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#5068 円安の本当の理由:寺島実郎氏の納得解説 Sep. 24, 2023 [95.増え続ける国債残高]

 先週末(9/22)の対ドル為替相場は148.34円だった。年初は132.41円である。
 為替相場が固定相場から変動相場制に変わったのは1973年2月14日だった。それまでは360円/$の固定相場制。円高の最高値の記録は2011年10月末の75.32円/$である。
 産業用エレクトロニクスの輸入専門商社で働いていた1978~1983年まではシステム開発の外に、経営改善のために為替の管理もしていたので、そのころは変動幅(180~260円/$)が大きかった。会社の業績も為替変動に大きく影響されていたので、為替変動から会社の業績を切り離すシステムをいくつか作って組み合わせ、安定的に高収益をあげられるような企業へ変えた。
(その後、この企業はセキテクノトロンと社名を変えて株式上場している。2010年頃に業績悪化で上場廃止、吸収合併されている。)

 そのころ、日米の金利差は2%程度で、安定していた。だから為替予約は常に円高で差益が確実に稼げたので、定価表を為替変動に応じて四半期ごとに改定し、海外への発注額を元にして、決済月ごとに為替予約するシステムを作った。これで為替変動リスクがなくなった。

 150円/$というのは安すぎるが、その原因が何なのかずっと考えていた。日銀の10年もの国債金利は0.745%、米国財務省証券のそれは4.439%で、その差は3.594%あるが、こんなに円安になるほどの金利差ではない。
 90円/$くらいが妥当な対ドル為替レートだと思うが、平均所得が420万円として、現在の為替レートなら28,313$となるが、為替相場が90円/$なら46,666$である。ガソリンが180円/Lと高騰しているのも、その原因の大半は円安である。


 さて、ここからが本題である。長期にわたってなぜこんなに円安が進行するのかという理由がわからない。今朝のTBSサンデーモーニングで寺島実郎氏が政府の借金がGDPの2.5倍、世界ナンバーワンで突出している、148円/$というのは国際金融筋が日本の財政の脆弱性を評価した結果だと主張していた
 同感です。日本の財政状況は一向によくならないどころか赤字の規模が拡大しており、財政破綻へまっしぐらです。だから、長期にわたって円安が進行している。円安は財政悪化のシグナルなんですね。ようやく、このところの疑問、なぜこんなに長期にわたって異常な円安が続くのだろうという疑問の理由が腑に落ちました。
 円の国際的な信認が、財政の脆弱性によって大きく揺らいでいるので、とめどのない円安が長期にわたって続いている。国民が円を信用しなくなり、ドルなどの外貨へ預金をシフトさせる大波が襲ってくれば、円売りドル買いで、金利も暴騰して更なる円安が進み、一気に財政破綻と日銀の経営破綻が現実化します。
 仮に、そうなったときに200円/$という円安が襲うとしたら、そこへ向かってすでに道半ばというのが国際金融筋の円への評価ということ。
 日銀の国債保有残高が550超円にもなっています。発行残高の50%をすでに超えています。キチガイ沙汰です。日銀の独立性はとっくに吹き飛び、赤字国債の発行枠もすでにないも同然の状態です。まるで戦時経済・財政です。
 日銀保有の国債と政府の債務を相殺すれば問題ないなんてことを言う経済評論家がいますが、複式簿記を知らない大バカ者です。会社間では親子関係があれば、連結決算で相互の債権債務の相殺処理がなされますが、それは親会社と子会社の間のことです。まったく別の法人の財務省と日銀の間にそんな関係はありません。
 銀行からお金を借りると借りた方は借金で債務です、貸した銀行は債権をもっていますが、債権債務の相殺をしたらどうなるか?銀行には特別損失が発生し、借りていた方は大儲けです。返さなくていい、借金は棒引きです。それほどバカバカしい議論です。生半可な複式簿記の知識の者のいうたわごとです。

 財政破綻は1946年2月に起きていますが、預金封鎖と新円切り替えで、財産税課税がなされ、国民の負担で財政の建て直しが行われています
 銀行預金や所得税データがマイナンバーで紐づけされています。株式はとっくに電子データですから、これもマイナンバーで政府が全情報を抑えられます。不動産情報は法務局が電子データ化を進めています。つまり、国民は政府に対して裸の状態です。もっているすべての財産に財産税の課税がなされる準備が整ってしまっているということ。財務省は1270超円の政府財務残高を財産税で一気に解消するつもりでしょう。

 国民は大きな特殊詐欺に何度も引っかかっているようなものです。まともな保守主義を望むなら、次の選挙には国民の意志を示す最後のチャンスです。とても間に合わないとは思いますが、こんなでたらめは許さないという意志は示す必要があります。身近な国会議員と話してみたらいかがでしょう?案外まともな人がいるかもしれません。

*「#4487 金融緊急措置令発令(1946年2月17日):預金封鎖」


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