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#4976 尊厳死宣言書の具体例 May 23, 2022 [37. 老人介護・医療]

 人はみな死にます。最後は腎臓機能が停止、点滴を続けると細胞の一つ一つが水分を排泄できずに脹れてきます。身体がパンパンに脹れあがりますが、そのころは意識が混濁しているでしょう。そうなると、せいぜい3日です。3日間の延命に意味はありません。

 1999年に首都圏の特例許可老人病院の建て替え(療養型病床基準適合の建て替え)を頼まれて、仕事したことがありました。そのときに、婦長や総婦長から、「かわいそう」という話を聞きました。助からないのに点滴を続けて、身体がパンパンに脹れあがってしまっているのを見ている看護師さんも苦しいのです。患者もケアする側も違う苦しみを味わっています。理事長は「痛くない、苦しくない、怖くない」をターミナルケアの基本方針にしていました。でも、担当ドクターによって判断が違います。胃婁や経管栄養をストップすると、自然死に近い形が穏やかに死ねるのですが、大学医局派遣医師は延命治療を最後までしたがりました。延命治療が点滴確保の注射の「練習」になるからです。患者は文句は言えないし、拒否もできません。「患者がかわいそう」、そういう訴えを聞きました。理事長と話すか、その医師へ本院の治療方針を話してくれということ。婦長さんでも医者には言いにくいのです。
 病気で痛いとか苦しいときだけはモルヒネを使ってあげたらいい。痛みが去り、意識は混濁し、少し死期が速くなります。それでいいのです。

 70歳を過ぎてしばらく生きていられたあなたは、いずれは何かしら病を得て食欲がなくなり、食が細くなっていきます。口にフレイル症状(弊ブログ#4975参照)が現れ、唾液量が減り、食欲が次第に薄れて食べられなくなるのです。死へ向かう自然な流れです。自分で食べられなくなったら、家族に看取られて枯れるように死にたいと思います。妻や子どもや孫に、穏やかな死にざまを見せてあげることが、最後にできることではないでしょうか?死は怖くないのだと。

 何の準備もなく死を迎えると、そうはいかないのが厳しい現実です。家族が慌てて救急車を呼べば、そのまま病院へ入院で、経管栄養胃婁ということになるかもしれません。ターミナルケアで経管栄養や胃婁をしても病気が治って退院できるわけではありません。死ぬまでの期間が長引くだけです。寝たきりです。望むならやっていただいたらいい、そうしたくないなら、自分の願いをかなえるために周到に準備をしましょう。

 希望通りに自宅で亡くなれば、老人の虐待事件もあるので、警察が訪れて確認のために司法解剖をするというかもしれません。
 そういう希望しない事態を招かないためには事前準備が必要です。
 それが、尊厳死宣言書を書いておくということ。心配な場合には近くの公証人役場で相談し、公正証書にしておけばいい。死後の取り扱いではないので、「遺言書」ではありません。「尊厳死宣言書」です。

 主治医や掛かりつけ医へは元気で自分の意志を伝えられる間に相談しておきます。自宅まで来て死亡診断書を書いてもらわなくてはいけませんので、交通費も含めて「お代」も具体的に確認し、家族に伝えておきましょう。医者とのコミュニケーションが大切です。率直にターミナルケアの希望を伝えておきましょう。

 心臓が止まっても救急車を呼ばないでください。掛かりつけ医の診療が終わってから、自宅へ来て死亡診断書を書いてもらえばいいのです。家族に看取られながら穏やかな死を迎えられたら幸せです。
 とても痛いとか苦しいようなら、措置が必要ですね。それは「尊厳死宣言書」に明記しておきます。

 弊ブログへよくコメントを下さるkoderaさんが、今日、ブログへアップしていたので、彼の書いたものをご紹介させてください。とってもシンプル、そして美しいものになっています。

*「創造性を開発しよう、新規商品企画をしよう」ブログ
 「尊厳死宣言書の私案

 とってもシンプル、そして美しいものになっています。

 なお、koderaさんとの尊厳死についての対話は、弊ブログ「#4968 日銀保有国債のリスク」投稿欄にあります。

 全国の公証人役場所在地が載っているサイトがありますので、ついでに紹介させてください。
*「公証人役場一覧



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