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#4350 子どもに斉藤孝「音読破シリーズ」の本を買いそろえよう Aug. 28, 2020 [44. 本を読む]

 斉藤孝音読破シリーズは6冊あります。総ルビ(漢字の右側にフリガナが振ってあります、そして左側に語彙説明もあります)ですから、極端な話、小学1年生でも読めます。1冊880円ですから、全部そろえても5280円です。
 地元の本屋さんで注文してやってください。応援しましょ。

 なぜ、本を勧めるかって?後(余談)で漆器づくりとビリヤード台の調整の例を出して説明しますが、どんな仕事でも基本スキルを身につけるにはやり方と最初の工程が大事だからです。そういう点からみると音読トレーニングは長期的な学力アップに効果が大きい。もちろん、英語学習も基本は音読トレーニングを積み重ねること。
 十数年間、ニムオロ塾で良質の本を選んで日本語音読トレーニングをしました。お子さんと一緒に声を出して音読してください。2文ずつ交互に読む(輪読)、お母さんの声に合わせて子どもが同時に読む(同調音読)、小説は感情をこめて読む・登場人物で声音を分けて読むなど、読み方はいろいろ。ユーチューブでアナウンサーや俳優の朗読が聞けますから、それを真似したらいい。CD版の『坊ちゃん』や『走れメロス』を探してもいい。もちろん、お母さんがお手本に一緒に読んであげたらもっといい。
 釧路の劇団「東風」の片桐さんが朗読の名人です。キッズロケットを主宰して長年楽器演奏やミュージカルの指導をしてこられた金安潤子(釧路市議)さんもお上手です。根室市教委でこういう方を招聘して、市内の小・中学校で音読指導をしてもらったらいかが?先生たちが朗読の仕方や音読指導のやり方を学べます。一度やってもらえば、基本に忠実に音読指導のできる先生たちが根室にニョキニョキ育ちます。
 女優の市原悦子さんも朗読の名人のお一人だった。たくさん作品を残されています。


<先読み技術の習得と学習効率のおける速度の重要性>
 行の最後に来た時に、次の行が先読みできていれば、目をつぶって聞いていると、どこが最後の語かわからないほどスムーズに読めるようになります。「先読み」技術がつくと、音読速度が大きくなるだけでなく、理解が深くなります。ある程度高速で読まないと、意味のカタマリとして脳に入って来ません。だから、高速音読のトレーニングが必要なのです。計算速度は、同じクラスの一番早い人と遅い人で、1対30もの差があります。これは実際に5人の生徒を計測した結果です。書く速度は1:2くらいの差があります。音読速度の差はこれらの間位に位置するでしょう。3倍の速度で本や教科書が読めたら、同じ時間内に3倍処理できるということ。学習効率がまるでちがいます。国語試験の問題を3倍の速度で、2倍の精密さで読めば、通常の人の6倍同じ時間に読み取れることになります。国語の学力テストの点数が90点以上の人は、2倍くらいの速度で正確に読んでいます。

○『声に出して読みたい日本語』
○『声に出して読みたい日本語②』
○『声に出して読みたい日本語③』
○斉藤孝音読破シリーズ:『坊ちゃん』夏目漱石
○斉藤孝音読破シリーズ:『羅生門』芥川龍之介
○斉藤孝音読破シリーズ:『走れメロス』太宰治
○斉藤孝音読破シリーズ:『銀河鉄道の夜』宮沢賢治
○斉藤孝音読破シリーズ:『五重塔』幸田露伴
○斉藤孝音読破シリーズ:『山月記』中島敦
『読書力』斉藤隆
『国家の品格』藤原正彦
『すらすら読める風姿花伝・原文対訳』世阿弥著・林望現代語訳
●『日本人は何を考えてきたのか』斉藤隆
●『語彙力こそが教養である』斉藤隆
●『日本人の誇り』藤原正彦(数学者)
◎『福翁自伝』福沢諭吉
◎『近代日本150年 科学技術総力戦体制の破綻』山本義隆(物理学者)


 ○印は、ふつうの学力の小学生と中学生の一部の音読トレーニング教材として使用していました。『声に出して読みたい日本語』には早口言葉や「外郎売(ういろううり)」のような口調の好いものや詩歌が入っているので、こどもたちは得意になって繰り返します。

 ●印の最初の3冊は中学生用の音読教材に繰り返し使いました。初見で読めない漢字が1ページに三つ以上あったら、重症です。2冊買って親が一緒に読んでやらないといけません。
 斉藤孝音読破シリーズは1冊880円です。こちらは総ルビですから小学2年生でも読めます。6冊全部買っても5280円ですから、ぜひ全冊揃えて子どもに与えてください。2冊ずつ買いそろえると、お母さんが一緒に読んであげられます。小学校低学年のうちに手間をかけてあげたら、読書好きできっと頭のよい子になります。ほったらかして何も手をかけてあげなければ、それなりに育ちます。


 文章読解力が学力の基礎です、教科書が日本語で書かれているから当たり前ですね。

 ●印の後半の3冊は高校生の音読トレーニング教材として授業で使用した実績があります。
 ◎は高校生の音読トレーニングに使いましたが、本来はでできのよい大学生レベルのテクストです。

<余談:基本スキルの養成と最初の工程が肝心(かんじん)
 昨日テレビを見ていたら、漆器づくりの名人が高級漆器をつくる要点を説明していました。木地を椀の形に削った後に、最初にたっぷり漆を塗ってやり、表面から漆を吸わせて数日乾燥し、そしてまた漆を塗ってやるという工程を数回繰り返すのだそうです。この工程を「木地固め」というのだそうで、そこをしっかりやると、水に数日つけておいても水が染み込まない頑丈な漆器ができるのだそうです。そこの手抜きをやると、使っているうちに水が染み込みダメになるヤワな漆器となってしまうのだそうです。最初の工程の手間を惜しまない、これはすべての職人仕事に通じます基本に忠実にやることの大切さがわかります。読書習慣をつけさせることや「先読みの技」と磨くために良書を選んで音読指導をすることは必要なことなのです。

 基礎基本が大切な事例を一つ挙げます。わたしは小学校のころから高校卒業まで家業のビリヤード店の店番を手伝っていました。毎年、札幌狸小路にあったビリヤード台の卸のお店から、品の好い老人の経営者が来て、ラシャ(台を覆っている布切れ)を交換します。ビリヤード台の枠を全部外して布を取り、スレート(四枚の平たい石)も外します。もう一度組み上げますが、スレートを載せる前に水準器で枠木の水平をきっちりだします。それから四枚のスレートを載せて、もう一度水平を測り、調整します。これを石を載せる前に水平をきっちり出しておかないと、四枚のスレートを載せたあとでは四枚が水平にならないのです。どれか一枚を水平にすると隣との境目にわずかな段差ができてしまいます。だから、「スレートを載せる前の水平だし」が完全に水平なビリヤード台を組むのに一番大切な工程だということがわかります。ビリヤード台のラシャ交換でも、全部をばらした時の最初の水平を厳密に出すことが一番大切な工程なのです。漆器を制作するときの「木地固め」の工程です、そこの手抜きをしたら、アウト。どんなにあとでそれぞれの石の水平を調整しても、四枚が水平にはなりません。
 読書習慣を身につけさせ、先読みの技を習得するということは、漆器の「木地固め」、ビリヤード台の「四枚のスレートを載せる前の水平出し」と同じことです。ここの手抜きをしてはなりません。お母さんでも、お父さんでもできます。小学校1-2年生のときに、音読に付き合ってあげたらいい。お手本を示してあげたらいいのです。この手間を抜いてはいけません。放っておいても一人で勝手に読むようになる子も稀にいますが、百人に一人でしょう。
 ところで、根室まで毎年ラシャ交換に来てくれていた品の好いお爺さんは、昭和天皇のビリヤードコーチだった、吉岡先生です。札幌の駅前通りのビルの5階と6階のフロア―で「白馬」というビリヤード店も経営していました。わたしは、高校を卒業して、東京へ。東京の有名ビリヤード店を片っ端から回りました。新大久保駅前にスリークッションゲーム世界チャンピオンの小林先生のビリヤード店がありました。ベルギー製のスリークッション台が5台くらいありました。ラシャを手で触ってみると厚くて織が違っています。キャロムゲームである四つ玉の台は綾織りのラシャ、スリークッション台には平織りのラシャでした。出て引っ張って弛みのないようにして、止め釘を打っていきますが、どんなに握力が強くても不可能であることがラシャに触れただけでわかったのです。小林先生に「これどうやって張るのですか?人間の握力では不可能だと思ったのですが…」、そう質問すると、うれしそうな表情で教えてくれました。一度ラシャを張る作業を手伝わせてもらえばよかった。吉岡先生やオヤジがラシャの張替えをするときに手伝っていましたから、経験がありました。ラシャを引っ張る専用の道具があるのだそうです。駿台予備校の専任講師の荒木重蔵さんが常連会のトップだったので、メンバーに加えていただき、それ以来小林先生にも何度か指導をしてもらいました。小林先生は平成天皇のビリヤードコーチでした。皇族の霞会館で教えたそうです。その後がアーティステックビリヤードで世界2位の町田正さんです。令和天皇のビリヤードコーチです。町田正さんにもボークラインゲームを3ゲーム相手をしていただいたことがあります。もちろん、問題にならないほど差があります。コテンパ―、完敗です。シルクハットという台上を隅から隅まで走るマッセという技をもっています。世界であれができるのは町田正さんだけ。鉄のキューで素振りをやったからできる技です。お父さん(八王子でビリヤード店を経営してました、プロのコーチですが、ebisuさんには「タダで教えるから)毎日おいで」と言ってくれましたが、仕事が忙しくて無理でした。だいぶ習いました、その時のメモ(プロ育成用の基本トレーニングメニュー)が50枚ほどあります。『巨人の星』の星飛雄馬の父のような人でした。「大リーガー養成ギブス」という筋肉強化用のギブスがでてきます。あれと似たようなことをしたのです。お父さんから鉄のキューの説明を聞きました。町田正さんからではありません。すごい人だ、お父さんが偉い。鉄のキューに気が付いて質問しなけりゃ、それまで。気が付いてしまったのです。マッセトレーニング王の1m^2もないような小さな特別誂えの台もありました。トレーニング用に作った台です。あんなの世界中にあそこにしかありません。いま、八王子のお店は次男である正さんが継いでいます。お父さんが存命だったころは、正さんは京王八王子駅前のビルの2回のビリヤード店を経営してました。正さんに3ゲームお教えていただいたのはその時のことです。自分の眼見たかったのです。トレーニングの仕方は承知していますから、目の前でやって見せてくれたら、技のコピーにどれくらいの時間がかかるか見当はつけられます。目に焼き付けて、同じパターンを何度も繰り返して体に染み込ませたらいいのです。イメージ上で見せていただいたものとぴったり重なればOKです。とてもそんな時間はありませんでした。プロは技の修練に半端ではないトレーニングを繰り返して体に焼き付けています。吉岡先生のアメリカンセリもそうでした。たぶん、米国でそのセリの技をもった人の実演を見て覚えてしまったのでしょう。
 町田正さんネットで検索してみました、少し太りました。(笑)

 基礎基本、そして基本トレーニングが大事なことは大工も同じです。法隆寺宮大工の棟梁に西岡常一さんとその弟子の小川一夫さんがいます。鉋の研ぎが大工のもっとも基本トレーニングです。切れる刃物でなければ、大事な材料である木材に完璧な細工はできません。だから、名工と言われる人たちは、刃物の研ぎの技を身につけています。無心で研ぎを繰り返すうちに砥石に刃がピタッとくっついてしまいます。そこまでできるようになったら、刃物の研ぎに関しては一人前。


<余談-2:文書作成に要した時間>
 こうしてブログで文書を毎日のように発信していると、勘違いされることがあります。一日中ブログを書いているのではないかと。そんな暇はありません。週に4日間生徒たちに授業をしてますから。それと、スキルス胃癌で胃と胆嚢の全摘、大腸一部切除をしてますので体力もない。ひんぱんに食事をして、1時間ほど昼寝もしますから。
 「余談-2」の手前までで、文字数は4013です。四百字詰め原稿用紙10枚ですが、タイピング速度が速いので、これだけ書くのに小一時間です
 修士論文にドイツ語で書かれた原文引用と文献索引が必要だったので、スイス製のタイプライターOLYMPIAを購入してタイピング教本でトレーニングしました。こういうことは基本に忠実にトレーニングして、ブラインドタッチの技を身につけたらいいだけ。20代のころに数か月間かけてスキルを身につけたので、高速タイピングができます。1991年ころから仕事でワープロ専用機のOASISを使い始めました。タイプミスしてもあとで編集機能で直せるのでとっても楽でした。機械式タイプライターは小指で押す圧力が他の指と同じでないと、字がかすれます。1993年ころにはワープロ専用機を卒業してパソコンを使い始めました。文書作成はそれ以来WORDのお世話になっています。
 仕事で書いた稟議書や提案書、確認書、システム仕様書、経営分析報告書、買収提案書、事業黒字化計画書など、ナンバーを振って管理していましたが、尤に1000タイトルを超えています。8㎝ほどの厚いファイルがずらり並んでいます。8冊あるかな?上場企業では部長職以上はある程度の文書作成能力が要求されます。ようするにわかりやすい文章を時間をかけずに書き上げることができるというスキルが要求されるのです
 パソコンをいじり始めたのはそんなに早くなかったのは、90年以前は性能が貧弱でオモチャだったからです。コンピュータを使い始めたのはもっと早かった。オフコンと汎用小型機をつかってシステムデザインとシステム開発をして経営改善を次々にやり始めたのが1978年だったかな。もちろん、そのときの2年間でプログラム言語は12ケタの数値で組む(オペコード3桁、オペランド各3桁×3個の面白い言語)原始的な言語のCOOL、初期の汎用小型機のコンパイラー言語のPROGRESS-2、科学技術計算用の専用機(HP-67とHP-97)の逆ポーランド記法の言語をマスターしています。
 1991年にパソコンを会社で使い始めたときに、20代の女子社員が目を丸くして言ってました。「40代のおじさんで、指を全部動かしてタイピングする人初めて見ました」、それくらいめずらしかった。人差し指日本でタイピングしている人もいましたから。

 手書きの3倍以上の生産性があります。おそらく5倍。ワープロ専用機やパソコンを使い始めてから、仕事の生産性が飛躍的にアップしました。
 小学生の時に珠算を習って、基本トレーニングを積み重ねる大切さが身にしみてわかっていたからでしょう。珠算の指導をしてくれた故・高橋尚美先生に感謝。一事が万事です、何かの分野でちゃんとトレーニングしてれば応用が利きます。

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