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#4845 Lesson 5 : Question Authority  Oct. 12, 2022 [49.2 PROMINENCE Ⅲ]

 水曜日、英語音読トレーニングの日です、今日は高1年生の2人のみ、高3用教科書PROMINENCEⅢ、Lesson5、p.47-52まで。

 前段を読んでもらわないと、わたしの質問の趣旨が伝わらないので、少し長くなりますが第4段落から引用します。

  Another example is Huckleberry Finn, the classic novel by Mark Twain. Like Thoreau, Huck breaks the law when he helps Jim, a slave, escape.  But Huck does not do this to question authority as Thoreau did.  He is just a young boy who wants to help someone he cares about.  At the same time, Huck believes he is wrong to help a slave because that is what the adult say.  But his heart tells him to do it.  Off course, the reader knows Huck is right, and in this way, the novel teaches the lesson of trusting our own heart rather than authority.  

 別の事例をあげると、マークトウェインのよく読まれた小説、『ハックルベリー・フィンの冒険』。メキシコ戦争の時に戦争に反対して税金の支払いを拒否して投獄されたソローのように、小説の主人公のハックは法律を破ります。ジムという名のワトソン家の奴隷の逃亡を助けるのです。ハックはその当時はまだほんの子どもにすぎず、礼儀作法を教えてくれているミス・ワトソンの家の奴隷であるジムを助けたいと思ったのです。ジムは南部へ売られそうになっていたのです。でも、奴隷の逃亡を助けることが悪いことだと知っていました。なぜなら、大人がそう言っていたからです。けれども、ハックのこころがジムの逃亡を助けるように命じたのです。もちろん、読者のみなさんはハックが正しいことをご存じです。そしてこういうやり方でこの小説は権威よりは自分の内なる心の声に従うべきだと教訓を垂れているのです。
  'just a young boy'は少年で若い者ですから、「まだほんの子どもだった」くらいがいいでしょう。

   Once you are aware of this pattern, you can see it all over American culture. In movies, books, TV shows, you name it.  So I guess it is not surprising that American kids often believe they are right and adults are wrong.  And of course, like Huck, they often are.

 アンダーラインを引いたところはどういうことなのか、具体的に説明してくださいというのがわたしの質問でした。theyが何を受けているのかがヒントですから、そこからチャレンジしてもらいました。
 代名詞のtheyは'American kids'を受けていることにはOIさんがすぐに気がつきましたね。
 'American kids are.'「アメリカの子どもたちは存在する」
 これでは文章になっていません。そうなのです、これは第Ⅱ文型で補語が省略されています。'right'が省略されているのです。直前で述べているので、ここは読み手が補って読む必要があります。書き手(女性の英語教師)はくどくなるので、'right'を省略したのです。
 And of course, like Huck, they often are [right].
 「だから、内なる声に従うハックのように、アメリカの子どもたちは度々(大人たちのほうが間違っており)正しいことがあるのです。」
 たくさん読めば、こういう省略に慣れてきます。もちろん英作文のせいにも使ってください。
 次も前段が必要ですから、数行丸ごと引用します。第6段落の冒頭部分から。

   But sometimes the "question authority" habit goes too far.  I remember one guy in my French class when I was a college student.  He was so angry that the could not understand French.  Every week he raised his hand in class and challenged the teacher: "Why do they say it that way?  It doesn't make sense!" he would shout.  Remembering this makes me greatful for my teaching job in Japan! I cannot imagine any of my students  getting mad at me because English pronunciation or spelling does not maek sense.

 それでも、「権威を疑え」という習慣は時に行き過ぎることがあります。大学生だった時のフランス語の授業で、一人の男子学生を思い出します。その男子学生はカッカしすぎてフランス語が理解できませんでした。毎週彼は授業中に挙手して、先生にたてつくんです。「なぜフランス人はそんなふうにいうのか?、わけわかんない!」、そう彼はよく叫んでましたね。このことを思い出すと日本での教師の仕事がとってもついていると思うのです。英語の発音や綴りの意味がわかんないなんてことでわたしに当たり散らす学生なんて一人も想像できません(みんな物分かりがいいのです)。
 wouldは過去の習慣を表す用法です。wouldは動作動詞と一緒にしてしか使えないとか、言い方が文語的だとか辞書には書いてあります。過去の習慣が現在歩かないかについては中立です。used toは口語、過去の習慣を言い、現在はその習慣がないことを含意しています。(GINIUS5版の'used to'より)
 自分の持っている辞書で確認しておきましょう。 

 『Practical English Usage』によれば、wouldもused toもあまりかわらないようです。文例をピックアップしておきます。
 I used to smoke, but now I've stopped.
(かつては煙草を吸っていたが、いまは吸うのをやめている)
 When she was old, she used to sit in the corner talking herself for hours.
(年老いてから、彼女はよく隅っこに座って、何時間も独り言をいっていた)
 When we were children we would/used to go skating every winter.
(子供の頃、わたしたちは冬になるたびにスケートによく行ったものだ)
 I used to have an old Rolles-Royce.
(かつては古いロールスロイスをもっていた)
 この文ではwouldが使えません、haveが状態動詞だからです

 ここで生徒のKYさんが、「フランス語が理解できなかったので、怒りんぼだったのでは?、言っていることが逆ではないですか?」と主張しました。いいですね、ちゃんと自分で考えてます。問題は、この文章を書いた人が、「フランス語が理解できないので、怒りんぼだった」と考えているかどうかということ。文章を理解するということは、書き手が脳内にイメージしたものをできるだけ忠実に自分の脳に再現することです。
 この文章を書いている米国人と思しき英語の女性教師はそういう論理的順序「理解できない⇒怒りんぼ」では考えていません。「カッカしていたから理解できなかった」=「カッカする⇒理解できない」と思って書いています。原因・理由が逆です。「イライラしなければ、フランス語の発音や綴りが英語とは違うことを、当たり前のことだと受け止めて、冷静にフランス語を学ぶことができたはず」だと考えているようです。英語を学ぶ日本人の態度がまさしくそうですからね。第6段落でそう書いています。

 疑問を持つことはとっても大事ですよ。教科書を読んで書き手の主張がヘンだと感じたら、友達と話してみてもいいし、英語担当の先生にぶつけていいのです。

 「中学生の時に、先生に質問したら、それは高校になってから習うから...」なんていう返事で、あまり説明してくれないことがあり、納得できなかったと言ってました。面倒くさかったのかもしれませんね。
 個別指導ですから、生徒の疑問にはちゃんとお答えします。そいううやり取り、対話型の授業はやっているほうは愉しいのです。あと一回です、どんどん質問してください、もちろん私の方からも質問しますよ、ご用心。
 ドキドキ、ハラハラ(笑)


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 こちらは新しいバージョン、第4版です。
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わたしの使っているのは、こちらのほうの第3版です。初版からずっとお世話になっています。(笑)
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