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#4710 高たんぱく食は老化を促進するという学説あり Feb. 3, 2020 [36. 健康]

 昨年11月ころからザバスプロティンを飲んでいます。胃がないので胃袋に食べ物を貯蔵しておくことができません。食べ物は小腸に入りすぐに消化吸収が始まります。そして2-3時間もしたら、脳にエネルギー供給が途切れます。途端に計算ミスや集中力低下が起きます。ザバスプロティンはそういうときの栄養補給にとっても便利がいいのですが、なんとなく副作用が気になっていました。身体が微妙にモノを言っているように感じていたからです。わたしはふだんから体の声を聞くようにしています。ヨガや座禅の呼吸をして意識を体の内部へ向けて観察ができます。スキルス胃癌もそうした観察でわかりました。胃の裏側の方に冷たい重いものが広がっていくのが感じられました。薄気味の悪い感覚です。

 老人がなぜ蛋白質(protein)が不足するようになるかというと、たんぱく質の吸収能が老化に伴って低下するからなのです。吸収されない余分の蛋白質はリソソームを傷つけ分解します。それが細胞のph(ペーハー)を低下させます。phが下がるということは細胞が酸化するわけです。細胞の酸性化は老化と同義ですから、プロティンの補給はほどほどがよろしいようです。

 そうしてみると、日本人が古来からやっていた粗食(一汁一菜:ごはん・味噌汁・御漬物)が老化防止の観点から案外重要なのかもしれませんね。

 この解説には、過剰なたんぱく質がリソソームの膜を傷つける機序が説明されていません。テレビの解説ではそこまで説明していたのですが…
*「老化細胞を選択的に除去するGSL1阻害剤が加齢現象・老年病・生活習慣病を改善することを証明」
 東大、中西真教授の研究です。
 米国の科学雑誌scienceの掲載論文です。
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<発表概要>

細胞はさまざまなストレスを受けると、不可逆的な増殖停止を示す老化細胞に誘導されることが知られています。これまでに、老化細胞は加齢に伴い生体内に蓄積することや、老齢マウスから遺伝子工学的に老化細胞を除去すると、動脈硬化や腎障害などの老年病の発症が有意に遅れ、健康寿命も延伸することが示されていました。しかし、組織・臓器により老化細胞は多様性を有することが分かっており、多様な老化細胞を除去するための薬剤の開発やその標的の同定には至っていませんでした。

東京大学医科学研究所の城村由和助教(癌防御シグナル分野)、中西真教授(癌防御シグナル分野)らの研究グループ(※発表者を参照)は、新たな老化細胞の純培養法を構築し、老化細胞の生存に必須な遺伝子群をスクリーニングにより探索した結果、グルタミン代謝に関与するGLS1を同定しました。

またGLS1の発現解析により、老化細胞はリソソーム膜に損傷が生じ、細胞内pHが低下することで、GLS1の阻害に対する感受性が亢進することも明らかにしました。さらに老齢マウスにGLS1阻害剤を投与すると、さまざまな組織・臓器における老化細胞が除去され、加齢現象が有意に改善しました。

加えて、さまざまな加齢関連疾患モデルマウスに対するGLS1阻害剤の効果を検討した結果、肥満性糖尿病、動脈硬化症、および非アルコール性脂肪肝(NASH、注3)の症状改善に有効であることも見いだしました。

本研究成果により、老化細胞の代謝特異性やそれに起因する脆弱性が明らかとなり、それらを標的とする薬剤を開発することで健康寿命の亢進のみならず「がん」や「動脈硬化」などのさまざまな老年病の予防・治療への展開も期待されます。
本研究成果は、2021年1月15 日(米国東部時間)、米国の国際科学雑誌「Science」に公表されました。

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<余談1:図書室とPSS社田島さん>
 SRL八王子ラボの図書室にはNatureやScienceだけでなく、医学専門雑誌が20種類くらい揃えてありました。仕事をシステム化して仕事量が1/10以下になると暇なので、自席でシステム関係の専門書や構造言語学の本を原書で読んだり、図書室に入り浸れます。ルーチンワークをしながら自分で余裕の時間を作り出せばプロジェクトを提案して動くこともできます。
 1988年だったかな、学術開発本部へ異動したら、図書室担当の準社員がわたしの隣の席でした。それからは自席で海外の専門雑誌を読み放題でした。開発部の仕事と営業本部から要請のあった特別案件がらみのプロジェクトが仕事のメインになりましたね。製薬メーカーとの検査試薬の共同開発が担当者ごとに手順が違うので、担当役員のIさんがマネジメントがしにくい様子。開発部の課長のFさんもマネジメントは苦手でした。担当者全員からヒアリングしてPERTチャートで整理して1か月ほどかかって標準化しました。わたしもⅣ型コラーゲンと膵癌マーカーを担当させてもらいました。同時に海外の製薬メーカーからのラボ見学対応がわたしの仕事になりました。2-4時間かけてゆっくりラボの全検査部を案内するのは楽しいのです。検査機器の購入担当をしていた時にはどの検査部検査課でも職権で入れました。要件ができたときに、来てもらわずに電話を切ってこちらから押しかけたらいい。ラボ内を自由に歩き回れることができる人は一人もいませんでした。用事がないと入れませんから。ラボ見学はメーカーと共同開発した検査機器や、自分が担当した世界初導入の検査機器の機能を解説しながら歩くんです。RI部の精度保証システムや細胞性免疫部のリンパ球表面マーカーのサブシステムなど、システム関係の説明もします。自分がタッチした検査機器は思い入れが大きいのはあたりまえです、LX3000、紙フィルター方式の液体シンチレーションカウンター、結石赤外分析前処理ロボット、染色体画像解析装置など、共同開発や海外メーカーから世界初導入した楽しい機械がラボにはごろごろしていました。
 フランスが大量に発注したPCR自動検査機器のメーカの田島社長はSRL御用達の自動分注機開発業者でした。わたしが機器購入を担当していた時に、東洋アドバンティック社をやめて独立してPSS社を立ち上げています。たいしたものだ、いい会社になってます。一度、八王子の居酒屋でお酒をごちそうになってことがあります。マスターが全国の造り酒屋を回って、試飲して仕入れた銘酒が倉庫にたくさん眠っていました。飛び切りのものは、客に酒の味がわかるかどうか試してからしか出しません。いい酒と普通のものと2つ試飲させて感想を求めるんです。どういう違いがあるか、尋ねてきました。酒の味のわからない客に出すのはもったいないですからね。試験をパスした後に出されたお酒を飲んで、こんな味の日本酒があるんだと驚きました。日本酒って奥が深いのです。田島さんと私はカウンターで種類の違う酒を飲みながら酒談義をしていたので試されたのでしょうね。マスター喜んでましたね。いいお店だったので、1年後に行ったら、もうなくなっていました。出入りの業者とは年に一度だけお酒につきあっていました。田島さんとはそれ一度だけでした。PSSさん、SRLのシェアが高すぎたので、わたしは距離を置いていたのです。いつまでもSRL御用達では大きくなれませんからね、そういう配慮をしていました。せっかくいい分注機を開発しても、SRL御用達ではBMLや三菱バイオメディカルに販売できません。せっかくの会社が小さいままになる。はやくSRL依存を脱したほうがいいくらいなことは言いました。仕事熱心な人でしたから、仕事は認めていたんです。

<余談2:ザバスプロティン>
いま飲んでいるザバスプロティンです。
 たしかにこれを飲むと脳のスタミナ切れは生じません。しかし、老人が蛋白質を摂りすぎると老化を促進してしまう。歳をとると高蛋白の食事をしなくなるのは自然なことだったのです。でも、日に1本ぐらいの補給は続けます。
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