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#4749 土曜日英語音読特訓 May 7, 2022 [49.1 英語音読トレーニング]

 毎週土曜日は高1年生相手に英語音読特訓をしています。1月から始めて高1の教科書を終わって、高2の教科書VividⅡをやっているところです。4/16から高2の教科書の音読授業に入りました。
 今日はLesson 3の「折り紙の章」をpart 1からpart 3の13行目までやりました。
 音読授業の手順は...
①新出単語の発音と意味の確認⇒発音記号になれるために発音記号を見ながらやる
②スラッシュを入れるために頭から読んでいきながらスラッシュを入れる箇所を指示する
③1文ずつ3回読みを続けて、1ページ全部読み切る。x3
④ページの冒頭文へ戻り3回音読。x3
⑤生徒にスラッシュごとにぶつ切りで和訳させ、その後文型を尋ねています。⇒語順通りの理解
⑥意味を頭にイメージしながら音読3回。x3
⑦これを最後の分まで繰り返したら、1ページ全部を2回音読。x2
⑧右側のページの練習問題6題をやってもらい、答え合わせをして、それぞれの文意と文型を言ってもらう。

 これで1頁が終わります。全部で11回読んでいます。②でスラッシュを入れる箇所を指示しますが、③で読んだ時に読みづらいことがあります。スラッシュを入れる箇所を間違えたと感じたら、すぐに訂正しています。今日も37行のうち1か所ありました。音読の速度は110-120 words/mです。英語の小説の朗読CDはだいたい140-150 word/mですから、それよりはゆっくりですが、高校1年生としては速い方でしょう。
 授業の初めの方で口が回らないようなので、日本語の早口言葉をやらせてみました。斉藤孝著『声に出して読みたい日本語』草思社p.66に載っています。
 「先生、きっと早口言葉のあの本もってくるよ!」
 そうです、その通り、「ピンポーン!」
 さあ、やるよ。Repeat after me! 
●生麦生米生卵♬ なまむぎなまごめなまたまご♪
●赤巻紙青巻紙黄巻紙♬ あかまきがみあおまきがみきまきがみ♪
●京の生鱈奈良生まな鰹♬ きょうのなまだらならなままながつお♪
●隣の客はよく柿食う客だ♬
●竹屋に丈高い竹立てかけた♬ たけやにたけたかいたけたてかけた♪

 全部で9種類ありますが、これをやったらあっという間に口が回るようになりました。口慣らし大成功!5人、「あれ、口が回るようになった!」みんなが大笑いです。楽しくって遊びが入る、そして音読はときどき全力疾走のゾーンへ入るから授業じゃないね、遊びそのものですよ。缶蹴り遊びで、缶を蹴って全力で逃げる、あれです!

 模試や共通テストで長文問題が得点の半分近くを占めるので、やさしい文だと分速120wordくらいの音読速度が必要です。難易度の高い文でも全部が高くはないので、普通の文を高速で読める技を習得するのは受験上とっても有利なのです。国語の問題を考えれば、高校生のみなさんはすぐに了解できるでしょう。ざっと全体読んで、次に段落読み、そして問題文に即して読むのに制限時間の半分でいいとしたら、高得点獲れるのはあたりまえです。
 大きな声で音読するので、お腹空きます。窓開けて換気扇回してたら寒かった。13時の気温9.6度、南風7m/sでした。いくらコロナ対策でも寒いので途中で片方の窓(南側)は閉めました、北側はあけっぱなしでした。根室は今、中高生のCOVID-19陽性者が多くなっています。根室は太平洋とオホーツク海に突き出した半島ですから、湿度が高いのです。最低湿度が先月まで70%くらいでしたが、五月に入ってからは50%を切る日があるんです。空気の乾燥とSARS-CoV-2ウィルスの蔓延に関係があるのでしょう。

 こうして大きな声で時々全速力で音読するので、2時間の授業があっという間に終わります。授業時間を3時間に延ばしても、時間は矢のように飛んでいくので、彼女たちはへっちゃらでしょう、スタミナあるからね。最初の頃(4か月前)とは集中力が別人です。
 根室高校で、週2回放課後に英語音読特訓したら、毎年英検2級に15人くらいは合格するでしょうね。準1級も毎年数人出てきますよ。田舎の高校生だってポテンシャルは都会で勉強する生徒たちと変わりませんよ。有利な教育環境にないだけです。大人が用意してあげたらいい。
 英語の学力レベルがアップしたら「みんなの大学情報」で偏差値55以上の国立大学への合格者も3倍増するかもしれませんよ。数学等も入試問題レベルの難易度の高い問題演習授業を週に2回放課後特訓しないといけませんね。

 声を出して分速130 wordsまで家で100-200回読んで速度アップしてもらいたい。音読授業はそのための「準備運動」です。授業で音読するのはたったの10回、それでは大した効果は望めません。家で食事の前に3回、食事の後に3回、入浴前に3回読みましょう。1ページでいいんです。
 速度が速くなってきたら、口をかすかに動かすだけの「微音読」に進んでください。その次のステージは「黙読」です。日本語の本を読むくらいの速度が目標です。さまざまなジャンルを音読したり、映画やテレビの英語ニュースでシャドーイングやリテンションをして語彙数を増やしましょう。
 7月末には高2の教科書『Vivid Ⅱ』を終了する予定です。その次は高3の教科書にチャレンジです。

 土曜日はボランティアで授業してます。参加したのは1年生の3人と今日は3年生が2人飛び込んできました。1年生3人の内、一人は四月のお迎えテストで数英が学年トップの生徒です。国語に課題を残しているので、いまmでに音読教材で使った本をメモしていきました。あとで実際に日本語音読で使った17冊の著者名と書名と出版社名のリストをメールしてあげます。他の2人も3科目総合点では学年10位付近です。7月の全国模試で全国偏差値60以上は欲しいですね。65あたりから北大が見えてきます。根室高校から国立旭川医大へ現役進学した生徒は最初の全国模試で75くらいだったかな。
 「先生、日曜日に日本語音読授業しよう!」なんて声を上げた元気印がいました。「日曜日くらい休ませてくれよ」と断りました。元気いいね。めんこい生徒たちです。(笑)
 後で、日本語音読授業に使った本のリストを貼り付けておきます。

<余談:メール配信用英作文の校正作業>
 毎週月曜日と木曜日に10題くらいずつ英作文問題と解答解説を希望の生徒に配信しています。NHKラジオ英会話のテキスト本文と解説にさらに、十数冊の本から関連する表現の英文を集めて1.5倍くらいの分量になっています。昨年11月と12月、そして今年の3月分がまだ校正作業が終わっていません。じっくり見直して、問題と面白い解説を付け加えています。愉しい作業です。校正作業が全部終わると約12000題、A4判で1400頁になりそうです。


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<6. 日本語音読トレーニング:国語力が学力の基礎>
 最後に、日本語音読トレーニングで5年間に読破した本のリストを挙げておく。件(くだん)の生徒は高1で日本語音読トレーニングは終了している。17冊、レベルを上げながら、たっぷりやった。
 生徒と交代で輪読するし、速度を変えて読むので、スキルス胃癌を患い胃と胆嚢を全摘出したわたしには、体力への負荷が大きい。だから、この2年間は本気でやろうという生徒にだけ対応している。休みの水曜日に日本語音読トレーニングを充てていた。昨年は1時間でへとへと。寄る年波には勝てません、年々体力が落ちてます。でも、まだがんばれます。(笑)


〈日本語音読リスト〉…
*#3726 
日本語音読トレーニングのススメ:低下する学力に抗して Apr. 18,2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-04-18-1

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<7. 国語力アップのための音読トレーニング >
 中2のトップクラスのある生徒の国語力を上げるために、いままで音読指導をしてきた。読んだ本のリストを書き出してみると、
○『声に出して読みたい日本語』
○『声に出して読みたい日本語②』
○『声に出して読みたい日本語③』
○『坊ちゃん』夏目漱石 音読破シリーズ

○『羅生門』芥川龍之介 音読破シリーズ
○『走れメロス』太宰治 〃
○『銀河鉄道の夜』宮沢賢治 〃
 『五重塔』幸田露伴 〃
 『山月記』中島敦 〃
 音読破シリーズは総ルビ(フリガナ付き)ですから、小中学生の語彙力増大に効果が大きい本です。
●『読書力』斉藤隆
●『国家の品格』藤原正彦
●『すらすら読める風姿花伝・原文対訳』世阿弥著・林望現代語訳
●『日本人は何を考えてきたのか』斉藤隆

『語彙力こそが教養である』斉藤隆
●『日本人の誇り』藤原正彦(数学者)

◎『福翁自伝』福沢諭吉
◎『近代日本150年 科学技術総力戦体制の破綻』山本義隆(物理学者)

(○印は、ふつうの学力の小学生と中学生の一部の音読トレーニング教材として使用していた。●印の本はふつうの学力の中学生の音読トレーニング教材として授業で使用した実績がある。◎は大学生でも語彙力上級者レベルにふさわしいテクストである。平均的な語彙力の大学生には手が届かぬ。
 音読トレーニング授業はボランティアで実施、ずっと強制だったが、2年前から希望者のみに限定している。本気でやる気にならないと効果が小さいので、お互いに時間の無駄。)

・・・
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 件(くだん)の生徒が音読指導で読んだ本のリストです。本の中身についても問題に気がつく都度、議論を重ねてきました。大学の良質のゼミ並みの内容をもってました。北大ではこういうレベルの学部のゼミはおそらくないでしょうね。
 わたしは学部では哲学の市倉宏祐先生のゼミに、大学院では3人で西洋経済史の増田四郎先生(元一橋大学学長)の授業を受ける機会に恵まれました。どちらもその分野では当時日本でナンバーワンの先生です。
 この生徒はやっているうちに慣れてきて、高校生になってからはそういう大学の学部ではトップレベルのゼミでやるような議論ができた特別な生徒です。
 だから、ご褒美に最後の本は西田幾多郎『善の精神』にしようかと考えていました。医学部に進学したら、哲学書なんてカタい本は読む機会がないだろうと思ったからです。でもやめました。興味がそっちへそれたら、思索にふけることになるのでとても時間を食います。好奇心が強いから危ない。(笑)
 それで、山本義隆『近代日本150年 科学技術総力戦体制の破綻』を取り上げました。π中間子理論で日本人初のノーベル物理学賞受賞者の湯川秀樹がもっともノーベル賞に近いと評した優秀な学生でした。この本は語彙が難解な本です。全共闘議長に担がれた彼は、東大へ残れませんでしたね。時代の流れです。岩波新書のこの本を1冊読むだけで、知の巨人、本を書く職人としての彼の力量がはっきりと読み取れます。若い時に本物の知識人とまみえることは大事なことです。だからこの本を選びました。とてもカタい、めちゃカタい。(笑)

声に出して読みたい日本語1

声に出して読みたい日本語1

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2016/11/11
  • メディア: Kindle版



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