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#4968 日銀保有国債のリスク May 13, 2023 [95.増え続ける国債残高]

 日銀保有国債は、昨会計年度末には581兆円だから、今年度末には600兆円をはるかに超えてしまう。仮に長期金利が米国並みの3.5%になったとしたら何が起きるのか、簡単な計算で確認してみたい。

 あなたが10年物国債をいま1000万円で購入したとしよう。関係を簡単にするために金利はゼロと假定する。6月に10年物国債金利が3.5%になったとすると、6月に国債を1000万円購入したら、10年後には1350万円受領できる。
 1000万円×(1+0.035×10年)=1350万円

 10年後に1000万円にするには、6月にいくら国債を購入すればいいだろう?
 A円×(1+0.035×10年)=1000万円
 A=741万円

 この計算結果から、6月に金利が3.5%になった時点で、保有していた国債1000万円は741万円の価値しかないことがわかる。

 741万円x(1+0.035x10年)=1000万円

 あなたが5月末までもっていた国債は6月には741万円の価値しかない。
 個人所有ではなく、会社が保有していたらどうなのだろう?満期まで保有していれば評価損の計上は必要ない。日本の会計規則では、「満期保有目的の債券は所得原価で表示する」ことになっている。日銀も保有する国債については金利がアップしても満期保有目的だから金利がアップしても国債の評価損の計上をしなくてよいことになっている。日本銀行法「会計規程」に従うが、定められている。日銀は一般企業とは法令で定められた別の会計規則に従っている。
(*日銀会計規程「第13条有価証券の評価方法及び評価基準」には国債の評価についての記述はない。日銀法会計規程は国債の保有を前提にしていないからだろう。戦時中の赤字国債増発と財政破綻を経験したから、日銀会計規程に国債の評価基準を書き込むわけにはいかなかった。ところが、年度末には600兆円超の国債を保有することになる。日銀は黒田総裁になってから、大きく変質したとしか言いようがない。同じマクロ経済学者の植田氏が4月から日銀総裁だが、彼も長期金利は2%へアップできない。日銀経営破綻の引き金を引くに等しい。もちろん、政府財政の破綻も同時に起きる。)

 評価損計上の必要なしなのだが、実質的な損が出ていないかというとそうではない。

 日銀保有の国債を600兆円、平均残期間を7年、金利がゼロから3.5%にアップしたと假定して損害額を計算してみる。

 600兆円÷(1+0.035×7年)=482兆円

 600兆円の国債の現在価値は482兆円ということになり、118兆円の評価損ということになる。

<SVBの経営破綻と保有債券は株式の売却>
 3/10に米国のシリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻し、米国連邦預金保険公社の管理下に移された。原因は、短期資金の預金で集めたお金を長期資産で運用したためだといわれている。2022年に上場したハイテク企業やヘルスケア企業の44%に資金提供していた。3/9~10日にかけてSVB株価が86%下落し、経営破綻懸念が高まったので、法人が一斉に預金を引き下ろして、別の銀行へ預けたために、支払資金が不足したので経営破綻へ追い込まれた。
 SVBは慌ててもっている債券ポートフォリオを売却して換金し、18億ドルの損失を計上した。購入金額では売れない。大幅に値下がりした市場価格で売るしかないのである。この損失をカバーするために23億ドルの保有株式の売却をしようとしたが失敗している。損失がカバーできるような価格がつかなかったのだろう。急いでいるから買いたたかれる。それが欧米の市場の現実である。
*「SVBの預金者保護費用、銀行界が2兆円負担 米当局案」5/12日経新聞配信
**「SVB銀行破綻を解説」3/13ヤフーニュース

<まとめ:日銀はすでに打つ手を失っている>
 結論は、日本の会計原則上、保有している国債を満期まで保有するなら、評価損は計上しなくていいのだが、それはインチキ。実際には市場ではすでに購入した価格では売れないのだ。会社が業績悪化で保有国債を売却する必要が出たら、1000万円では売れない、市場では741万円になる。
 したがって、評価損を計上しなくていいという会計規則は「絵に描いた餅」。記帳や仕訳は事実を事実通りにやるのが原則である。価値が下がっているのに、取得原価での表示のままにするというのは、会計処理としては不適切である。

 日本でも日銀が長期金利を3.5%にアップしたら、政府は赤字国債を発行できなくなるし、日銀や市中銀行が保有している国債の実質価値が大幅に下がる。金利が3.5%にアップすれば、先の假定では保有国債は20%も市場価値が低下する。
 令和3年上半期の日銀総資産額は724.6兆円、総負債額は719.6兆円であるから、純資産額は4.9兆円しかない。金利が1%へ上昇しても債務超過は避けられない。だから日銀は保有国債を減らすべきなのだ。減らすためには金利を上げないと売れない。にっちもさっちもいかない瀬戸際に来ている。すでに日銀が経営破綻を回避する方策はない。2012年の第二次安倍晋三内閣スタートと黒田氏の日銀総裁就任は、日銀経営破綻と日本政府財政の破綻を目的にしていたようにしか見えない。「アベノミクス三本の矢」で、この10年間で日銀総資産は500兆円も増えている。中身のほとんどが国債購入である。財政規律はなくなってしまい、すっかり戦時中に戻った。

預金保険機による預金保証は1000万円のみ>
 日本の銀行の預金保証は1銀行につき1000万円が限度である。プライム市場へ上場している企業は、数百億円単位の預金を保有している企業がほとんどだろう。財務担当役員がリスク回避のために、海外の銀行へ預金を一斉に移したら、何が起こるだろう?都市銀行と言えどもひとたまりもあるまい。リスク回避措置をしなければ、財務担当役員は責任を問われる。株主代表訴訟の対象となるのは確実だから、取締役の職を失うだけではすまぬ。リスクを放置すれば、損害が出たときに他の役員も法的な責任を問われるだろう。
 プライム市場へ上場している企業が一斉に預金を引き出したら、邦銀が支払資金を調達できなくなるような事態が起きる。邦銀に預けっぱなしにした企業は会社の存続にかかわるような損害を被る、理由は簡単、1銀行当たり1000万円しか保証がないからだ。経営破綻した銀行が清算処理されて、いくら戻ってくるのか確定するまで預金は下せない。

 日銀は長期金利を3.5%にアップするわけにはいかないし、政府も新規赤字国債の発行が著しく困難となり財政が破綻する。公務員給与も支払えない「債務不履行」が発生する。

 富士山噴火でも首都圏でM7クラスの直下型地震が発生しても、東南海巨大地震・津波が発生しても、数百兆円単位の損害が出て、そのためには赤字国債を大増発しないといけない。
 巨大な災害が起きれば、日本はそのときに、日銀の経営破綻し、そして政府財政も破綻する。長期金利を5%くらいに設定しないと国債が発行できなくなるだろう。

 政府は何をやっているのだろう。
 国会議員は災害とその影響について、国会で現実的で具体性のある議論をしてもらいたい。

<最近1週間で全国各地で起きた地震>
 北海道日高東部・震度4(5/11)、青森県東方沖・震度4/M5.5(5/11)、千葉木更津市・震度5強/M5.2(5/11)、能登半島珠洲市・震度6強(5/5)、鹿児島県トカラ列島近海・震度4(5/11)震度5弱(5/13)、沖縄県宮古島近海・震度3/M6.1。

 北、太平洋沿岸、日本海沿岸、九州南岸、沖縄県と震源地の分布が広い。

<リスクヘッジにはなにがよいのか>
 金は本源的な貨幣である。換金にも不安はないから、金での保有がいい。問題は保管である。自宅に保管したのでは強盗に襲われるリスクがあるので、貸金庫がいい。
 法人が預金の半分くらいを金で保有するようなことになれば、金相場がさらに上がりそうだ。田中貴金属店のような金地金を販売する会社は、リスク回避のために法人客へ金購入を勧めたらいい。ついでに、売った金地金の保管会社をつくって、事業拡大したらいい。
 首都直下型の地震が来ようと、東南海連動型巨大地震が来ようと、大津波が襲おうと、富士山が噴火しようと、金地金はリスクに強い。

<余談:10年物国債金利が2%に上昇したら、日銀は28兆円の債務超過>
 政府は今年度の国債利払い費予算を1.1%で組んでいるので、その数字を使ってみる。日銀国債保有残高を600兆円、平均残年数を7年とすると、満期までに日銀が受け取る金額は、646.2兆円となる。
 600兆円×(1+0.011×7年)=646.2兆円
 仮に、金利が2%にアップしたとすると、満期に646.2兆円を受け取るために必要な国債の金額は計算上566.8兆円となる。
 646.2兆円÷(1+0.02×7年)=566.8兆円
 評価損は33.2兆円である。
 600兆円-566.8兆円=33.2兆円

 日銀の純資産は4.9超円しかないから、28.3兆円の債務超過となる。

 さて、一般の銀行なら、払い戻し資金が枯渇すれば、SVBのように経営破綻になるが、日本銀行は中央銀行である。中央銀行の経営破綻とは何かという問題がある。発券銀行だから、いくらでも資金供給できるではないか、したがって経営破綻はあり得ないとその点からは言えそうだが、本当にそうだろうか?中央銀行の経営破綻とは何かという問題を稿を改めて分析してみたい。



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tsuguo-kodera

 素晴らしい。おっしゃる通りです。戦前、戦中に戻ると考えると分かり易いです。
 さてそこで、貧乏人の老人はどうすれば良いかが問題です。そこで先生に3つのお願いがあります。阿保にご教授を賜りたい。

①自分で安楽死する手順を過程を追って箇条書きでお示しください。
水を飲まず、点滴せず、胃ろうをしない、何週間、何日かかるのでしょうか。ボケ老人がベッドで死ぬ過程を見て、自分としては耐えられないと思います。

②上の孫は4大学生です。儲からない造形の大学院を希望しています。どのような心掛け、技量で生き抜くのが可能性が高くなるのか。

③下の孫は明治の商学部です。私がもし今その学生なら、跡取りの居ない小企業の事業継承を志すでしょう。そのために必要な技量、資格は何でしょう。私は資格が何もありません。それが企画担当者の誇りでした。新規事業の企画なら今でもシャープの現役の新規事業責任者に負けないと自負しています。新規事業の手順過程は私には自明なのですが。

以上ですが、そのために一度銀座の資生堂あたりでチョコカクテルかチョコレートサンデイでも食べながら御教授頂くか、先生のサイトで公開して頂けるとありがたいのですが。

御身後大切に、私も先生もいつ旅立つか分かりません。(笑)
by tsuguo-kodera (2023-05-15 07:36) 

ebisu

koderaさん
①の手順を述べます。
1)尊厳死宣言公正証書を作成しておく
かならずしも公正証書にする必要はありません。遺言書は死後にどうするかというものですから、尊厳死は死に方の問題なので、遺言書には適さないと書いてあります。

雛形が載っているサイトを紹介しますが、適宜自分の希望に添うように、修正、削除、追加してください。
胃婁をしないでほしい旨は、この書類に明記しましょう。
http://kouseishousho.org/menu53s.html

健常人の場合ですが、2週間の断食(水だけ)は生命の維持に問題ありません。1か月水のみで断食したら、命は絶えると思っています。ましてや、わたしたちのような老人だと体力は弱いので、もう少し短い期間で命終できるかもしれませんね。やったことがないので断定できません。個体差も大きい。

5日間ほど断食すると食べたくなくなります。身体の毒素が抜けるので、俗ッ毛が抜けていき、精神は透明になります。穏やかです。あとは命尽きるまでそのままでいい。

主治医と相談しておく必要はありますね。死後の問題があります。自宅まで来て死亡診断書を書いてもらわないと、警察に「不審死」扱いされて、司法解剖の対象になります。検察医が足りないので、どうなるかはわかりませんが、警察や検察医に余計な手間をかけないためにも、診療が終わってから、主治医に自宅までご足労願い、死亡診断書を書いてもらう「契約」をしておいた方が無難でしょう。ご足労願うのですから報酬についても失礼のないように取り決めておいた方がいいと思います。家族にも、説明しておきます。

入院・延命治療せずに自宅で死ぬのは、看取る家族がいます。ぼけ老人が死んでいく様を見るのが家族が辛いというケースもありえますね。考えてませんでした。
なぜかというと、断食して死んでいくのは苦しくないからです。安らかな死を、子供や孫にみせて、死は怖くない、当たり前のことだとわかってもらおうと思っているからです。親あるいはジイジの最後のレッスンです。
穏やかな死にざまを見せてあげたい。

お袋は病院で亡くなりましたが、息を引き取る十数分間手を握って、「ご苦労様、どうもありがとう、もう逝っていいよ」、耳元でささやくと、呼吸が止まりました。
十人くらい見看取られて、静かに逝った。あれを家でやれたらいい。胃婁は栓のないことですから拒否しました。意識がほとんどないのに胃婁までしても患者は苦しむだけ。早く逝かせてあげたほうがいい。

幸いにして、ターミナルケアの可能な病院へ入院できるなら、そういう選択もありですね。入院するときに担当医へ尊厳死宣言書をお渡しして、説明して置いたらよいと思います。極東の町ではそういう選択肢がなかったので考えてませんでした。

続きはまた後で...

by ebisu (2023-05-15 09:07) 

ebisu

食を断ってからは、座る体力のあるうちは、座禅をしていると心が休まります。座布をお尻にあて高くすると楽にできます。結跏趺坐は無理でしょうから、半跏趺坐でいい。
吐く呼吸にだけ意識を置いてゆっくりします。吸気は自然に入ってきます。

ふだんからやっていないと、食を断ち、体力が弱れば難しいでしょうね。
座禅の姿勢は無理がなくてとっても楽なのです。頭頂部から背骨をまっすぐにして座るので、どこにも力が入りません。結跏趺坐できれば、三点支持になり安定します。頭のてっぺんから10円玉を落としたら、すっと仙骨へ落ちてくるイメージです。
ゆっくり、長い呼吸がキモです。
わたしの場合は、座禅したまま息が絶えたら幸せです。

病気で、痛みが耐え難いなら、モルヒネを使ってもらいます。それは「尊厳死宣言書」に書いておきます。

ヨガの瞑想も同じですから、「座禅」や「ヨガの瞑想」でぐぐるとやり方がでてくるでしょう。
by ebisu (2023-05-15 10:49) 

ebisu

②のお孫さんは造形関係の大学院へ進学しますか。
どのような心掛けや伎倆で生きていけばいいのは、わたしにはわかりません。すみません。

人口縮小時代に突入していますから、土地も家も価値が下がってきます。家を買うためにそれほど働かなくてもいい時代に暮らすのでしょう。それだけでも幸せですね。
生産年齢人口は激減していくので、給与水準はアップし、引く手あまた。でも、非正規雇用と正規雇用に二極分解。

結局のところ、どういう道を選ぶかは本人の選択です。ジイジは見守るのみ。(笑)

わたしはインド人のように、人生を三つの時期に分けて考えてました。
1.勉学の季節
2.お金を稼ぐ仕事の季節
3. 古里へ戻って何か社会貢献する季節

その通りに生きてます。

お金を稼ぐ季節に、ちゃんと稼いでおかないとそのあとがたいへんでしょうね。そこさえちゃんとできたら、あとは何も心配しなくていいのではないでしょうか。
十分に稼げなくても、お金のはいる範囲で、背伸びせずに暮らせばいいだけです。
造形の分野で大金持ちになるかもしれません。

人間万事塞翁が馬

ケセラセラ

by ebisu (2023-05-15 11:23) 

ebisu

③のお孫さんはわたしに近いですね。
大企業に勤務しようと思ったら、日商簿記1級に合格しておけば、就職したい企業の人事部に履歴書を送っておいて、空きがあったらよろしくで、なんとでもなります。
公認会計士の資格が取れたら、大企業でも財務担当役員くらいにはなれます。
ただ、受験勉強で頭が多少固くなるということはあります。公認会計士で頭が柔軟な人は滅多にいません。財務担当役員どまりでしょうね。(笑)

貴兄もわたしもシステム関係の仕事をしていますが、わたしも資格はなにももっていません。情報処理技術者の試験ができたばかりの頃に仕事してたので、五反田だったかな、協会主催の講習会に出る時間が取れませんでした。
自社やグループ会社の経営分析をしていたころは、統計学をもっと突っ込んでやりたくて、総理府統計局の講習会に出たかったのですが、これもいつも何かしらのプロジェクトを抱えていて時間が取れませんでした。5時に仕事が終わってすぐに電車に乗らないと間に合わないのです。
任せてもらえる仕事は何でも飛びつき、すぐに専門書を読み漁って、スキルを磨いたので不自由はありませんでした。事実関係としては、好奇心から読み漁った未知の専門分野の本を読み終わるころに、その関係の仕事を任されることが多かった。読み終わって、いきなり仕事が舞い込むので、真剣勝負でした。仕事でやるのでスキルはすぐにアップします。資格だけとっても実務をやらないとほとんど使い物になりません。

オービックのトップレベルのSEと次は日本電気情報サービスのトップレベルのSEと一緒に仕事したので、彼らのスキルを盗むチャンスがありました。彼ら二人のお陰です。3度目は1984年のNCDのトップレベルのSE3人との仕事でした。SRLの経営情報システム開発、面白かった。スキルが彼らよりも上になっていました。

でも、昔の話です。いまは商学部でも簿記のほかに情報関係の資格はしっかりとっておいた方がいいですね。資格がないとやらせてもらえない仕事が増えています。会社の制度自体がそういう設計になっています。

簿記の専門家で、プログラミングもシステム設計もできる人材は、どこの大企業でも稀ですから、大歓迎でしょうね。一つの企業にこだわる必要はありません。転職してスキルアップして、年収もアップしていったらいい。

ところで、銀座でお茶いいですね。午前中は体調が悪いので、午後にしか出かけられません。銀座の資生堂のパーラーは二十年ほど前に一度行ったことがありました。雰囲気の豪華なお店です。3階だったかな。
by ebisu (2023-05-15 11:56) 

ebisu

条件が付いていましたね。
「跡取りの居ない小企業の事業継承を志す」ケース。

戦略目標⇒長期戦略⇒3年の実行計画⇒単年度予算⇒業績評価

 企業のマネジメントはこのサイクルの繰り返しですから、簿記、管理会計学、原価計算、会計情報システムをしっかり勉強しておいたらいい。明大商学部の履修科目にあります。戦略計画についても本がさまざまあります。自分の気に入ったものを読んだらいい。

わたしは、25ゲージ、5ディメンションの経営分析指標を使って、総合偏差値で業績評価をしていました。予算データで総合偏差値をシミュ―レーションし決算データで総合偏差値を計算して、どの指標群が計画通りいって、どれがダメだったのかをベースに、翌年度の経営計画を立てていました。1978-83年ころまでです。いまでもこの分野では最先端の仕組みです。
データ分析には線形回帰分析が必要なのでHP-67とHP97を使っていました。
日本には統計学部がないので、総理府統計局の講座を受講するくらいしか専門家になる手段がありませんでしたね。しかたないので、独学。プログラミングも独学。システム工学も独学がベースでトップレベルのSEと仕事して、技術を盗みました。一緒に仕事するとコピーできるんです。さまざまな分野のトップレベルの職人と一緒に仕事したらいい。半端なままだと一緒の仕事は続かないので、否応なしに技術水準をアップしていくことになります。

最先端の仕事には英語で書かれた専門書を読まないといけないので、英語は読めなけりゃいけませんでした。
数学も統計学の専門書を読むには必須です。

企業経営には日本の伝統的なビジネス倫理を学んでおくべきですね。もうかりゃ何やってもいいわけではありません。周りを不幸にして自分の幸せを築いちゃいけません。
「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」
「浮利を追わない」
この二つを何かある都度考え抜くだけでもいい。石田梅岩や渋沢栄一の本を読むもよしです。

by ebisu (2023-05-15 22:38) 

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