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#4763 文武両道の部活は週に何回が適正か? June 8, 2022 [73.ブカツ]

<最終更新情報>6/10午前0時15分 昨年度の「ベネッセ総合学力テストデータ」で根室高校生の平均点や標準偏差データや偏差値を書き換え

 今日水曜日はニムオロ塾はお休みの日だが、高校1年生に英語の教科書の音読トレーニングをしています。1ページ全文にスラッシュを入れた後に、そのページを2回読み、そのあと1文ずつ3回読んで、語順通りの読解をしていきます。随時、文法説明を入れてます。そのあとで意味をイメージしながら3回音読します。
 英語が一番できる生徒は必要がないので水曜日はきませんが、そのほかの高1の生徒ならだれでも来ていいことになっていますが、前期中間テストの直後の今日は7人中2人だけ。部活をやっている生徒は来ていません、いや来られないのです。
 部活は週に2回か3回に制限したら、ほとんどの生徒が「文武両道」できます。週に5回ブカツやるようでは、文武両道を貫けるのは10人に一人です。もったいない。人生で一番学力が伸びる時期なんです。高校生の時に一生懸命に勉強して学力がアップした生徒は、一生その学力を武器に世間を渡っていけます。

 今日は第2章のPart 2~4まで3ページやりました。テーマは、大事なことを優先してやれということ。教授がガラスの瓶と大粒の石、小粒の石、砂をもって教室にやってきます。そして「大粒の石⇒小粒の石⇒砂」の順にガラスの瓶に入れていきます。大粒の石を瓶一杯に入れて、「一杯か?」と学生たちに聞きます。学生たちは「いっぱいです」と答えます。すると今度はそこに小粒の石を入れていきます。大粒の石の隙間に入っていきます。びっちりになったところで、「いっぱいですか?」と聞くと「いっぱいです」と学生たち。教授は砂を入れます。隙間があるのでどんどん入っていき一杯になります。順序を反対にして「砂⇒小粒の石⇒大粒の石」の順に入れると、入らない大粒の石が残ります。さて、教訓です。大事なことを優先しないと時間が無くなり大事なことができなくなるということ。
 誰もが一日は24時間しかありません。その時間をどうでもよいことに使っていると、大事なことができなくなるということ。高校時代は勉学の季節、それが大粒の石です。それなのに、小粒の石であるブカツや、砂であるラインやゲームに興じて時間を浪費してしまったら、アウトだということ。わかりやすい譬えでした。

 土曜日は予習してくる生徒だけに絞って高2の教科書を使って音読トレーニングしています。1月からスタートしていますが、9か月で高校1年から3年までの教科書を全部やり切るスケジュールです。こちらは3人がメンバーです。三人のうち二人は週1の習い事をしています。これなら文武両道は無理なく実行できますね。
 今日6/8(水曜日)来た二人は土曜日の音読特訓にも参加しています。英語の音読トレーニングが愉しいのと成績がアップするのでうれしいのでしょうね。一人は中学時代に比べて点数が大幅アップしたので大喜びでした。昨日、塾からの帰りに車の中でお母さんへ報告したら、ハンドルから手を放して、手を叩いて「やったね!」と喜んだそうです。危ないから次からはやらないでください。(笑) 定期テストはもう90点以下取らないと思います。はっきり力がついてきてます。一生懸命勉強する人は短期間で急激に伸びることがありますが、もちろん珍しい。努力すればみんながグンと学力アップしてくれたらいいのですが、まったく上がらない生徒も、しばらく頑張らないといけない生徒もいます。その方が多い。家で勉強して来ない生徒は成績が上がりません。家庭学習習慣はとっても大切です。小学生低学年の時にしっかり家庭学習習慣をつけておかないと、中学生になったころには家庭学習をしないのが性格にまでなっています。それを「治す」のはとっても厄介なのです。性格を変えるなんてよほどのことがない限りできないことは誰にでもわかります。家でまったく勉強しない生徒は塾に来るのはお金と時間の無駄です。

 9科目テストが返ってきましたが、この三人とも平均点が90点を超えてますから、びっくり、できすぎ。この三人は総合点で学年5番以内かもしれません。数1は(100点、99点、92点)数Aは(90点、100点、89点)。特設コースのAクラスとBCクラスで同じ問題をやらせたのですから、問題の難易度が低かったのでしょう。学力差が大きいので問題を分けるべきなのでしょうね。
(どれほど学力差が大きいか、具体例として2年生のBCクラスの数Ⅱの得点階層別分布表を末尾に貼り付けておきます。)
 B組の男子生徒が9教科で平均点が82.5点でした。英語が苦手なので、それを90点に持っていけたら平均点が90点に近づきます。水曜日の英語音読特訓に来週から出席するそうです。幸いなことに部活が水曜日休みですから、天が味方してます。チャンスをつかんでください。


(2年生の数学はAクラスとBCクラスは別問題です。BCクラスの問題は基本問題のみでした。生徒達の学力レベルに見合った良問です。90点超が5人いました。数Ⅱを選択した生徒は44人、数Bを選択した生徒は27人です。数Ⅱを選択した生徒が少ないですね。BCクラス80人中44人(55.0%)です。数B選択者はBC組では33.8%にすぎません。数年前まで数Ⅱは必修科目でした。)

 定期テスト問題は難易度が低いので、6/25にベネッセの全国模試があるので、そちらで何点とれるかが問題です。全国模試の問題は学力テストに比べると難易度が高いので、学力差がはっきり出ます。暗記では通用しません。昨年7月実施の「ベネッセ総合学力テスト」データでは、根室高校1年生の数学の平均点は24.6点、全国平均点は35.3点、標準偏差が18.5です。72点で全国偏差値70ですから、そのあたりが彼女たちの目標値になります。
 英語の平均点は、根室高校生の平均は24.0点、全国平均は38.8点です。標準偏差は15.6ですから、偏差値70はが数学と同じとすると、偏差値70はぴったり70点です。数英の両方の偏差値が70を越えたら、根室高校では学年トップです。数学は『シリウス』を使っているので、ちゃんと理解出来たら、70点は楽勝ですが、女の生徒は数学の理解がなかなか深いところに行きません。だから『シリウス』を2周する必要があります。その代わり英語は女子の方が得点が高い。模試で70点を超える生徒が出てほしい。昨年の問題の配点を見るとリスニング20点、長文問題3つ、それぞれ21点、21点、20点の合計62点です。その他が18点の点数配分。
 定期テストでは、一人、塾に通っていないで高得点の生徒がいるようです。定期テストはその子がトップでしょう。難易度の高い問題集使っていないと模試の数学は80点以上はとれませんから、ぜひ『シリウス』使ってください。『青チャート』には載っていない解法の例題がふんだんに掲載されてます。ぜひ模試でも頑張ってください。競い合ってみんなの学力がどんどん上がれば幸いです。


 そういうわけで、三人がどこまで頑張るか、全国模試の結果が愉しみです。この学年は北大現役合格が4~5人出ても不思議ではないかもしれません。これからの学力の伸び次第です。根室高校の先生たち、大事に育てるでしょうね。

<2年生数Ⅱ、BとCクラスの数Ⅱ得点階層別分布表>
 30点未満が13人、90点以上が5人います。平均点は49.9点でした。BCクラスの数Ⅱ選択は80人中44人です。作問した先生の狙い通りの平均点だったでしょうね。お見事!基本問題のみの良問でした。特設コースのAクラスは難易度を上げた別問題です。でも模試に比べると難易度は低い。
 この学力分布だと、教える先生はたいへんです。90点以上の生徒をリーダーにして5つのグループに分ければ、成績の良い生徒が、成績下位の生徒に教えられます。手間は10倍かかりますから、成績の良い生徒の手を借りるのが一番いい。そうしているようです。困った時に助けてくれる人がいるというのはすばらしい経験です。人生辛い局面になったときには助けを求めていいのです。
DSCN6486数Ⅱ.jpg
  すごい形のグラフでしょ。中央がへこんで凹型。真ん中に授業を合わせたら、一人だけ。右側に合わせたら8割の生徒はついていけません。左端に合わせたら7割の生徒が暇を持て余します。どんな授業も無理、学力の高い生徒をつかって先生の補助をさせるしか選択肢がなさそうです。BCクラス担当の数学の先生たち、うまくやってください。

<余談:メール配信による英作文トレーニング>
 週2回月曜日と木曜日に問題文と前回の解答・解説を配信しています。解説は文法・語順、単語のコアイメージ、冠詞の扱いなどを中心にやっています。年間1000題配信していますので、3年間やれば3000題こなすことになります。音読・語順通りの読解トレーニングと併用してくれたら、英語の力はぐんと伸びるでしょう。
 成績が上がった高1年の生徒の話を書きましたが、中学校の時よりも点数が倍になったそうです。1月から来ている生徒ですが、土曜日の高2の教科書を使った音読・語順通り読解トレーニングにも出席しています。成績がアップするのは当然です、音読と英作文の両方を一生懸命にやってますからね。
 声をかけてもじつは来ない生徒が多いのです。第一の障害は毎日ある部活動です。それがなくても来ない生徒は、「英語アレルギー症状」のある生徒で、英文をスラスラ読めませんね。読まないから読めない、書かないから書けない生徒達です。そういう生徒たちのために休日の水曜日に補習の音読授業しているのですが、部活を一日休んで来なけりゃ、アレルギー症状を抱えたまま高校を卒業します。大学進学で英語のが試験科目にないところはありませんから、受験する大学もランクが落ちます。そういう事情で根室はボーダーフリーの大学へ進学する生徒が多いのです。週に5回の部活は罪が深い。生徒達の人生を狂わせてしまっていることに保護者も先生も気がついていないのでしょうか?そんなことはないと思います。生徒自身だって気がついています。でも、毎日トレーニングメニューの工夫もしないで部活をやっているほうが楽なのです。先ほどの英語教科書の例ではガラス瓶(びん)にせっせと砂を入れているのです。大粒の石である勉学はいつまで待ってもガラス瓶の外です。ガラス瓶の中へ入れるためには大きな努力を要するからです。家庭学習の習慣がない生徒が3割もいます。それを変えるのはつらいのです。だから毎日ライン三昧、そしてゲーム三昧、高校時代という貴重な時間はどんどん失われていきます。そしてあっという間に卒業です。ゲームセットとなります。
 我が母校、根室高校で学ぶ生徒たちが、後悔しない高校生活を送ってほしいと心の底から願っています。

 4年前の記事ですが、面白いのでぜひ読んでください。
*「#3805 高1:7月進研模試全国平均と根室高校平均:学年トップの学力は?」

**#4749より引用
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<6. 日本語音読トレーニング:国語力が学力の基礎>
 最後に、日本語音読トレーニングで5年間に読破した本のリストを挙げておく。件(くだん)の生徒は高1で日本語音読トレーニングは終了している。17冊、レベルを上げながら、たっぷりやった。
 生徒と交代で輪読するし、速度を変えて読むので、スキルス胃癌を患い胃と胆嚢を全摘出したわたしには、体力への負荷が大きい。だから、この2年間は本気でやろうという生徒にだけ対応している。休みの水曜日に日本語音読トレーニングを充てていた。昨年は1時間でへとへと。寄る年波には勝てません、年々体力が落ちてます。でも、まだがんばれます。(笑)


〈日本語音読リスト〉…



*#3726 
日本語音読トレーニングのススメ:低下する学力に抗して Apr. 18,2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-04-18-1

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<7. 国語力アップのための音読トレーニング >
 中2のトップクラスのある生徒の国語力を上げるために、いままで音読指導をしてきた。読んだ本のリストを書き出してみると、
○『声に出して読みたい日本語』
○『声に出して読みたい日本語②』
○『声に出して読みたい日本語③』
○『坊ちゃん』夏目漱石 音読破シリーズ

○『羅生門』芥川龍之介 音読破シリーズ
○『走れメロス』太宰治 〃
○『銀河鉄道の夜』宮沢賢治 〃
 『五重塔』幸田露伴 〃
 『山月記』中島敦 〃
 音読破シリーズは総ルビ(フリガナ付き)ですから、小中学生の語彙力増大に効果が大きい本です。
●『読書力』斉藤隆
●『国家の品格』藤原正彦
●『すらすら読める風姿花伝・原文対訳』世阿弥著・林望現代語訳
●『日本人は何を考えてきたのか』斉藤隆

『語彙力こそが教養である』斉藤隆
●『日本人の誇り』藤原正彦(数学者)

◎『福翁自伝』福沢諭吉
◎『近代日本150年 科学技術総力戦体制の破綻』山本義隆(物理学者)

(○印は、ふつうの学力の小学生と中学生の一部の音読トレーニング教材として使用していた。●印の本はふつうの学力の中学生の音読トレーニング教材として授業で使用した実績がある。◎は大学生でも語彙力上級者レベルにふさわしいテクストである。平均的な語彙力の大学生には手が届かぬ。
 音読トレーニング授業はボランティアで実施、ずっと強制だったが、2年前から希望者のみに限定している。本気でやる気にならないと効果が小さいので、お互いに時間の無駄。)

・・・
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 件(くだん)の生徒が音読指導で読んだ本のリストです。本の中身についても問題に気がつく都度、議論を重ねてきました。大学の良質のゼミ並みの内容をもってました。北大ではこういうレベルの学部のゼミはおそらくないでしょうね。
 わたしは学部では哲学の市倉宏祐先生のゼミに、大学院では3人で西洋経済史の増田四郎先生(元一橋大学学長)の授業を受ける機会に恵まれました。どちらもその分野では当時日本でナンバーワンの先生です。
 この生徒はやっているうちに慣れてきて、高校生になってからはそういう大学の学部ではトップレベルのゼミでやるような議論ができた特別な生徒です。
 だから、ご褒美に最後の本は西田幾多郎『善の精神』にしようかと考えていました。医学部に進学したら、哲学書なんてカタい本は読む機会がないだろうと思ったからです。でもやめました。興味がそっちへそれたら、思索にふけることになるのでとても時間を食います。好奇心が強いから危ない。(笑)
 それで、山本義隆『近代日本150年 科学技術総力戦体制の破綻』を取り上げました。π中間子理論で日本人初のノーベル物理学賞受賞者の湯川秀樹がもっともノーベル賞に近いと評した優秀な学生でした。この本は語彙が難解な本です。全共闘議長に担がれた彼は、東大へ残れませんでしたね。時代の流れです。岩波新書のこの本を1冊読むだけで、知の巨人、本を書く職人としての彼の力量がはっきりと読み取れます。若い時に本物の知識人とまみえることは大事なことです。だからこの本を選びました。とてもカタい、めちゃカタい。(笑)



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badmintonmusume

 そうですね。私は週3回、1日2時間まで。好む人は昼休み、早朝に15分自主練で十分だと思います。
 生徒さんの自己認識、弱点の理解、友人関係、勉強時間などに自主練が役立つでしょう。
 自主自律こそ大事だからです。正規練習も部活顧問など必要悪。先生の負荷も減らしましょう。
 野球バカ。子供はバドミントンバカ。何とか人並みになれました。
by badmintonmusume (2022-06-09 07:46) 

ebisu

badmintonmusumeさん

koderaさん、おはようございます。
貴兄は中高大と野球部で通した野球大好き人間でしたね。社会人となってからは、首都圏で市民バドクラブを主宰していらっしゃる。バドはオリンピックに出るような有名選手を個人的にもご存じです。

根室の啓雲中学校で一度、技術指導をしてくれました。首都圏の強豪高校関東第一高校のトレーニングメニューが基本にありました。

週3回が貴兄の結論ですか。
わたしが高校生にビリヤードをコーチすることを想定しても、それで十分です。セミプロの技術水準まで3年間で持っていけます。

koderaさんは東大野球部のメンバーでした。東京でも文武両道、なかなかいませんね。
週3回の部活動を実践するクラブが根室高校に出現したら、学力の状況は改善できるでしょう。時間を減らす分、自主トレをするとかメニューを工夫しないと地区大会ですら勝てませんから。
一流の選手たちは例外なく、トレーニングメニューに独自の工夫をしています。

by ebisu (2022-06-09 09:12) 

ebisu

中高とサッカー部だったIY君は早稲田大商学部へ現役合格、野球部だった生徒が東北大へ現役合格したことがあったな。
IYのお陰で、早稲田大学商学部へ根室高校へ推薦枠が設定されました。ブカツやりながら学年トップ、自学自習スタイルを中1の途中からで身につけたユニークな生徒でした。

数年に一人、根室でも文武両道で難関大へ進学する生徒がいますね。偏差値45の根室高校は生徒の幅が広い。学力の標準偏差が大きい学校だということ。ピンからキリまでそろっています、都会ではありえません。なかなかいい高校です。

昭和42年卒業の3Gは「規格外品」を集めたクラスでした。根室商業以来の伝統を二つ叩き壊しました。丸刈り頭の校則と総番制度のふたつ。「規格外品」でなければ処理できない問題でしたね、そういう時代にたまたまめぐり合わせたということ。

これからもドキドキワクワクするような面白い高校であってもらいたい。
by ebisu (2022-06-09 16:17) 

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