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#4545 EUのAI規制:監視社会の到来を避け、人権保護のために May 19, 2021 [8. 時事評論]

 あさのNHKラジオを聴いていたら、EUのAI規制について解説していたので、ネットで検索してその概要をアップしてみようと思う。元ネタは次のサイトである。
*「EUがAI規制案、世界標準を狙う 市民の権利保護と企業への投資呼び込み促す

 AIがもたらすリスクを次の四段階に分類して、リスクに応じた規制をしようというわけだ。
(1)受け入れがたいリスク
(2)高リスク
(3)限定的なリスク
(4)最小限のリスク

 1番目のものは警察による顔認証にAIを用いることだが、これは全面禁止。
 2番目は例えば就職などで、家族関係や家族の職業や学歴社会的地位などをAIが検索して採用判定に利用されるようなケースで、これは市場に出す前に第三者機関で審査すべきだというもの。ローンなどの事前審査も対象となる。

 わたしが解説するよりも貼り付けたほうがよさそうですね。
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――の4段階に分類。それぞれどう規制するかを定めようとしている。企業に違反が確認されれば、世界売上高の最大6%か3000万ユーロ(約39億円)のいずれか高いほうの罰金を科すという。
   (1)は基本的人権を侵害するとして、禁止する。公の場で警察などの公権力がリアルタイムで顔認証などの生態認証技術を使って捜査することが代表例だ。ただし、行方不明の子どもの捜索や差し迫ったテロの脅威などの場合は、司法機関や独立機関による事前承認を経て、限定的に顔認証技術を使えるようにするとした。
   このほか、交通違反や公的料金の支払いなどの行動データを分析して個人をスコアリング(格付け)すること、無意識の知覚に関係するサブリミナル技術、社会的弱者の搾取に関わる技術などを禁止すべきものとして挙げた。
   (2)は市民の権利や安全に悪影響を与えるもので、利用には事前の審査が必要とした。企業の採用面接や教育現場での試験の採点、国境管理、ローンに際しての信用調査、ロボットを使った手術などを例示した。
   (3)は一定の透明性が求められるAI利用で、「チャットボット」の使用時に、利用者に相手が人間ではなく機械だと伝えることなどが必要とした。
   (4)は迷惑メールの振り分けや工場の効率的稼働のためのシステム、ゲームへのAI搭載など、リスクがほとんどないかゼロのもの。追加の規制は設けない。大半のAIがこの分類入るとしている。
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 EUは米国と中国に対抗して、AI規制の国際的なイニシアチブを獲得しようとしています。国際標準が制定されたら、そこからはいろいろなビジネスが生まれます。その分野でリードできます。逆に今までの遅れを帳消しにできる。国際標準はヨーロッパで決められたものが多い。とくにフランスが最有力な国です。メートル法はフランスでした。ヤード・ポンド法の英国基準はローカルなものになってしまいました。
 日本が創った国際標準で有名なものは台風の藤田スケール一つだけかもしれませんね。わたしの提案ではじめられた臨床検査項目の日本標準制定作業は、大手六社のシステム部門ご学術部門と臨床病理学会項目コード検討委員会委員長櫻林郁之助教授で数年間見当がなされて公表されましたが、あれは、世界標準制定が最終ゴールでした。臨床検査項目コードで国際標準はまだありません。日本が一番リードしています。1988年ころから産学共同で検討して数年後に完成、臨床病理学会から公表、いまコード管理事務局はSRLの学術部門が担っているはずです。全国の病院やクリニックのパッケージシステムは例外なくこのコードで動いています。

 臨床診断支援システムを開発するために必須のインフラの一つが、臨床検査項目コードの標準化でした。カルテの標準化もプロジェクトの一つになっていましたが、こちらは当時は手が付けられませんでした。社内に任せられる人材がいなかったのです。臨床検査項目コードの方は人材がそろっていました。システム開発課長の栗原さんと臨床科学部の部長だった川尻さんのお二人。そして当時SRL顧問だった自治医大の櫻林先生。
 あれから、30年以上が過ぎました。AIやディープラーニングで臨床診断システム開発が可能です。診断制度が飛躍的にアップします。当初パイロットシステムとして計画していたのは血液疾患に関するエキスパートシステムでした。診断ロジックが複雑だったからです。東京医大の藤巻教授と1984年か85年ころに話していました。



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