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#4348 秋サンマ、わずか600kg:対策は人材育成=教育問題に行きつく Aug. 24, 2020 [89.根室の過去・現在・未来]

 標題は8/24北海道新聞朝刊1面の記事の見出しである。
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秋サンマ、わずか600キロ 
    棒受け網漁 厚岸で初水揚げ

 【厚岸、根室】道東沖サンマ漁の主力となる棒受け網漁の中型船(20トン以上100トン未満)1隻が23日、釧路管内厚岸町の厚岸漁港で初水揚げした。別の中型船3隻も24日朝までに同港に水揚げ予定だが、4隻合わせても量はわずかに600キロ余りの見通しだ。過去最低の漁獲量だった昨年でも初水揚げは同港などで計約40トンあり、極めて厳しい幕開けとなった。  厚岸漁港にはこの日午後1時半ごろ、第21福長丸(49トン)が戻り、サンマの入った発泡スチロール製の魚箱100ケースを水揚げした。通常は魚槽のサンマをたも網ですくい、岸壁に移すが、量が少ないため、魚箱に入れて水揚げした。
 川崎元太郎漁労長(39)は「初水揚げなのにわずかな量で残念だ。今後頑張りたい」と話した。各船は主漁場のロシア200カイリ水域で魚群が見当たらず、同港から約1500キロ離れた公海で操業したという。  厚岸市場によると1匹110~120グラムが中心で「例年より細い」という。初競りは24日朝に行われる。  棒受け網漁は10日の小型船を皮切りに、15日に中型船、20日に大型船の出漁が順次解禁された。小型船は水揚げゼロで、大型船はまだ帰港していない。サンマ水揚げ量日本一の根室市・花咲港では中型船も23日までに水揚げがない。(武藤里美、山村晋)

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 NHKお昼のニュースでは、浜値の最高値は11,000円/㎏である、一尾120gとすると1400円昨年の5倍の高値、今日だけは高級魚の仲間入りだ。

 花咲港への大型船の水揚げはこれからだが、日本一のサンマ水揚げを誇る花咲港も似たようなことになるのだろう。昨年に続いて原料が高いだけでなくて少ないのでは、見切りをつけて廃業する水産加工業者がでそうだ。根室の水産業にとっては、新型コロナ騒ぎどころではない。鮭鱒流し網漁が禁漁となり、秋刀魚が不漁では、大量に獲れてお金になる魚種がついになくなりそうだ。根室の水産業界は根本から変わらざるを得ないところへ追い詰められている。

 EEZ(200海里以内:排他的経済水域)では魚影が見つからない、1500kmも離れた漁場へ行ってもたったこれだけでは燃料のA重油代にもならない、赤字操業である。かつては日本領土だったアッツ島(占守島)は根室から1500km東にあり、いまは米国領だ。その付近までいっているということ。米国のEEZのすぐそばまで行って漁をしているようだ。

 サンマ資源回復のために、そのうちに秋刀魚の全面休漁の国際協定を結ばざるを得ないところまで追い込まれるだろう。こういうことを先読みして、働きかける水産関係者が育っていない。漁業組合は数多あるが、スケールの大きい仕事を担える人が育っていないことを自覚すべきなのだろう。

 このように、資源の未来を予測し、どうしたいか、どうすべきか、必要な人材についても育成の具体的な方途を考える時が来ている。

 脂の乗った180g/尾のサンマはいまでは夢幻(ゆめ・まぼろし)となった。わずか10年前にはそうしたサンマがふんだんに獲れて、根室市民の食卓に載せられていた。だから、「サンマは好きでない」という子どもたちが多い。旬の時期になると、脂の乗ったサンマを毎日毎日飽きるほど食べさせられていたからだ。脂の乗った新鮮な焼きサンマが夕餉にでると、「今日もサンマか」、何と幸せなボヤキであったことか。

 団塊世代のわたしは、小学生のころ大きなタラバガニをたらふく食べたから、お店で売っているタラバガニを見ても食べたいとは思わない。小学生のころ秋になるとふんだんに食べたタラバガニをいま小売店で買ったら、5万円以上する。贅沢三昧をしていたということ。当時はあたりまえと思っていた。時期になると獲れすぎて、罐詰に処理しきれず捨てていた。昭和30年代は冷凍設備が貧弱だったからだ。日本合同罐詰の4工場では処理しきれないタラバガニを大きいのを選んで、工場で働いている人たちに家へ持って帰って食べることを認めていた。工場の現場長は貴重な原料を捨てるに任せるのは忍びなかった。処理しきれなくても獲ってきたのである。
 そして大きなタラバガニはもう30年以上前にほとんどが姿を消してしまった。いま、サンマがタラバガニの後を追っている。根室の水産業界関係者はこの60年間で何を学んだのだろう?
 課題を担えそうな人材群は高校を卒業すると根室を出て行ってほとんど戻ってこない。少数でいいから、こうした長期的な戦略を立てて解決しなければならぬ課題を担える人材が戻って来てほしい。根室の地元財界人はまことに人材の層が薄っぺらだ。村社会をつくって閉鎖的なコミュニケーションに終始しているからだろう。視野の狭い小物が何人集まろうと現実の力にはなり得ぬ、じり貧に追い込まれるだけ。
 地元経済界と市政が、そろいもそろって60年間にわたって、教育や学力をそして経営改革を軽視してきた結果だと思うよ。そろそろ方針を変えて、しっかりした町を創ろう。
 市議会文教厚生常任委員会のみなさんは何か提案がないのかね?もちろん、市教委や教育長も考えなければいけない重要なことだと思うが…

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8/26 根室花咲港に大型漁船(100t超)が2席戻ってきた。水揚げ量は6t、昨年の1%だというから、1/100である。
浜値は6900円/kg、昨年の6倍の価格。…NHK正午のニュースより。

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