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#5163 ビート(拍)と意味のカタマリそしてofの音変化 Feb. 17, 2024 [49.1 英語音読トレーニング]

<ビートについて>
 beatは日本語では「拍」と訳されます。たとえば、神社で「二礼二拍」しますが、二回礼をして、柏手を2度打つことをいいます。また、heartbeatというと「心臓の鼓動」のことです。
 強く読む箇所をビートと言いますが、ビート(拍)は強弱の組み合わせでできていますから、強い部分をとくにダウンビート、弱い部分をアップビートと呼んでいます。音楽では1小節が何ビートで構成されているかで二拍子、三拍子、四拍子、六拍子、ということになります。ビートを利かせるところが英語の音読は日本語の音読とまったく違います。

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 英語のビートは、音節の初めの子音から入ります。日本では音節の母音にアクセント記号を入れましたよね。実は、母音からではなく、その前にある子音から、ストレス(圧力)がズバッと爆発するように入るのです。この時に忘れてならないのが、英語のストレスは「音の高低」ではなく「圧力の強弱」だという点です。ですから、たっぷり息をお腹に吸い込んで、勢いよく、力強く、音を爆発させるように発音してみてください。

比較例Ⅰ
park, talk, idea, company, go, work, stay, entire, lifetime, continue, popular, notion

比較例2
And the idea that you could go to work for one company and stay there for an entire work lifetime (was a popular ...) continued to be a populer notion.
  『究極の英語学習法入門編 K/H System』p.74
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 この、子音を爆発するように出さないと、英語の音にならないのです。そこに集中してリスニングしたり、音読してみましょう。

 別の音読トレーニング教本からも具体例を出しましょう。
 This is just between you and me. I need to whisper in your ear.
 (これは内緒の話しです。耳打ちする必要があります)
 強・弱・強・強・弱・弱・強  弱・強・弱・強・弱・弱・強
(『UDA式英語の30音リズム』p.106)

 太字の部分がダウンビートです細字の部分はアップビートですから、軽くそして速く読まれます。アップビート部分は速くなるので同じ音の吸収、音の変化、そしてリエゾンされることが多くなります。速いから曖昧になります。このアップビート(弱勢)に慣れるのが英語音読のコツのようです。
 初めのうちはビート(ダウンビート=強勢)のみに意識を置いて、英語のリズムに浸るように音読するといいのです。そのうちにアップビートのコピーにすこしずつ慣れてきます。
 アップビート部分に単語の数が多いときは、力を抜いて曖昧に発音して高速で読めばお手本についていけます。一小節に16分音符がいくつも並んでいるようなものですから、精確に弾くのはたいへんでしょう?
 だからそこに集中してトレーニングする必要があります。アップビート部分が精確にコピーできているかどうかは、自分の音読を録音して確認したらいいのです。弱点がわかりますよ、だからその部分を徹底的につぶしてしまいましょう。

<意味のカタマリ(=チャンク)について>
 意味のカタマリを意識した音読例を示します。意味のカタマリの区切りにスラッシュを入れます。
 Mr. Blore was / in the slow train / from Plymouth. There was only one other person / in his carriage /, an eldery seafaring gentleman / with a bleary eye. At the present moment / he had dropped off / to sleep.
 (ブロアはデヴォン州の港町プリマスで、この鈍行列車に乗った。乗客はブロアのほかに一人きり。目をとろんとさせた、船乗り風の老人だ。いまのところ眠っている。)
 Fpur voices gave assent/ --- and then / immediately afterwords / gave quick / surreptitious glances / at each other.

 (グループの4人が同時にそうだと答え---そしてすぐに、互いの顔をちらちらと伺った。)

 アガサクリスティの小説の1章第8節と2章第1節から引用しました。
 意味のカタマリをチャンク(chunk)といいます。チャンクを意識して読むと、英語は聞きやすいのです。なぜなのかは、日本語を例にとるとよくわかります。正岡子規の句を一つ挙げます。
 くれなゐ二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる...『声に出して読みたい日本語』p.128
 表意文字の漢字が混ざっているので意味がとりやすいし、読みやすいのです。これを英語と同じように表音文字の平仮名で書くと、読むのがたいへんになります。

 くれないのにしゃくのびたるばらのめのはりやはらかにはるさめのふる

 五七五七七の短歌ですから、区切りがわかります。区切りを間違えて読むと、
 くれないのに(?)しゃくのびたるば らのめのは りやはらかには るさめのふる

 こんな読みかたされたら意味がつかめません。英語も同じです。ナレーターはチャンクごとに小さな休止を入れて聞きやすいように読んでます。
 だから、「チャンクを意識して読む」ということは、「チャンクを意識して聴ける」ということです。意味のカタマリが英語のまま耳に入ってきますから、脳は意味を理解するという処理がずっと楽になります。読まれたままにカタマリごとに逐次処理していけばいいだけですから。

 高速音読が好いのは、チャンクごとの切れ目がよくわかることと、速いので長めの文でも丸ごと一時記憶が維持できることです。文の意味理解にとっても役に立ちます。英作文の時でもチャンクになって英語の句が浮かんでくることが増えます。

<ofの音の変化について>
 次はofの変音について分かったことを書いておきます。
 The driver of one of the taxis stepped forward.
 of weak form /əv/ , strong form /ɒv/  

 ofは「オブ」と読まれますが、弱勢では /əv/、これがアップビートになると /ə/になります。

 driverは
 driver /ˈdraɪ.və r / /-vɚ/  
 ですから、後ろの「 /ə/」とofの「 /ə/」が同じなのです。それで、同じ音は片方が消えますので、この文章を読み上げるときにナレーターはちょっとだけdriverの最後の「 /ə/」が間延びしてます。「ドライバー( /ə/)」アップビート箇所でなければこのようなことが起きません。


 同じ音が連続すると片方が消える例をアガサの小説から引いてみます。
 One of them must wait till the slow train from Exter gets in --- a matter of five minutes  --- there's one gentleman coming by that. ("AND THEN THERE WERE NONE" p.19)
 mとtがが二つ続いているところは「ンノブェイティル」と読まれています。アンダーラインのofは先ほどの例と同じで、音が脱落します。「ター( /ə/)・ファイヴ」

 
 さて、英語のビートに身をゆだねる音読、チャンクを意識してする音読、アップビート部分の音の脱落やリエゾンに意識を置いてする音読、同じ文章を50回読むのでも、視点や意識の置き方を変えてやれば、ちっとも退屈なんてしません。すべてがカチッとお手本と一緒になる瞬間がありますからそこが気持ち好いのです。
 そこをクリアできたら、自分の味付け、間の取り方、リズムで読んだらいいのです。個性的な読みかたに到達できたらいいですね。

<余談-1:bleary eyeと bleary eyes>
 "with a bleary eye" この部分はeyeが単数になっています。ヘンだと思いませんでしたか?片目だけがとろんとなっています。書いてはいませんが、もう片方の目はとろんとしていないということ。この船乗りは酔っぱらっています。でも、この時はまだ酔いが完全には回っていないようで、2ページあとで列車を降りる時には完全に酔いが回ってしまったようで次のように表現されています。
  He raised a solemn hand and blinked his bleary eyes.
 (片手を厳かに上げて、とろんとした目をしばたいた)
  今度はしっかり両目がとろんとしています。酔っぱらって眠りこけて、降車駅が近づいて慌てて間を覚ましたのですが、すっかり酔いが回ってしまって両目ともとろんとしていたというわけです。翻訳者泣かせな表現です、日本語では「とろんとした両目をしばたいた」なんて言いません、やはり「とろんとした目をしばたいた」としか訳せないのです、わたしにも代案はありません。翻訳者の青木久恵さんも、訳文にはこのニュアンスが表現できていません。まあ、これでいいじゃないかというわけです。だから、できたら原文で味わってみる醍醐味があるのだと...



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#5162 歯科定期検診:ブラッシング Feb. 16, 2024 [39. インプラント治療]

 歯科の定期検診に行ってきました。要経過観察の歯があるので月に一度の頻度です。
 歯科衛生士さんに「よく磨けていますね」と褒められました。それから、クリーニングしていただきました。水の出る器具(圧が強くてときどき少し痛みあり)で歯垢を落とした後、水の出ない器具でブラッシングしてくれます。ツルッツルですっきりです。

 半年くらい前から、歯周病で1本グラついていましたが、すっかり良くなってしっかり噛めてます。ドクターが後から来て診てくれました。「歯茎の状態いいね、しっかり磨けてます」。

 ライオンの9000回/分の音波電動歯ブラシを使っています。歯科医院のおススメはドルツで、先のとがったタフトブラシです。それで磨けていなかった歯と歯の間の歯垢を落とすのによいということでした。
 買ったばかりの電動歯ブラシを棄てるのももったいないので、そのまま使っています。磨き方を変えました。歯と歯の隙間に軽く押し付けて、5~7秒ほどで次の歯と歯の間へ移動します。歯ブラシは手で5mmほどしか動かさずにブラッシングしてます。横に大きく動かすと、歯と歯の間にブラシの毛先が入りません。このごろは慣れてきたのか、歯と歯の隙間に歯ブラシの毛が入っているのがよくわかります。音波磨きだから当てているだけでいいようです。
 普通の歯ブラシも2種類使っていますが、どれも5mmくらい動かして、歯と歯の隙間にブラシの毛先がはいっているのを感じながらやっています。
 今まで磨き方が悪かったのですね。
 口腔洗浄機を併用してます。お風呂に入ったときにやってます。歯磨きをした後でも食べかすが出ることがあります。丁寧に磨いてうがいしているつもりでも、残りかすがあることがたまにあります。
 
 高額な製品でなくても上手に使えば大丈夫なようです。今使っている電動歯ブラシが壊れたら、何を使うか考えます。2~3年はもちそうです。いまの状態がいままででベストだから、そのままでいいのかも。

 歯茎はすっかり良くなりました。グラついていた時は噛めませんでした。歯磨きしても歯ぐきからの出血はまったくありません。

 朝起きたら、すぐにうがいしています。口腔内の雑菌を流してしまいます。それからお茶をいただきます。そして朝食前の血糖スパイク予防のヨーグルト。

 あ、朝のルーチンにリンパ摩擦を加えました。リンパ液の流れをイメージして軽くなでるだけでいいようですね。身体がポカポカしてきて気持ちがいい。

 電動歯ブラシでゴシゴシすると歯茎や歯周ポケットを傷めますので、気をつけましょう。研磨剤入りの歯磨き剤は使っても少量にしましょう。たくさんつけると歯や歯茎を削って傷つけます。電動ブラシには歯磨き剤はジェルがいいようです。
*電動歯ブラシの使い方徹底解説


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