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幻の銘酒“搾りたて”即日完売 [86.酒と肴]

2,008年1月17日   ebisu-blog#048
総閲覧数: 2200/52 days (1月17日11時50分現在)
 

一昨日のブログをお読みになり、根室にお住まいでない方で「絞りたて」を手に入れたい人がいるかもしれませんので、一言書いておきます。 

 聞いた所によると北の勝は酒造元の碓氷勝三郎商店の経営方針により直売していません。地元の問屋と小売店への配慮かもしれません。三越百貨店から注文が来ても直売を断って、地元の問屋を紹介したという噂を耳にしたことがあります。
 電話で問い合わせると、市内の小売店を紹介してくれます。その中の一つ、ここではわたしのお勧めの店、「酒泉館」のホームページを紹介しておきます。北の勝「純米酒」ならたいていあると思います。
 残念ながら「搾りたて」は即日完売、手に入りません。(17000本製造したうち根室市内にどれほど出ているのだろう。マルシェには開店前から行列ができていたらしい。1/18 23時追記)

 「搾りたて」は
毎年味に揺らぎがでます。飲んでみるまでわかりません。そこがまた楽しみなところでもあります。
 生酒ですが、半年ほど15度Cの地下室で寝かせてから夏に飲むとまた格別の味わいに変わります。一度2本手に入れたことがあり、1本はすぐに飲んでもう一本を8月のお祭りのときに飲んだのですが、マイルドになっていました。
 栓を抜くとポンと音がします。発酵が進んで炭酸がたまっています。シャンパンほどではないですが、なんともいえないフルーティな味わいです。
 純米酒ではありません。糖類とアルコールを添加しています。年度によって糖類の添加量にばらつきがあるように感じます。前年が甘ければ少し控えるとか、そういうことかもしれませんが、わたしの錯覚かも知れません。糖類の添加に関しては好みがあるようですが、日本酒酵母がうようよ生きている“生酒”ということで私は大好きです。
 硬質な味の北の勝にしては唯一甘口に仕上げられています(昔、「色姫」という甘口の酒をモットーにした造り酒屋が根室にあったことを思い出します)。「絞りたて」は味に揺らぎのあるのが楽しくて、今年はどんな味に仕上がったのかと待ち遠しい一品です。
 お酒好きな人がコメントを書いてくれていました。どうもありがとう。生酒は本当に美味しいですね。この3年ばかり、飲む酒の半分は生酒です。「山法師・生酒」をよく飲んでいます。
 酒泉館さん、いつもいろいろな種類の生酒を揃えてくれてありがとう。冷蔵ショーケースに保管してあるので、ヒネ香がつく心配がなく、安心して購入できます。
 何度か通えば地下蔵に保管してあるお酒を見せてくれるかもしれません。結構な量が保管されています。あの地下蔵は夏でも18度以下でしょうね。お酒の保管にはいい条件です。

酒泉館ホームページ
http://www.shusenkan.com/


幻の銘酒:北の勝「搾りたて」本日発売 [86.酒と肴]

2,008年1月15日   ebisu-blog#047
総閲覧数: 2137/50 days (1月15日12時30分現在)

【日本酒と細胞培養技術】

パスツールの細菌の発見は1800年代中葉である。
牛乳の殺菌に使われる低温殺菌法(60度C)パストラリゼーションの発見は1862年のことである。

 日本酒の低温殺菌は65度Cで行われる。この方法は「火入れ」と呼ばれているが、室町時代に遡る。根室の「北の勝」も「火入れ」をしてから出荷している。酒の日保ちをよくするための技術である。
今日、出荷される「搾りたて」は火入れをしていない「生酒」である。この中では日本酒酵母が生きている。まさに健康飲料そのもの
日本酒の製造技術の中には日本酒酵母の純粋培養技術が含まれている
 コッホやパスツールが固体培地や液体培地を使って、試験管などで純粋培養したのに較べると、はるかに大量で「工業的な生産」工程での培養技術である。糖化と酵母の増殖が同時に進む「並行複発酵」を特徴とする現代の酒造り技術は8世紀にはその原型が確立していた。
 細菌の純粋培養技術に関しては、日本はフランスのパスツールに先立つこと1000年前に、日本酒の製造技術として確立している。そしてその技術は今日、ふる里根室の酒蔵、碓氷勝三郎商店の製品「北の勝」の製造にも伝承されている。

 1986年だったか、仕事でアメリカの細胞バンクであるATCC(American Tissue Culture Center)の講演会に行った。インターネットで検索すれば簡単に情報が出てくる。そのATCCのパンフレットには日本酒の製造工程を絵にしたものが載せてあった。パスツールが細菌を発見した後の絵である。年数が入っていた。つまり、パルツールが細菌を発見した後に、日本酒の製造技術が確立されたかのような文脈での扱いであった。
 欧米が何でも最初と言いたい傲慢さを読み取るか、パルツールよりも1000年以上も前に日本中酵母純粋培養技術が確立されていたことへの驚きの表明ととるかは読み手の自由である。
 パスツールは確かに偉い。コッホとともに近代細菌学の開祖である。しかし、それに先立つこと1000年、日本人が伝統の酒造りの中で確立した日本酒酵母の純粋培養技術や室町時代に確立した低温殺菌技術を忘れてはなるまい。日本の職人技はヨーロッパの科学よりもおおよそ1000年前に細菌(乳酸菌と日本酒酵母)の純粋培養技術を確立しているのである。そして職人技能のひとつとしてその技を1000年伝承しているのである。

昨日、同級生が酒粕をもってきてくれた。
酒を絞ったばかりの板粕だった。
さっそく甘酒をつくって飲んだ。うまい。
ひょっとしたら、「搾りたて」の酒粕だったのかもしれない。
昔は夏場のバテ防止に滋養強壮飲料としていただいた飲み物だそうだ。

なかなか手に入らない幻の銘酒=「搾りたて」
さて、今年も一本手に入るかな?

日本酒の歴史については、日本酒造組合連合会の下記のホームページ“What's 日本酒”⇒“歴史”を参照のこと。
http://www.japansake.or.jp/sake/what/history/index.html


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