SSブログ

#4831 Lesson : 'a world'の深い意味 Sep. 24,2022 [49.2 PROMINENCE Ⅲ]

<最終更新情報>9/25午前5時10分:不定冠詞aの一般的な説明追記
 ●9/25午前9時 潜在意識の使い方と21世紀の経済学に言及
 

 高校1年生対象の英語音読授業に高3の教科書『ProminenceⅢ』を使っています。1&2年の教科書はすでに消化してしまっています。今日は『ProminenceⅢ』の2回目で、Lesson2です。読んでから、語順通りにチャンク単位で日本語にしてもらいました。
(ワード数:483ワード、章単位で見ると480-700ワードの範囲のようです)

  有名企業の取締役として、日夜超多忙なジョンが3週間の休暇を取り、招待されて出かけたネパールの僻遠の村の学校図書室には、観光客が置いていったわずかばかりの子供向けではない本があるばかりでした。

They(=books) were considered so precious that they were kept under lock and key to protect them from children.  John wondered, "How could this be happening in a world with such an abundance of material good?"  This was extremely shocking to John, who had grown up with a great love for books since childhood. 
 lock and key:錠前と鍵

  ここでわたしからの生徒4人への質問です。
「the world ではなくて、なぜ a worldと著者は書いたのでしょう?」
それが具体的につかまえられていなければ、書いた人が何を言いたいのかわからないのです。それくらい重要なaなんです。
 「商品が溢れている世界」ですから、筆者は商品が溢れていない世界と対置して、商品が潤沢にある世界を考えているのです。例えば、中世のヨーロッパ世界です。中世のヨーロッパには商品が潤沢ではありませんでした。本はラテン語で書かれていました。僧侶や貴族しか読めません。ふつうの子どもがラテン語の本を読むなんてことはありえない世界でした。ドイツ語ですら、書かれたものはマルティン・ルター(1483-1546年)の聖書のドイツ語訳が初めてのものでした。

 「商品が溢れるような世界なのに、子どもたちの読む本すら学校図書室には存在しないなんてことが、どのようにして生じているのかと不思議に思った」のです。大好きな本を読みながら育ったジョンにとっては、とてもショックなことだったのです。
 一晩寝たら、潜在意識が訳を思いついてくれたので紹介します。
「NGO活動が拡大普及した地域の子どもたちにはなんと大きな変化をとげつつあるのか、それは先ほど挙げた三つの数字でわかろうというもの」

 数学の問題でも、しばらく考えても解けないときは、寝るのが一番いい。眠ると潜在意識が優勢になります。たぶん、交感神経の興奮が収まって副交感神経が優勢になり、起きているときに脳へ刻んだ問題が、どろどろに溶かされ、脳の潜在意識のデータと一体化してしまいます。そこで潜在意識が必要な情報を突飛もないセンサーで結びつけて、再構築してくれるようなのです。中学1年生のころからそういうことを繰り返していました。根室高校へ入学してから、中央経済社から出版された公認会計士2次試験講座を読み、答案練習を繰り返すときにも、盛んにそんなことをやっていました。とくに経済学の学習に必要でした。近代経済学ばかりでなく、マルクス資本論も読みました。当時の公認会計士2次試験科目は、簿記論、会計学、原価計算論、監査論、商法、経済学、経営学の7科目ありました。
 潜在意識が利用できるようになると、思考の深さがまるで違います。先入見を全部外せるところがとてつもなく強力なのです。『資本論』の体系構成の方法とユークリッド『原論』の体系構成の方法の相動性に気がつくなんて、起きているときの脳では無理でした。だから世界中の経済学者は一人もその事実に気がついていません。マルクスは数学音痴だったということがわかって、遺稿である『数学手稿』をみたら、マルクスは微分の無限小すら理解できぬ数学音痴で会ったことがわかったのです。転職を繰り返して、いくつかの上場企業や、上場の準備段階の企業で業種を変えて働いた経験が、さらに潜在意識で溶かされて、新たな経済学を立ち上げるには、公理を「工場労働」から「職人仕事」に置き換えたらよいことがわかりました。行き詰まっている西洋の経済学とは公理を異にする、21世紀の経済学の誕生です。世界中の経済学者が誰も見たことのない世界です。創り上げるのは若い人たち。お手本はない、公理があるだけです。レーニンも毛沢東も手痛い失敗をしていますが、まやかしの共産主義とは違った、あたらしい経済学が確かにあります。若い人たちに期待しています。

 一般論で"a"の解説をしておきます。わたしが不定冠詞のaを思い浮かべるときは、細胞を考えています。細胞には内側と外側が区別されています。細胞膜で隔たっています。細胞がたくさんあるのを想像して、その中の一つをひょいとつまみ上げる感覚です。だから、"a world"と書いてあったら、そうラベリングされたいくつかの細胞が脳裏に浮かびます。この場合のイメージは「モノがあふれている21世紀の世界」で「明治時代」とも「江戸時代」とも「戦国時代」とも違います。「室町時代」⇒「鎌倉時代」⇒「平安時代」⇒「奈良時代」⇒「古墳時代」⇒「弥生時代」⇒「縄文時代」⇒...とさまざまなラベリングされた細胞が並んでいるのが見えます。そうした世界が個々独立した粒々のように感じられます。
 不定冠詞aが出てきたら、細胞を想像して、書き手が何を言いたいのか具体的に考えてみてください。

<具体例waterでの解説>
 There are two waters around Kunashiri island.
 waterは物質名詞ですから、複数形はないはず、そうですよ。でも a water, waters, the water, the watersもあるのです。「水域」という意味の場合です。「国後島周辺には二つの水域があります」、A水域とB水域です。ロシアとの協定で、入漁料を支払って安全操業できる水域が定められています。

<目的語が文頭に置かれた節構造>
 もうひとつ、こちらは構文がちょっと複雑なものがありましたので、紹介します。ひとりKYさんがちゃんと見抜いていました。いいえ、彼女は空気は読めます。(笑)

  From a small start --- just a simple e-mail requesting used book donations --- Room to Read has grown into a well-kown nonprofit organization.  It has established over 14,000 libraries, distributed over eleven million books, and built more than 1,500 schools improving the lives of over six million children in Asia and Africa.  These figures are updated regularly and show what a big differnce those involved are actually making.

  本を寄付してほしいというささいなe-mail、そんな小さなことから始まりました。「読書室」という名称の非営利組織は拡大を続けて有名になりました。14000を超える図書室を開設し、1100万冊以上の本を運び、そのうえ1500もの学校を建てたのです。その学校がアジアやアフリカの600万人もの子どもたちの人生によい変化を起こしています。

 太字の部分の主語はthose(=children)なのです。what以下の句はmakeの目的語で、それが強調のために前置されただけなのです。通常語順に書き直してみます。

 These figures show those involved are actually making what a big difference.
「これらの数字を見ると、アジアやアフリカの子どもたちが非営利団体である「読書室」の活動の影響下に入れられることで、(そうではなかった以前の状態に比べて)大きな違いが生じていることが明らかです」
 感嘆文の構造になっていますが、日本語にしづらいですね。「なんと大きな違いが生じているのでしょうか」なんて文では日本語としてつながりません。プロの翻訳者ならここをどう料理するのでしょう。コンパクトな日本語に置き換えるというのは至難の業ですね。

 元の文を語順通りに訳してみると、
 「これらの数字はなんと大きな違いを表していることか/アジアやアフリカの子どもたちが(「読書室」の活動に)包摂されている大きな違い/実際に(大きな違いが)生じている」
 このように、語順通りにチャンクを理解したのでは、文意がつかまえきれません。そういう文もあるということです。makingの後に空所□があり、what以下がmakingの目的語になっていると見抜いたのは一人だけだったのも無理のないことです。半年後には全員がこういう文をスラスラ読んでいることを期待しています。

 読み書きが子どものころからできるようになるのとそうではないのでは、人生に大きな違いの生ずることはモノの道理です。


<人生の選択>
 有名企業の役員を辞して、海のものとも山のものともつかぬ未知の領域にジョン・ウッドは足を踏み入れました。そうした彼の行動は彼女の理解をえられず、別れることになります。お金や地位に弱い女性が多いのも当たり前のことです。誰もがいい暮らしをしたい。明日が見えない生活を共にしようなんて女性は滅多に現れません。また、未知の領域に足を踏み入れて、成功する男も稀です。
 

 そこで、4人の女子高生に、「あなたがジョン・ウッドの恋人なら、どういう選択をしますか?」と尋ねてみました。
 ●「ついていきます」
 ●「別れます」
 ●「将来性の見込める男なら一緒に苦労してもいいな」
 ●「彼氏はいないだろうから私は関係なし」
 予想通りに判断は別れました、各人各様、それでいい。いまはそう思っているということ。
 あ、今日は3年生が一人参加していましたから、メンバーが4人です。


にほんブログ村


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。