SSブログ

北の勝「搾りたて」のアルコール度数 [86.酒と肴]

北の勝「搾りたて」のアルコール度数

 数日前に、「搾りたて」のアルコール度数を16度くらいと書いたが、今日呑むときにラベルで確認したら18~19度と書いてあった。どうりで辛口に感じるはずだ。原酒に近い度数である。

 1年貯蔵しても、地下保管庫なら酒はヒネないと言いたいが、そうでないこともある。酒によるのかもしれないが、一度だけ純米酒にヒネ香がついたことがある。磨きの足りない酒だったのかもしれない。もっとも3年程度は寝かせたから、暑い夏が一度くらいあったのかもしれない。
 それにしても20度を超えることはほとんどないだろうと思う。なぜなら、夏の一番暑いときでも30度どまりで夜は15度くらいまで下がるから、地下は日中でもせいぜい20度程度だろう。

 根室の気候は酒やワインの貯蔵に最適だ。古いものでは8年寝かせた純米酒がある。同じ酒を3本寝かせて1年おきに呑むと、酒の味がマイルドになっていく様子が判ることがある(たいして味の変わらない酒もあるのかもしれない)。旨いと思ったら、数本寝かせてみるのも一興である。

 市内のある小売店は地下蔵にたくさん酒やワインを保管してる。2度ほど中を見せてもらったが、実にきれいに整頓されていた。店主の気性が現れているのかもしれない。

 2009年1月5日 ebisu-blog#475
  総閲覧数:61,565/406 days(1月5日0:10分

ゆっくり呑む正月の酒 [86.酒と肴]

ゆっくり呑む正月の酒

 昨日は「山法師中汲み」生酒を呑んだ。日本酒度プラス1度、軽くて呑みやすい甘口の酒である。日本酒度4~5度の酒が一番口に合うが、たまにはストライクゾーンを外して試してみる。
 今夜はほぼ1年間地下蔵で寝かせた「北の勝“搾りたて”」を呑んだ。地下蔵と言うのは大げさで、地下の保管スペースで1年寝かせてみただけのことである。例年だと、「搾りたて」は数ヶ月で発酵が進み、栓を開けたときにシャンパンを抜いたときのような音がする。炭酸ガスがたまっているからだろう。しかし、今回は何にも音がしなかったから、炭酸ガスはたまっていない。酒の発酵は完全に止まって、1年間眠り続けたことになる。

 肴はサッポロコープで買ってきた解凍秋刀魚。女房の話だと2匹158円だが、味は旬の時期の秋刀魚と遜色がない。蛋白質の酸化が進まないようにマイナス40度前後で保管しているから、数ヶ月なら脂やけの心配もないし、味はほとんど落ちない。
 ほどよく焦げ目がついた香ばしい秋刀魚を箸でつつきながら、呑む「絞りたて」が旨い。

 「搾りたて」は糖分添加をした本醸造の生酒である。したがって、甘口だ。しかし、北の勝はもともと辛口の酒であるから、舌と口蓋の奥のほうでは辛い味を感じる。日本酒度にはさっぱり見当がつかない。もともとの原酒は相当な辛口なはずだ。日本酒度10度は下るまい。しかし、アルコールと糖分を添加した後、何度に仕上げているのかは私の舌ではまるで分からない。アルコール度数は16度前後である。辛口に感じるのはアルコール度数が高いせいもあるだろう。

 1年貯蔵しても、まったくヒネていなかった。地下の保管庫は夏でも18度以上にはなっていなかっただろう。実際は甘いが、水の個性のせいか「北の勝」独特の辛口の味に仕上がっていた。
 さて、今年ももうすぐ「搾りたて」の発売日だ。発売日は1月15日、販売即日売り切れとなる。手に入るかな?
 
 酒の友にホッケもいい。西浜ストアの色白絶品のホッケの開きが食べたくて、昨日酒を呑みながら聞いてみたら、暮れにいい原料が手に入ったので作り置きして冷凍保存しているという。電話してから行けば店に並べてなくても冷凍庫から出しておくと色よい返事アリ。
 原料を厳選し手造りしているから、ホッケ特有の臭みがほとんどない。どうやったらあんなに色白に仕上がるのかわからない。加工には塩しか使わないと言い切っていた。一人で加工しているから、それほど在庫はないが、一人だからこそ品質には妥協がない。よい原料が手に入った時にしか造らないと「ホッケの開き名人」は言っていた。
 地方発送をしているので、電話やファックスで注文できる。「根室市 西浜ストアー」で検索すると出てくるので、一度食べてみたい人は自分で検索して調べること。

 2009年1月3日 ebisu-blog#472
  総閲覧数:61,231/404 days(1月3日19:40分


茹でたての枝豆で乾杯 [86.酒と肴]

              茹でたての枝豆で乾杯

 ほんわり暖かい茹でたての枝豆を食べた。冷凍物の枝豆も電子レンジでチンをするとそれなりに美味しいが、本当に美味しいのはナマの新鮮な枝豆の茹でたてである。
 「産地はどこだい?」と女房に聞くと、道内産だという。旬だからいい味だ。群馬や福島の枝豆が美味しかったが、道内産もなかなかだ。丸々と太った豆が入っていたあの枝豆ははてどこ産だっただろうなどと考えながら、5個ほど鞘から押し出して食べて、黒ビールをもってきた。今日は個人的に嬉しいニュースがあったから祝い酒のつもりもある。黒ビールは地下室に置いたまんま、冷やしてないから15度ほどだろう。
 行って飲んだわけじゃあないが、他人の話しだと、本場ドイツの地ビールはあまり冷やしてないそうだ。藁が浮いていることもあるというが本当だろうか?半信半疑??それでもビールは冷えていなくても美味しいと、いつの頃からか思うようになった。そして本当に美味い。冷えすぎたビールは味がなくなる。
 京王線の聖蹟桜ヶ丘駅からは結構距離があるが、モノレールの駅からはそれほど遠くない“多摩の地ビール”もそんなに冷えていなかったっけ。酵母の生きている無濾過のビールが美味しい。エール、バイツェン、もちろん黒もあった。ほっそりしたグラスにふつふつと粟粒が浮かび上がって3センチほどの白い層を作っている。グラスを傾け、ぐびっと呑む・・・妄想がはじまった。

 仕事が終わった後、道内産の新鮮な枝豆と骨まで柔らかく煮た秋刀魚の佃煮でかーるく一杯楽しんだ。黒ビールは最初の一口はほんのり甘く感じるので、なんとなく黒砂糖がちょっと入っているような錯覚を起こす。百均ショップのダイソーで買ってきたグラスは透明で硝子が適当に厚く、歪みがあって楽しい。黒ビールにランダムに歪んだ硝子の透明感がとっても似合う。飲みながらニュースを見た。
 最近、日本各地で集中豪雨による洪水が起きている。さっきもニュースで洪水のシーンが映されていた。温暖化の影響でゲリラ的な集中豪雨が起きるので、予測不可能とのことである。
 浸透性のアスファルトに変えるとか、やれることはそんなに多くない。東京は1時間当たり50㍉の雨量に対応するために、各地に大規模な貯水トンネルをつくった。しかし、最近の集中豪雨は想定の50㍉をはるかに超えている。80~100㍉もの短時間豪雨が洪水を起こしている。
 人間が何か対策をとれば、自然はそれを超える現象を起こす。その今までに見られなかった自然現象も、原因は人間なのだ。そしてまた新たな対策に智慧を絞ることになる。
 そんなことは忘れて、もう少し黒ビールを・・・ ぐびぐびぐびっ

 2008年9月3日 ebisu-blog#288
  総閲覧数:30,910/282 days(9月3日23時00分)


晩酌+高島野十郎の世界 [86.酒と肴]

             晩酌+高島野十郎の世界

 ナスを油で揚げニンニクを刻んでかりっと揚げたものと酒と醤油でさっと炒める。少し濃い目の味付けがたおやかな酒とあう。不思議とどんな料理の味も邪魔しない酒だ。スルメイカの刺身と秋刀魚の刺身でも一杯やる。三枚に下ろした後で冷凍庫で3時間ほど寝かせてから解凍した物だ。活きがよくて薄皮をはいだ後の肌がきれいな色をしている。日本料理は色彩の美しさが身上だ。新鮮なイカとダイコンの煮物でも試してみた。やはり何のさわりもない。しとやかな酒である。銘柄は千葉県夷隅郡大多喜町の豊乃鶴酒造『大吟醸銭神』。
 そうこうするうちに、玄米ご飯が炊き上がってでてきた。キュウリと茗荷の和え物もあっさりして口当たりがいい。出来立ての味噌汁に刺身のイカを放り込でみた。すぐに白くなり、あっさりと食べやすい。ぐい呑みでゆっくり味わいながら飲む酒は楽しい。料理はすべて女房の手作りだ。

 晩酌をしながら8時になり教育テレビへチャンネルを変えたたら高島野十郎という画家を特集していた。久留米の造り酒屋の息子で東大で水産学を修め、官僚としての将来を嘱望されながら、画家への道を選択する。画壇に所属せず、生涯師にもつかず、ひたすら写実の道を究めんとした孤高の画家である。
 『流』というタイトルの秩父の渓流の絵は2週間も渓流を見続けた末に流れが停止して見えたという。その停止した様を絵にしている。また、お世話になった人たちへ蝋燭の絵を送っているが、60枚描かれた蝋燭の炎にどれ一つとして同じものがない。『烏瓜』は写実を極め、質感や一つ一つの実の重量感さえ伝わってくるかのようでありながら、どこか現実離れした宇宙を感じさせる絵である。蔓の一本一本が目の前に現存しているかのような存在感をもつ。烏瓜の実ひとつひとつも、どれも動かしてはいけないほどの絶妙のバランスと存在感をもって描かれている。なんという絵だろう。かつてこのような絵を見たことがあったろうか。一枚の静物画の中に宇宙の秘密を凝縮したような、全宇宙がそこにあるかのような、不思議な存在感のある絵である。テレビでこれだけの迫力なら実物のそれは10倍を超える。ゲストで出ている和太鼓の名手が羨ましく感じた。『睡蓮』というタイトルの絵はモネのそれとはまるで作風が違う。独自の世界観の表明だ。多数の菜の花を画面いっぱいに描いた絵は不思議な世界をみせる。写実でありながらシュールである。画面いっぱいに無数に描かれた菜の花が一斉にこちらを見つめている。絵を見るというよりも菜の花に絵を見るこちらが興味をもって観察されているといった風のある絵だ。菜の花の1本1本が意思をもっているかのような錯覚が置きそうだ。『法隆寺』は11年かけて描いた。もうこれ以上筆を入れるところがないと言ったという。完成までに30年筆を入れ続けた絵もあるという。写実といってもこれだけの執念をもって描いた画家が他にあっただろうか。
 画家になろうと決意したときに、親戚が「食えないよ、一生嫁はもらえないかもしれないよ」と説得するのに答えて曰く、「それでいい」。まことにすさまじい覚悟の人である。曰く「世の画壇とまったく無縁であることが精進です」と。世の中には怖ろしい人がいるものだ。

 高島野十郎の生き方に羨望と軽い眩暈を感じつつ、やさしい酒が運んできたやさしいひと時とともに日曜の夜は静かに更けゆく。

 2008年9月1日 ebisu-blog#285
  総閲覧数:30,460/280 days(9月1日0時05分)

#270 酒造好適米吟風と秋刀魚 [86.酒と肴]

           北の誉純米酒 あらばしり

 今日は軽くサイクリングをしたから、酒も美味いだろう。黒ビールを買いにポケットに行ったら、北の誉の純米酒「あらばしり」があった。北海道の酒造好適米「吟風」を使っていると表示あり。なかなか好いと新聞などで評判の酒造米である。評判だけではわからないので、「吟風」で造られた純米酒を前から試してみたいと思っていた。製造年月日は今年の1月5日の寒仕込みだ。7ヶ月たっているが、冷蔵ケースの中に入っているのでよもやヒネてはいないだろう。しめしめ、今夜は秋刀魚の煮つけで試してみよう。
 もう一つおまけがあった。京都外語大4年のニムオロ塾OBとスワンで食事をしながら話を聞いた。4年生だからもう授業はほとんどない。中国語を選択していて、魯迅の『彷徨』を原書で読んでいるという。前半の粗筋は聴いたが、気になるので手元にある『魯迅選集』(1966年、岩波書店)第2巻を開いて見る。買ったのは1968年だったろうか。小林多喜二選集も同じ頃に買った。高3の小樽商大志望の生徒が多喜二の作品を何冊か読んでいる。その昔、この二つの選集の中から数冊読んだだけでいまは本棚で埃をかぶっている。

 ところで今日の夕食は、手作り餃子に秋刀魚の煮付け、インゲンとコンニャクの炒め物、キンピラごぼう、トラ豆の煮物、海老のすり身入りの味噌汁だ。
 餃子は普通の材料に玉葱と春雨が入っている。旬の秋刀魚の煮つけが格別に美味い。焼いて食べるのは脂がたっぷり乗った太った秋刀魚が美味しいが、煮付けはすこし細身の方が旨い。

 女房に作り方を聞いてみた。昆布を敷いて秋刀魚は頭と尻尾を切り落とし、はらわたを出して水洗いする。その後、お湯でもう一度洗い、4センチに切り揃えて鍋に立てて倒れないほど隙間なく並べ、干し椎茸を水で戻し斜めにスライスして戻し汁ごと入れ、細切り生姜(スライスでも、切り方は好みでよい)を載せ、醤油をベースに味醂を適当に、日本酒をたっぷり入れる。上にクッキングペーパーをかぶせて4時間煮込むとアルコールは飛び、骨まで柔らかくなる。
 蓋をすると汁の多い煮付けになるし、蓋をしないで煮ると汁は凝縮され、佃煮風になる。

 刺身で食べるときは、手をよく洗い、包丁やまな板を熱湯で消毒してから三枚に下ろし、さっと水で洗ってラップに包み、冷凍庫で凍らせる。食べるときに斜めに1センチほどの厚みでスライスしてから解凍すること。滅多にいないがアニサキス(寄生虫)の付いていることがあるので、必ず凍らせること。アニサキスはマイナスになると死滅する。包丁は柄のところにも熱湯をかけて丁寧に消毒すること。鶏肉を調理したあとなどはあちこちにピロリ菌がついていると考えた方がよい。

 餃子ができてくる間に、秋刀魚の煮つけを肴に、純米酒を飲む。日本酒度の表示はないが、プラス2~3ではないだろうか。当てにはならない。なにせ2年前から、酒の味が少し辛く感じるようになった。だから日本酒度の見当が不確かである。
 秋刀魚を突っつきながら飲む、実に美味い、酒も肴も。

 従妹に送った沖詰め秋刀魚が今日午前中に届いた。折りよく千葉から義妹夫婦が遊びに来ているという。今夜は脂の乗ったメタボ秋刀魚に舌鼓を打っているだろう。寒い海で獲れたメタボ秋刀魚は青森でも評判が好い。

 2008年8月24日 ebisu-blog#270
  総閲覧数:28,671/272 days(8月24日20時52分)


絶品!サンマの煮付け(佃煮風) [86.酒と肴]

         サンマの煮付け(佃煮風)

 浜値は昨年の倍もしているそうで、加工業者が困っているようだ。水産加工場で働くパートさんは仕事がなくてレイオフ状態の日が多くなっている。高値が続いて町の経済に少なからざる影響が出始めているようだ。浜値が下がれば、全サンマによる漁獲規制やら休漁する船が増えるやらで供給量が減り、値が戻す。こうして高値が維持されている。秋刀魚は豊漁、最盛期というのになんとも奇妙な現象が起きている。

 女房が昨日魚屋で秋刀魚を買ってきた。10匹150円である。活きのよい少し小ぶりの秋刀魚である。煮るには小ぶりの方が美味しい。脂が腹のところに5ミリ以上も付いていると、煮ても日保ちがしない。脂焼けして味が落ちるのである。昨日はあんまり美味しくできたので、今日また買ってきて、安い秋刀魚を買うのは勇気がいると笑っている。10匹100円のを二山買ってきて、煮込んでいた。

 昨日ははらわたを出して、水洗いし、そのあとお湯で脂を洗い落としてした処理を済ませ、椎茸を薄切りにし、昆布を下に敷いて、糸のように細く切った生姜を降りかけて、料理用の紙で蓋をし、4時間ほども煮ていた。骨まで柔らかくするには3~4時間煮込む。蓋を取り、汁を飛ばすかどうかは好みである。
 椎茸は黒っぽく変わり、半透明になっていた。骨まで柔らかく煮た秋刀魚はそのまま食べられる。下処理を丁寧にしてくれたせいか、味は生臭さがまったくなく、煮汁も濁っていない。実に品の良い味に仕上がっていた。あんまり美味いので半分は冷凍庫へしまった。魚専用の冷凍庫だが、どの家庭もだいたい専用冷凍庫を一台置いている。

 20年ほど使っていたものが壊れたので先週、新しいのを買った。前に使っていたものの半分くらいの容量の小さい冷凍庫で、自動霜取りが付いていないものだ。これが付いていると定期的にヒータで霜が溶かされるので、庫内の温度が上がる。余計な装置が付いているばかりに、せっかくの保存食品の味が落ちてしまう。だから冷凍庫には自動霜取り装置のない物がよい。
 しかし、温度はマイナス18度である。三十年ほど前に買ったドイツのボッシュ社の冷凍冷蔵庫が懐かしい。生ものを3ヶ月保存しても味がほとんど落ちなかった。実にシンプルで、冷凍庫にはもちろん自動霜鳥装置は付いておらず、-35度であった。扉を開けて閉めると、庫内の空気が冷えて収縮しパッキンの隙間から空気を引っ張る音がする。密閉性がいいので、扉を閉めた直後は陰圧になってしばらく扉を開くことができない。日本のメーカーもこういう冷凍冷蔵庫を作ってもらいたい。十数年使って壊れてからは、ボッシュの冷凍冷蔵庫を手にいれることができずに今に至っている。
 明日はまた美味しい秋刀魚の煮つけを食べられそうだ。

 21時半、気温は11度丁度だった。この頃少し陽が短くなった気がする。本格的な秋到来の気配である。

 2008年8月24日 ebisu-blog#268
  総閲覧数:28,512/271 days(8月24日00時00分)


休漁明け 浜値は高め (北海道新聞より) [86.酒と肴]

      
 21時半頃気温は12.4度だった。昨日よりも4度以上低い。朝方には11度まで下がる予報が出ている。涼しい夏で日本一と言っていたが、今日はちと寒すぎた。その代り、冷たい水でサンマの脂は乗りにのってくる。

 先ほどサンマの刺身を食べながらオリンピックの野球を見ていた。日本と米国である。マー君(田中投手)が投げていた。スリーアウトしたのにそのまま続投だ。アナウンサーが気がついた。しかし審判団は誰一人気がつかない。電光掲示板もスリーアウトをなかなか表示しない。1球投げたところで星野監督が主審のところへ駆け寄った。事態は収拾し、ようやくチェンジだ。投げてたマー君も気がついていなかったようにも見えた。珍しいことがあるものだ。

 サンマに話しを戻そう。仕事が終わって帰ってきてから、たっぷり脂が乗った美味しいサンマの刺身を食べた。醤油に透明の脂が浮いて光る、産地だから活きの良いのが身上だ。
 秋は根室のサンマが好い。刺身で食べて好し、焼いて好し、叩いてなめろうで好し、メンチで好し、ピカタで戴いて好し、昆布と椎茸と生姜で骨まで柔らかくなるほどことこと煮たサンマも好い、好みで山椒を入れるも好い・・・うーんキリがない。
 最近、大型1級品の秋刀魚が200~300円/匹していたわけがわかった。出漁日と漁獲規制をしたていたためだった。大型船の水揚げが始まったのでまもなくもとの100円前後に落ち着くものと見られている。前年よりも漁獲割り当てが40%増しのようだから、値段は次第に安くなるだろう。でも、1級品は120円/匹程度で落ち着いてほしい。資源の減少を招かない程度に獲り、値段はほどほどが好い。消費者も漁師も笑顔が好い。

    休漁明け 浜値は高め
     道東各港サンマ漁

【根室、釧路、厚岸】道東沖のサンマ棒受け網漁は20日午前、花咲(根室)、厚岸、釧路の3港で、18日の一斉休漁後に初出漁した大型船の水揚げが始まった。漁業者団体による水揚げ量の自主規制などが影響し、せりでは、例年より大幅に高い値がついた。
大型船の初水揚げ
 花咲港では午前9時の競りまでに、3隻が約90㌧を水揚げし、1k当たり400~500円台で取引された。その後3時までに、残り36隻が800㌧余りを水揚げする予定。
 例年は大型船による大量水揚げが始まると「浜値は百円台まで下がる」(市場関係者)。今年は、漁業者団体が出漁日と漁獲量を規制したため、水揚げ量が少なく、高値につながった。しけで20日は船が出ず、21日の競りがないことも影響した。
 浜値について、燃料高騰に苦しむ漁業者は「ありがたい」とよろこぶが、買い受け人側からは「高すぎる。サンマが大衆魚でなく、高級魚になってしまう」と、不満の声が上がっている。

写真のキャプションより:初水揚げされた大型船のサンマ。例年より量が少なく、浜値は高い。


  2,008年8月20日   ebisu-blog#264 
  総閲覧数: 28,006/268days (8月20日22時40分)

秋刀魚1匹80~100円 [86.酒と肴]

                 秋刀魚の秋

 大好きな秋刀魚の美味しい時期がやってきた。10月中ごろまで旬である。この時期の秋刀魚は毎朝食べても食べ飽きない。東京では鯵が美味しかった。秋刀魚の変わりによく食べたものだ。
 日本はそれぞれの地にそれぞれの美味しい魚あり。郷土自慢の魚あり、それを愛する人々あり。

 8月初旬から棒受け網漁が解禁になっている。お陰様で脂ののった太い秋刀魚が毎日のように食べられる。一月近く経つので、腹の部分に厚さ5ミリほど白っぽい脂がついていて、獲れ初めの頃とは脂ののりが違う。
 刺身にしてよし、いてよし、味噌・しょうが・葱を和えて叩きなめろうにしてよし、さんが焼きにしてよし、つみれにしてよし、椎茸・昆布・生姜をたっぷり入れて甘く込んでよし、イタリアン風にピカタにしてよし、料理の方法は多彩だ。そして旬のものを食べるのが美味しく、身体にもよい。
 太って脂ののった刺身や塩焼きにはむいているが、開きには少しやせた秋刀魚がよい。作る人によって味が違う。近所で秋刀魚の開き上手に作る人がいる。おすそ分けしてもらったときは、それはありがたかった。買ってくるものよりもずっとずっと美味しいのである。その技術は名人の域だろう。
 干し過ぎると硬くなる。ほどほどに干して冷凍してしまう。そして食べるときに解凍して焼く。開きが好きな人は数百枚作り冷凍庫で保存して食べるという。開き用の小型の秋刀魚は値段が半分以下で手に入るのも産地ならではのことだろう。根室は魚専用の冷凍庫を1台もっている家庭が多い。

 棒受け網は秋刀魚に傷がつかないので、商品価値の高い秋刀魚が獲れる。沖詰め(獲ってすぐに船内で発送用の発泡スチロールの梱包材に氷詰めしてしまう)は2割ほど高い。その代わり、地方へ発送しても到着してから5日ほども刺身で食べられると札幌の割烹の板前が言っていた。フィルターや紫外線で滅菌処理した海水や氷を使うので雑菌が繁殖しにくく日保ちするのだという。少し高いが歯舞漁業協同組合の『舞い秋刀魚』がいい。仲の好い同級生が学校を卒業してからずっとこの組合で働いているから身びいきで推奨するということもあるが、この3年全国数箇所におすそ分けしてすこぶる評判がよい。
  インターネットでも購入できる。美味しい秋刀魚を食べたいがどうやったら手に入るのかという人には、お勧めの方法である。歯舞(ハボマイ)漁業共同組合のホームページを検索してほしい。

 ところで、中学生のころ本町の海岸で棒受け網を借りて遊んだことがある(漁業権の関係があるから勝手に網を使って魚を取ることは違法である)ので、よいこの皆さんは真似しないように)。缶詰工場から蟹の殻をもらってばら撒いて魚を寄せて網を揚げると、一度にチカやコマイ、キュウリウオなど数百匹が獲れてしまう。4~5人でやったが、1時間もしないうちに皆で分けて持ち帰れないほども獲れた。一匹ずつ釣るのとはまったく異なる体験だった。どの顔も初めての体験にドキドキして目が輝いていた。
 もとより、3m×2mくらいの小さな網で、秋刀魚棒受け網のような大きなものではない。かわいらしい網であったが、あっというまに魚がたくさん獲れてうれしかった。
 沖では大きな網を沈め、魚を集めて機械で一気に網を引き揚げるのだろうか?数千匹もかかった網を引き揚げるのはどんな感じだろう。陽光を受けた銀色の魚体が群青色の海の上を跳ねるのだろうか。

 うまそうだろう?食いねえ食いねえ、秋刀魚食いねえ。道産子だってね。根室の生まれよ。なに?目黒じゃねえ、根室だってば、秋刀魚は根室の「舞いサンマ」。絶品だってねえ。そうかい、旬に食わなきゃ罰が当たるってことはねえだろうが・・・まあ、食いねえ、飲みねえ、え、酒、銘柄を聞きあがるのかい?呑み助だね、地元じゃなきゃ手に入らないうめえやつがある。「北の勝」の「祭り」だ、どうでえこのサンマのなめろうを肴に一献。なに、塩焼きも好いってか。わかった、じゃあ、こっちにしろ。炭火で炙られてちょうど煙が上がってきやがった。こりゃうまそうだ。熱いぞ、おっととと、そんなに一気に頬張るな、火傷する。あっちち。だから言わんこっちゃねえ・・・。

 漁師さんたちに感謝しながら、また明日の朝も秋刀魚を戴こう。
  感謝 m(_ _)m

*秋刀魚料理サイト
http://www.samma.jp/ryouri.htm
http://allabout.co.jp/gourmet/cookingmen/closeup/CU20041001A/

  2,008年8月13日   ebisu-blog#255 
  総閲覧数: 26,477/261 days (8月13日23時15分)


琉球泡盛「八重山」を呑む [86.酒と肴]

2,008年2月7日   ebisu-blog#076
総閲覧数: 3395/72 days (2月7日0時00分現在)

 沖縄限定発売、石垣島産「八重山」という琉球泡盛を呑みながらブログを書いている。ある人が那覇空港から送ってくれた。今日届いたばかりの品だ。
 ひとめぼれを原料米に使った贅沢なつくりの蒸留酒である。大吟醸酒を蒸留したらこういう味になるだろうな。
 お酒の好きな人にはこれだけ説明すれば充分だろう。呑んだつもりになっていただけたのではないだろうか。
 口に含んでくちゅくちゅと転ばせて楽しむ。ゴクッと飲み下し鼻に抜くと、喉と鼻とに大吟醸酒をギュッと濃くした芳醇な香りとコクが、スーッと広がりをみせた。口中には品の良いコウジの余韻が除夜の鐘の残響のごとく鳴り渡る。うっ、う~まい焼酎だ。
 さてさて、大麦が原料の宮崎県産の「百年の孤独」と比べたらどうだろうかと気になりはじめた。頭の中ではもう試飲が始まっている。考え出したらもう呑まずにはいられない。矢も立てもたまらず、我が家の「酒蔵」からとっておきの焼酎「百年の孤独」を出してきた。久しぶりだ。フロストボトルに淡い茶色で美しい。
 比較しながら楽しむ。原料の種類が違うので比較がしにくいところがあるが、「八重山」がワンクラス上のようだ。最上級のスコッチを凌いでいる。
 寝かせないでこれだけの味がでるのは原料が二重に贅沢だからだろう。味と香りから推して、原料米の精米歩合は50~55%、それを原料に醸造したお酒をさらにスチルポットで蒸留した贅沢さ。一人飲ませてみたい奴がいる。酒にうるさい同級生がいる。なんというだろう。是非感想を聞きたいものだ。
 今夜は無粋な話はやめた。根室の財政問題を論ずるつもりだったが、酒の余韻を大事にしたい。うまい酒は仲間とともに楽しく飲むか、独り静かに飲む。
 kさん、ごちそうさま。


酒の次は・・・肴 [86.酒と肴]

2,008年1月18日   ebisu-blog#049
総閲覧数: 2231/53 days (1月18日0時00分現在)
 

 今夜は酒の話ではなくて、肴の話しです。肴のなかでも魚の話しです。
 その昔、美味しい一夜干しのスルメイカを求めて、年に一度新潟県までバスツアーで買出しに行く人がいて、頂いて酒の肴にしました。たしかに美味しいイカでしたが、なんだふるさとのイカと同じだ、そう思いました。東京八王子にあるラボで働いていたときの話しです。Eさん元気かな?

 根室の一夜干しのイカも絶品です。40~45年前は獲れすぎると一箱200円なんてことがありました。木の大きな箱だったから40本くらい入っていたのではないかな。捌いて皮をむいて一枚ずつ重ねて冷凍庫に保存し、食べる分だけ解凍して食べます。すこしだけ別にして、一晩干して翌朝火であぶって食べます。その美味しいこと・・・刺身とは違って味が濃い。一晩だけ干すというところがよい。堅くならずに旨味だけがぎゅうっと増す。

 イカに限らずチカやコマイの一夜干しも好い味です。魚はなんでも一夜干しすると、生臭さが消えて、焼いたときの香りが芳ばしくなります。

 地元の人間でチカを知らない人はいませんが、他地域の人のために説明しておきます。海で獲れるワカサギだと思えばいいでしょう。ひれの形に違いがあるということらしいですが、わたしにはまったく区別ができません。天麩羅にしても美味しい魚です。これが百匹ぐらい簡単に釣れるので、もっぱら猫の餌にしている家もあります。もったいない・・・

 “ホッケの開き”の美味しい店があるので紹介します。
 一夜干しされたホッケは、なぜか色白できれいです。他で買うホッケは色がかなり濃くなっていて、匂いがきつくなっていますが、西浜ストアーのホッケの開きは形が小ぶりですが匂いがほとんどありません。
 たぶん、原料の新鮮度が違うのではないかと思います。魚は古くなるほど臭いがつきます。その臭いがないというのは、売れ残った魚を一夜干しするのではなく、市場から買ってきた新鮮なホッケを開いてその日のうちに一夜干ししているからではないかと思います。冷凍しておくと一月は大丈夫です。

 黒ビールを電子レンジで暖めて、ちびちびやりながらイカの一夜干しやホッケの開きを食べているせいか「風邪知らず」です。

 お店のご主人が魚を開いて一夜干ししています。コマイは骨の周囲が少し赤くなるのが普通ですが、何か「秘伝」があるらしく、色がついていません。ちなみに彼は高校の同級生で器用な男です。9人会の「宴会部長」ですかね。飲むととっても面白い男であることも付け加えておきましょう。数が少ないから手間隙を充分にかけて作れるのでしょう。 
 地方発送もやっているようです。でも、量が少ないから手に入らないかもしれません。 そのときは悪しからずご容赦を願います。美味しかったらまた食べてやってください。
 
グーグルで検索した西浜ストアーの情報です。所在地と電話番号が載っています。このページにあるメールマークをクリックすれば、メールで注文できる?

http://maps.google.co.jp/maps?hl=ja&lr=&um=1&ie=UTF-8&q=%E8%A5%BF%E6%B5%9C%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A2%E3%83%BC&near=%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93%E6%A0%B9%E5%AE%A4%E5%B8%82&fb=1&view=text&latlng=43317441,145564511,14160798139998610339#