますが、音源とパソコン用のソフトが入っています。
 画面に英文とその下に日本語が表示されます。スピードコントロールは0.5~4.0倍です。もちろん、4.0倍なんて聞き取れませんよ。(笑)
 2倍速が聞き取れたら、それで十分です。

 1.0倍で100 words/minくらいだと思います。1.2倍速で、NHKラジオ英会話と同じくらいのスピードです。シャドウイングやリテンションを繰り返しましょう。100回やったらいい。
 最初は0.8倍で50回、一音一音丁寧に真似しましょう。子音ははっきり英語の音を出してください。口と舌の位置を意識して、はっきり丁寧にね。口や舌の位置はそのままで、速度を1.0倍にして50回、合計100回やってから、1.2倍、1.3倍、1.5倍というように上げていけばいいのです
 大事な点ですので繰り返します。同じ文を0.8倍と1.0倍で、それぞれ50回ずつ、合計100回繰り返して丁寧に音読すれば、舌の位置や口の形をあまり意識しなくても英語の音が出るようになってきます。100回クリアしたら、速度を1.2倍や1.3倍にアップして、さらに100回音読してみてください。
 子音や母音のトレーニングをせずに高速音読をやると、日本語発音のままでやることになり、悪い癖がつきますから、最初はゆっくり、一音一音丁寧に、です
 1.5倍速で早口で正確に発音できたら立派なものです。小学生は1.2倍速までで十分です。

 0.8倍の低速音読で「根っこ」ができます。そしてその土台の上に1.0倍の音読をすることで「細い幹」が育って行きます。これを360文一つずつ丁寧にやることで、英語の小さな「林」ができあがります。その林のあることが、その後の英語学習に大きく寄与します。木の本数を増やし、枝葉を茂らせていけばいいのです。木の数が増え、それぞれの幹が太くなり枝葉が伸びて、小さな「林」はいつか「豊かな森」に成長します、トレーニングをひたすら楽しむだけでいいのです。

 同時に、日本語の本も年齢相応にレベルを上げて質の良いものを読み続けてください。ニムオロ塾で20年間の間に使った本のリストがありますので、貼り付けておきますから、何を読んだらいいのかわからない人は参考にしてください。本のレベルがわかるようになっています。日本で生活している限り、英語は日本語以上にはならないし、英語を日本語に翻訳するときには、豊かな語彙が武器になります。貧弱な日本語では和訳もそういうレベルになります。使う日本語語彙は、書いたものを読んだり、話をすることで、知的レベルが判断されてしまいます。高校生になっても、アニメのノベライズものばかり読み耽(ふけ)っているあなた、そろそろレベルを上げましょう。高校生になったら、興味のある分野で古典とか名著と言われる本にチャレンジしてください。強靭な思考力が育ちます。

 英作文トレーニング用に、日本語が表示されて、それをタイピングする画面があります。もちろん、ノートに手書きしたほうが記憶に残ります。英語ですぐに言えたらもっといい。
 これで360文が完全に運用できるレベルになれば、あとは他の教材で量をこなすだけ。
 興味のある分野の本を買って読んだらいい。
 わたしは1/13から、アガサ・クリスティの”AND THEN THERE WERE NONE”を使って音読トレーニングをしていますが、この朗読CDは173words/minです。ページごとに難易度に違いがあるので、難しいページは75%の速度(分速130語)で50~70回、簡単なページは90%の速度(分速156語)で50回読みます。
 朗読CDにはチャンクごとにわずかに小休止がありますが、そのあたりの息がピタッと同調しだすと快感です。脳からドーパミンが出るの感じられます。リラックスして音読に埋没する時間をつくりましょう。
 1/13からスタートし、いま(1/27)13ページ目です。ちょうど300ページあるので、全部やるなら1年近くかかるでしょう。とりあえずの目安は3か月間です。4月半ばまでやって効果を検証して、楽しさが増すようならさらに3か月間続行するでしょう。だんだん良くなるでしょうから、やり方はその都度音読スキルのレベルアップに応じて変えるつもりです。細切れにせず、節単位で読みたくなってきました。1章第4節は2ページ半ありますが、173words/minの速度で2分43秒です。90%の速度では3分10秒、75%の速度なら5分26秒ですから、10回読むのに1時間ほどかかりますね。

 発音を正確にした方がいいので、『英会話音読練習帳』のほかに、発音トレーニング用のDVD教材、例えば、『英語の発音が正しくなる本』の類を一つ買って、正しく英語の音が出せるようにしましょう正しい発音で音読していると、リスニング力がアップします。瞬時に音が聞き分けられるようになるからです。小学生のリスニング力アップには正しい発音での音読トレーニングの効果が大きい。高校入試問題でリスニング力が伸びていない人は、「急がば回れ!」、音読トレーニングを試してください。

  小学生で4年生から3年間この教材を中心にトレーニングすれば、英検3級はそれほどハードルが高くありません。興味のある分野の英語の本を読んで、多読すれば中学校で英検2級合格できます
 高校1年生で準1級合格目指して頑張ってください。このレベルなら、大学入試共通テストの英語は180~200点(90%超)獲れます。
 語学学習に使える機器が高性能になり、ソフトも日進月歩で充実してます、誰でもチャレンジできますから、いい時代になりましたね。

 もちろん、この『英会話音読練習帳』は英語の苦手な中高生にはなおさら効果の高い教材です英語が苦手な人は、口が回らず、速く読めません。この教材で0.8倍からスタートし、1.0倍から1.2倍、1.3倍、1.5倍と速度を上げてやっみたららいい。口や舌の動きを英語そのものにするトレーニングは、日本語の発音では使っていなかった筋肉や脳の反応を鍛えることですから、スポーツのトレーニングと一緒です。トレーニングを積んだら誰でも150 words/minで読めるようになります。朗読の名人を目指すわけではないので、170 words/minの必要はありませんから。リスニングは簡単な英会話文なら、2.0倍速で聞き取り可能になります。
 360文例が頭の中に入って、口をついてすぐに出せるようになれば、そこから先は楽ですよ。好きな分野のCD音声がついた本を買って、同じようにトレーニングしたらいい。NHKラジオ英会話を利用して、日本語の文をベースに英作文をしてみたらいいのです。

<余談:英語の勉強法は人それぞれ、ダウンサイジングがわたしの辿った道>
 わたしが英語を必要と感じたのは、大学に入ってからでした。管理会計学や経済学の英語で書かれた専門書を読む必要があったのと、時事英語の授業を履修したので、英字新聞社説に慣れるためでした。
 大学院入試で英語の勉強し直しました。経済学の分厚い専門書をノートに訳文を書きながら1/2ほど読みましたね。それとチョムスキーの生成英文法を学習してます。複雑な文を読みこなすために必要でした。
 産業用エレクトロニクスの輸入商社の6年間は、管理会計、システム工学、プログラミング関係の本を片っ端から読んで仕事で使っていました。会計情報システムの専門書なんて、1978~84年には翻訳が出てませんでした。最先端分野は、管理会計学でもシステムでも医学でも翻訳が出ていないので、原書を読むしかありません。
 最大手の臨床検査センターSRLへ1984年転職してからは、医学関係の専門雑誌やNatureやScienceのような科学雑誌を読みました。八王子ラボに図書室があって、海外の医学専門雑誌が25種類くらい定期購読されていましたので。製薬メーカーと検査試薬の共同開発も2件担当したので、最先端医学情報に触れるには日本語の本では間に合わないのです。
 1990年頃のことですが、国際金融機関(当時はナンバーワン)から、ナスダック上場の米国染色体検査会社の買収提案が持ち込まれました。200ページ余りの経営分析と企業価値の評価資料の説明に専門家が2名来て、わたしと米国留学経験のある社員が対応してます。経営分析と企業価値の評価資料ですから、米国金融機関のやり方を知らないと内容がつかめません。1978年に25の指標群を5つに分類して経営分析モデルを開発していたので、そのときにその偏差値データをもとに企業価値の計算も試みてあり、それがそのまま役に立ちました。英語だけでは企業実務では役に立たないのです。経営分析の専門知識と実際のスキル、管理会計の専門知識、染色体検査の仕組み、売上推計の妥当性の検証など、複数の専門分野に精通していないとこなせない仕事でした。資料を読み込んで、3日かけて稟議書を作成しました。OKの方向で稟議素を作成すると、「お前も行け」ということになるので、家族に迷惑がかかる、わたしは現地で参謀として経営に関与することになる、困りましたね。米国法人を創るつもりで検査機械の購入担当をしていた時に下請けメーカや検査機器製造メーカーと人脈をつくって具体的な計画を進めていたので、足がかりにはちょうどいいタイミングだったのです。あれを受け入れていたら、SRLの売上は1000億円ではなく3000億円以上に拡大していたでしょう。八王子ラボの自動化設備は1990年頃は世界ナンバーワンで、臨床検査センターを傘下にもつ米国製薬メーカーが見学に来て、ラボの自動化設備全部を売ってほしい、いくらならと尋ねたくらいです。もちろんお断りしています。自前で米国進出を考えていましたから。
 2002年に古里に戻ってからは、中高生に数学と英語を教えたので、こんどはそのために勉強のし直しでしたね。英語の本はさまざまな分野の専門書ばかり読んでいましたから、会話や英作文がお留守になっていました。
 2022年9月で塾を閉じたので、いま暇ができて、音読トレーニング中です。英作文問題と解説集も4年前から作成し続けていますが、A4判で1770頁を越えました。17000題に近い問題と解説集になっています。NHKラジオ英会話のテキストを英作文用に作り直して、15冊ほどの本や辞書から英文を追加しています。3月末でとりあえず一休みします。週2回、元塾生たちに英作文問題をメールで配信しています。まだ、3年間は続けられるほど、「在庫」があります。英作文問題とその解説集の作成がほとんど趣味になってしまいました。(笑)

 さまざまな分野の専門書を英語の本で読むことからスタートして、大学受験生が英語を攻略するにはどうしたらよいのかと、考え続けています。
 HP社には科学技術計算用のプログラマブル・キャリュキュレータ―がありますが、これはマイクロ波計測器制御用の高性能パソコンをベースに、昨日を搾って電卓にしたものです。ダウンサイジングです。日本のメーカー(シャープやキャノン)が電卓にメモリーを増やしてプログラミング可能な関数電卓を作ったのとは方向が逆です。4つのスタックがあるので数値計算プログラミングがしやすいのです。1978年から5台、もう45年もHP社の科学技術用の計算機を使っています。
 わたしの英語の勉強の仕方は、仕事に関連してさまざまな分野の専門書を読むことから出発して受験英語の指導をどうしたらいいのか、通常とは逆の方向で英語の学習法と指導法を考えています。ダウンサイジングです。

 それがさらに進んで、小学生に英語を教えるなら、どういうやり方で攻めるのかをいま考えています。正しい発音で、スローペースでの正確な音読からスタートして、150 words/minまで音読スピードを上げるのが、リスニング力と読解力と英作文力を同時に強化するのに便利なことがようやくわかってきました。もちろん、中高生や大学生、そして社会人にも役に立つ情報になるでしょう。
 このテーマで、これから数年間生きていられたらですが、ブログに記録をアップします。


〈日本語音読リスト〉…
*#3726 
日本語音読トレーニングのススメ:低下する学力に抗して Apr. 18,2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-04-18-1

---------------------------------------
<7. 国語力アップのための音読トレーニング >
 中2のトップクラスのある生徒の国語力を上げるために、いままで音読指導をしてきた。読んだ本のリストを書き出してみると、
○『声に出して読みたい日本語』
○『声に出して読みたい日本語②』
○『声に出して読みたい日本語③』
○『坊ちゃん』夏目漱石

○『羅生門』芥川龍之介
○『走れメロス』太宰治
○『銀河鉄道の夜』宮沢賢治
 『五重塔』幸田露伴
 『山月記』中島敦
●『読書力』斉藤隆
●『国家の品格』藤原正彦
●『すらすら読める風姿花伝・原文対訳』世阿弥著・林望現代語訳
●『日本人は何を考えてきたのか』斉藤隆

『語彙力こそが教養である』斉藤隆
●『日本人の誇り』藤原正彦(数学者)

◎『福翁自伝』福沢諭吉
◎『近代日本150年 科学技術総力戦体制の破綻』山本義隆(物理学者)

その後に読むものをどうしようかいま考えている。だんだんレベルが上がってきた。哲学に踏み込むかどうかは生徒の意欲次第。
◎『善の研究』西田幾多郎
◎『古寺巡礼』和辻哲郎
『風土』和辻哲郎
 『司馬遼太郎対話選集2 日本語の本質』文春文庫
 『伊勢物語』

(○印は、ふつうの学力の小学生と中学生の一部の音読トレーニング教材として使用していた。●印の本はふつうの学力の中学生の音読トレーニング教材として授業で使用した実績がある。◎は大学生でも語彙力上級者レベルにふさわしいテクストである。平均的な語彙力の大学生には手が届かぬ。
 音読トレーニング授業はボランティアで実施、ずっと強制だったが、2年前から希望者のみに限定している。本気でやる気にならないと効果が小さいので、お互いに時間の無駄。)

・・・
---------------------------------------


*#3018 中学英語教育わいわいがやがや(8):#181~195  Apr. 7, 2015



英会話音読練習帳

英会話音読練習帳

  • 出版社/メーカー: 永岡書店
  • 発売日: 2004/09/01
  • メディア: 単行本





CD BOOK フォニックス<発音>トレーニングBOOK (アスカカルチャー)

CD BOOK フォニックス<発音>トレーニングBOOK (アスカカルチャー)

  • 作者: ジュミック今井
  • 出版社/メーカー: 明日香出版社
  • 発売日: 2005/02/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)





DVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本

DVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本

  • 作者: 鷲見由理
  • 出版社/メーカー: ナツメ社
  • 発売日: 2008/05/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。