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#4644 川上小児科医院来年2月閉院 Nov. 3, 2021 [26. 地域医療・経済・財政]

 10月30日付北海道新聞16面根室地域版から。
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川上小児科医院の来年3月に閉院
 外来は1月末まで
【根室】市内唯一の小児科開業医の川上小児科医院(朝日町2)が来年1月滅で外来診療を追え、2月20日に閉院する。
 川上恒紀(つねのり)院長(75)は根室出身で、市立根室病院小児科をへて1985年4月に開業した。学校食卓いや根室市医師団理事長なども務めた。閉院後、市内の小児科は市立根室病院のみになる。
 川上院長は閉院の理由に自信の年齢を挙げ「根室にいますので、できることがあればやりたい」と述べ、地域医療に協力していく考えを示した。(黒田理)
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 川上小児科医院で受診していた患者は市立根室病院小児科へ通院することになる。市立根室病院小児科は小堤先生と竹内先生の2人体制である。産科が再開されているから、小児科に余裕があるわけではない。小堤先生は川上小児科院長と年齢がほとんど一緒のはず。
 当然、市側は小児科医を探しているだろう。
 川上小児科医院の過去三年間の外来患者の人数を調べたら、受け入れキャパのあるなしはすぐに判断がつく。いや、データなんぞ見なくても、根室に住んでいればわかることだ。川上小児科の外来患者数をヒアリングしておいた方がいいのは、今後どのような状態になるのか、シミュレーションの基礎データが必要だから。
 小児科医を招聘するのは病院側(市側)の仕事だがたいへんだ。別海町立病院で小児科医を招聘するのに、国内ではいなくて上海まで探したという。
 もうひとつ問題がある。コンビニ受診を減らす努力を市民側がしなければならないということ。
 兵庫県立柏原(かいばら)病院では、小児科が閉科になりそうになった時に、市民がネットワークをつくって、コンビニ受診を減らす努力をした。その活動は「柏原病院小児科を守る会」の活動としていまも続いている。
 こういう会ができて、市民の側が小児科医が来やすい体制をつくる努力も大切だ。それがあれば、市側の小児科医招聘活動もしやすくなる。それぞれが自分たちにできることをやらなければ地域医療は守れない。

 小さいお子さんのいるお母さんやお父さん、小さな孫のいるババやジジも無関係ではいられない。かわいい子どもや孫が発熱してぐったりしても、小児科が常時込み合っていたら、すぐには診てもらえない事態がありうる。
 わたしは眼科しか利用していないが、とっても混んでいる。

 それそれ自分たちができることをやらなければならないと書いたが、小さなお子さんのいるお母さんやお父さんは、「市立根室病院小児科を守る会」ができたら、参加することだ。市立病院は医師招聘活動をすると同時に川上医院の外来患者数を過去3年間にわたって調べ、2月以降、市立病院小児科がどういう状況になるのか公表して混乱を小さく収めたらいい。

 小さな私塾をしているわたしにできることは、この地域から医学部進学志望の生徒の手助けをすることだ。幸い、3月に根室高校から国立旭川医大へ一人現役合格者が出せた。国立大学医学部なら、学費は6年間で360万円ほどしかかからないから、大学進学させることのできる家庭なら、学力さえ高ければ国公立大学医学部進学は経済的負担が小さいことを知ってもらいたい。
 3月に現役合格した生徒は小5の1月4日から学習塾での勉強をスタートさせた。少し無理があるので4年生からスタートすれば、もっと楽に現役合格できる。根室には1学年に3-5人はそういうレベルの生徒がいる。

 北大以上の難関大学に合格可能な資質の生徒は人口の5%で、しっかりしたシステムで、長期教育戦略に基づいて勉強すれば、そのうちの半数が実際に合格できるだろう。根室には1学年180人ほど生徒がいるが、5%は9人である。そのうちの半数は国公立大医学部に現役で合格可能だ。
 川上先生のように、地元出身の医師が市立病院で仕事してから開業すれば、長くこの地域の医療に貢献してくれる。2年に一人は地元から国公立大学医学部へ現役合格者を出せたら、根室の地域医療の未来は明るい。これも地域住民による多様な自助努力の一つ。無理はしなくてもいい、自分にできる範囲のことを誠実にすればいいだけ。



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