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#4762 スキルアップの手応えあり:語順通りの英文読解トレーニング June 5, 2022  [49.1 英語音読トレーニング]

 昨日は高1年生対象の英文音読トレーニングの日だった。一人は歯科治療のため欠席、しばらくだめかもしれません。歯は大事ですから、そちらの方が優先ですよ。

 高校2年生の教科書『Vivid-Ⅱ』第4章の最後のpartと第5章"Fantastic Voyage"をやった。これでこのトレーニングに参加している生徒たちは高校教科書3年間の半分を消化したことになる。1月から5か月が過ぎた。ピッチを上げて9月末まで全部やり切るか、それとも生徒のペースに合わせて少し残すすことにするか、しばらく考えながらやってみたい。一人は速度アップしても大丈夫だ。この生徒には来週から週1で長文問題の実践トレーニングをすると伝えてある。生徒が少ない時に長文問題集をやりたい。大学入試問題は教科書よりもずっとハードルが高い。語彙力も問題になってきますから、英検2級に合格できるくらいの英語力は最低限必要です。準1級なら難関大学2次試験の英語も楽勝です。

 次の文章を生徒がすんなり訳した。

 In Fantastic Voyage, the doctors needed /to become tiny /to save the scientist. But today, we can have a safer path /thanks to new technologies.

 Fantastic Voyageの日本語の映画題名は「ミクロの決死圏」である。なつかしいSF映画だ。1966年の米国映画だから、いまのCG映像に比べるとちゃちだが、公開当時はドキドキワクワクだった。テレビでも3度放映されている。

 モノのミクロ化技術の1時間という時間制限を乗り越える技術開発をした東欧の博士が亡命する途中で事故に遭い、脳の損傷を受ける。その科学者を救おうと、医師たちが潜航艇に乗って、ミクロ化技術で縮小されて血管から体内へ送り込まれる。なんとか脳の血管の損傷をレーザーで治療して、制限時間の1時間ぎりぎりで眼から涙とともに体外へ出てくる。涙を掬い取り、ガラスの板に載せるとミクロ化の制限時間が終わり、元の大きさに戻ったのは制限時間の8秒前だった。大筋、そんな映画である。
 生徒KYの和訳をご覧いただきたい。

 ミクロの決死圏では/体内へと送り込まれた医師団は必要だった/小さくなることが/事故で脳出血を起こした科学者を救うために
 しかし、今日では/より安全な小径がある/ある新しい技術のお陰で

 語順通りの適訳だったので質問してみた。
「thanks to new technologiesはよく訳せたね、知っていたの?
「”どうもありがとう”ってやってみたら意味不明なのでなんかおかしいので辞書みたら「お陰様で」って載ってました。」
 にこにこしながら答えた。「そこ、よく聞いてくれた!」って顔に書いてあります。(笑)
 辞書の訳語を貼り付けてみて、論理的に考えてみること、そして違和感があるとき、あるいは論理的に前後の文とつながらないときは、素直に辞書を引くことが大切だ。よく知っている単語にこそ、たまに知らない意味が隠れていることがあります。
「よく気が付いたね、スキル・アップしてるよ」
 大事な場面だから褒めました。生徒の成長はとっても嬉しいのです。この生徒は文型理解も訳文の日本語も最近とってもこなれてきているんです。でも本人は自分の成長に気がついていない様子です。険しい山をぴょんぴょんはねながら登り続けていますよ。速度重視で読ませているので、英語の語順通りに、そしてスラッシュを意識して読んでもらいます。こういう読み方をすると英文解釈と英作文のスキルが連動します。英文は、チャンクごとに次々に付け足していけばいいだけですからね。だから英文をチャンクごとにスラッシュ入れて読むのは、英作文トレーニングに重なります。今日出席のもう一人、NHさんは昨年夏ころに英検準2級合格、高校入試では学年トップで合格してます。そろそろ英検2級を受験していい。英作文トレーニングもしっかりやっている様子なので、英検2級の問題集1冊、2回やったら合格するでしょうね。
(6/25日にベネッセ模試、その一週間前に河合塾の模試だったかな。最初が河合塾の模試というのはきついね、問題の難易度がベネッセよりもずっと高いのです。いまの段階で英語は60点獲れたら十分かな、ベネッセ模試では80点越えたらうれしい。根室高校の平均点は例年25-27点付近だったかな。全国平均は37点くらいで標準偏差は18点付近。73点付近が偏差値70です。NHさんの目標値はベネッセ模試で英語の全国偏差値70越えです。KYが空気を読まずにどこまでNHに迫れるのか楽しみです。雑談したら、小学校で英検2級とった生徒が札幌北高へ進学したと、二人が言ってました。柏陵中の生徒らしいです。北工は生徒数300人の内、地域外の枠は3%ですから15人しか札幌圏以外から合格できません。この枠は外してもらいたいですね。光洋中からもトップクラスのKH君が札幌光星高校へ進学してます。毎年3-5人は北大以上の難関大学へ合格できる能力の生徒がいますが、根室ではなかなか育て切れません。根室に残ってがんばっている生徒たちが遅れをとらぬように、できる範囲でサポートしたい。)

 a safer pathのpathは「小径、人間が歩いてできた細い道」を意味しています。roadとせずにpathという語彙を使った書き手の意図を読み取りましょう。内視鏡の a thinner endscope に対応しています。
 thinnerを生徒は「薄い」と訳しましたが、thinには「薄い」の次に「細長い」という意味が載っています。内視鏡(胃カメラ)は初期の頃は直径が1㎝ほどもあってとっても呑み込みにくいものだったのです。現在は5㎜くらいの細い(thinner)ものが普通で、鼻から挿入できますので、経鼻内視鏡といいます。生徒は内視鏡の実物を見たことがないのでしょう。

 あとはわたしの個人的な経験の話ですから興味がなければ読み飛ばしてください。
 わたしは2006年の6月6日に食べ物買いを通過しない自覚症状があって、消化器内科の専門医である岡田医院へ行って胃カメラで診察をお願しました。胃癌だと自己診断していました。症状から見てスキルスもあると。ヨガをやっていたので自分の体を観察できました。「胃癌だと思います、父方は全員癌でなくなっていますので、胃カメラで診察お願いします」と問診でお話ししました。診察途中で「あ!、鉗子とって」ドクターが沿おう看護師さんに指示しました。「ああ、やっぱり見つかったか」そう思いながらやり取りを聞いていました。診察後、画像を見せてもらいましたが、大きな癌が写っていました。スキルスもあるはずだと申し出ると、胃の粘膜は薄いので外科手術の設備のある所でないと標本を採ることができない、粘膜に穴をあけてしまいます」と釧路の病院へすぐに入院して検査を受けるように勧めてくれました。釧路市立病院は1か月待ち、釧路医師会病院は岡田優二先生の先輩が副院長ですからすぐに調整できると言ってくれました。釧路市立だとベテラン外科医ですから、「開け閉じ」で手術は途中で終わりでしたね。たまたま医師会病院で担当になったのが30歳ほどの若い外科医でした。気合は感じました。この人の腕を上げるお手伝いはできるだろう、そう思いながら手術の同意書に印鑑を押しました。胃の裏側の膵臓に転移している可能性がある、脾臓にも、転移が確認されたらそれぞれ摘出すると書いてありました。これでは手術は成功しても命はないなと。いいドクターでした。音更町で木野東クリニックを開業しています。院長は後藤幹裕先生です。看護師さんたちは若い医師ですから「ミッキー」と愛称で呼んでいました。体にメスを入れて開けて、肝臓へ障り、胃を見て手が止まったそうです。手遅れと判断した閉じようとしたら、ベテラン外科医の院長の浅川先生が「ざっくり取りなさい」と指示、それで気をとりなおして6時間に及ぶ手術が始まりました。胃の全摘、胆嚢切除、胃周辺のリンパ節と大腸へ浸潤していたので切除、手術直後に運ばれた集中治療室で低体温のために身体は生き延びようと反応して、エビのようにベッドの上ではねていました。医療用ホッチキスで閉じたばかりのお腹です。はねてベッドから転がり落ちてはいけないと看護師さん数人が抑えていました。「電気毛布もってきて!」一人が叫びました。少しして暖かくなり痙攣が収まりました。すると意識が体に戻りました。しばらく離れて上から見ていましたね。3時間のはずの手術が癌が進行していて時間かかり、摘出した胃や胆嚢そして大腸を確認して執刀外科医の説明を聞き、集中治療室でエビのようにはねているわたしをみて、女房と娘は「お父さんもう駄目だ」と見てられなくなって集中治療室を出ていったそうです。執刀外科医の後藤幹弘先生、そして集中治療室の看護師さんたち、さぞたいへんだっただろうと思います。
 医療技術の進歩は凄いですね。生きてますよ。ほとんど助かる見込みのない症例でしたと、お父さん先生と同意見。消化器内科専門医の岡田優二先生には3か月おきに定期検診をしていただいています。現代医療のお陰て生き延びました。生き延びたので、優二先生の息子の太志君を7年間お預かりできました。昨年、根室高校から現役で旭川医大へ合格してます。道北・道東推薦枠で現役ナンバーワンの成績で合格、責任が果たせました。根室からだって国立大学医学部へ合格できます。やり方は弊ブログに記録してあります。参考にしてもらえたら幸いです。

 後はライフワークを片付けるだけ。新しい経済学モデルをデザインしたら、おさらばです。カテゴリー「98-0マルクス経済学批判」を書き始めました。わたしの終活のはじまりです。なぜマルクスが方法で躓いたのか、共産主義がなぜダメだったのかが明らかになります。その向こう側に展望はないのです。サムエルソン『経済学』の日本語版最終章にマルクス経済学が取り上げられていますが、サムエルソンも届いていません。資本家的生産様式以前の経済に新しい経済モデルのヒントがあります。英国の資本主義にのかなたにも希望はないのです。新しい経済学の公理は何かが明らかにならなければ、経済モデルのデザインができません。明らかにしたいと思います。いままで、新しい経済社会の公理を明らかにした経済学者は一人もいません。そいう問題意識をもって経済学を見た経済学者が一人もいなかったからです。
 
<余談:unlearn
 thankという単語は誰でも知っています。「どうもありがとう」でしょ。基本単語で頻出しているから誰でも知っている、そういう思い込みを外すことが "unlearn" なのです。「ありがとうや感謝」と訳してなんだか違和感が生じる、あるいは論理的に考えておかしいとアンテナに引っかかる、どちらでもいいのです。思い込みを消して、まっさらにしてしまう操作がunlearnなのです。これができる人は学力が上がります。英語も数学も勉強の仕方は共通な部分もあるのです。それが "unlearn" です。青字の部分をクリックしたら解説記事へジャンプします。




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