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#5058 映画で気軽なリテンション:『愛は静けさの中に』 Sep. 11, 2023 [49.1 英語音読トレーニング]

NHK衛星放送で9/8に『愛は静けさの中に』と9/11『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』という映画を見た。
 どちらも字幕付きだったので、リテンションをしながら楽しんだ。聞き取りにくかった部分は、字幕を参考にして台詞を補った。全部が聞き取れなくても気にしない、今まで自分の語彙にためてあるものが、物語の中で使われて出てくるので、シーン展開の中で使い方が覚えられる。時々、メモとってました。

 この映画の原題は"Children of a Lesser God=小さき神の作りし子ら"と "Extremly Loud & Incredibly Close"である。
 『愛は静けさの中に』というタイトルは、翻訳者が内容を見てつけたものなのだろう、ピッタリだ。前者は主演の女優が21歳の聾啞者(役も耳の聞こえない女性を演じている)で美しい。この作品がデビュー作となったマリー・マトリンはアカデミー主演女優賞をいただいています。後者は9/11でワールドトレードセンター106階へ仕事で出かけていて父を失った子供の話である。アスペルガーな少年は、父が残した「鍵」に執着して、3年間学校へ行かずに執拗に調査を続ける。その過程でさまざまなことを知り、成長していく。「鍵」にはどんでん返しがある。
 後者の映画は現代そのまま直訳です、滑稽なほど工夫がありません。「ものすごくうるさい」のはアスペルガーの主人公のこと、「信じられないほど近い」のはそのお母さんです。父を亡くした息子と最愛の夫を失ったお母さん、息子はお母さんとの距離がどんどん離れて行っているのを感じながら、三年間異常なほどの計画性と綿密性で調査をし続けますが、お母さんは離れてはいませんでした。毎日ピッタリと息子に寄り添っていたのです。原題そのままの映画でしたから、直訳するしかなかったのでしょう。
 『アスペルガーな息子と内緒で伴走する母親』
 『9/11で父を失った息子と妻の物語』
 どれもダメです。直訳か英語原題そのままがいい。

 ドアベルを鳴らしても誰も出てこない、ガラス越しに家の中をみながら、
 "No one's there."(誰もいないや)
 会話ではよく使われるシンプルな表現です。
 ひょんなことから一緒に調査に付き合うお爺さん。お婆さんの家の「間借り人」という設定でしたが、じつは事情があってお婆さんと結婚できなかったドイツ人男性。両親をドレスデンの空襲で同時に亡くしたときのショックから、それ以来声が出せません。少年の歩くのがとても速いので、"I can't walk that fast." (そんなに早く歩けないよ)とメモを書いて渡します。
  このthatは副詞のthat(そのように)です。父親が会話の時に肩をすぼめる癖がありました。一緒に毎日歩き回って人を訪ね、老人に同じ癖を何度も見出した少年は、ついにたまりかねて言います。
 "You must be my grandfather."(ぼくのおじいちゃんでしょ)
 こちらもジジイですから、この台詞に胸が熱くなりました。感動を伴なって脳と心にインプットされる台詞は響きが違います。脳にインプットされるだけでなく、心の琴線に触れるんです。

 青太字をクリックしたら、ストーリーが確認できますが、映画も見てほしい。どちらもティストがまったく違いますが、それぞれすばらしい。傑作です。


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