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#1102 まちづくり議論白熱(中標津) July 10, 2010 [87.根室の話題]

 隣町の中標津町が町都市計画マスタープランづくりをやっている。地域別ワークショップが8日町総合文化会館で開かれたと、10日道新朝刊根室地域版が伝えている。
 ワークショップは次のような位置づけで開かれた。

 「10人ほどの11グループに別れた参加者は地域の地図を広げ「運動公園の周りに体育施設を集中すべきだ」「標津川沿いにサイクリングロードを」「病院、買い物用の小型バスが必要」などと、さまざまな意見を出した。議論は白熱し、予定時間を越えた
 今後、2度のワークショップを重ね、同プラン策定委員会が来年1月に原案を作成。意見公募を経て長町の諮問機関・都市計画審議会に諮り、2月ごろ決定する予定だ。」

 100人を超える町民が総合文化会館に集まり、11グループに分かれて何時間も議論してマスタープランを議論する。実に活気に溢れた光景ではないか。
 根室と対照的なやり方である。根室なら諮問委員会が市側が作成した案を承認するだけである。それで市民の意見を聞いたことにして、実質的な市民参加はゼロとなる。

 病院建て替えにかかわる市民整備委員会がその好例だろう。市議会建て替え特別委も同様である。一度でも市の文化会館で100人規模の市民参加を募って意見を聞いたことがあるか?ない。市長は市民説明会すら開いていない。
 実に閉鎖的なやり方が「根室方式」である。諮問委員会の委員は町のいわゆる「名士」で名誉職である。町の将来ビジョンなどさらさらないだろう。一部に例外的な方がいるかもしれないが、大方は町の外へはほとんど出たことのない人々で、知的レベルも同世代の中ではせいぜい真ん中。わたしは団塊世代の狭い幅の先輩・同期・後輩しか知らないが、その世代では假説ではなく事実である。いいところも挙げておくと、地元に残った人々の中に人柄のよい人たちが多いことだ。
 しかし、このような閉鎖的な意思決定のやり方を戦後六十数年続けてきたから、根室の町は衰退し続けている。ことは人柄の問題ではなく、閉鎖的な市政運営システムにある。

 例は他にもある。たとえば医信伝心ネットワークだ。経済団体が主体となってイベント中心の活動をやっている。
 これと好対照をなすのが丹波柏原病院*の「小児科を守る会」の例だ。前に採り上げたが、小児科がなくなることに危機感を感じたお母さんたちが立ち上がった。コンビニ受診の自粛活動など医師と相談してパンフレットを作り活動の輪を広げ、なくなる寸前だった小児科の存続に成功した。根室は半ば「官製」、そしてイベント中心の運動である。似て非なる運動だ。ホームページ等のURLを書いておくので、興味のある人は読んで欲しい。
 もう二つ例を追加したい。根室は町づくりのマスタープランが実にマズイと思う。運動公園と青少年体育館は3キロも離れている。北方領土関連施設の「ニホロ」はなぜか海岸から離れた原野の只中にぽつんと孤立してある。納沙布からも遠い。どういう利用の仕方をするのか具体的なイメージがないままに、建物だけをその時々の都合で配置したようにしか見えない。いったいこの町に町づくりに関するマスタープランがあるのか?だれがどういうやり方で決めたのだろう?
 高校配置問題についても似たようなことがある。「~検討委員会」という公式機関があるがこれとは別に「~保護者の会」がある。市教委がこの会のアンケート調査(回収率30%にみるように、地域経済の将来に関わる重要問題にも関わらず市民の関心は低い)に協力しているので、いったい市はどの機関で何を検討しようとしているのか方針がわからない。市議会でもその点を質問した市議がいた。そのことは市議会を傍聴した折のブログに書いた。道教委が13日(火)夜7時から総合文化会館で説明会を行うという、どうして日曜日にやらないのか?
 高校配置問題については「~保護者の会」の意見が新聞にも載っていたので近々採り上げる。失礼ながら、本質論を外した愚論に見える。根室の教育を何とかしたいという志があるなら、関係者はコメント欄で反論してほしい。いろいろな立場の市民によるオープンな議論が必要だ。


 共通して云えることは、市側と一部の「閉鎖的な」民間団体や市長の諮問機関が市民とかけ離れたところで意思決定をしているということだ。

 町をつくるのはそこに住む市民である。根室にも健全な意見をもった市民は少なからずいる。バランス感覚や分析力・総合判断力などを欠いた閉鎖的集団あるいは閉鎖的民間団体のみが市政に関わってきた時代にそろそろ終止符を打ちたい。

 一般市民が町づくりの意思決定に参加できない根室がよくなるわけがない。市政の意思決定システムから変えなければ根室の町はよくならない。9月の市長選挙で長年続いた意思決定システムにサヨナラできなければ、根室は夕張市と同じ轍を踏むことになるのだろう。

 中標津と比べてみればよくわかる、市民の無関心と無能な歴代市長と一部の「名士」たちが結託した恣意的な市政運営が根室の長期的な衰退の原因のひとつをなしている。戦後一貫して人材を都会に供給し続けたために、人材の枯渇も町の衰退に拍車をかけた。
 共産党を除く全員与党体制の市議会もそういう市政と意思決定システムを後押ししてきた。「政治改革特別委」が招聘したNPOの理事長の指摘を待つまでもなく、市政批判を欠いた市議会などあって無きがごとしだ。
 市民は市政に関与しよう、市政に関心をもとう、根室の町をよくするのはそこに住む者たちの責任だ。

*柏原病院小児科を守る会
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%8C%E7%AB%8B%E6%9F%8F%E5%8E%9F%E7%97%85%E9%99%A2%E3%81%AE%E5%B0%8F%E5%85%90%E7%A7%91%E3%82%92%E5%AE%88%E3%82%8B%E4%BC%9A

 柏原病院小児科医を守る会のブログ
 
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