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#3784 アリとキリギリス④:水とトイレの中間まとめ July 18, 2018 [12. 自然災害への備え]

 11時の気温は15.8度、北風2.8m/s、いいサイクリング日和である。牧の内Bコース18㎞を走ってきた。走行時間は56分、信号がないから軽快に走れる。17日ぶりのサイクリングだった。

 ところで、3回にわたって災害時の水とトイレの問題を論じてきた。上下水道の本を十数冊読んだ技術者のよっちゃんことSさんが専門的な観点から具体的な問題を指摘してくれたことで、どこに問題があるのかわたしにも整理がついてきた。これまでの議論でえられたところを箇条書きにしてみたい。

①避難所に井戸を掘って、カランを20個ほど用意しておくこと
②電動ポンプと手動ポンプを設置しておく⇒最悪のケースでは昼間だけ動けば良しとする
③ソーラパネル+小型の風力発電装置+蓄電装置の設置およびこれらの出力と容量計算をしておく
④トイレは仮設トイレで様式のものを備蓄しておく
⑤野ぐそ併用をする
 小さなシャベルで穴を掘ってそこにウンチして、土をかける⇒小型のシャベルが必要
 庭があれば庭にする。
⑥仮設トイレが埋設タンクを設置して水洗化可能かどうかを検討する
 タンクからの汲み取りと汚物処理の作業フローを描いて、災害時に一貫処理ができるかどうか検討すること

 屎尿処理施設は化学プラントのようなもの、どうやら屎尿(しにょう)処理の仕組みを理解しないといけないようだ。これを災害時に動かすにはどうしたらよいのか、電気の確保だけではすまない、プラントを操作する技術者もいなくてはならない。

 いま西日本で起きている豪雨災害をみても、飲み水や食事の支度の水、洗い物の水など水の問題が大きい。これを緩和するには非常時用の井戸を避難所に掘っておくことで緩和できそうだ。
 次に排泄の問題だが、これは簡単にはいかない。下水が普及するまでは汚水を流せないからそれを前提に処理フロー図を書いてみなかればならない。一番良いのはHNさっちゃんが提案してくれたように「野ぐそ」である。その都度、小型シャベルで小さな穴を掘って野グソしてその上に土をかぶせたら、ウンチは数日で微生物に分解されてしまう。この方法が使えないのは冬である。地面が50㎝くらいの深さまで凍結しているのでアウトだ。冬は別途考ておかないといけない。

<余談:深刻な災害ごみの問題>
  テレビで西日本集中豪雨災害のごみ処理問題を取り上げている。たとえば床上70cmの浸水だと、家財道具が使い物にならなくなり、数日で悪臭を放ち始め、とても1階には住めないという。災害ごみの投棄場所はすぐに満杯になり、遠いところがごみの投棄場所に指定される。ところが運搬手段がない。産廃業者はてんてこ舞いだが間に合わぬ。平穏な生活は災害によって想像を絶する悪環境のただ中での暮らしへと変わる。
 ゴミ焼却場もオーバーフローだ。災害ごみはいたるところに投棄され、処理が終わるまで何か月も悪臭を放つ。災害時用の簡易焼却炉と災害地へ緊搬送するための船舶と車両開発が必要だろう。既成のコンテナに収まるようなモジュールになっており、現場で組み立てられたら優れものだろう。
 こういうところへ政府予算を使ってもらいたい。

 四百年に一度の根室沖巨大地震による津波被害で、沿岸の家屋が被害に遭ったとして、その瓦礫で燃えるものは、内陸部の市町村のごみ焼却場へ輸送して焼却処分すればいい。そのほうが簡単だ。運送費と焼却費用は政府予算で賄うルールを法律で規定してしまうのが混乱がなくていいだろう。

参考:
<バイオトイレの仕組み>
バイオトイレはおが屑が入っており、それを攪拌して55度くらいまで温めて微生物で分解すると同時に水分を飛ばすようになっています。電源の確保が必要条件ですね。
*バイオトイレの仕組み
http://seiwa-denko.co.jp/civil.html
管理する


*屎尿処理の仕組み
http://www.ikouiki.or.jp/seisou/shinyo-shikumi.htm

ウィキペディアより
https://ja.wikipedia.org/wiki/し尿処理施設

*#3777 四百年に一度の巨大地震(78%)が来ても水道は大丈夫? July 4, 2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-07-04

*#3780 アリとキリギリス:西日本豪雨災害⇒死者203人、不明50人近く July 14, 2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-07-14

*
#3782 アリとキリギリス②:水とトイレの災害対策 July 16, 2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-07-16

*#3783 アリとキリギリス③:大災害時の下水処理の問題 July 17, 2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-07-17


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よっちゃん

瓦礫は、たいてい埋め立てにして処分しています。神戸の港も、阪神淡路大震災時の瓦礫で拡張されました。燃えるもの、燃えないものの分別はしてなかった、できなかったんじゃないかな。
by よっちゃん (2018-07-18 23:14) 

よっちゃん

飲水の確保は重要です。災害用井戸が公園、学校など公共施設にひとつずつあるといいですね。井戸水も汚染されている恐れがあるので、一家に一個簡易浄水器を常備しておくとよいでしょう。我が家も買いました。

by よっちゃん (2018-07-18 23:20) 

さっちゃん

災害の時こそ堂々と野糞しましょよ。
確実スコップ持って簡易囲いで下を隠して、穴を掘って、用を足したら土に埋めるだけ。完全に土に埋めれば匂いもしませんよ。
一箇所に集めるという発想を捨てて、分散するという発想の転換が必要です。
そもそも糞とは何だと思っておりますか?
参考サイトをご覧ください。
ミクロワールド「獣の糞 土に還る秘密」
https://www.nhk.or.jp/rika/micro/shiryou/2013_033_01_shiryou.html
便論糞ぷん
http://nogusophia.com/category/benron/page/3

by さっちゃん (2018-07-19 00:10) 

さっちゃん

出た〜バイオトイレ〜!?
どこまでアホなんだろか。
目の前に壮大なる自然というバイオトイレが広がっているのに、わざわざエネルギーを浪費してまでそんなもの作る必要あるのかな?
生命の根本である有機物をわざわざ無機物に変えてどうするの?
自然から頂いた命は自分の命(ウンコ)で返しましょうね!


by さっちゃん (2018-07-19 01:01) 

ebisu

よっちゃん

もっと昔を顧みれば、横浜中華街も関東大震災ででた瓦礫の処分に困って海へ投棄してできた埋め立て地です。
なるほど量が多すぎるから、海への投棄=埋め立ててしまうのがベストかもしれません。

簡易浄水器はもっておいた方がいいですね。わたしも買っておこう。
個人個人のこうした災害対策のあるなしが、それぞれの災害後の生活の質に大きく影響しそうです。
by ebisu (2018-07-19 08:34) 

ebisu

さっちゃん

面白い情報ありがとうございます。野グソの話を誇らしげに語る人に初めて出会いました。出会いに感謝!

NHKの小学理科「ミクロワールド」「獣の糞土に還る秘密」も面白いが、もっと傑作なのは「糞土師」まっちゃんのブログです。
1974年以来実践しているところがすごい。

半数くらいは災害時に野グソできるかも。そのときまでに野グソに対する意識を変える努力も必要ですね。

園芸用のスコップと簡易囲いをもっていって野グソする、根室はそういう適地が市街化周辺地域ではたくさんみつかります。私有地だからいろいろ問題はありますが、事前に解決しておけばいい。

バイオトイレの仕組みを見ましたが、55度に電気で温めなければ分解できないので、災害時に使えるものではありません。気長に常温分解できるような製品の出現をまちますか、当座は役に立たない。調べないと判断がつきません。

糞土師のまっちゃんが書いてましたが、冬場は分解が進まない。茨城県の冬ですから、根室はずっと厳しい。雪の歩道を犬を散歩させて途中でうんこをたれると春まで溶けません。日が照って雪解けがはじまると、うんこはそのまんまで現れます。
糞が糞開始内冬に根室沖巨大地震と高さ20mの津波が来ないことを祈ります。土も凍結しているので掘れません。根室は年間の約半分は冬ですから。

by ebisu (2018-07-19 08:59) 

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