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#1279 全国学力テスト:我田引水の評価 Nov.14, 2010 [64. 教育問題]

―我田引水、市教委の評価―
 北海道新聞11月13日の根室地域版に標記の記事あり。一度市教委に学力テストデータの公表をメールで要求したことがあるが、けんもほろろの対応だったから一部だけでも公表するようになったことは評価したい。でも結論が間違いだ、理由は後で書く。

 全国学力テスト根室の結果公表
  中学、全教科で全道下回る
   小学国語は平均以上
【根室】市教委は12日、4月に行われた全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。小学校はおおむね全道平均並みの結果が出たものの、中学校は数学Bで「著しく低い」との判定が出るなど、すべてのテストで正答率が全道平均を下回った。(幸坂浩)
 テストは市内の小中学校全19校で実施。小学6年生と中学3年生が国語と算数・数学の2教科で、基礎のA問題と応用のB問題を解いた。各校や各科目の平均点は非公表だが、正答率の全道平均との差を基に、大まかな傾向が公表された。
 小学校は、国語Aで全道平均より「やや高い」との判定が出たのをはじめ、残り3科目はすべて「同様」。中学校は数学Bの「著しく低い」のほか、他の3科目でも「相当低い」「やや低い」との評価が並んだ
 学校別に見ると、中学校でも全7校のうち3校では、各科目の平均正答率が全道を上回った。残り4校がしない平均を押し下げた格好だ。小学校では、全12校のうち8校が全道を上回った。校名は公表されていない
 中学校の4科目がいずれも全道平均を下回った背景の一つとして、授業中の私語や立ち歩きなど、「落ち着いた学習環境にない学校がある」と市教委は分析する。
 また、学習状況調査によると、家庭で1時間以上学習する子どもの割合は、小学校が4割強いたのに対し、中学校では3割程度しかいなかった。学習週間が、学力低下を招いていると見られる。
 ただ、昨年の調査と比べて、一定の改善も見られた。中学校は全4科目で全道平均との差が縮小。小学校でも、国語Bが全道平均を追い抜いたのをはじめ、算数AとBでは全道平均との差が縮小した
 市教委の今井泰和教育総務課長は「学習指導、生徒指導の両面で、学校にはさらなる努力が求められるが、これまでの取り組みの成果も一定程度見えてきた」と話している。

< コメント >

 私塾関係者は学力の高い札幌市の学校の不参加で今回の学力テストは全国で最低になるのではと心配していたが、その通りになってしまった。一例を挙げると釧路の愛国義塾の塾長が何ヶ月か前のブログでそう書いていた。極めてノーマルな、誰が考えても同じ結論だろう、私も同じ懸念を抱いていた。

【札幌市の不参加は全道平均値を大幅に下げ、データの経年比較を不可能にした】
 小学校は北海道が全国最低になった。札幌の人口は191万人で全道557万人の34.3%を占める。小中学生の人口割合は都市部のほうが高いだろうから40%前後ではないだろうか。
 つまり、学力の高い札幌市の小中学校が不参加だったことで、全道平均値は著しく下がったと言える。全道各地の学校は「全道平均値」と比べたら軒並み学力が上がったことになっただろう。上がったのではない、比べる尺度の全道平均値が著しく下がってしまったのである。こんなことで喜んだのは根室市教委だけではないのか、おめでたい。

【統計学の基本への無理解】
 昨年よりも著しく下がった全道平均値と比べて、根室市教委は根室の子供たちの学力が上がったと勘違いしたようだ。我田引水で「これまでの取り組みの成果も一定程度見えてきた」とまで書いている。
 小学校も中学校も放課後補習に取り組んだ学校はない。中学校を見る限りプリントの配布枚数は昨年から増えているが、それだけのことだ。手間のかかることは一切やっていない。これで学力が上がるはずはないだろう、現に下がっている

 学力テスト総合Cが先週終わり中学校で三者面談が行われているが、実態を次のブログで紹介したい。この数年で市内の中学生の学力が低下したことが明らかになるだろう。
 市内の小中学校の取り組みは総じて効果をあげていないどころか、逆の結果が出ている。生徒の学力は低下しているのだ。毎年行われている学力テストデータは生徒の学力低下を忠実に反映している。
 11月に着任した教育長、そして前からいる教育部長、仕事の管理をしっかりしてもらいたい。

【民主党教育政策への苦言】
 民主党に言いたい。サンプリング方式にしたために、しかも市町村単位で勝手に参加・不参加を決められるようにしたために、データが使えなくなった、どうしてくれる。
 事実がつかめなければ対策も打てないではないか、そして対策の効果も測定できない。PDCAサイクルが断ち切られてしまった。学力の地域間格差は拡大してもわからなくなった。
 北海道は40%を占める都市部の札幌の小中学校が不参加となることで地域間格差そのものが測定不可能になったのだそして根室市教委のようにとんでもない勘違いをする教育行政が現れた

【データ再分析の要求】
 根室市教委よ、昨年度の全道平均値と今年の全道平均値はまったくことなり比較ができない。これはデータを取り扱う上での基本だ。統計学の基本すら知らないかさもなくば意図的にデータを読み市民を欺く行為だ。
 比べている「全道平均値」が今年と昨年ではまるで異なるのだから、結論が違うだろう。せめて昨年の札幌の小中学校のデータを抜いて比較可能なようにデータ処理をしたうえで今年のデータと比較し、分析しなおして正直に公表してもらいたい。根室の小中学生の学力の低下傾向が浮き彫りになるだろう。
 正直で誠実な仕事をしてもらいたい。ことばの意味がおわかりだろうか?市教委の辞書に「誠実」「正直」という言葉が載っていることを祈る。

【手抜はもうたくさん、学校選択制の導入を】
 学校別のデータの公表こそが対策とその効果を測定するために必要なことだ。市街化地域の3校すら学校間格差が大きい。
 何年たっても手間のかかる有効な対策=放課後補習を実施しない。根室高校では先週も放課後の進学講習を実施していた。なぜ小中学校でやらない

 やらない、できない言い訳はもうたくさんだ。きっとやる気がないのだろう。これ以上やる気と能力の不足している君らに根室の教育を任せるわけにはいかないと考える市民が増えていくぞ。

 学校別データを公表して、学校選択性を導入し、生徒の集まらない学校は廃校としていいとまでebisuは考えるようになってきた。管理できなかった廃校の校長はクビでいい、権限のあるところ責任も問え。
 体育館周辺で毎日のように授業をサボり喫煙していても、指導ができないならそういう学校は廃校でいい。親や生徒が学校を選べないことこそが問題である

【伝言?】
 担当記者は病院建て替えに関する取材記事をみても水準が高いから、札幌の小中学校が不参加で全道平均値が著しく下がっていることを指摘していいはずだが・・・、こういうミスを優秀な担当記者が犯すはずがないから、何か考えるところがあったのかもしれない。教育記事の扱いにはどこか遠慮を感じてしまうebisu。
 つい先ごろ高校統廃合問題で5回の優れた取材シリーズがあった。学力問題についてはこれからもいい取材記事を期待している。

 
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*コメント欄へ投稿してくれる釧路のZAPPER先生が根室市教委の報告書を検索してくれた。 
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/25dae48719786549492570c7000cc32e/$FILE/22gakute.pdf

 11月19日「全道一斉学力調査で札幌市が不参加なら・・・」ZAPPER先生の当該ブログのURL
http://blog.livedoor.jp/meiko_aikoku_blog/archives/51617959.html 


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コメント 6

ZAPPER

まず第一に、全国最下位レベルの北海道の中にあって、《村や町》ではなく《市》であるのに、「平均レベル」であることに満足していること自体が異常ですねぇ(笑)。プライドの帯広市教委だったなら、全道平均程度に甘んじたなら、《怒りモード》確定ですもん!

次に、ebisuさんご指摘の通り、今年に関しては最も学力が高い札幌市教委管轄地域については、悉皆調査ではなく2割の抽出調査なわけですから、前年・前々年度よりも肝心の「(全道)平均レベル」が大きくダウンしています。(だから小学生が全国最低になったのですが)

比較対象となる元データが下にさがっている中、それを用いて《成果を誇張》するというのは《愚の骨頂》というか、バ○丸出しであります。ウチの釧路市教委さんも、そこまでバ○じゃありません!(←もしやったなら、許しません!アハハ)

根室市教委の職員さんには、まず「確率統計」の基本から勉強していただかなければいけませんね。みなさんで、ニムオロ塾へ通いましょう!(^^)
by ZAPPER (2010-11-16 00:00) 

ebisu

仰るとおり札幌抜きの全道平均(小学6年)あるいはそれ以下(中学3年)ではお話になりません。根室市が「町村」レベルということになります。

本文中では一度「大ばか者」と書いたのですが、表現をやわらげました。
課長、その上の教育部長、そのまた上の教育長、みな「大ばか者ども」です。
コメント欄では遠慮のない意見を書きます。

わたしが科学技術用のプログラマブル計算機HP67とHP97を使って経営改善のための経営分析をはじめたのは1979年のことです。プログラミングの基礎と統計学の基礎はこのときに学びました。

確率と統計、そして実際の数値処理について基本的なことぐらいは勉強して欲しいものです。
教育行政機関がこういう学力レベルでは生徒の学力低下の問題の前に、根室市教委管理職の学力を問う必要がありそうです。
このようなお粗末な学識で教育行政の管理職、恥ずかしいと言う感覚はないのでしょうか。厚顔無恥そのもの。

ニムオロ塾で社会人教育をやらなければなりませんね。
市教委の管理職は強制参加とします。ふるさとのためですから今回だけは授業料はいりません。ノートパソコン持込で中高生と一緒に並んで勉強してください、個別指導します。
by ebisu (2010-11-16 10:21) 

PTA

馬鹿が馬鹿を生む根室学校教育。
どいつもこいつも話にならない。
教育者として誇りも使命もなしじゃ、子供は預けられん。
学生に戻って教育の仕方を学びに出直して来い!!
by PTA (2010-11-16 15:13) 

NO NAME

教育委員会は「教育者」ではないでしょう。
by NO NAME (2010-11-16 21:47) 

ebisu

"PTA"さんへ

「誇りも使命もなし」とお書きになっていますが、少なくとも根室の教育行政は志が低いということは多くの人が認めるところでしょう。

札幌を除いた平均値と比べてそれと同等ならよしとする、つまりは「町村」レベルの学力で満足だということです。全国最低の北海道の町村レベルの平均値でよし、とても志を云々できるレベルではありません。
学校の先生と教育行政を含めて学校教育関係者と括っていいでしょう。
根室の教育関係者は志を高くもって生徒を指導してほしいと思います。
by ebisu (2010-11-16 22:33) 

ebisu

「教育者」と「使命と誇り」について一言申し上げます。

市教委は退職教員が多いと聞きます。このところ2人続いて道庁からの転籍者が教育長ですが、前々教育長は元教員でした。
教育行政に携わっている人と実際教育者現場で子供たちを教えている人を合わせて教育関係者と括っていいのでしょう。

「教育者」をあまり狭義にとらえると学校長も生徒を直接教えてはいませんから「教育者」ではないことになります。

学校教育は校長も含めた現場の先生たちと教育行政で構成されています。クラブ活動ひとつとってもその管理権限は市教委にあります。現場の先生たちに100%任されているわけではないのです。
人事面を見ても退職教員の第2の職場が市教委であることは事実でしょう。

現場の先生たちばかりでなく、校長先生や市教委も教育に「使命と誇り」をもつべきことは自明のことではないでしょうか?

北海道新聞に載った市教委の課長殿の発言は、根室の教育を任されているものとしての使命も誇りも感じられるものではありませんでした。残念なことです。

by ebisu (2010-11-16 22:48) 

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