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#4766 保育所補助金誤計算:東京都葛飾区 June 12, 2022 [8. 時事評論]

 葛飾区で私立保育園へ補助金を4年間にわたり誤計算して交付していたという。テレビニュースで見た。誤計算しているのではという私立保育園からの問い合わせが数件あったはずだが、担当課長さんは「わたしは聞いていない」の一点張り。責任逃れの苦しいインタビュー。

 補助金交付用にEXCELでマクロで申請用の計算シートを作ったのだろうが、補助金申請書類をEXCELでつくって、申請に使わせること自体アウト、本来はプログラミングしてホームページにぶら下げるのがあたりまえの仕事の姿だろう。作成したのが平の職員だったとしても、課長の承認なしにはやれない仕事である。そして作成したら、3例ほどテストデータを作って置けば、すぐに間違いに気づいたはずだが、計算シートのの承認や指示をしたはずの課長がテストデータでチェックもやっていないというのは、マネジメントができないということ。
 EXCELのが使える職員と、シートの計算が合っているかどうかもチェックできない課長のダメダメコンビでなければ起き得ない補助金誤交付である。今どき高校生でもこんなチョンボはしないのでは?

ヤフーニュースを一部だけ転載する。
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今年4月、区が過払いに気付き、金額を修正した後の保育所側の帳簿を見せてもらいました。単価が「10万4460円」、人員が「7名」、総額が「73万1220円」となっていました。 しかし、判明前の帳簿には。単価は変わらず「10万4460円」、しかし人員は「11名」、総額が「114万9060円」となっていました。昨年度と比べると、4名分減り、1か月41万7840円の差額が出たといいます。 実際の人員は変わっていないにもかかわらず、計算上の人数は変わっていて、40万円以上多く支給されていました。4年間で約800万円多く支給されていたことになります。区は返還を求める方針といいますが、保育所側は困惑した様子でした。
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 過剰交付のあった私立保育所は一つだけではないから、総額4~5億円の過剰交付があったようだ。葛飾区役所側はまだいくらになるのか公表していない。
 葛飾区役所と言えば、「男はつらいよ」のフーテンの寅の柴又のある区である。

<余談:二つの事例>
 1987年頃だったと思うが、SRLで仕事としていた時に、ある検査課の係長がパソコン50台で検査機械をつなぎネットワークを構築するために購入協議書が回ってきた。その係長と話をしたが、ただのパソコン小僧で、プログラミングが少しできるだけだった。当時のパソコンは、いまもそうだが、双方向のインターフェイスはついていないし、検査機器にも双方向のインターフェイスGBIBはついていなかった。だから、機器制御ができない。片方向のバスがあるだけ。RS232Cと言ったっけかな。強情を張るので、そのまま購入協議書を通した。できるわけがない構想だった。2か月くらいして見に行ったら、パソコン50台は梱包したまま。結局失敗した。
「そのまま2年間そこに置いておけ、1年たったら廃棄申請を書いて課長と部長の承認印をもらってもってくるように」と伝えた。検査試薬のコストカットと機器や設備の購入担当だったが、その直前まで全社予算の編成と管理の責任者だったから、経理部担当役員のI本さんへ話をして、お咎めなしで、廃棄処分してあげた。50人タダでパソコンもらった人がでただろう。(笑) 失敗恐れていたら、ラボの機械化やシステム化なんてできゃしません。
 当時のパソコンの性能もわからず、機器の制御にはGPIBが必要なことも理解できず、ただのパソコン小僧が人の言うことも聞けずに強情張った結果が、大失敗だった。
 わたしはその失敗を糧にして、ちゃんとした構想でやり直してもらいたかったが、「羹に懲りてなますを吹く」ことになってしまい、二度とやらなくなった。これでは失敗がわかっていてやらせた意味がなかった。
それから3年くらい後に、細胞性免疫部でリンパ球の表面マーカー検査機器とDECミニコンを接続した検査サブシステムができました。DECのミニコンは当時は1000万円くらいしたのではなかったかな。バスは双方向で機器制御が可能です。要求仕様を満たしている機器構成でした。こういう購入協議書はなんにも言わずにすんなり通します。もちろん、管理部門担当役員は黙って承認印を押します。わたしがチェックしているのでOKなのです。

 ある外食産業の企業で、経理課長が経理システムから決算データをCSV形式で取り出し、EXCELで加工して店舗別の予算実績対比表を作成していた。EXCELマクロを使っていたので、他の人間にはわからない。彼が病気になって出勤できなくなったら予算実績対比表が出力できず、困ったことになるのは眼に見えていた。もちろんEXCELマクロの仕様書もない。このようにパソコンが少しいじれるようになると、勝手なことをしだす者がいる。予算実績対比表は簡単なプログラムである。仕様書を書いて、外注すればいいだけ。ボタン一つで部門別・店舗別予算実績対比表は自動的に出力できる。
 プログラミングができない、プログラミング仕様書も書けないから、自分でEXCELで属人的な仕事してしまう。2日かかって作成していた。経理課長がそんな仕事のやり方をしていたら、本来やるべきことに時間が割けない。
 こういう月次の定型業務をEXCELではやるべきではないのだ。

 EXCELを使ってよい範囲と使ってはいけない業務を承知していないと、仕事でこういう事故がいつでも起きるということ。
 プログラミングができるのはもう当たり前の時代だ。そして大学を卒業するまでに外部設計書ぐらいは書けるようにして置こう。文系・理系を問わない。そういう時代なのである。


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