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#1278 スワン Nov. 15, 2010 [A9. ゆらゆらゆ~らり]

 昨日日曜日にワイフと白鳥を見に行った。オンネットのところから白鳥が数十羽群れをなしている。

 スワン44で食事をして珈琲を飲みながら双眼鏡で窓の外の白鳥や丹頂鶴を小一時間眺める。ゴマツブをばら撒いたように鴨がいる。のんびりした日曜日だ。窓ガラスに室内の照明が映って道路のほうまで空中に照明があるかのように見える。入り江を挟んで向こうには春国岱の森林。浅瀬になっている入り江には白鳥が百数十羽、首を胴体に巻きつけて眠っているもの、首を上げて足ヒレで泳ぐもの、水中に首を突っ込み餌を食べているもの、様々。小船が通ると飛び上がり長い首を突き出して飛ぶ、白鳥独特のかっこうで。

 帰り路にレイクサンセットのところで車を止めた。丹頂鶴がツガイで水中に長い口ばしを突っ込みながら近づいてくる。20メートルくらいしかない。口ばしは少し緑がかった半透明の硬質プラスチックのようだ。見た目にも相当頑丈にできており長く大きい。ワイフがはしゃいでシャメしてる。

 大鷲はまだ見えない。沿岸氷に乗って悠然と辺りを睥睨する大鷲やオジロ鷲もなかなか風格がある。根室は白鳥も丹頂鶴も大鷲も餌付けしていない。全部自然そのままだ。
 人間だけがいろいろなしがらみで物も言えずに黙りこくる。兄弟・姉妹・親戚・子供・孫・友人・知人の誰かが関係者に必ずいる。だからみんな傍観者にならざるをえない。この町では人間だけが重苦しく不自由である。
 

 
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