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#4765 高1対象英語音読特訓:「進行形+受動態」の文 June 11, 2022 [49.1 英語音読トレーニング]

<最終更新情報>6/12朝8:35 「説明ルール」に関する追記 9:43:evenの意味は何か? 10:04「山猫軒」追記

 土曜日は塾生以外も受け入れている英語音読授業の日です。1時から3時まで。参加する生徒は予習を義務付けています。本文をノートに書いて、新出単語の意味を調べ、できる範囲で和訳してくること。

 授業では最初に、読みながらチャンクごとにスラッシュを入れる箇所を指示します。それから2-3回そのページを読みます。次にページの冒頭へ戻って1文ずつ3回読み、スラッシュごとにそして語順通りに和訳してもらいます。語順通りに意味をつかみ、後戻りしないことが大事です。
 意味をイメージしながら3回読みします。そして次の文へ...

 和訳が適切でないときは指摘し、文をどのようにとらえたのか説明してもらいます。テキストは昨年高校2年生が使用していた「VIVIDⅡ」を使っています。

 わたしは授業で生徒に毎回質問していますが事例を二つ紹介します。
 In 1999, a Europian company did even better; it invented an amazing capsule, which has a tiny built-in camera.
 「比較級のbetterが出てきましたが、比較されているのは何ですか?than節がありません」
 比較級が出てきたら必ず比較している対象があります。それをイメージで来て初めてその分が理解できたということですよ。「さらに改善した」ということですが、前の段落で内視鏡=胃カメラが出てきていますから、コードのついた内視鏡方式の胃カメラを改善してコードのないカプセル方式にしたということです。筆者は(;)セミコロン以下で説明をしています。「説明ルール:説明は後ろに置く」でしたね。(;)は前の語を説明するために置かれたマーカー(標識)だと理解しましょう。
 二つ目の質問はevenです。「even better」とありますが、筆者が「better」に「even」という副詞を付けた理由は何でしょう?
 前の段落を読めばわかります。だから常に前の段落との論理展開、つまり文脈を読みながら理解しましょう。
 伝統的な内視鏡 "a traditional endscope"は呑み込むのがたいへんな"stressful to swallow"ほど太かったのです。それが細く"thinner"なって鼻から挿入するタイプ" it easily passes through the nose and reduce the stressに改良されました。「その上さらにeven」コードレスのカメラ内蔵型カプセル"a tiny build-in camera"に改良されたということです。わたしの伝えたいことは、つねに段落ごとの文脈を意識して読み取ろうということ。日本語の音読指導では当たり前にやっていることなのです。日本語が英語に変わるだけで、先読み技術や段落ごとの文脈把握は一緒なのです。
 「説明ルール:説明は後ろに置く」だけが日本語と英語では異なりますが、「指定ルール:指定は指定するものの前に置く」は一緒です。

 wh疑問文が出てきたのでそれを平叙文に書き換えてもらいました。これは質問ではなくて生徒への要求です。もちろん生徒の理解を深めるための要求です。宮沢賢治の『注文の多い料理店』のような英語授業です。道に迷った猟師が腹ペコになり山猫軒という西洋料理店へ入ります。そこで注文しようとしたらウェイターが客に注文を出します。それに応えて指示通りにしているうちにおかしいなと気が付きます。注文は客が出すものなのです。英語音読授業の質問は生徒が出すだけでなく、先生も出します。「ニムオロ塾の英語音読特訓は質問の多い授業ですから、どうかそこはご承知おきください」、そう生徒に説明しています。(笑)
 次のようなwh疑問文が口からすらりと出るようなら、すばらしいですね。
 What will the tiny camera do in the body?
 Kさんに黒板に平叙文を書いてもらいました。
 The tiny camera will do something in the body.
 正解でした。doも目的語のsomethingが疑問詞whatになって文頭に出たということがわかればいい。
 NHKラジオ英会話講座の大西泰斗先生はこういうwh疑問文を次のように解説しています。
 What will the tiny camera do □  in the body?
 □の部分を「空所」と呼んでいます。そこが疑問詞の定位置です。
 Kさんは、この形をちゃんとマスターしていました。週2回やっているメール配信の英作文問題と解説で何度もやってますからね。楽しみながら努力できる人は、際限なく学力が上がります

 質問は随時受け付けて脱線します。疑問を感じたときそれを言語化して発する、コミュニケーションの基本です。こちら側は瞬時に反応するのが大事だと思っています。疑問の出る生徒は伸びます、押さえつけてはいけません。納得いくまで解説してあげます。その場で答えられないような質問なら次回まで解説はペンディングして調べます。見栄を張る必要はない、謙虚に調べて疑問に答えるのがいいのです。貴重な勉強の機会ですからね。
 3人ですから疑問があればその都度答えられますが、20人もいたら不可能でしょうね、10人以内ならそういう授業をやれます。
 高校2年生の教科書なので使われている英単語は専門用語が使われることはほとんどありませんので、大事だなと思うところは専門用語を紹介します。今日は胃カメラが取り上げられている章だったので、周辺の医学用語を知ってもらうために解説しました。

 腸"intestines"が出てきますが、『ステッドマン医学大辞典改訂第2版』で調べてみました。食道を除いてはカラーのイラストの人体図、PLATE 5と6に載っています。
 消化器官は口"mouth"、食道"esophagus"、胃"stomach"、小腸"small intestine"、大腸"large intestine"。日本語と同じですね。「小さい」と「腸」を合わせて「小腸」ですから。大腸も同じ作りです。大腸は「上行結腸"ascending colon"」「横行結腸"transeverse colon"」「下行結腸"descnding colon"」「S字結腸"sigmoid colon"」「直腸"rectum"」にわかれます。2006年7月にスキルス胃癌の手術をしたときに摘出した部位を黒板に書いて解説しました。経験が思わぬところで役にたちました。(笑)
 「診断」には基本語彙の"examine"が使われていますが、医学用語では"diagnose"です、名詞は「診断"diagnosis"」です。医者がするのは「治療」ですが"work"が使われています。"cure"という単語が使われているのでそれでいいはずですが、わたしにはなぜ"work"をつかったのかその意図がわかりません。該当箇所を引用します。

These pictures enebles doctors to examiene their patient more carfully. From a small bleeding in the body, doctors can detect the signs of a disese and work to prevent it from becoming worse. More lives are being saved thanks to this tiny camera.

 病変している部位を見つけ"detect"、診断を下し"diagnose"、治療"cure"するのが医師がする一連の仕事の流れです。そういうことをイメージしながら文を読むとよく呑み込めます。青字のpreventの文は、「(病変部が)悪化しないように治療をする」と訳出したらいい。"enable"のところですが、こういう無生物主語の文は主語を副詞句に訳すのが定石ですよ。"doctors"を主語にして訳しましょう。「たくさんの写真によって、医師は病気の兆候を見つけることができます」くらいが適当でしょう。allow(アラウ:発音注意!)が次のページに載っていました。これも無生物主語の典型的な文でした。同じように料理したらいいのです。
 These samples /will allow doctors /to examine their patients /in more detail.
 高校の教科書ですから、diagonoseを使わずに、やさしい語彙のexamineが使われていることは先ほど書きました。"sample"は医学用語では「検体"specimen"」です。
「これらの検体によって/、医師は患者を見られます/もっと詳細に」
 この部分の訳を担当したOさんは"patient"を「我慢強い」と訳しました。「がまんづよく検討する」、なんとなく聞き逃してしまいそうですね、でも論理的な整合性がとれませんから気が付かないといけません。形容詞では「我慢強い」がありますが、名詞では「患者」です。複数形のsを見落としたのと、"their"という限定詞がついているのを見落としていました。Oさん、笑っていました。Kさんは"detail"が「ジーニアス5版に載っていなかった」って言ってました。ちょっとそそっかしいところがあるので、綴りを間違えた可能性があります。
「ジーニアスにあるよ、もう一度調べてごらん」
「ないってば...」
「あ、あった!」
 Kさんは1月に入塾してから特訓授業に出ています。この5か月で飛躍的に英語の学力がアップしてます。点数は書きませんが中学最後の学力テストの点数からは考え難い得点でした。そそっかしさが災いしてか、数Aは百点でしたが、数Ⅰは99点、もっひとつ99点(生物)がありました。
  次回の前期期末試験の目標は百点が二つです。これは三人共通の目標です。あとはどうでもいい、しょせんは問題の難易度が低い定期テストですからね。(笑)
 難易度の低い問題の定期テストで10科目平均点が90点を超える戦いをしても、神経が磨り減るだけで、学力を測る意味はありません。大事なのは難易度の高い全国模試でどれくらいの偏差値を叩きだせるかです。

 最初に紹介した文の末尾の部分が現在進行形の受動態になっています。面白そうなので、ここで、受動態ではなくて能動態の文に書き換えるように指示しました。"is being saved"なんてヘンな形でしょ。Nさんが、能動態の文を言いましたが主語が違ってました。to以下が主語になると思ったのです。
  Doctors are saving more lives thanks to this tiny camera.
 わかり切っているから受動態ではby doctorsとは書き足さないのです。そこに筆者の意識はありません。「たくさんの命が救われつつある」という事実にフォーカスしています。だから受動態で書いたのです。「医師がたくさんの命を救っている」という文の「医師」のところに焦点はありません。

 Kさんが「文例をもっとください、慣れておかないと...」、そういうので、文例を黒板に一つ書きました。
 I(he or she)write a letter once a week.
 (わたし(彼、彼女)は週に一度手紙を書きます)
   I (he or she)was writing the letter about midnight.
 (わたしは真夜中ごろにその手紙を書いていました)
   The letter was been written about midnight.
 (その手紙は真夜中ごろに書かれていました)

 次のページに載っている進行形の受動態の文の書き換えを3人にやってもらいました。「もっと」とおかわりの要望がありましたが慣れたでしょう。(笑)

1. The new movie is being shown at our local theater.
2. More food from abroad is being consumed in today's Japan.
3. Some new houses are being built across from the park.

 皆さんも、やってみてください。
 最初の文のagent(能動文の主語)は映画館の経営者や映写技師ですからtheyです。the new movieはrecipientと言います、英文法用語です。能動文にしたときの目的語です。臓器移植でドナーから臓器を受け取る人、移植される人のことをレシピエントと言います。
 2番目の文のagentはweです。3番目の文は大工さんあるいは建築業者ですからtheyでいいでしょう。
 受動態の文で書いたということは、筆者の意識はagentにはないということ。agentが示されていないことにもちゃんと意味があります。書き手の関心がないからです。
 生徒から大事な質問が出たので、拾い上げました。そういうときは時間をかけて丁寧に処理します。今日の授業は第5章のpart2とpart3の二つでした。61頁まで終了です。
 いまはスラッシュリーディングに慣れて、語順通りに意味を正確につかむことに集中したらいい。点数を上げるのはそのあとです。順序を間違えると後で点数の伸びが止まってしまいますから用心しましょう。
 柔道なら乱取り稽古はやめて、型の修得に集中するということ。
 ビリヤードでは基本トレーニングをおろそかにすると技術が伸びません。昭和天皇のビリヤードコーチの吉岡先生、平成天皇のビリヤードコーチだった小林先生、令和天皇のビリヤードコーチだった町田正さんのお父さんに教えていただきました。基本メニューの大半は町田正さん(アーティスティックビリヤード世界2位)のお父さんから直伝のもの、少しビリヤードが上手なわたしの意見です。

<余談:前期中間テスト結果>
 10科目の合計点が934点、932点、899点でした。それぞれ課題がはっきりしました。900点に1点足りなかった人は、「公共」科目の得点を95点にアップすること。暗記科目ですからそんなに大したことではありません。90点以下が1つでもあると平均点90点を維持できません。ケアレスミスをしない競技のようなもので、学力にはあまり関係がありません。トップは960点前後でした、それはそれで立派です。2位が940点だったかな。
 Bクラスで800点を超えた生徒がいます。英語が苦手ですので、水曜日の音読特訓に出てくれば前期期末試験には間に合います。英語特訓に出席すれば次回は10科目合計点で英語だけでも50点アップできます。来年はAクラス=特設コース入りでしょうね。英語がアップできればこの生徒は学年15番以内に入るでしょう。Aクラス=特設コースのみなさん、700点台の人が半数ほどもいるようですが、来年はAクラスに何人残れますかね。入れ替え人数が多くなるのはいいことです。

 6/25にベネッセ模試があります。中間テストに比べたら問題にならないくらい難易度が高いのです。根室高校生の昨年の数学の平均点は24点付近、英語は28点ほどでした。数学も英語も70点越えたら学年トップです。旭川医大へ現役合格した生徒は1年生のベネッセ模試で、数英どちらも80点を超えていました。数英の偏差値は79.6でした。1000人中1番です。全国順位が200番台でした。ベネッセ模試は学力上位層が薄いので偏差値79.6の順位は少し高めに出ます。
 英語はリスニング(20点)、長文問題3問(62点)、文法語法(18点)の3つに分けてどの分野で何%得点を獲ればいいのかシミュレーションして、目標特典を設定しました。数学も大問1と大問2は100%、大問3は一次不等式の文章題ですから、3題中2題正解、大問4で1問正解、それで60点台に乗ります。どの問題で何問正解するか、過去問を解いて事前にシミュレーションしておきましょう。
 数学は難易度の高い問題集「シリウス」を使っているので、模試の問題は難問には感じません。普通の難易度の問題に見えるでしょうね。学校の準拠問題集だけで勉強している生徒は模試問題は難易度が高く見えるでしょう。

 三人のだれが学年トップになっても不思議ではありません。高校入試とベネッセのお迎えテストでトップをとったNさんが少しだけ有利だと思います。外部テストの難易度の高い問題に強いはず。最近数学で苦労しています。2回やらないと60点越えるのは無理ですから、2回やるでしょう。難易度の高い問題は3回やりましょう。2回トップも努力しなきゃいけません。三度目のテストで、今回はトップとれず、他の2人に比べても順位を下げ、めげてます。トップはとったりとられたりでいい。できたら全国模試で何度もトップをとりたい。大学受験には全国模試の結果がすべてです。昨年旭川医大へ現役合格した生徒は学校の定期テストは無視しろと中学生の時から言い続けましたが、こだわっていました。「3年間定期テストも学力テストも1位で通したい」、その通りの結果を出しましたが、高校に入ってからようやく吹っ切れたようでした。「都会の進学校で勉強している生徒たちが競争相手だから、模試の点数がすべて」なのです。
 3月に入塾した1人は北大めざしていますが、1月に入塾した生徒と、4月に入塾した生徒は最近「北大医学部保健学科(看護)めざそうかな」なんて言い出してます。急激に学力がアップしたのを実感したので欲が出てきたようです。いいですね。進路選択と科目選択の資料を7月に提出しないといけないので、とりあえず進路を明確にする必要がありました。後で変えたっていい。学力が高けりゃどうとでもなります。
 全国模試の結果で学力の本当の序列が決まります。あと2週間ですから、気を抜かずに走り抜けてください。
「始めよければ終わりよし」


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銀河鉄道の夜 他十四篇 (岩波文庫 緑76-3)

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ステッドマン医学大辞典

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  • 出版社/メーカー: メジカルビュー社
  • 発売日: 2008/02/08
  • メディア: ハードカバー
 昭和61年に刷られた第2版をもっていますが、1989年当時勤務していたSRLの図書室には大判のものしかありませんでした。定価10万円してました。仕事で必要なのでボーナスで買おうとして、念のために縮刷版が出ていないか調べたら、ありました。当時の定価は13,000円です。いま15,800円ですから33年たっても2800円しか値上げしてませんね。医療関係の学校で学ぶ学生にとってはありがたいでしょう。
 "The cell"もあるといいですね。『細胞の分子生物学』
Molecular Biology of the Cell (ISE). 7th ed.

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  • 作者: Alberts, Bruce
  • 出版社/メーカー: W W Norton & Co Inc
  • 発売日: 2022/07/01
  • メディア: ペーパーバック
 わたしの持っているのは第2版です。1990年に購入してます。当時は学術開発本部長(取締役)直属のスタッフ課長職で、開発部の仕事もしていました。塩野義製薬の膵癌マーカーの検査薬の共同開発とDPC社のⅣ型コラーゲン検査薬の共同開発も仕事でしたので、辞書に出ていない専門用語をこの本で調べる必要がありました。会社のお金で買うので、ハードカバーの高い方を買いました。値段はペーパーバックの2倍くらいしたかもしれません。

 学術開発本部には開発部と学術情報部と精度管理部の三つの部がありました。開発課長のFさんがマネジメントが苦手なので、本部長のIさんの指示で開発部の仕事を二つ請け負いました。各人がそれぞれバラバラに自己流でやっていたので、本部長のIさんもマネジメントに困っていました。自分でやってみて、他の人のやりかたをヒアリングし、PERTチャートに落として、標準化してしまいました。このほかに沖縄米軍から依頼があった出生前診断検査の導入以来が学術営業の佐藤君からあり、システム部が不可能だと断り、暗礁に乗り上げたので、それもわたしに何とかしろと回ってきました。1か月でシステムを創って沖縄米軍司令官にと担当者に説明に行きました。女性兵士は法律で出生前診断検査が義務付けられていたので喜んでました。同じ出生前診断検査で、慶応大学病院産婦人科医から日本人基準値策定にかかわる共同研究の申し入れがあったので、それも併せて引き受けました。6000人の妊婦の検査と多変量解析をやっています。製薬メーカー2社を読んで、学術研究だから試薬の無償提供を了解させ、社内稟議をして検査費と研究部が担当することになる多変量解析はタダ、すぐに決裁をもらって、システムを創ってゴー。入社2年目の予算編成と統括管理をしており、検査試薬の値下げ交渉を提案し、プロジェクトを作ってもらい20%コストカットしてますから、製薬メーカーには顔が利きました。3年間で60億円ほどコストカットしてます。製薬メーカの担当者にすれば私が購買部長になるかもしれないので、忖度してくれるんです。稟議書の書き方は伝えましたよ。「できなきゃ、わたしが書いてあげます」って言いました。15か月間でそういう仕事をして、できたばかりの関係会社管理部へ異動し、子会社関係会社の経営分析システムを開発し25ゲージ5つのでメンションのレーダチャートと偏差値評価方式による経営分析をしてました。その傍ら、臨床検査会社の買収や資本提携を担当し、資本提携を取りまとめた東北の企業へ経営企画室長で役員出向。だから関係会社管理部にも1年半ほどしかいなかったのではないかと思います。赤字の関係会社を売上高経常利益率15%にする具体案をまとめてSRL創業社長の藤田さんへ最終了解をもらいに立川本社へ行くと、社長と副社長がノーの返事。実行にストップかけられ、出向解除。黒字にしてはいけなかったようです。ある事業を拡張するつもりでしたが、シミュレーションによればSRL本体の売上高経常利益率の2倍でしたから。関係会社管理bにいたときに関係会社の千葉ラボ(当時の社名SMS)の業務システムとラボシステムの新規開発で、赤字の子会社を黒字にしてます。稟議書に添付したシミュレーション以上の利益が出たから、臨床検査子会社の経営改善には実績がありました。だから、具体案=染色亭検査事業の拡大をすれば、売上高経常利益率が15%を超えることは明らかでした。慌てた社長と副社長に出向15か月で本社へ呼び戻され、経営管理課長と社長室、購買部兼務。本社の経営管理部はわたしのとっては5年前にやっていた仕事で難易度ゼロ、つまらないので、わがままを言って半年で一番古い子会社へ出向、グループ企業(親会社の八王子ラボも含めて)のラボ再編成構想を練るつもりでした。購買部の方の課題である購買在庫管理システム作り直しの方は仕様書を描いて富士通汎用大型機から業務用サーバーを使うように変更。こちらは購買課長が仕様書をNCDさんのSE宇田さんへ渡してもらえばいいだけでした。1週間で書ける簡単な仕事でした。他の人がやれば半年かな。投資及び固定資産管理システムはわたしが外部設計して創ったものだし、購買在庫管理システムもわたしは半分プログラム仕様書を描いてあげたものでしたから、そのシステムのニューバージョンも簡単な仕事でした。(笑)
 子会社のSRL東京ラボでの仕事は、ラボ移転による親会社も統合した大型ラボ構想を子会社の社長の箕輪さんと話し始めたばかりのときに、本社へ呼び戻され、暗礁に乗り上げた帝人との治験合弁会社を担当することになりました。SRL東京ラボは1年半もいたのかな。3年の約束で帝人との臨床治験の合弁会社へ役員出向。①スケジュール通りの会社のスタート、②赤字部門の合弁なので、③資本提携解消、④帝人の臨床検査子会社の買収、これら四つの課題を3年弱で全部クリア。
 やれない仕事はありませんでした。あとは米国法人を作って売上を3倍にすることぐらいでしたね。米国法人を創り八王子ラボの当時世界一の自動化設備を持ち込めば、米国市場なら2000億円の売り上げが見込めました。
 お金儲けにはあまり興味がないので、そしてビジネスの世界で仕事するのは50歳までと漠然と決めていたので、SRLを退職。シームレスな老人看護・介護を実現するために300ベッド弱の特例許可老人病院の常務理事に就任。療養型病床への転換のために病棟建て替えをしました。理事長となんとなくすれ違って、建て替え仕様を詰めて、新日鉄へ補助金11億円で工事発注。当初はゼネコンのフジタと仕様詰めをしていて金額が15億円に膨れ上がっていました。それをご破算にしてもらい、新日鉄の東大出の1級建築士のゼネコン部隊の営業部長を知っていたので、そちらへ発注しました。1年半でこの仕事も終了。そのあと、外食産業の上場に関わって、そのごやりたかったことをやるために故郷に戻りました。
 それぞれやっているときはのんびりしていたつもりですが、こうして書き並べると忙しい人生でした。
 いまじっくり落ち着いてます。古里に戻って20年、一仕事終えました。こんなに長く同じ仕事をしたの初めてですが、そろそろ卒業です。

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